昨日のラベンダー賞、道営の「インパーフェクト」がクビ差で勝利した。ポスト・バルクと言われるだけに、これからさらに注目されるでしょう。
鞍上は、山口竜一騎手。宇都宮廃止後、道営に移籍して大活躍中!
まだ、高崎も宇都宮も健在だった頃、北関東の交流はさかんで、山口騎手とも一緒のレースに乗りました。とてもひょうきんな方で、いつも笑わされていたけれど、高崎が終了した後の宇都宮開催でお会いした時、「赤見ちゃん、悔しいよな・・」と真剣に言った顔が忘れられない。
「お前は女なんだから、競馬界から離れて結婚しろ」と忠告してきた人が多い中で、山口騎手は、
「移籍出来るなら、まだまだ続けた方がいい。」と言ってくれた。その時は、年齢的な事で山口騎手自身は移籍を諦めかけていたようだったけれど、晴れて道営に移籍し、活躍している姿は眩しいくらい。
地方競馬にまた一つ明るい話題が増えて、とても嬉しく思う今日この頃。私自身はどうやら高熱にやられている模様・・体温を測ると余計具合が悪くなりそうなので測ってないけど・・この10数年経験していない体調の悪さ&ニューハーフですか?ってくらいのハスキーヴォイス・・。
ドクター・赤見の分析によると、急激なジム通いで体力を消耗していたところに、気温の変化が加わり、レストランのクーラーに止めを刺されたよう。
現役時代、開催中に体調が悪くなると、調整ルームの食堂のマスターが、必ず「卵酒」を作ってくれた。みんなは、「ウゲー」とか「マズそー」とか言ってたけど、これを飲むと一発で元気になった。
この東京砂漠では誰も作ってくれないので、フラフラする体で買い物に行き、狭いキッチンで卵酒を作って飲んだ。
このブログは酒気帯びで書いたので、誤字脱字があったらあしからず・・。
明日の盛岡8レース、『オンワードジェダイ』が出走する。
中央でデビューし、なかなか未勝利を脱出出来ず、高崎に移籍してこないかなぁ〜と狙っていた所、名古屋に移籍してしまった馬だ。
現在は年齢もあり、さすがに上積みは見込めないけれど、元気に走ってるんだな、と懐かしく思う。
デビューした頃よく、「ファンや馬主さんだけじゃなく、生産牧場の事も考えて競馬しろ!」と言われた。
一度も行った事のない遠い北海道の牧場に対して、何も考えていなかった私。中央のレースじゃないんだし、高崎の下級クラスのレースで一喜一憂しているとは思えなかった。
私の勝ち星の半分近くは、オンワード牧場の生産馬である。その牧場に対して、ありがたさがわかってない!という事で、挨拶に行った事がある。
広い牧場で、たくさんの馬たちが放牧されている姿は圧巻だった。事務所に行くと、場長さんに、
「3着が好きな赤見騎手ですね。」と笑顔で言われ、しどろもどろになってしまった私・・。そして大きな黒板に、勝ったレースと馬名・騎手名が書かれていて、もちろん私の名前もあった。
○月○日高崎オークフェニックス・赤見
○月○日高崎オークレインボー・赤見
○月○日高崎オンワードクラフト・赤見
といった具合。
私は申し訳なさでいっぱいだった。この黒板に書いてある数よりも、2着3着の方が多かったし、遠い北海道で、喜んだり悔しがったりしている人達がいるなんて、想像していなかった。
帰りの車の中で、「よくわかっただろ。」と新谷さんに言われ、頷く事しか出来なかった。
ジョッキーとは、生産牧場・馬主・調教師・厩務員・ファンの期待を背負いレースに挑まなければならない。ちょっとしたミスで負けるなんて、本来許されない事であり、もし自分のミスで負けたなら、その責任を感じ、同じ事はしてはいけないと、実感した。 私のように、ノー天気に、「次は頑張ろう!」ではダメなんだな。
まぁ、その後も2着3着になる事が多かったけれど、そのたびに北海道の牧場が脳裏にちらついた。
「自分の責任の重さがわかっていれば、それでいい。」と新谷さんは言うけれど、今でも、オンワード牧場には足を向けて眠れないと感じている。
地方競馬も大変な時期だけど、北海道もかなり大変な事になっている今、私に出来る事は、現場で働く人達の姿を伝える事だと思う。
近々、北海道に行けそうな予感なので、色々取材したいと思います!!
暑いです!そして、電車やお店は寒いです!!この温度差、なんとかならないものだろうか・・
超頑固な冷え性の私にとって、クーラーは宿敵。でも、クーラーをつけない我が家はサウナ状態のため、時間があるとプールに避難している。
通知表で体育が「5」だった事が自慢の私。でも、走る事は得意だけど、泳ぎはイマサンくらい・・。プールでは、おじいちゃん・おばあちゃんと並び、仲良くウォーキングしてます。
さて、明日マーキュリーカップが行われる盛岡は、東京よりは涼しいのだろうか?と、ついつい暑さの事ばかり考えてしまう。
抜けた馬がいない今回、すべての馬にチャンスがある。私の本命は『ビッグゴールド』。中央から移籍して2連勝。芝では超実績馬で、戦ってきた相手が違う。すんなりハナにでも行ければ、そのままゴールも十分ありえる。同じ移籍・金沢組の『ビッグドン』と共に、地方でもう一花咲かせてほしい。
地方競馬には、中央から移籍して来た馬が多い。四肢が悪い・気性が荒い・走るのが遅い・ゲートに入らない・高齢になった・・等々、理由はたくさんあるけれど、ほとんどがマイナス材料。
競走のレベルが違うから、当たり前の事だけど、中央でデビュー出来なかった馬が、地方ではたいていデビュー出来る。それは何故か・・技術の問題では絶対ない。中央の方が、教育を受けている厩務員さんが多いし、設備も整っている。1番の違いは、替わりの馬がいるかいないか。
中央の場合、超良血や期待馬でもない限り、ある程度の所で見切りをつけなければならない。厩舎に入れておくだけで莫大な預託料が発生する訳で、大口馬主でもない限り、レースに使えない馬をいつまでも放ってはおけない。厩舎によって状況は違うけれど、厩舎に入りきれない馬たちが、牧場で待機している。何ヶ月もかけて、将来性のなさそうな危険な馬を無理矢理デビューさせる必要性は、地方競馬より確実に薄い。
対して地方競馬は、競走馬1頭にも生活がかかっている。なんとかレースに使わなければ、自分たちが食べて行けない。だから、どんなに危険な馬でも競走馬にしなければならない。
これは、賞金の低い競馬場ほど強くなる傾向にあり、1万円にも満たない額を手にするために、誰もが嫌がるような馬に乗り、自分の命を懸けている。
そんなバックグラウンドもあり、生え抜き地方馬でも、移籍地方馬でも、中央勢を倒す姿に感動する。
今回のマーキュリーカップ、チャンスは確実にある。私の印は、
◎ビッグゴールド
○ビッグドン
▲スナークレイアース
△スターキングマン
△レマーズガール
ちょっとロマン派寄り過ぎたかな?でも、こんなチャンスは滅多にない!明日は地方馬ワンツーで、美味しいビールを飲みたいな♪
月曜日は盛岡で交流重賞「マーキュリーカップ」が行われますね。
先月の「帝王賞」から比べると、ちょっと淋しいメンバーな気もするけれど、圧倒的に強い馬がいないというのは、馬券的には面白い。まだ買い目馬券は検討してないけれど、メンバーをザッと見て一番気になったところ・・金沢に移籍した『ビッグゴールド』と、元鞍上の和田騎手が隣の枠に入った事。
ジョッキーは、自分のお手馬が同レースに敵として出走する場合、本命馬より、むしろ自分のお手馬にだけは負けたくない!という負けず嫌い根性を発揮する。全員とは言わないけれど、少なくとも私はそうだった。
特に、自分が選んで蹴ったお手馬に負ける事は、馬を見る目がない・・とか、騎乗したジョッキーの方が自分より技術が上・・と周りに知らせているようなものだから、絶対に負けるわけにはいかない。昨日の友は今日の敵!!なのです。
今回の『ビッグゴールド』は移籍しているので、そこまで激しい対抗意識はないでしょうが、金沢に移籍して2連勝!元鞍上を悔しがらせるような、いいレースをしてほしい。
先日写真付きでご紹介した、白馬の王子こと「オンワードクウガ」君。私の大切な大切な愛馬だけれど、1度だけ、敵として戦った事がある。
同厩舎の「バクオンワード」と同じレースになり、私としてはクウガ君に乗りたかったけれど、バク君の馬主さんは、仕方なく私を乗せている状態だった。
「我慢して乗せてくれている馬主さんに、お前はクウガの方が強いから、今回は乗りません、なんて言えるのか?そんな事したら、バクには2度と乗れないぞ。」と新谷厩務員に言われ、確かに・・と思った。
競馬界は実力社会。でも、人と人との繋がりも、とても重要な世界。目先の勝利より、今まで私を育てようとしてくれた馬主さんに、生意気な態度は取れない。
クウガ君1番人気、バク君2番人気となり、愛馬を倒すためにどんな作戦を取るか色々考えた。愛馬だけに、弱点はイヤという程知っている。正攻法では、絶対に勝てない。
私はスタートを切ってすんなり逃げ、クウガが来るのを待ちました。同厩舎だけに、クウガがそんなに早く潰しに来るとは思えない。クウガの1番苦手なスローペースに落とし、たまらず上がって来たクウガを3コーナーで外に振ろうとした。でも・・私の性格を知ってる茂呂騎手、2馬幅以上もバクから離れ、一気に抜き去って行きました・・。
レース後、「こんなに強いクウガで、何で勝てないの?」とストレートを喰らい、自分の未熟さを痛感させられたのでした。
「くそぉ〜クウガめぇ〜」と、愛馬ながら、こんな時は思う訳ですよ。次のレースからはまた私の手に戻ったクウガ君。自分が背中にいる時は、とっても愛しいクウガ君。それでも、また敵になる日が来たら、私は嫌がらせするんだろうな・・と、自分の負けず嫌いを再確認した出来事でした。
梅雨、明けたんですか?ってくらい暑い日が続きますね・・。
真冬生まれの私にとって、一番苦手な夏がやってくる。暑いのが苦手なのに、クーラーも苦手・・我が家では、友達が遊びに来た時以外はクーラーつけません。地球に優しい生活環境なのです。
この時期、競馬界では2歳戦が次々と行われている。私は信頼出来るジョッキーではなかったので、期待の2歳デビュー戦には乗った事がないけれど、それでも毎年、2歳馬たちに跨って来た。
トレセンに入厩して、実際にデビュー出来る確率は、決して100%じゃない。競走馬になるべくして生まれながら、競走馬になれずに星になっていく馬たちは、毎年たくさんいる。
現役時代、唯一死んだ馬体に手を合わせる事が出来た馬がいた。彼女はデビュー前の2歳馬で、順調に調教を積み、2回目のゲート練習でトモを骨折、予後不良となった。
サラブラットとして生まれ、デビューする事なく、名前もなかった彼女。小柄で、顔も可愛く、穏やかな気性だった。次に生まれてきたら、きっと幸せになれるよ・・と冷たくなった彼女の顔をさすった私。本当は彼女ではなく、自分自身に言い聞かせていた。競馬とは、なんて残酷なんだろう・・私の職業とは、なんて・・そんな気持ちを抑えるために、何度も何度も心の中で、「次は幸せになれるよ!絶対なれるよ!」と繰り返した。
季節は真夏。業者の手違いで3日間馬屋に放置された彼女の馬体は、毛布をかけていても異臭がした。死んでからもなお、人間の都合に付き合わされるなんて・・彼女の瞳には、涙のあとが残っていた。
デビューするまでには、いくつもの試練がある。それを乗り越えて新馬戦に挑む馬たちの姿は、期待馬でも、そうじゃなくても、私にはキラキラして見える。