角翔太郎が2022年ぶりの優勝
小雨のブチ走路で開始した最終日は雨が強まった時もあったが、第10レースには走路が回復して第12レースの決戦も良走路でおこなわれた。
先行争いがカギになると話していた角翔太郎が、スタート巧者である五所淳の内枠から鋭く飛び出した。
試走の周回中に前に目標がいないためタイムの出にくいとされる1号車で、角は7車中トップタイの試走3.29秒を計時。レースでもそのスピードを発揮して後続とのリードを一気に拡げる。同期の山本将之がレース中盤に2番手へ上がったが差が詰まる気配はない。同じく試走タイム3.29秒の松尾啓史が猛然と追い上げてきて最終3コーナーで山本将を捌いて2着。
角は自己ベスト3.351秒に迫る3.352秒の好時計で6周回を逃げ切り、デビューから通算3度目の優勝を手にした。
文/鈴木
4度目のスピードキングをめざす鈴木圭一郎
開催時期によって「秋のスピード王」と銘打たれる回もある「第65回スピード王決定戦」、かつて3連覇した実績を持つ鈴木圭一郎が前節の浜松デイレースを3戦3勝の完全Vと勢いに乗ってきた。
金子大輔は年明けの川口デイレース優勝戦でその鈴木圭を破って4戦4勝の完全V。川口~前節浜松とスタートの切れ味を増している。
本大会ディフェンディングチャンピオン佐藤貴也の前節は、伊勢崎G1準決勝戦3着のあと最終日に勝負強い走りで1着。試走タイム2秒台が出ていたのでスピードアップできている。
川口勢は佐藤摩弥が今月14日に川口デイレース優勝。直近に出走した浜松開催は先月に初日・2日目と連勝しており、車を早くマッチさせることが期待できる。
永井大介は前節の地元川口は準決勝戦が急な雨に見舞われて苦戦したが、初日の良走路において試走・本走とも好時計をマークしていて状態は悪くないはず。
永井と同じレースを戦い準決勝戦4着にとどまった若井友和は、翌日の最終日をやはり好タイムで圧勝している。
上和田拓海、浜松走路と相性がいい掛川和人のムードが良くなってきている。
有吉辰也は地元飯塚ナイター優勝戦は別府敬剛の勢いに屈したが、近況は順調に推移。浦田信輔は昨年後半と比較すると勝ち星を挙げるペースが上がっている。中村杏亮は浜松決勝で鈴木圭に捌かれたものの喰い下がり反撃する姿勢を見せていて、伸びは劣っていなかった。
早川清太郎も底力は上位の選手だが、浜松では以前から活躍する機会が多くなかった。ただ昨年10月のG2と11月のSG日本選手権では何度も2連対を果たしており、整備のコツや走路特性を掴めて徐々に相性が上向いてきた可能性がある。
ランキングA級では地元車に勢いのある選手が多い。花田一輝、米里崇徳、前節浜松の準決勝戦で高橋貢の追撃を振り切った柴田健治、2節前から本走タイム3秒台を連発している中村友和、近況ハンデ位置が有利で逃げ冴えている鈴木健吾、最近は試走タイム2秒台を量産している西翔子、元旦の走り初めを本走タイム388秒でブッチ切り快勝した筒井健太などは、S級車に太刀打ちできる車速の持ち主だ。
栗原佳祐がG1初出場。デビューしてまだ1年弱という若手ながらSG・G2の出場を早くも1度ずつ経験しているようにスピードもレースセンスも非凡であり、排気量の少ない2級車でもメンバー構成とスタート~レース序盤のこなし方によっては、1級車を駆る先輩の強豪たちへひと太刀浴びせるシーンを生み出せるかも。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-3(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-4(29期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-6(31期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-11(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-18(24期)〕
木村 武之〔浜松 S-21(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-25(29期)〕
栗原 佳祐〔浜松 A-4(36期)〕
文/鈴木
吉松優輝が完全優勝を達成!
飯塚ミッドナイトの優勝戦は重走路で行われた。レース展開は0ハン単騎から水口寿治が逃げ粘り、新村嘉之がマークする展開で周回が重ねられた。3番手に付けていた吉松優輝は様子をうかがっていたが、まずは新村を捲りで交わすと、返す刀で水口のインに切り込んだ。そして、そのまま後続を振り切り歓喜のゴールを迎えた。
初日と準決は良走路で1着。優勝戦は重走路になったものの、しっかりと対応してみせた。レース展開も決して楽ではなかった。前では2車の動向が読みづらいし、すぐ後ろでは田中輝義が隙をうかがっていた。それでも、落ち着いて勝負どころを探し、それをモノにしてみせた。吉松優はこれで通算4度目の優勝。選手としての総合力をアップし一歩一歩、着実に成長している様子が感じられる。
松尾啓史が総合力の違いを見せる!
準決は重走路で行われたため正味のエンジン比較は難しい。初日の動きの方が参考になりやすい。そこで強烈なタイムを叩き出したのは松尾啓史。優勝戦のメンバーを見渡しても実力は断然で、優勝戦は当然の本命に挙げられる。
前節からの成績を含めて8連勝中なのは泉田修佑。10線に4車並んだ大外に置かれているが、スタート力には定評があるので先行も十分。その場合には松尾啓に対し先手の攻めで優勝もあるか。2節連続で完全Vを目指す。0ハン両者の比較はスタート力も加味して五所淳を重視。一発力があるのは山本将之。序盤で好位置を取れればチャンスある。穴なら林弘明。10線最内から枠ナリに出れば、巧腕を発揮できる。
◎ 7 松尾啓史
○ 6 泉田修佑
△ 2 五所淳
△ 5 山本将之
▲ 3 林弘明
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