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3/28ばんえい記念回顧

ニシキダイジン大輪の花を咲かす!

 28日(日)はばんえい競馬の最高峰・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、ニシキダイジンが昨年(4着)に続く2度目の挑戦で初制覇。高重量戦での強さを発揮し、9歳にして大輪の花を咲かせました。

 前日に雪が降った関係で馬場水分は4.6%と標準よりやや軽め。それでも1トンの重量は別格で、各馬第1障害から苦戦。ひと腰ですんなり下りたのはナリタボブサップだけで、以下カネサブラック、ニシキダイジン、フクイズミなど高重量戦での経験が豊富な馬が順にクリアしていきました。
 障害中間点はナリタボブサップが主導権を握り、当然ながら何度も刻んでのゆったりペース。次第にニシキダイジン、スターエンジェル、スーパークリントンが押し上げ、それらを見る形でカネサブラック、フクイズミ、トモエパワーが続いて第2障害を迎えました。
 ばんえい最難関へ、真っ先に挑んだのはニシキダイジンで、少し遅れてスターエンジェルも早めに登坂開始。トモエパワー、ヨコハマイサムが続きますが、他の有力馬はまだ仕掛けません。ようやくフクイズミとカネサブラックが動いてレースが活発化。その間にニシキダイジンが先頭でクリアし、4腰目で障害を引き上げたカネサブラックがこれに続きます。ここで圧巻の登坂を見せたのがナリタボブサップ。なんと1トンをひと腰で上げ切り、3番手から追撃態勢に入りました。
 残り30メートル手前で先頭の2頭がしきりに脚を止めるなか、ナリタボブサップがあっさり交わして先頭へ。一気に突き放しますが、残り20メートルを切ったところでストップし、ニシキダイジンとカネサブラックが併せ馬の状態でこれに追いつきます。その後は3頭が横一線で、一進一退の攻防。しかしカネサブラックが残り10メートル手前で止まって脱落。ニシキダイジンとナリタボブサップが並んだ状態で、残り5メートル、3メートル......、わずかにナリタボブサップの脚いろが鈍り、ニシキダイジンが先頭。そこへ立て直したカネサブラックが強襲。ナリタボブサップの脚が止まり......。
 そして先頭で1トンの荷物を運びきったのがニシキダイジン! この大一番で勝負強さを発揮し、4分24秒8の熱戦に終止符を打ちました。半馬身差2着にカネサブラック、寸前で力尽きたナリタボブサップが3着で、3秒5の間に3頭が入る大激戦でした。4着には障害4番手からキープしたフクイズミ、トモエパワーは障害でもたついたのが響いて5着と、このレース4連覇はなりませんでした。10着タケタカラニシキが5分48秒1でゴールし、全馬無事に完走を果たしました。

 ニシキダイジンは06年ポプラ賞、08年ばんえいグランプリに続く重賞3勝目。ほか09年の帯広記念2着、昨年のばんえい記念4着があるように、高重量戦での先行力には定評がありました。しかし、これまでは終いの甘さも目立っていただけに、このメンバーでの1トン戦で、何度も脚を止めながら、しぶとく前へ進み続けたのには驚かされました。今後も各馬がゴール前で何度も脚を止めるようなサバイバル戦となった時には、今回のような勝負強さを発揮してくれることでしょう。
 また今回の出走騎手のなかで、唯一ばんえい記念の勝利実績があったのが藤野俊一騎手(99、00年シマヅショウリキ、05、06年スーパーペガサス)。その経験を生かしての騎乗が結果に表れたとも言えるでしょう。
 単勝1.7倍の1番人気に推されたカネサブラックが2着で、松井浩文厩舎の"同年度・牡牝混合古馬重賞完全制覇"はなりませんでした。最後の最後でもうひと伸びしていただけに残り10メートル付近で止まったのが響いた格好ですが、他馬のマークに合う立場で挑んだレースの内容としては悪くないでしょう。来年度のばんえい競馬も、この馬を中心にまわっていくことは間違いありません。
 この大舞台で素晴らしい競馬を見せたのがナリタボブサップ。ゴールがあと2メートル手前だったら、勝っていたのはこの馬だったはず。これまでとは一転して、障害でじっくり構えたのも好感が持て、今後は持ち前の障害力を軸にした多彩なレースを見せてくれそうです。

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藤野俊一騎手「レース前は"なんとか上位には"という気持ちでいました。でも馬の状態は良かったですし、第2障害もひと腰めで思ったより上がって、その後も時間を掛けずにクリアできたので"これはいけるかな"と思いました。以前勝った4回の時には自分が先に下りて、あとの馬がどれくらい追ってこれるかな、というレースでしたが、今回はニシキダイジンをどうゴールまで粘らせるか、ということを考えて乗りました。来年もまた勝てるよう頑張ります」

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