青山周平が3年ぶりにオールスター制覇を狙う!
平成最後のSG準決が終わり、令和初めてのSG優勝戦が行われる。オールスターの優勝戦らしく、通常のSGとはやや違った顔ぶれとなった。特に目立ったのは黒川京介。33期の中でSG優出一番乗りとなった。
準決は徐々に走路状態が変わる難しい条件でのレースになった。9Rは重走路での競争になったが、10Rでは水気が引き、11Rはブチ走路。そして最終12Rは、ほぼ良走路で行われた。
重走路の9Rは序盤の仕掛けが決まった高橋貢が圧勝し、2番手で粘っていた内山高秀が佐藤裕二の攻めを抑え切って優出を確保。10Rは荒尾聡が速攻を決め逃走。西原智昭がインコースを守っていたが、最後は吉原恭佑がイン突っ込み2着を奪取。ブチ走路の11Rは先行した佐藤貴也を青山周平が一発で交わし独走。佐藤貴は2番手を保てず前田淳がゴール前でチョイ差しを決めた。12Rは10Mオープンの最内から黒川が飛び出し、後続をブッチ切った。2番手に付けた早川清太郎を捌いた中村雅人だったが、丹村飛竜が執念の追い込みで2着ゴールとなった。
優勝戦当日は雨の予報も出ており、良走路と重走路の両方でレース展望をしておく。
まずは良走路から。今シリーズで最も白星が多いのは黒川だが、初日は最重ハンの10M前で走っていた影響が大いにある。連勝発進だったが、ハンデが重くなった3日目は5着。準決はスタート決めて再び1着。タイムは申し分ない3・345。いきなりの独走に入れれば、このタイムを裏づけにSG初優出で、初優勝の快挙も十分ある。ただし、今回の優勝戦は0Mオープン。準決までとは展開が変わってくる。今回は2枠だが、内枠には百戦錬磨の高橋貢、一つ外には青山、更に外には全国屈指のスタート力を誇る荒尾が控えている。スタート争いがどうなるか。
この優勝戦では3枠から青山が先行しそうだ。今節は初日、2日目に2着とはいえマズマズのタイムを出している。青山の走りの真骨頂は、後続を引き離す独走というよりはインを抑え込んで粘るスタイル。タイムはそこまで望めなくても、後続を苦しめる走りができる。今回の優勝戦では捌きが強烈な選手はいない。高橋貢くらいか。そこで、スタート先行から逃げ粘るとみて青山を本命に推す。
対抗は黒川。スタートを含め序盤の展開には注文が付くが、仮にトップスタートを決めてしまえば大金星もあるだろう。3番手には高橋貢。スタート行けるかどうかは微妙だが、1枠ならバックストレッチで好位に潜り込める。そこからは経験豊富なハンドル捌きで上位進出を狙ってくる。そして、丹村。6枠は楽ではないが、近況はメキメキと、力と自信を付けている。10周回になるのはむしろ好材料。SG初優勝しても全くおかしくない技量が身に付いている。最後に荒尾。やはりスタート力は脅威で、4枠ならばトップ旋回もあるだろう。そこからはイン封じ込んでの粘りの走りが見られるかも。
良走路
◎青山周平
○黒川京介
△高橋貢
△丹村飛竜
▲荒尾聡
次に重走路の展望。今節はレース番によっては重走路で走っていない選手もいるので比較は難しいところだが、準決での高橋貢の走りを見ると流石の一言。インコースしか利かない走路状況でも、前を走る内山を外から交わしてしまうあたり、熟練の巧腕を垣間見た気がする。重走路ならスタート争いでもそこまで遅れないだろうから、レース序盤で先頭に立つ可能性は高い。
相手は荒尾聡。重走路の連対率では常に高い数字をキープしており、スタート力を加味すると主導権を奪って押し切るまでも十分。青山はスタートこそ行きそうだが、近況の重走路での実績はイマイチ。これがSGなどの大舞台になるとそれが顕著になる。むしろ、枠は遠くても丹村や吉原の方が、レース後半の追い込みがありそう。黒川も重走路を苦にする方ではないが、なにぶん経験の浅さから不安が残る。ただし、スタートをある程度決めてくると一気にダークホースになり得る。
重走路
◎高橋貢
○荒尾聡
△丹村飛竜
△吉原恭佑
▲黒川京介
SGオールスターの裏開催はミッドナイトレース!
今回のミッドナイト3日間開催は、昼間にSGオールスターが開催されており、その3日目から始まる。昼はSGレースを楽しみ、その勢いのまま、夜はミッドナイトレースで興奮できる。メンバー構成が手薄なところで、虎視眈々と優勝を射程に捕える選手は誰か。
今回出場する中で最も勢いがあるのは新村嘉之。前走の山陽GIでは初日からオール連対の準優勝を達成した。その前の節までは全くいいところがなかった新村だが、このGIでは大化けしたかのような走りを連発していた。元々、成績は散発傾向にある選手だが、それにしてもGIでオール連対は素晴らしい内容。このエンジン状態が続けば、今回は優勝候補の筆頭に挙げられる。
次いで調子がいいのは井村淳一。前走もミッドナイトで優勝戦まで進んでいる。レース間隔が空いておらず同じ走路、同じ時間帯で走れるのは大きなアドバンテージ。連続優出を狙って初日から激走してくるだろう。
前走で優出と言えば片岡賢児。浜松一般開催で優出し4着に入った。初日に白星を挙げると、シリーズを通して上々のエンジン状態を保っていた。同じ開催では青山文敏も奮戦を見せていた。準決こそ4着で優出を逃したが、それ以外の3走は全て連対。以前からの武器である速攻に期待できる。
伊勢崎の竹本修も前走で優出していた。優勝戦は8着だったが、予選道中はしっかりと着をまとめていた。ただし、この開催では最重ハンの20M前に置かれていた。以前は最重ハンで走っていた同選手なので、それまでが不調だったからとはいえ、このハンデ位置は展開が楽すぎた。今回からハンデ重化も考えられるが、もしもハンデが据え置きなら積極的に狙ってみたい。
他では捌き巧者の牧野貴博、堅実な走りができる戸塚尚起、スピードを生かしたパワー駆けがある今田真輔などにも注目して見てみたい。B級ではあるが新井裕貴、鈴木啓示などはツボに入るとペースが上がるタイプなので、早めに先頭に立てるような展開では警戒したい存在。
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主な出場予定選手
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井村 淳一〔飯塚 A16-(28期)〕
田中 輝義〔飯塚 A-57(29期)〕
新村 嘉之〔飯塚 A-67(27期)〕
片岡 賢児〔飯塚 A-188(21期)〕
戸塚 尚起〔伊勢崎 A-59(24期)〕
林 弘明〔山陽 A-79(24期)〕
牧野 貴博〔川口 A-91(24期)〕
今田 真輔〔浜松 A-154(29期)〕
第38回SGオールスターオートレース開幕!
昨年のオールスターは飯塚オートで行われ、浜松の佐藤貴也のSG初制覇で幕を閉じた。SGの中でも同タイトルは、この大会制覇を皮切りに快進撃を続ける傾向が高い。果たして、今年のオールスターを制するのは誰か。
昨年覇者の佐藤貴也は近況も絶好調。前走の山陽GI平成チャンピオンカップでは見事な走りを披露し、同大会を初めて制覇した。スタートのキレ、独走力、後続に抜かせないコース取りと全ての面において一流と言える。今回は地元の浜松で開催。オールスター連覇へ向け、態勢は整っている。
今回の地元浜松と言えば全国ランク1位の鈴木圭一郎。こちらも現在絶好調。前走の地元4日間の一般開催は、初日から全て1着の完全優勝を達成した。その前の山陽プレミアムカップで落車した不安を払拭している。今回のオールスターは2017年に制しており、2度目の栄冠へ向け視界は良好。同じ浜松地区では金子大輔、木村武之といった実力者に加え、鈴木宏和や中村友和、渡辺篤といった若手の部類の突き上げも著しく、選手層が分厚くなっている。外来勢を迎え撃つ態勢は万全だ。
昨年のオールスターで準優勝だったのは飯塚の篠原睦。SG初制覇を目指すべく、戦いに挑んだが佐藤貴の前に力及ばず2着だった。それでも長らくエンジンを高い位置で維持できる能力に加え、武器のスタート力や雨走路での走力は健在。今回こそ昨年のリベンジといきたい。飯塚地区では浦田信輔が、やや復調ムードにある。前走の山陽GI平成チャンピオンカップで優出を果たした。全盛期ほどの迫力は戻っていないが、随所で浦田らしい捌きが決まっている。他にも速攻力がある荒尾聡や、追い込みに定評がある田中茂などに期待できる。現在はA級ではあるが、有吉辰也の調子が上がっている。前々走の地元GIIを制すと、その後の山陽GI平成チャンピオンカップでも優出。SG3Vの猛者が完全復活をかけてくる。
その有吉と同期の永井大介は、飯塚GIIの優勝戦で落車していたが、その後の地元4日間の一般開催で初日から3連勝を決め準優勝。落車の悪影響は全くない。この優勝戦には大木光、山田達也、森且行、佐藤裕二なども乗っておりエンジンは上々。捌き巧者・中村雅人は前走の山陽GIでは優出できなかったが、今年はプレミアムカップを制するなど調子は悪くない。
昨年のオールスターで優勝戦3着だったのは高橋貢。前走の地元開催では珍しくフライングをしてしまったが、4走中1着が3回。更にその前の飯塚GIIでは準優勝だったのでエンジン状態は良さそうだ。昨年のオールスターで優勝戦4着だったのは青山周平。青山は前走の山陽GIで優出し3着。シリーズ中は、全て車券に絡む安定感だった。SG初優勝を狙う早川清太郎は、前々走の地元で優勝。その後の山陽GIでは振るわなかった。早川は地元で強い反面、遠征ではイマイチなことが多い。今回はその課題を克服できるか。
近況は以前ほどの選手層ではなくなった山陽地区。ただし、丹村飛竜は山陽エースとして、エンジンが並以上に仕上がれば強烈な攻めを見せられる状態。ここ数節の仕上がりがいいのは松尾啓史の方。前走の地元GIではそこまででもなかったが、それまでは全選手の中でも1、2を争う仕上がりを見せていた。その時の動きが戻れば、悲願のSG初制覇が見えてくる。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-9(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-15(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-13(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
深夜に熾烈な優勝争いが演じられそう!
この開催の直後にSGオールスターオートレースが控えている関係で、今回はS級選手が不在。A級とB級の49選手で優勝を争う3日間のミッドナイト短期決戦。普段は優勝から遠ざかっている選手にとって絶好のチャンス。優勝争いは激しくなりそう。
今回出場する中で最もランクが高いのは地元の越智尚寿。前走の山陽GIではイマイチだったが、今回のようなメンバーなら十分上位争いに加われる。走りの特徴は、良くも悪くも堅実な印象。大駆けするタイプではないが、しっかりとインを突いて徐々に番手を上げてくる。格としては同じくらいなのは山陽の五所淳と川口の阿部剛士。五所は、現在のランクはA107位だが、S級にいても何らおかしくない実力の持ち主。今回のメンバー的に主力になり得る存在だ。阿部はエンジンを高い位置で保てる選手。今回は最後方からのレースになるが、じっくりと追い込んでいきそう。
近況の調子がやや良いのは田中正樹、鈴木一馬、高橋義徳といった山陽GIからの合流組。GIの舞台でも2~3回は連に絡んでいた。田中正は安定感が出てきて、鈴木一は一発力が魅力、高橋義はハンデ位置を生かしての逃げ残りに期待できる。
直線の伸びが良いのは本門延唯、亀井政和あたり。レース序盤の展開に注文は付くが、軌道に乗り出すとスピードを増してくるタイプ。落合淳は現在、最重ハンの20M前が定位置で成績が安定している。一時期は最重ハンからのレースをしていたので、この位置から走れる限りは連対が増えそう。
B級ではあるが、清岡優一は近況の走りにスピードと粘り強さが出ている。後続からの攻めにも簡単にはやられない状態。町田龍駿は、走り自体は安定しないが大駆けがあるタイプで、人気薄になるなら積極的に狙ってみたい一人。
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主な出場予定選手
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越智 尚寿〔飯塚 A-9(25期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-16(28期)〕
田中 正樹〔飯塚 A-55(29期)〕
阿部 剛士〔川口 A-19(27期)〕
田中 哲〔伊勢崎 A-58(28期)〕
高橋 義徳〔伊勢崎 A-140(28期)〕
五所 淳〔山陽 A-107(23期)〕
町田 龍駿〔飯塚 B-10(32期)〕
佐藤貴也が平成最後の平成チャンピオンカップ制覇!
山陽オートで行われていたGI第25回平成チャンピオンカップは、浜松の29期・佐藤貴也が熱戦を制した。走路温度が40度まで高まる中、序盤で好位置に付けられたのが大きな勝因。これで佐藤貴はGI4つ目、記念タイトルは9回目の制覇となった。
試走タイムは青山周平が一番時計の30、これに佐藤貴、伊藤信夫、渡辺篤が続き31、若井友和が32、有吉辰也と浦田信輔が33、新村嘉之が大きく数字を落として36だった。
10Mオープン戦で肝心のスタート争いは、最内の新村が先行。これに有吉と佐藤貴が乗って行く。他では大外の青山がマズマズのスタートを切ってみせた。
1周3コーナーでは有吉が新村のインを狙うも、新村が強引に抑え込む。これで逆に有吉は番手を下げてしまう形。2番手に躍り出たのは佐藤貴。その後、数周は新村が軽快に逃げるが、佐藤貴がマーク追走からタイミングをうかがう。そして5周目でついに佐藤貴が新村のインに突っ込み、これが功を奏しそのままゴール。3番手に付けていた青山も新村を抜きにかかるが、最後まで番手が入れ替わることはなく3着入線。4番手以下はレース中盤から動きがないまま終わってしまった。
昨年にSGオールスターを制してからの佐藤貴は、ハンデ位置が厳しかろうが相手が強かろうが、好成績を残し続けている。インからインで回る走法を完全に身に付け、状況によっては外から捲っていくこともある。スタート力は全国屈指で、これから走路温度が上がってくる時期になると、これは更に有利に働いてくるハズ。スタートを決め、インを高速で回る走り。これには他の選手も苦心させられるだろう。記念タイトルをまだまだ積み上げていきそうだ。