青山周平が執念の走りで日本選手権初制覇!
第50回SG日本選手権は伊勢崎の青山周平が、早めに先頭に立つとインを抑え切り見事に1着ゴール。日本選手権のタイトルを初めて奪取した。上がりタイムは3.392。決して早い数字ではないが、気迫のこもった魂の走りで勝利をもぎ取った。
5レースの発走前に雨がパラつき一時はブチ走路になっていたが、優勝戦までには完全に走路が乾き良走路。試走も30近辺の数字が並んでいた。
スタートを決めたのは4枠の青山周平。これに2枠の篠原睦が続き、大外の丹村飛竜が3番手に付ける好ダッシュ。1周を回る頃には青山を差して丹村が先頭を奪取。1回は一番前を走る展開になったが、すかさず青山がやり返す。ここに中団の競り合いを制した若井友和が2番手に付ける。インを抑える青山に対し、若井も気力では負けてなかった。仕掛ける態勢を何度か作りかけるがイン入るまでは行かない。そうこうしているうちに最後方から早川清太郎が怒涛の追い込みを見せ、3番手に付ける。エンジン的には余裕ありそうだったが、青山と若井が重なり仕掛けどころを見いだせない。しかし、なんとか早川が若井を交わすと、青山との一騎打ち状態に。それでも最後まで青山を交わすまでは行かず2着ゴール。青山が押し切ってみせた。
青山はこれでSGは4度目の優勝。この日本選手権は初めて制することになる。表彰式では笑顔を弾けさせてみせた。今年はSGオートレースグランプリを制し、乗り手のリズムも悪くなかった。節間を通してスタートが切れており、選手権を制するのに条件は整っていた。試走タイムも一番時計を出し、オッズ的にも一番人気に押された。その重圧も見事に跳ねのけての快走。青山らしい走法で栄冠をつかみ取った。これで青山は全日本選抜を残しSGグランドスラムに王手。
近年のSG優勝戦では、ここ10数年の勝ちパターンとは違う内容が目立っている。早めに先頭に立った選手がブッチ切りの独走ではなく、先頭を走る選手の後ろで渋滞が起きていて、最後まで優勝者が分からないレースが多い。好きなレース展開は人それぞれだが、今回のようなレースは最後まで興奮できるので楽しい。青山や佐藤貴がそういった走りをするので、オートレースの魅力の引き出しが増えてきてると言える。