名古屋に、「ウン」という名の競走馬がいる。私にとって、「運」という言葉は、とても深い意味を持っている。
その名前に興味を持ち、注目していたけれど、現在3連勝中!通算でも12勝を挙げ、連帯率5割以上という優秀な成績。 8日の名古屋10レースに、1枠1番で出走する。
私は今まで、「運がいいね。」と言われ続けて来た。私自身も、そう思う。常に、思い立ったら即行動。失敗する事ももちろんあるけど、だいたい結果オーライというパターンが多い。
でも、「運がいい」というのは、諸刃の剣だと思う。実力がなくても、運はやって来る。
デビュー当時、私は優秀な騎乗馬に恵まれた。でも、実力がなかったために、そのチャンスを生かせなかった。そして、チャンスを潰してしまった反動は、想像以上に大きかった。
何年か経ち、「今、あの時のようなチャンスが来たなら・・」と思っても、時すでに遅し・・実力がない時に、「運」が来てしまうと、取り返しのつかない事になる、という事を身を持って体験した。
「運」というものは、来ればいいというものじゃない。分不相応な「運」がやって来ると、時には潰される事だってある。
何が言いたいかというと・・私は運がいい。だから、その「運」に自分が追いつけないと、運のない人よりも、悲しい人生になってしまうと思っている。なんだか暗くなっちゃったけど、だからこそ、常に頑張らないといけない!とハッパをかけている訳なのです。
「運」という言葉は、とても素敵だし、同時に怖いとも思う。こんな風に考える私って、ちょっとひねくれてるのかな?
世の中、親王様誕生で、お祝いムードだというのに、なんか今日暗いなぁ。
そうそう、親王様誕生といえば、その経済効果の数字を見て、かなりビックリした!日韓ワールドカップが5000億円、冬ソナブームが3000億円だったというのに、今回は300兆円の見込みだそうで。桁、違うじゃん!て感じ。やっぱり、皇室って凄いんですねぇ。これだけ影響があるなんて知らなかった!
少しでも景気回復したら・・関係ないと思ってたけど、地方競馬にもいい事なんですよね。そう思ったら、なんか元気になって来た!こんな私まで、明るくしてくれる。ロイヤルベイビーの力、恐るべし!!
佐賀のヤングテンジョッキズーカップ、青柳騎手が勝利しましたが、1着から4着までが、クビ・アタマ・ハナ差の大激戦!!さっすが、レベル高いな、と改めて思いましたね。
今月16日からは、ミスターピンクこと内田利雄騎手が佐賀に短期免許で参戦!何年も君臨し続けるベテラン勢、ハイレベルなヤング勢に、地方競馬界きってのエンターティナーが加わる訳ですから、面白くないわけがない!!
ジョッキーには、自分でレースを作るタイプと、流れにそって動くタイプがいる。もちろん、その時の騎乗馬にもよる訳ですが、自分で動くタイプのジョッキーが1人でも入ると、同じ競馬場でも、レースが変る。
以前、高崎と栃木の交流が盛んになった年、高崎では栃木の騎手が、栃木では高崎の騎手が、それぞれの競馬場のセオリーをぶち壊した。
内田騎手の参戦で、佐賀のレースがどう変るか、それとも全くビクともしないのか・・今から、興味津々です♪
さて。昨日、船橋競馬場で悲しい出来事が起こりました。競馬場やトレセンで、最も恐れられる、火事です。
火事が発生した場合、関係者は必ず、馬たちを逃がそうとする。でも、馬房の扉を開けただけでは、馬たちは逃げないんです。外に連れ出しても、自分の馬房に帰ろうとしてしまう。
火事が何なのか、馬にはわからない。外に行けば安全なのかも、判断出来ない。自分の部屋が、1番安心なんでしょう。それに、馬の布団である「ワラ」などがたくさん置いてあり、火のまわりはかなり早い。1人の人間が、助けられる数は限られてしまう。
だから、競馬場やトレセンでは、火事に敏感だし、細心の注意を払っている。今回、9頭もの競走馬が犠牲になってしまった。馬を亡くした関係者たちは、家族を亡くしたのと同じ気持ちでいると思う。
取り返しのつかない大惨事になってしまったけれど、今回の火事を教訓に、2度とこんな事が起こらない事を祈りたい。
いやぁ〜今日から9月ですよ!夏もそろそろ終わりですね。
みなさんは、時の流れを早いと感じていますか?それとも、遅いと感じますか?
私は小学校と、騎手の学校にいる時、メチャメチャ遅く感じました。永遠に終わらないのでは??と思うほど・・。
騎手デビューして、20代になってから、やたらと早く感じるようになりましたが、騎手を引退し、上京してからは、また遅く感じるようになりました。何故だろう??
普通、年と共に、どんどん早くなるって言いますけどね。北海道から帰って来て、まだ5日しか経ってないの?このブログを始めて、まだ5ヶ月しか経ってないの?てな感じで。
28歳という年齢は、ちょっと微妙なお年頃。10代の頃、28歳はかなり大人に見えたけど、実際なってみるとそうでもない。でも周りは、大人として扱ってくれるし、やれ30目前だ!とか、やれ結婚だ!と騒ぎ立てる。若いという事で許された事も、そろそろ限界。腹をくくって、大人の階段を上らなければ・・と感じている。
そんな事を考えていたら、3日に行われる、佐賀の「ヤングテンジョッキーズカップ」。若い順から10人のジョッキーが出場する訳ですが、私と同い年の下條騎手・新原騎手も出場する。
なぁ〜んだ、まだヤングな年頃なのね!とちょっと安心したのでした。
昔、高知の新人王に出場した時、例年のごとくペースが速くなると思いきや、私1人でひっかかってしまい、とても怖い思いをした・・ヤングだけのレースだからといって、イケイケになるとは限らない。
このレースに出場するうちの、6人のジョッキーとは学校時代の先輩・後輩にあたり、間近で技術を見て来たけれど、マジでレベル高い!!
佐賀は、ベテランジョッキーが強いという印象があるけれど、その後ろに控えているヤングジョッキーたち、どの競馬場にも負けないくらいの実力を持っている。馬の実力はもちろんあるけれど、誰がキングオブヤングジョッキーになるのか、楽しみですね♪若者たちが戦う姿は美しい・・なんて、おばさん目線な私です・・
本日、1年半ぶりに、お馬ちゃんに乗りました。もちろん、競走馬ではなく、乗馬です。
高校時代通っていた乗馬クラブで、当時の愛馬「ジンクス」君に騎乗したのですが、なんせ1年半ぶりですからね、体がなかなかついてこない!
こんなはずではない!!ともがけばもがくほど、「ジンクス」君、反抗期に突入。あれから12年の歳月が流れたというのに、相変わらず元気いっぱい。
終わった後は、もうクタクタ・・内腿が痛くて、超蟹股歩き。馬に乗るって、こんなに疲れるんだっけ??と、本気で思いましたね。あまりにも悔しいので、負けず嫌いのワタクシ、「打倒ジンクス」を掲げ、練習に励む事にしました。
同じ「馬に乗る」と言っても、競馬と乗馬ではマルッキリ違う。同じ馬でも、競走馬と乗用馬では、マルデ違うのです。簡単に言うと、乗馬は理性で動き、競走馬は理性もあるけど、より、本能の方が強いって感じ。
ジョッキーは全員乗馬が出来るけど、全員がうまく乗れる訳ではない。反対に、乗馬を極めた人でも、走路で競走馬を押さえるのは、至難の技でしょう。同じ様に馬に乗っているのに、ブレーキとアクセルが真逆なんですね。
久し振りに馬に乗っただけではなく、完全に競馬乗りになっている私。「ジンクス」君をギャフンと言わせる日は、いつの事やら・・。
さてさて。話は変りますが、ミスターピンクこと、内田利雄ジョッキー、9月2,3日と高知で騎乗するそうですね。当日は、「ひまわる」さんと一緒にライヴもするそうで。さっすが、エンターティナー。
高崎競馬場でも昔、「ひまわる」さん達のライヴがあって、内田さんのテーマソングを歌っていた。ギター片手に、内田さんのワンマンショーをした事もあったな。
内田さんて、競馬界の新庄みたい。実力もあって、更にファンを盛り上げる事も出来る。競馬界広しといえど、内田さんのような人は他にはいない。
内田利雄ジョッキーの技術と、人柄、そして生き方を間近で見る事が出来た事は、私にとって、本当に貴重な経験だったと、改めて思う、今日この頃です。
さて、今回の北海道取材、1番の目的は、「サマーセール」でした。
社台のセールと違い、日高の個人生産者の馬が多く、億単位の馬を探すというより、安く、いい体の馬を見つけようと、たくさんの関係者が、目を光らせていました。
人気だったのは、やはりサンデー系の血統ですが、「タニノギムレット」と、フォーティーナイナーの仔「コロナドズクエスト」も高く売れていました。
私の1番の注目は、「ワイルドラッシュ」。アメリカの馬で、今回の1歳が日本では初産駒。当初、種付け料200万円だったのが、その後、アメリカで産駒たちが大活躍!現在は500万円に跳ね上がっている。社台以外の種牡馬が活躍すると、今は淋しい日高の町が、昔のように元気になると、生産者たちは喜んでいました。
「サマーセール」で売れる割合は、約3割。その後は、10月の「オータムセール」に賭けるわけですが、ここではバーゲン並に値下げして、必死で売るそうです。種付け料が200万円だとしても、母馬の血統がイマイチだったり、脚の曲がった仔が出れば、200万円では売れなくなる。そうなると、売れて赤字という事になり、個人生産者たちの経営は、地方競馬以上に大変な事態になっている。
少しでも、自分の馬をよく見せようと、入念にブラッシングして、ツメにはマニキュアまで塗って来る。それでも、買い手の声がかからないと、淋しそうに帰って行く。
高崎には、100万円以下の馬たちがたくさん入って来ていた。地方競馬5場が廃止になり、そんな馬たちの受け皿が少なくなり、当然買う人も減った。
元々、競走馬の牧場だったのが、羊や牛に転向せざるおえない所が続出しているそう。
今年は、6億円という史上最高額の馬が現れました。でも、ピラミットの底辺は、確実に狭まっている。長い目で見たら、底辺の崩壊は、頂上をも崩す事になると思う。馬産地・日高が元気になる事が、日本の競馬のレベルを上げる事だと、現場を見て、改めて思った。
そして、売られていく馬たちを見て、彼らは商業動物なんだと、実感した。そこには、生活がかかっており、甘えのない世界があった。