完璧なレース運びで桝崎陽介が深夜の王者に!
山陽オートで行われていたGIIミッドナイトチャンピオンカップは、飯塚の28期・桝崎陽介の優勝で幕を閉じた。試走タイムから他を圧倒し、鋭いスタートを決めて絶好の展開を作ってみせた。そして、自身2度目の記念タイトルを獲得した。
良走路で行われた優勝戦の試走は桝崎が一番時計で27。次いで藤岡一樹、前田淳、滝下隼平、丹村飛竜が29、長田恭徳が32、角翔太郎が33だった。
0ハン単騎の角はしっかりスタートを決めて逃げに入った。10線は桝崎が先行。藤岡が最内から踏ん張り、前田が3番手発進。滝下はやや遅れて、長田と丹村が重なって出る。
序盤から先頭を走っていた角だが、すぐに桝崎がジカ付けしてくる。そして、3周目に入るあたりで桝崎が角のインに突っ込んでいく。先頭に立った桝崎は後続を引き離しにかかる。後ろでは前田も角を差して2番手に立っていた。3番手に下がった角は藤岡に詰め寄られていたが、なんとか粘り切り3着入線。丹村は速い流れに苦しみ5着の結果だった。
優勝した桝崎は見事な走りだった。やや不安視されているスタートを枠ナリ発進以上に決め、自ら好展開を作れた。角を交わすところも慌てず騒がず、冷静にきっちり差していけた。連日、試走タイムが出ていて、優勝戦でも一番時計を叩き出す調整ができていた。上がりタイムは驚異の3・324。走路温度4℃で、スピードが出やすい条件ではあったが、その状況を生かし結果を出してみせた。今年はここまで3節を走り、その全てで優出。更にその内2回は優勝。充実しまくっている。実父・桝崎正さんの息子としてデビューした桝崎陽介。成長に伸び悩み、苦しむ時期もあったが、遅ればせながら今年は大きな飛躍の年になるかも。
岩見貴史、有吉辰也がツートップを形成!
前回の飯塚ミッドナイトは岩見貴史の優勝で幕を閉じた。今回もその岩見は参戦し、連続優勝の可能性もあるが、他にも気配上々の選手が多く参戦。優勝争いは簡単なものではなくなる。
その岩見は絶好調。前走で不安定走路の優勝戦を制していたし、その前の開催でも優出していた。試走タイムもまずまず出ており、武器のスタートも決まっている。走路状況に左右されない走りは大きな強み。このままの勢いで今回も活躍しそうだ。
S級の参加は3人の予定。その中でランクトップは森本優佑。今年に入り11走消化しているが、いまだに白星はない。試走タイムはそこそこ出ているものの、レースでは追い込みきれないケースが多い。エンジン的にもう少しアップさせて、今節で今年初白星を挙げたいところ。実力的には有吉辰也の方が上。前走の伊勢崎GIIでは予選道中から走りが良く優出。優勝戦は5着だったが、エンジンは高い位置にある。スタートや捌きも今回出場する中では最上位。地元で走るのは今年初になるが、存在感を存分に示しそうだ。鐘ヶ江将平は今年2節を消化。エンジン的には悪くないという部類。持ち味の力強い走りを披露できる。
岩見が優勝したレースには木山優輝と稲原瑞穂も乗っていた。木山は1度、先頭に踊り出たものの岩見に競り負け、結果的には3着入線だった。ただ、今年はすでに16走消化しており、車券に絡めなかったのは3回だけ。エンジンを高い位置で保てている。前回は最重ハンの10M前だったが今回はどうか。ハンデ据え置きなら今回もチャンス。稲原瑞は前回が自身初優出となった。ゆっくりとではあるが、着実に走力を付けておりこの後も楽しみな選手だ。
川口裕司も再び成長を見せている。前々走ではフライングをしてしまったが、元々スタートは巧い選手なので、同ハンから先行するシーンが多く見られる。スピード面でも強化が図れている。同期の藤川竜も近況は上位着でまとめられている。白星こそ少ないが、2着や3着に絡むケースが多い。堅実さでは越智尚寿。前走の伊勢崎GIIでは準決3着で惜しくも優出はならなかったが、シリーズ中は5走して4回は車券に貢献できている。
外来A級では浅香潤が有力。前走の地元GIIでは初日にフライングをして勝ち上がり権利を喪失したが、シリーズ中は1着2本、2着2本と好走が目立っていた。スピードはある方なので、最重ハンの選手を振り切ることも十分可能。中野光公や鈴木将光も前走の地元GIIでは随所に見せ場を作れていた。
※2月1日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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森本 優佑〔飯塚 S-26(31期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-27(25期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-44(31期)〕
木山 優輝〔飯塚 A-7(33期)〕
岩見 貴史〔飯塚 A-18(29期)〕
越智 尚寿〔飯塚 A-33(25期)〕
川口 裕司〔飯塚 A-65(34期)〕
浅香 潤〔伊勢崎 A-50(23期)〕
鈴木圭一郎を中心に展開されそうなシリーズ!
今回の浜松オートは4日間の一般開催。S級の参加は多くないが、全国ランク1位の鈴木圭一郎が登場。シリーズの中心を担うが、他にも優勝争いに名乗りを挙げる選手はいる。
鈴木圭一郎は今年に入り2節走っている。川口では初日から連勝で優出4着。前走の浜松では初日から連勝で優出2着。まだ優勝はないが、予選準決は全て1着を取っており、エンジン状態は良い。準優勝だった優勝戦では試走23をマークしていた。今節も異次元の走りを見せるだろう。
地元S級は他に3人参戦予定。佐藤貴也は前走の伊勢崎GIで準優勝。今年はまだこの1節しか走っていないが、そこでは5走して全て車券絡み。レース間隔は空いているが、良い状態で今回に入れるので初日から快進撃を見せそう。鈴木圭に対抗する一番手はこの佐藤貴だ。渡辺篤は前走の準決で被害があり落車。最終日は7着だったが、試走は29出ており、落車による大打撃はなさそう。エンジン以外の部分もしっかり修正して、自分の走りを見せたい。青島正樹は前走の地元では白星がなかったが、試走タイムはそこそこ出ており、エンジン的には戦える状態にある。
外来S級は内山高秀と松尾啓史の予定。内山は今年に入り、好成績が続いている。前走の地元GIIでは予選準決で3勝を挙げて優出。優勝戦は3着だった。スタートの切れは良いし、レース道中もスピードに乗れている。乗り手の方も自信を持って走れている様子で頼もしい。松尾啓は前走の川口で優出。優勝戦ではスタート後に被害があり落車した。準決までの動きは良かったので、落車による悪影響がなければいい。
A級では花田一輝が前走の飯塚ミッドナイトで優出していた。優勝戦は不安定な走路で4着だったが、予選準決の良走路はオール連対ができていたようにエンジンは良さそうだった。スタート面でもう少し改良が図れれば、オートレーサーとして大化けする可能性を秘める一人。今後の走りに注目だ。同じ優勝戦には木村享平と内山雄介も乗っていた。木村享は車体不良で欠車になってしまったので、初日の試走には注意が必要。内山は5着。ただし、スタートは切れていたし予選準決の動きは良かった。岩崎亮一も気配はまずまず。前走の伊勢崎GIIでは試走タイムが出ていたし、最終日は白星。今はA級にランクされているので、ハンデ位置的に恩恵がある。車券的には狙い目だ。
B級では西翔子が楽しみ。1級車に乗り換わった前々走の地元では優勝していたし、前走も最終日はまくり一本で4人抜きして白星。更なる飛躍が見込める。浜松では今節から新人36期がデビューする。その中では栗原佳祐が養成所で最優秀賞を獲得しており、デビュー戦は注目が集まる。
※2月1日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-13(29期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-34(31期)〕
青島 正樹〔浜松 S-35(22期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-14(26期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-48(26期)〕
花田 一輝〔浜松 A-4(33期)〕
岩崎 亮一〔山陽 A-12(25期)〕
丹村飛竜が完全優勝を目指す!
山陽オートで行われているGIIミッドナイトチャンピオンカップは優勝戦のメンバーが出揃った。角翔太郎の健闘があったため、優勝戦のハンデ構成は0、10のハンデ戦。0ハン単騎に角翔太郎。10線は内から藤岡一樹、桝崎陽介、前田淳、長田恭徳、滝下隼平、丹村飛竜となった。
スタートを含めたレース序盤の想定だが、0ハンの角はしっかり残して出そう。10線は最内の藤岡が先行。その外もほぼ枠ナリ発進と見ているが、もしかしたら前田や丹村がダッシュ良く飛び出すかも。
いきなり逃げに入れる角だが、最後まで先頭をキープできるかは疑問。今節の自身の上がり最高タイムは準決の371。数字として素晴らしいが、10M後ろの選手たちはもっと良いタイムを出している。更に8周戦の経験も乏しい。レース中のどこかで後続に交わされてしまいそう。その一番手は藤岡。10線最内と位置は絶好。スタートも先行しそうで、角を序盤からマークして走れる。エンジン的にも悪くなく、角に仕掛けるタイミングを図りながら先頭を奪取しそうだ。
その後は藤岡が逃げる展開で有利になりそうだが、当ブログでの本命には丹村を挙げる。丹村は今節負けなしの4連勝中。10線大外から枠ナリのスタートになっても力強く追って行けるし、桝崎や滝下を置いて出る可能性もありそう。その場合はもっとレース展開が楽になり、優勝チャンスがぐっと高まる。この大会2度目の優勝を完全Vで決めそうだ。
相手は桝崎。スタートはやや微妙な面あるが、6車並んだ内から2番目なら位置は良い。しっかりと枠ナリに出れば、レース展開がかなり有利になる。準決の上がりタイムは丹村に次ぐ2番時計。前節の優勝から好調を維持できている。逆転があれば桝崎だ。次に前田。準決では見事な速攻を決めてみせたように、優勝戦もトップスタート、もしくは2番手スタートを決めるようなら優勝争いに参加できる。今大会は過去に制したことのあるタイトル。相性としては良い大会だ。そして藤岡。角を追って走りやすい位置。元々、独走は得意なタイプなので、早めに角を交わして一人で走れる展開になれば楽しみがある。最後に角。先述したように8周戦で不安要素はあるが、10線勢が競り合うような展開になれば、その間に大きなリードを作って粘り込むかも。
◎丹村飛竜
○桝崎陽介
△前田淳
△藤岡一樹
▲角翔太郎