金子大輔が地元でSGを制す!
SG全日本選抜オートレースの優勝戦は、近年稀に見る大激戦だった。その戦いで冷静に車を押し進めて行ったのは地元の金子大輔だった。
トップスタートを切ったのは4枠の藤岡一樹。この藤岡が逃げ態勢に入った。その後ろでは佐藤貴也が好位に付けたが、浜野淳の強引なイン突っ込みに遭い一気に後退。上位争いからは戦線離脱した。この行為で浜野は反則失格となった。代わって藤岡を追う態勢を作ったのは篠原睦。藤岡をマークから差し込んだが、やや回り切れず流れてしまう。もう1回、篠原が藤岡を差し先頭に立ったが、後ろに付けていた金子が渾身の差し。これが奏功しそのままゴール。篠原は藤岡を差した時に流れてしまった行為で反則失格。SGの優勝戦で珍しく2選手が反則失格となった。
スタートで8番手になってしまった金子だが、そこから冷静に番手を上げていった。先頭争いが激しく、金子にとって展開が有利に働いた関係もあるが、若手らしからぬ落ち着いた対処ができたのは一流の証だ。金子の最大の魅力は、レース展開の読みの巧さ。それに対応できる素早い反射神経。この優勝戦でも前団が開けたところを見逃さなかった。勝ちきるポイントを知っている。いまのところSGは2つしか制覇していないが、これからもっと増えていくだろう。
この優勝戦ではSGをまだ制したことがない選手の活躍が目立った。やや不運な判定で反則になってしまった篠原は、SG制覇も夢ではないと感じさせる走りを見せたし、藤岡もその爆発的なスピードを再認識させてくれた。早船歩も展開次第では何とかなりそうな兆しは見えた。これからのSG戦線に新たなる楽しみができた。
32期の躍進がありそうなシリーズ!
直前にSGが開催されている関係でS級選手は不在。A級とB級による争いとなる。誰が優勝してもおかしくないが、その可能性が少しでも高い選手を挙げていく。まずはA級の選手から。
前走の川口で完全Vを達成したのは船橋の小林悠樹。4日間開催でオール1着だった。特徴としては抜群のスタートから速攻で抜け出すタイプ。近況はハンデ位置も魅力あったし、エンジン的にも良い状態にあった。今回も活躍しそうだが、優勝後でハンデの変動には注意を払いたい。ただ、ハンデが重くなってもスタート力は健在なので戦えなくなるわけではない。
実力的に上位なのは山陽の西村龍太郎。前走は前検日に受け付け遅れで初日は走れず、勝ち上がり権利も失ってしまったが、残りの4日間で1着を3本と2着を1本。成績をまとめていた。かつてほど切れ味鋭い走りはできていないが、エンジンはある程度仕上がっているので優勝争いにまで顔を出してきそう。
地元では田中輝義がエンジン安定中。課題のスタートも少しずつ良くなってきた。田中は雨走路も得意なので、天候に左右されない強みがある。井村淳一もエンジンはソコソコ良い。ただ、スタートが散発傾向で序盤の位置取りに不安がある。そこさえクリアしてしまえば爆発的な走りを見せることがある。このところ森本優佑が成長を見せている。スタートが良化しているし、コース取りも良くなってきた。試走タイムが出ているようにスピード面は問題ない。それをレースで活かせるようになれば、結果に繋がってくるだろう。
B級では特に32期の選手に注目。1級車に乗り替わってから各地で優勝戦に顔を出す32期生が増えてきた。地元の高宗良次は、前走の地元5日間開催で準優勝。しかもシリーズを通してオール連対の活躍を見せた。いいイメージのまま今回も存在感をアピールできそう。山陽の32期も元気一杯。小栗勝太は前走の川口一般開催で準優勝。優勝戦は先述の小林悠樹に抜かれてしまったが、2着には残ることができた。試走タイムはあまり出ない傾向があるので、その辺は注意しておきたい。長田恭徳も同じ開催で優勝戦に乗っていた。こちらは優勝戦8着になってしまったが、予選道中はオール連対。だいぶ力を付けてきてる。浜松の中村友和も注目したい存在。こちらも前走は同じ川口一般開催。準決だけ4着になり優勝戦には進めなかったが、他の3日間は全て1着。かなりグリップの開けっぷりがよかった。まだ、そこまで結果を出せていないが、片野利沙や高木健太郎、中山光もちょっとしたキッカケで大化けすることもあるので、その1走1走から目が離せない。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
越智 尚寿〔飯塚 A-18(25期)〕
高林 亮〔飯塚 A-43(27期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-72(28期)〕
藤川 幸宏〔飯塚 A-82(29期)〕
梅内 幹雄〔船橋 A-3(19期)〕
小林 悠樹〔船橋 A-87(28期)〕
西村 龍太郎〔山陽 A-71(25期)〕
山浦 博幸〔浜松 A-128(29期)〕
オール0Mオープンの戦い!
直前にSGが開催されている関係で、今回はS級選手が不在。オールA級による戦いになる。それも全てのレースで0メートルオープン戦。スタート力が大きなカギになるだろう。
まずは地元勢の注目選手を挙げる。今回出場する中でランク筆頭は広瀬勝光。今開催でカギとなるスタート力のある選手。一気の飛び出しからハイペースの逃げに持ち込むシーンが多く見られそうだ。若手らしく勢いに乗ったら手の付けられない状態になるので、初日の成績がポイントになる。ランク次位は柴山信行。近況はエンジンが安定しており、前走の地元開催でも4日間中1着が2本。成績に繋がっている。スタート力も並以上はあるので活躍が見込まれる。スタートはやや不安あるが、エンジン良いのは間中大輔。ここ何節かは好成績を残している。課題のスタートさえそれなりにこなせば上位争いに参加できる。他では山際真介が好調。前走では優勝戦まで駒を進めた。それから間隔が空いてないので、その勢いのまま乗り込める。
外来では船橋と伊勢崎から多数参戦。船橋勢は全体的に選手のレベルが高い。ランク筆頭は白次義孝。オープン戦向きとは言えずスタートに不安あるが、それを補って余りあるスピードは魅力。冬場のこの時期なら試走3台前半も十分出せる。レース序盤の展開次第では圧勝のケースもあるだろう。レース運びが巧いのは牧野貴博や岩佐常義。ゴチャ付く展開になれば持ち味を出せる。単純なスタート力があるのは木村義明、佐藤正人、深沢隆あたり。スピードがあるのは佐久間健光、平川博康あたり。
伊勢崎勢のランク筆頭は渋沢憲司。スタート力はそれなりにある。どの枠からでも飛び出していく可能性大。エンジンの方も近況は上昇ムードにあるので、積極的に狙っていける。他では吉田恵輔、鈴木清市、米里信秀がスタート早い。スピード的には桜井晴光が一番か。GIを2度制しているように、ここ一番でのスタート力にも定評がある。
浜松地区では特に好調な選手はいない。それでも、ランク筆頭の今田真輔は直近2走で1着を取っており、戦えない状態にあるわけではない。往年の迫力は薄れているものの鈴木辰己はスタートだけは切れている。今回の企画なら活躍の場が広がる。
最後に山陽地区からは五所淳や畑吉広などスタート巧者が参戦。若手では丸山智史が伸び盛り。センス的にはかなりのモノがあるので、何かのキッカケで更なる成長が見込める。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
広瀬 勝光〔川口 A-21(30期)〕
柴山 信行〔川口 A-88(19期)〕
吉田 祐也〔川口 A-110(29期)〕
満村 陽司〔山陽 A-36(26期)〕
白次 義孝〔船橋 A-51(23期)〕
牧野 貴博〔船橋 A-60(24期)〕
渋沢 憲司〔伊勢崎 A-70(29期)〕
今田 真輔〔浜松 A-116(29期)〕