あなたは犬派ですか?それとも猫派?総合すると、犬派の方が多いように思います。
私は、120%猫派です!犬は怖くて触れません。
よく、「馬の方が怖いじゃん!」と言われますが、とんでもない!犬の方がよっぽど怖いです。チワワ級の小型犬を「あら、可愛い」とは思っても、近づいて頭を撫でたいなどとは決して思いません。
幼い頃、実家で飼っていた犬と散歩している時、野良犬軍団に囲まれて以来、本当に苦手なのです。
今でも実家には二代目の犬がいるのですが、私が騎手の学校に行ってから飼いだしたので、一緒に住んだ経験はなく、3秒触るのがやっとです。「ジロー」という名のその犬は、とても賢く、絶対咬まない事はわかっているし、可愛いのですが、やっぱり怖い・・。
対して、実家では猫も飼っています。「ハッピー」と名づけたその猫は、私が10歳の時に引き取ったので、現在18歳。私より長く実家に住んでいます。
今では目も見えず、後ろ脚も満足に動かないのですが、私が育てただけあって?気性が荒く、わがまま放題。赤見家の当主のような生活をしています。
どんなに猫に引っ掛かれようが、咬まれようが、怖くないのは何故だろう???長年疑問に思っていましたが、ある占い師さん曰く「あなたの前世は猫です!」という事で、謎が解けました!
こんな事を言うとみんな笑うし、人間は人間にしか生まれ変らないの!って説き伏せられますが、極度の猫舌&魚好きという事もあり、私自身は信じています。種類は「野良猫」というのが納得いかない所ですが・・確かに、昔から現在に至るまで、野良猫を見ると追い掛け回さないといられない衝動に駆られます。
さて、明日の盛岡2レースに、「コネコノオヒゲ」という我が同志のような名前の牝馬を発見!園田から移籍して来て、3着1着と好成績。私の大好きな「バブルガムフェロー」産駒だし、猫パワーで活躍してほしいな♪なぁ〜んて、素人の様なこじつけをしてしまいました・・。
明日の盛岡10レース、「ダンディキング」が出走する。
このブログでも何度か書いた、アラブの馬である。ここ2戦は馬券に絡む事なく低迷気味だけど、またアラブの底力を見せてくれる日が来ると信じている。
「ダンディキング」の母「ミスハクギン」は有名な女傑だったそうで、彼女の名前を聞くと懐かしさがこみ上げて来る方もいるかもしれない。私自身は、この名前を聞くと、現役時代の愛馬「ハクギン」を思い出す。
彼女は決して女傑と呼ばれる成績ではなかったけれど、えらく気性がキツかった事と、名前そのままの白いキレイな馬体を覚えている方もいるかもしれない。
どんな風に気性がキツイかというと・・とにかく外ラチに向かって走って行こうとするのです。騎手的観点から言うと、内にささる馬はまだいい。ラチまで行けば真っ直ぐ走るし、外に張るよりも伸びるから。
外ラチに向かって走る馬というのは、そのままラチに激突したり、ラチの外に出ようとしたり、止まったりする。要するに、走る事を放棄したい場合が多い。
「ハクギン」には調教で何度もラチの外に飛び出され、背筋が凍るような恐怖体験を味わいました。レースでも、常に外側の手綱を両手で引っ張っていないと、外側に突進してしまう。追うどころではない感じです。
ある時、斜め前の外側に馬がいるにも関わらず、その馬に向かってレース中ずぅーっと突進しようとしていたので、頭に血が上った私は、最後の直線で手綱を投げ出してしまった。「もぉ!勝手にしろ!!」と思ったわけです。すると「ハクギン」ちゃん、前の馬ギリギリの所をすり抜けたかと思うと、外ラチまで突進し、それ以上進めないとわかると前に向かって猛ダッシュ!カメラにも映らない位置からゴボウ抜きで勝ってしまいました。カメラに映らないわけですから、実況にも「ハクギン」なんて名前は出てこない。内で争っていた騎手たちも、勝ったと思った所に、遠く白い物が見えたといった具合。
調教師の先生も「どこ走ってたの?」と驚いていました。でも、1番驚いていたのはファンの方。スタンドでレースを見てたら、ギリギリの近くを馬が走ったのですから、飛んで来た砂に「痛い!痛い!!」と悲鳴を上げていました。かわいそうに・・。当の「ハクギン」は、ゴールを過ぎてもまだダッシュを止めず、1コーナーを曲がらずに壁に激突する瞬間に緊急停止。私は勝った喜びどころか、本当に冷や汗ダラダラでした・・。
次のレースでも嫌だけど同じ乗り方をしてみましたが、あの猛ダッシュは1度だけ。外ラチにぶつかる事はあっても、前に走る事はなく・・あの、「神の脚」本当にビックリするくらい速かったなぁ〜。
明日の笠松10レースに、「ブラックベス」が出走する。
「レジェンドハンター」や「フジノテンビー」、高崎OPだった「タワリングドリーム」など、数年前なら一緒のレースに出るなんて考えられないようなメンバーと勝負する。
北関東に馴染みない方にしたら、「ブラックベスって??」と思うだろうけれど、高崎最後となったレースで、私が騎乗した「ファーストルーチェ」と叩き合いを演じた馬なのです。
あの頃、「ファーストルーチェ」の最大の敵だった「ブラックベス」。いつも負かす事が出来ずに悔しい思いをしていたけれど、最後の最後で交わす事が出来て本当に嬉しかった。
先日盛岡競馬場に行った時も、レースに出ていたけれど、その時は見せ場なく馬群に沈んでいた。
私にとって、「ファーストルーチェ」がパートナーであるように、彼はいつまでもライバル。どんなに相手が強くても、ライバルのズブズブな姿は見たくない!と勝手に思ってしまう。「ブラックべス」が強い姿を見せてこそ、「ファーストルーチェ」の勝利が生きるってもんです。移籍当初は活躍していたみたいだし、「ブラックべスよ、本来の姿をもう一度・・」と願いつつ、明日のレースを見ようと思う。
ところで・・ひさびさに、群馬に帰省して来ました!夜、家族3人で友達がママをしてるスナックに行ったのですが、カラオケ大好きな赤見家、歌うたびに採点&ダメ出し・・。両親に合わせて懐メロオンパレードだったのですが、「感情が入ってない!」「味がない!」と言いたい放題けなされました。でも、2人とも、すごく歌がうまいので、素直に聞く私。赤見家にとって、カラオケはとても重要なアイテム。大昔、私が初めて恋に破れた時、「これで失恋ソングに感情が込められる!」と言って友達を驚かせたほど。
だって歌って、すごく気持ちいいし、リフレッシュになるでしょう?私が帰省するたびに、家族カラオケ品評会になっています。
でも最近、ついに演歌に手を出して苦戦している私・・これをマスターしたら、いよいよ本格的に大人の女の仲間入り?!私にとって、カラオケの最大のライバルは、やっぱり母なのです。
今日の荒尾のメインレース、北関東で活躍していた『トウショウゼウス』が出走する。ちなみに6レースには高崎所属だった『ヒカルナデシコ』が出走する。この2頭には直接関わった事はないけれど、敵として同じレースで走ったり、間近で走りを見てきたので、名前を聞くだけで懐かしい。
『トウショウゼウス』の主戦だった鈴木正騎手は、今はシンガポールでジョッキーとして復活。『ヒカルナデシコ』の木村芳騎手は地元群馬でいちご農園を営んでいる。
北関東で活躍していた人達それぞれが、新しい夢や仕事を頑張っている事は、私にとってもものすごく励みになる。
私が引退した直後は、上京して「浅草今半」に勤めていた。競馬界からは完全に離れた状態。新しい仕事、新しい環境に慣れるように、私なりには頑張っていたつもり。あの頃、何故か競馬に興味のないフリをしていた・・中央も地方も一切見ないようにしたし、競馬関係者ともなるべく連絡を取らなかった。
引退した事に対して、悔いはない。当初は移籍も考えたけれど、私を受け入れてくれる競馬場は、全部高崎と同じような状態で、いつ廃止になってもおかしくない。高崎で廃止を経験してから、2度と廃止には立会いたくないと思った。厩務員としてなら、南関東でも受け入れてくれると言われたけれど、私の周りの優秀な厩務員さんを見ていて、自分が同じ事を出来るとは思えなかった。
競馬界を離れても、戻ってくる人はたくさんいる。だってこの世界、本当に面白いもの。だから、自分も戻りたくなりそうで、引退した事を後悔しそうで、競馬が見られなかった。
そんな私を競馬界に引き戻したのは・・「クウガ、名古屋で頑張ってるよ。」という新谷さんの一言だった。
オンワードクウガ・・彼のお陰で、どれだけの喜びと苦しみを味わっただろう・・。500キロ以上の馬体、怖がりの気性、私の技術では、どうしても乗りこなせなかった。
何十回と彼に騎乗し、10勝させてもらったけれど、会心のレースはたった1度だけ。能力があるのに、動かせない・・技術が足りない分、私はギリギリのラフプレーをするようになった。
クウガのレースでは、毎回先輩ジョッキーに怒られるし、必ず裁決委員に呼ばれ注意を受けた。それでも、私は乗り方を変えなかった。今考えると、なんて自己中な・・と思うけれど、あの頃の私は、クウガの背中にいる時だけは、完全に周りが見えなかった。怪我人出なくて、ホント良かったです・・。
クウガの最後のレースになるはずだった、高崎最終レース。前日に裁決委員に呼ばれ、「同じ乗り方をしたら、騎手免許停止にする。」と宣言された。それでも、変えるつもりはなかった。
この時、私は引退を決意したんです。本当に、一緒にレースに乗るジョッキーには迷惑な話ですが・・「クウガのレースで燃え尽きよう!」そう決心していたのに・・大雪で・・。結局幻のレースとなりました。
それほど思い入れが強かったクウガ君が、今も現役で頑張っている・・。私は何をやっているんだろう・・逃げていてはダメだ・・と思ったわけです。
そこから、友人のライターさんに助けてもらい、事務所に所属し、今に至る。
私にとって、競走馬は動物ではなく、人間と同じ、仕事のパートナー。だから馬肉は人肉と同じ感覚。絶対食べられないし、見るのも無理!
私の元同僚たち、人間だけでなく、競走馬も頑張っている。いつか、そんな仲間たちに会った時、胸を張って、「元気?」と言える、自分でいたい。
さぁ、今日は宝塚記念!英雄の登場です!!
昨夜は焼肉を食べ(京都なのに・・)、元気一杯で競馬場へ行くと・・人!人!人!すんごい人!!
今回は記者席には入らず、一般席にいたのですが、あまりの人の多さに圧倒されてしまいました。
彼氏に連れて来られた女の子や、息子と一緒に来たお母さん、夫婦で来ているおじいちゃん・おばあちゃんなどもいて、競馬ファンの層は厚いな・・と感心。
出走時刻が近づくと、みんな一斉に傘を閉じて雨に濡れながらの応援。「おぉ、さすが競馬ファン!愛があるなぁ〜」とまたまた感心。
今回は地方競馬の星☆コスモバルクが出走しているので、私も力が入りました!
バルクは少し掛かりそうになりながらも、鞍上の五十嵐騎手が押さえ、反抗する事なく流れに乗っていました。でも・・4コーナー過ぎ、五十嵐騎手が振り向いてディープの姿を確認した次の瞬間、並ぶ間もなくアッサリ交わされて・・
「ディープ!」「ユタカー!!」「カツハルー!!」とみんながそれぞれ叫んでいる時、私も「バルクー!!」と絶叫。結局馬券に絡む事なく負けてしまったけれど、国民的英雄と同じレースに出走し、いい夢を見させてくれた。
馬券が外れたって・・夕ご飯が京懐石から湯豆腐に変ったって・・損したとは思わない!
コスモバルク様、あなたは地方競馬の英雄です!!!