久門徹が地元勢を鼓舞するか!
約一ヶ月ぶりの開催となる飯塚ミッドナイトレース。今回はS級が5人参戦予定。いずれも前走はSG日本選手権で、納得いくシリーズにはならなかったので、このミッドナイトで調子を戻したいところ。
地元S級は久門徹、桝崎陽介、高宗良次の3者。久門は4日目に2着があった以外は大きな着が続いていた。試走は連日3台前半で、SGでの戦いでは物足りない数字だったが、一般開催なら問題ない値。相手も大幅に軽化されるので、今回はシリーズリーダーとしての活躍を見せてくれそう。
桝崎はSGで5着以下はなく3回は車券に絡めていた。試走も30近辺が出ていて、最終日には27をマークしていたのでエンジン自体はそこまで悪くはない。桝崎の場合はスタートがそこまで早い方ではないので、オープン戦よりも今回のようなハンデ戦での追い込みに存在感を発揮できるタイプと言える。成長株の高宗は、SGで強豪たちに揉まれていた。それでも良走路なら試走3台前半は出ていたので、ひと皮向けた姿を地元ファンに見せたい。
外来S級は西原智昭と伊藤信夫。西原はSG初日が8着、2日目は1着だったもののフライングを切ってしまい早々と失権となってしまった。しかし、3日目と4日目も1着を取り、シリーズで3勝を挙げていたのでエンジン面は心配ない。フライングを切った悪影響さえなければいい。と言っても今回はスタートにそこまで勝負を賭ける必要のないハンデ戦。スピードに任せた走りで上位に進出してくるハズ。伊藤信はSGの2日目に1着。それ以外はイマイチだったが、その前には地元で連続優出があったように、乗り手のリズムは悪くない。
A級では松尾隆広、田中進、穴見和正などに注目。松尾隆は前走の地元で優出し6着。予選道中も良い追い込みができていたので今回も期待できる。田中進は前走では優出できなかったが、その前の節ではしっかりと優出。スピードある捲りで番手をどんどん上げていく。穴見は前走の地元3日間開催でオール3着。マズマズだったが、その前の2節は連続優出。インベタの変わらぬ走りでファンを魅了する。
B級では佳元光義が好調。前走の山陽はそこまでではなかったが、その前までは1着も多く、車券の対象になっていた。また、浜松の青嶋裕治は、安定して成績を残せる方ではないが、時折り見せる大駆けで高配当を提供する事があるので注意したい存在。
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主な出場予定選手
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久門 徹〔飯塚 S-24(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-35(28期)〕
高宗 良次〔飯塚 S-37(32期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-19(28期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-29(24期)〕
森谷 隼人〔川口 A-3(29期)〕
松尾 隆広〔飯塚 A-12(28期)〕
田中 進〔飯塚 A-16(27期)〕
日本選手権Vの青山周平が凱旋!
今回は4日間の一般開催で、地元勢がメインの選手層。その中でも最も勢いがあるのは青山周平。川口で行われていたSG日本選手権を制しての凱旋レース。今回もシリーズの中心になるのは間違いないが、他にも好調な選手がおり、簡単に連続優勝とはいかないか。
先述の青山はSGで見事なレースを披露した。優勝戦は後続から仕掛けてくる選手をことごとくシャットアウト。執念の走りで初めてのタイトルを手に入れた。他のレースも3日目のスーパーライダー戦で4着だった以外は全て1着。最高の状態で地元に帰ってきた。
SG優勝戦で青山を脅かす存在になったのは早川清太郎。準決では猛烈な追い込みを見せて優出ゲット。優勝戦でも最後方からのレースになりながら、豪快な捲りを連発させて番手を上げていった。残り3周を残して2番手に立つと、青山に猛チャージをかけたかったが、内側にいた若井友和がいい所を走っていた影響もあり、青山を交わすまではいかず準優勝。しかし、早川らしい走りはアピールできており、今回はそのリベンジを果たしたいところ。
高橋貢は、SGでは3日目を終えてエンジン上々だったが、準決では力を出すことができず7着。それでも最終日は2着に入っていたので、エンジン面はそう悪くない。青山の勢いを止めるべく獅子奮迅の活躍を見せるか。SGでは新井恵匠も気配は良かった。エンジンはずっと好調だったが、準決では8枠からのレースになり、鋭い追い込みを見せたがさすがに展開が厳しかった。ただし、エンジンも乗り手の状態もいい方の部類だ。
吉原恭佑や内山高秀も随所に見せ場を作っていたが、エンジンは仕上がり切らず納得のいくSGシリーズにはならなかった。岩田行雄もエンジンが並で苦しそうなレースが続いていた。
外来S級は4人の予定。いずれも前走のSGでは思うような結果を出せていない。それでも別府敬剛はシリーズ中に1着が2本。松山茂靖は3日目に落車があったものの、こちらも1着2本。鈴木清と渡辺篤は未勝利に終わった。ただし、今回のような一般開催なら主役を張れる技量はある。
S級以外では、新井淳がSGの後半3日間全て1着。スタート力を存分に発揮していた。山陽の山本智大は、前走のGII若獅子杯で1着2本を含む全てのレースで車券に絡む活躍。伊藤正真と高橋絵莉子は新人戦で優勝戦まで進んでいた。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-4(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-10(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-14(30期)〕
鈴木 清〔川口 S-18(23期)〕
松山 茂靖〔浜松 S-36(26期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-38(31期)〕
別府 敬剛〔飯塚 S-39(23期)〕
小林悠樹、猿谷敦史に優勝後の勢いあり!
今回の山陽オートは3日間開催。直前に川口でSGが行われている関係で、S級とA級上位の選手は不在。A級中堅以下とB級による戦いになるが、前走で優勝してきた選手を含め、好調な選手が散見されるのでバトルは白熱しそうだ。
今回開催地となる山陽で、出場する中でランクトップは長田恭徳。成長著しいとまではいかないが、レースを重ねるごとに着実に力を付けている印象で、追い込む展開でも番手を上げていけている。前走の若獅子杯では後半2走がともに2着。エンジン的にはマズマズの状態にある。
ランク的には五所淳や緒方浩一も上位。ただし、近況は波に乗れていない様子で、何かをきっかけに上昇の機運を掴みたい現況。穴見和正は好調の部類。前々走の川口で優出すると、その後の伊勢崎でも優出し3着。それも4日間のシリーズで全て車券に絡む活躍。最重ハンの10M前に置かれている影響も大きいが、本人のリズムも上がってはいるハズ。他では吉松憲治が前走の浜松で良さそうな動きを見せていた。
今回、浜松勢は好調な選手が多い。その筆頭は小林悠樹。前走の飯塚で優勝してきた。4日間シリーズでオール連対の安定感。武器であるスタート力を生かし、早めに逃げ態勢を作るのが勝ちパターン。優勝戦でも先頭に立つと佐藤裕児の追い込みを振り切ってみせた。その優勝戦には仲口武志と石貝武之も乗っていた。仲口は初日から1着を3本重ねて優出。優勝戦は途中で追い込みの足が鈍ってしまったが、積極的な姿勢は垣間見えた。石貝はスタートが冴えており連日、好展開を作れていた。エンジン的にもソコソコ良い。また、新人の花田一輝は飯塚で行われていた新人王戦で、実質の優勝戦である決定戦まで進出していた。そこでは4着だった。
伊勢崎勢もおおむね好調。猿谷敦史が前走の地元開催で優勝。こちらも4日間シリーズでオール連対の大暴れ。その前の節の浜松でも優勝戦に進んでおり、まさに絶好調。早めに独走に入れる展開なら持ち味を見せ付けてくる。芝崎茂信、矢内昌木、中村浩章なども同じシリーズで何度も車券に絡んでおり、エンジン的には戦える動きをキープしている。
川口勢は小林瑞季が前走の若獅子杯で優出。その前から何節も好調が続いている。飯塚勢はB級ではあるが佳元光義のエンジンが仕上がっており、近況は好成績でまとめている。
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主な出場予定選手
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長田 恭徳〔山陽 A-36(32期)〕
五所 淳〔山陽 A-37(23期)〕
緒方 浩一〔山陽 A-47(30期)〕
穴見 和正〔山陽 A-69(12期)〕
小林 瑞季〔川口 A-15(32期)〕
小林 悠樹〔浜松 A-153(28期)〕
猿谷 敦史〔伊勢崎 A-181(25期)〕
花田 一輝〔浜松 A-192(33期)〕
青山周平が執念の走りで日本選手権初制覇!
第50回SG日本選手権は伊勢崎の青山周平が、早めに先頭に立つとインを抑え切り見事に1着ゴール。日本選手権のタイトルを初めて奪取した。上がりタイムは3.392。決して早い数字ではないが、気迫のこもった魂の走りで勝利をもぎ取った。
5レースの発走前に雨がパラつき一時はブチ走路になっていたが、優勝戦までには完全に走路が乾き良走路。試走も30近辺の数字が並んでいた。
スタートを決めたのは4枠の青山周平。これに2枠の篠原睦が続き、大外の丹村飛竜が3番手に付ける好ダッシュ。1周を回る頃には青山を差して丹村が先頭を奪取。1回は一番前を走る展開になったが、すかさず青山がやり返す。ここに中団の競り合いを制した若井友和が2番手に付ける。インを抑える青山に対し、若井も気力では負けてなかった。仕掛ける態勢を何度か作りかけるがイン入るまでは行かない。そうこうしているうちに最後方から早川清太郎が怒涛の追い込みを見せ、3番手に付ける。エンジン的には余裕ありそうだったが、青山と若井が重なり仕掛けどころを見いだせない。しかし、なんとか早川が若井を交わすと、青山との一騎打ち状態に。それでも最後まで青山を交わすまでは行かず2着ゴール。青山が押し切ってみせた。
青山はこれでSGは4度目の優勝。この日本選手権は初めて制することになる。表彰式では笑顔を弾けさせてみせた。今年はSGオートレースグランプリを制し、乗り手のリズムも悪くなかった。節間を通してスタートが切れており、選手権を制するのに条件は整っていた。試走タイムも一番時計を出し、オッズ的にも一番人気に押された。その重圧も見事に跳ねのけての快走。青山らしい走法で栄冠をつかみ取った。これで青山は全日本選抜を残しSGグランドスラムに王手。
近年のSG優勝戦では、ここ10数年の勝ちパターンとは違う内容が目立っている。早めに先頭に立った選手がブッチ切りの独走ではなく、先頭を走る選手の後ろで渋滞が起きていて、最後まで優勝者が分からないレースが多い。好きなレース展開は人それぞれだが、今回のようなレースは最後まで興奮できるので楽しい。青山や佐藤貴がそういった走りをするので、オートレースの魅力の引き出しが増えてきてると言える。
早川清太郎が悲願のSG初優勝へ力走を見せる!
節目の第50回目となるSG日本選手権オートレースも優勝戦のメンバーが出揃った。実力者と若手が入り乱れた準決は、激しいレースが多かった。その中で優出を勝ち取った8選手により覇が争われる。
まず準決第一弾の9Rでは池田政和が魅せた。序盤の競り合いを制すと、先頭に立ってからは一人旅。これでもか、と後続を引き離した。2日目から3連勝の池田は、久々にSG優勝戦に進出した。2着には佐藤貴也が入った。加賀谷建明、荒尾聡、新井恵匠らとの死闘を制しての価値ある優出。ただ、スタートは切れているものの、優勝戦で争うにはエンジン的に厳しそうだった。
10Rでも劇的な結末が待っていた。大外からカマシを決めた青山周平が逃げ切る。2番手に付けた佐藤摩弥が、猛追してくる松尾啓史をなんとか振り切り2着ゴール。自身初となる、そして女子レーサー初となるSG優出となった。
佐藤摩弥優出の興奮そのままに11Rも盛り上がった。トップスタートの篠原睦は逃げ切り。2番手争いは鈴木宏和が岩田裕臣を交わし粘っていたが、若井友和が永井大介を差して猛追すると、ついには鈴木宏をも捕えて2番手確保。先頭を走る篠原にまで詰め寄ったが2着でゴール。地元のファンを沸かせてみせた。
12Rは早川清太郎が魅了した。トップスタートの丹村飛竜を鈴木圭一郎が終始、攻めあぐねる。そうこうしているうちに早川が怒涛の追い込みを見せる。鈴木圭を交わし2番手に立つと、そのまま丹村をも交わしてしまった。同大会3連覇を狙っていた鈴木圭は、惜しくも準決で散ってしまった。
優勝戦に乗った8人の中でスタートが切れているのは佐藤貴、青山、佐藤摩、篠原の順か。丹村がまずまずで、若井と池田、早川は普通くらい。優勝戦のスタート争いは青山と佐藤貴あたりが有力。ただ、どちらも準決ではエンジンが一杯一杯の様子。逃げ切るまではどうか。
当ブログでの本命には早川を推す。スタート争いは微妙だが、外枠ではないので4~5番手までには付けてこれるだろう。そこからの追い込みとなるのだが、準決4個レースの中で、一番エンジンに余裕がありそうだったのは早川。8周回をフルに生かしていた。SGの優勝戦で10周戦になるのが最も好材料として働くのは早川だ。仮にもっといいスタートが切れれば、それだけ展開が楽になる。スタートでそこまで行けなくても、強烈な追い込みで上位に進出してくるハズ。
相手は青山。エンジン的には不足気味だが、スタートで好位置を取れそうなのは魅力。インを締め上げる走法で、後続を完全にシャットアウトしてしまうかもしれない。そうでなくても2、3着には粘り込む可能性は大。次に池田。今節の池田は2日目から絶好調。スタートは行けなくても道中で落ち着いて捌いて行けている。周回が延びる優勝戦は、それだけチャンスが増大するという事。久々の大舞台だが、選手としての実績は申し分なく、得意の川口走路で復権してくるかもしれない。そして佐藤貴。今節はエンジンが仕上がり切らず、苦しいレースが続いているが腕一本でしのいでいる。優勝戦に向けての大整備がありそうで、エンジン急上昇させるなら優勝争いにまで参加できるスタート力を誇っている。
最後に佐藤摩。初めてのSG優出となり10周戦でのスタミナに不透明な部分は多いが、準決では青山よりもエンジン的に余裕がありそうだった。全選手中トップ10までには入るスタート力を発揮し、序盤で逃げ態勢を作れるようだと必死の粘り込みがありそう。他にも追い込みが光っていた若井や、スタート次第ではチャンスありそうな篠原や丹村も見せ場を作ってくるか。
◎早川清太郎
○青山周平
△池田政和
△佐藤貴也
▲佐藤摩弥