SGオートレースグランプリ開幕!
SG第19回オートレースグランプリが伊勢崎オートで開催される。9月の開催なのでナイターレースになる。出場選手は前回優勝者・永井大介。S級の選手。昨年の7月1日~今年の6月30日までの間にGIを制した選手、通常開催で優勝戦に進んだ選手で優勝戦ポイント上位の選手となる。豪華なメンバーになるので当然、レースも盛り上がる。地区ごとに有力選手を挙げていく。
まずは開催地区の伊勢崎。絶対王者・高橋貢はこのところ昇り調子。ひと頃の軽いスランプを脱出し、完全に復調している。現在8節連続優出中で、3節連続優勝中。その中には今回の条件に似ている地元のナイターGIも含まれており、当然の優勝候補筆頭に挙げられる。地元ランク次位は早川清太郎。前走の地元GIでは優出するなど、近況の推移はマズマズ。3番手は田村治郎。成績の安定感には欠けるが、時折り大駆けがあるタイプで注意したい。
現在、最強地区は船橋。ランク筆頭の中村雅人は好調キープ。今のところ7節連続優出中で、その内5節で優勝。今年はオート界新記録の15連勝を決めており、エンジンの安定感はピカイチ。対照的にややエンジン状態がムラなのは永井大介。ただし、2節前に「ビズビム」号に乗り戻ってからは、かつての迫力ある走りが戻りつつある。ムーンライト準優勝も、今回に向けて弾みを付けるハズ。SG初制覇に最も近い存在は青山周平。1級車乗り替わり直後の勢いはないが、近況は成績が良くなってきている。他にも船橋勢は内山高秀、池田政和、西原智昭など高い戦力を誇っている。
飯塚地区も選手層は厚い。精神的支柱・浦田信輔は変わらずエンジンは好調。雨走路も多少は良くなっているが、やはり良走路で威力を最大に発揮できるタイプ。近況も山陽のGIIの優勝戦で3着。予選道中は全て1着という安定感。車券的にも信頼できる選手である。篠原睦も安定感では負けてない。前走の山陽GIIでは、1着を3本重ねて迎えた準決で3着だったが、シリーズを通して3連対は外していない。荒尾聡はここ一番で勝負強い選手。スタートの切れは相変わらずなので、今回のような短ハンデ戦が向いている。別府敬剛もエンジン上昇中。あとはスタートでどこに位置付けられるかがカギだ。
山陽のS級陣は、ほとんどの選手が前走は地元のGIIだった。そこで見事優勝したのは浜野淳。エンジンはマズマズの状態にある。今回の伊勢崎はかつて最も得意としていた走路。ナイターでの実績もある。佐々木啓もエンジンは高い位置で安定。前走のGII優勝戦では、優勝した浜野に迫る動きを見せていた。こちらも安定感は代名詞になりつつある。レース後半のタレもほとんどない。技巧派・岡部聡や松尾啓史も戦える状態にあるし、前田淳と藤岡一樹などの大駆けタイプも常に注意したい存在。
浜松勢も近況は充実している。次期全国ランクトップが決まっている金子大輔も機力は安定。前走の地元開催でも1着を3本重ねて優出。木村武之はこのところエンジンがややムラな傾向あるが、大事な場面ではキッチリと仕上げてくる。伊勢崎との相性も悪くないので活躍が期待できる。佐藤貴也も最近では全国ランク1桁を保っている。スタートの早さに加え、攻めの果敢さが最大の持ち味。多少、困難な展開でも切り開いて行ける力強さがある。同じく速攻タイプでは青島正樹、笠木美孝がいるし、スピードタイプでは伊藤信夫が控えている。
最後に川口地区。現時点で最も勢いを感じるのは大木光。前走の地元でも1着を3本重ねて優出。イン一本の強烈な攻めが決まっている。スタート力も上向いているので、今回のような短ハンデ戦でも力を発揮できる。ランクトップは佐藤裕二で、こちらもスタートは切れているので連に絡めそう。森且行、若井友和の25期はもう少し。それでも戦えないレベルではないので、エンジンの上積みに期待。青木治親や平田雅崇の29期は少しずつ良くなってきている。
期別で注目なのは32期。同期でトップの鈴木圭一郎は、31期の青山に次いでSG初制覇に近い存在。日に日に能力を高めて行っている。他で元気が良いのは浜松の中村友和と鈴木宏和。中村は早くも2回優勝しており、乗り手の自信へと繋がっている。益春菜は前走での落車が心配されたが、その後のレースを見る限りではそこまで悪影響はないか。地元の吉原恭佑と松本やすしはいつも以上に気合が入る。B級ながら小林瑞季と小栗勝太の走りにも注目したい。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
中村 雅人〔船橋 S-1(28期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
浜野 淳〔山陽 S-10(24期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-16(24期)〕
個性豊かな選手達による競演!
今回は直後にSGが控えている関係でS級選手は不在。A級とB級選手による戦いだ。実力的に突き抜けている選手はいないので、誰にでも優勝のチャンスがある。
参加する選手は地元の飯塚が最も多い。ランクトップは桝崎陽介。エンジンはこのところ安定している。前走の船橋開催でもしっかり優出。試走タイムに忠実なレース内容が多いので、試走が出たときは信頼して買える。森本優佑もエンジンが良い。前走の浜松では優勝戦まで進んで4着。優勝戦は雨だったが、それまでのレースの良走路はハイペースの走りができていた。いつ初優勝を決めてもおかしくない状態だ。阿部仁志もここ何節も好調が続いている。課題のスタートがもう少し良くなれば、こちらも初優勝が見えてくる。鐘ヶ江将平や細野俊介は、スピードを活かした走りで活躍が期待できる。佐藤裕児も緩やかだが、確実に成長を見せている。中原誠は成績に大きなムラがある選手。狙うならアタマからか、着外にしたい。
外来勢では山本智大が3連勝中と好調。前走の伊勢崎GIは、前検日が悪天候で受付遅れになってしまい、勝ち上がり権利を失ったが後半3日間は全て1着。勢いがある。藤波直也は、前々走の山陽で初優勝を決めた次の地元ではハンデが重くなったが、それでも健闘していた。藤波と同地区の鈴木章夫も現在連勝中。年齢を感じさせぬ果敢な走りができている。エンジン上昇と言えば猪熊龍太。ハンデを活かして良い逃げを見せていた。スタートも多少良くなっている。エンジン安定してるのは金子和裕。スタートさえ後ろに叩かれなければ好走は必至。平塚雅樹や岩田裕臣もまだまだ成長盛り。1走ごとに力を付けている。爆発力で言えば三浦康平。今回出場する選手の中ではスピード上位。圧勝するシーンも多く見られそう。岩科州はここ一番で勝負強い選手。最終日に好走する傾向が強い。
B級からは2人ピックアップ。前走の地元開催で、見事初優勝を決めたのは城戸徹。3日間開催を1着、2着、1着で優勝。逃げ限定ではあるが、軽快な走りを見せている。もう一人は岸萌水。前走から1級車に乗り替わった。初日、2日目を1着で決め、準決では4着になってしまったが、1級車に乗り替わった直後は乗り手が大きく成長するチャンス。1級車で2節目の今回も、その動向から目が離せない。
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主な出場予定選手
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桝崎 陽介〔飯塚 A-4(28期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 A-6(31期)〕
細野 俊介〔飯塚 A-21(29期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 A-7(28期)〕
岩科 州〔浜松 A-41(27期)〕
池浦 一博〔山陽 A-47(18期)〕
岩田 裕臣〔川口 A-48(31期)〕
平塚 雅樹〔船橋 A-50(31期)〕
執念の走りで浜野淳がタイトル死守!
山陽のGIIライジングカップは、地元の浜野淳が速攻を決め後続を振り切った。ブッチ切りの圧勝とはいかなかったが、巧腕の持ち主らしくクレバーな走りを披露した。
スタートは戦前の予想通り早船歩が先行。早々と逃げ態勢を作るかに見えたが、スタートで2番手に出た佐々木啓が1周3コーナーで早船を差し込む。しかし、その直後の展開が圧巻だった。3番手に付けていた浜野が2周1コーナーで早船、佐々木をまとめ差し。一気に先頭に踊り出た。そこからは7周回を先頭で走りきってゴール。その間、ずっと佐々木が隙を窺っていた。更に3番手では浦田が浮上の機会を窺っていた。しかし、浜野はミスなく乗り切った。
4番手以下は大きな動きがなかった。実力者・永井大介も序盤で好位を奪えず苦しい戦いになった。山崎進や西村龍太郎はスタート行けずに苦戦。谷津圭治は道中で踏ん張りを見せ、4着に食い込んだ。
このレースでは改めて浜野の勝負強さを思い知らされた。大勝負では、そのレースのカギとなるポイントがある。今回は2周1コーナーだった。前を走る2車のインに入れると見るや否や、浜野は迷わず突っ込んで行った。この状況判断能力と思い切りの良さが浜野の持ち味。勝負強さがあると言われる所以だ。2001年、2002年あたりが浜野のピークだった。そこから雌伏の時を経て、今再び立ち上がろうとしている。第2のピークが訪れかけている。次のSGオートレースグランプリで、それを証明して欲しい。
浜野淳が地元の期待に応える!
準決と比べてハンデが重くなったのは山崎進。これによって優勝戦は10Mオープンでの戦いになった。記念の優勝戦は8周戦で、通常より2周延びるとは言え、スタート争いが大事なのは変わらない。
まずはスタート予想。エンジン完調の山崎だが、ここに入ると先行は厳しいか。早船歩が好枠を活かして先行しそうだ。それに乗っていくのは西村龍太郎。谷津圭治が3番手に出る。5枠から外も枠ナリか、そうでなければ佐々木啓がやや遅れる程度だと思われる。
逃げ態勢に入る早船はどこまでペースを上げられるか。準決では上がり3・420をマークしており、他の選手と比べても引けを取らない。そのままの押し切りもありそう。単純なタイム比較で言えば、早船を捕まえられるのは浦田信輔。準決で上がり3・405を出しており、早船が逃げたとしても捕まえられる公算大。
ところが前日のタイム通りに事が運ばないのがオートレース。優勝戦ともなるといつも以上の力が発揮されることがある。特に、大舞台で勝負強いのは浜野淳。今回は地元なので、モチベーションはマックス。7月に川口のGIで圧勝した走りを再現してくれるかもしれない。10Mオープンの6枠では、流石にスタートは行けないが、道中で異次元の攻めを披露するとみた。
相手には浦田と永井大介。完全優勝がかかっている浦田は気合満点だろうし、永井もそのプライドから簡単に負けるわけにはいかない。カマシ気味に出るようなら優勝も十分ある。早船も怖い存在。準決では浅香潤の攻めをやり返しての上がり3・420。ちょっかいを出されず、一人で逃げ切っていれば、もっとタイムは出ていただろう。外の3者が競り合えば大金星も夢ではない。最後に推すのは谷津。3日目から動きが一変し、このメンバーでも見劣りしない走りをしている。
◎浜野淳
○浦田信輔
△永井大介
△早船歩
▲谷津圭治
GIIライジングカップ開幕!
山陽で開催されるGIIライジングカップは、27期以前までの選手が参加する大会。若手の開け開けレースもいいが、熟練者による技の競い合いも見ごたえがある。
地元ランクトップは浜野淳。前走の地元5日間ではしっかり優出。優勝戦は6着だったが、それまでの4日間は3連対を外していない。今回も地元走路なので、ある程度セッティングは見えているか。同じ優勝戦に乗っていたのが林弘明。課題のスタートが多少良化され、レース展開も厳しくなくなっている。もちろんエンジンの方も良い状態。今回も活躍が期待される。安定感で言えば岡部聡もマズマズ。前走の地元5日間は最終日の6着以外は、全て3連対に絡む活躍。じっくりと追い込むスタイルは、レース展開が速くならなそうな今回の大会に向いている。佐々木啓は前走の浜松ではいいところがなかったが、今年に入ってからはほぼエンジン安定している。岩崎亮一は前走の浜松で落車したので、初日の試走には要注目だ。松尾啓史や角南一如は、絶好調ではないが戦える状態にはある。前田淳も前走の伊勢崎GIで優出しておりリズムは良い。
対する外来勢でランクトップは永井大介。今年は本来の活躍を見せられていないが、前走の伊勢崎GIでは準優勝。少しずつだが良化の気配は窺える。高い位置でエンジン推移しているのは浦田信輔。前走の浜松は優勝戦で5着だったが、予選道中の動きは問題なかった。このところ5節連続優出中でその内、準優勝が3回。そろそろ優勝が欲しいところだ。その優勝を前回の川口で決めてきたのは篠原睦。3日間開催で全て1着。完全優勝を果たした。勢いだけなら外来勢の中で一番か。その川口の優勝戦で7着だったのは、篠原と同期の木村武之。日によって凡走する時もあるが、おおむねエンジンは良い状態。更に、その川口の優勝戦で3着だったのは中野憲人。予選、準決も連対しておりエンジンは良い。ただし、今回は短ハンデ戦のレースが増えそうで、不安なスタート力をどこまで高められるかが焦点。
エンジン自体はイマイチだが、池田政和や加賀谷建明のパワー駆けには常に注意。混戦になれば東小野正道や五十嵐一夫が突っ込んでくる。雨走路になれば竹谷隆はアタマから狙いたい。
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主な出場予定選手
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浜野 淳〔山陽 S-10(24期)〕
岡部 聡〔山陽 S-14(19期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-17(23期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-27(27期)〕