ばんえい競馬情報局とは?

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2007年3月 アーカイブ

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レース回顧(3/23~3/26)

2007年3月27日(火)

 23日(金)のメイン、士幌高原特別(4歳以上470万円未満)は、先頭で第2障害を越えた4番人気タケトップクインがそのまま押し切り、4連勝で今季を締めくくりました。2番手で障害をクリアしたコトノカツマが粘るところ、4番手から徐々に差を詰めたタカラオーシャンの勢いが勝り、差し切っての2着。コトノカツマは3着でした。
 24日(土)のメインは、じゃらんカップ(4歳以上550万円未満)。ヨコハマイサムが先頭を行くタカラテンクウを捕らえると、3番手から追い上げてきたサカノオオマサを振り切って勝利。ゴールライン上で止まったタカラテンクウを捕らえたワカテンザンが3着に入線しました。
 25日(日)には、ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われました。このレースについては別掲のばんえい記念回顧をご覧ください。
 この日の第9レース、ロイズカップ(4歳以上650万円未満)は、先頭で第2障害を越えたアローコマンダーが、後続を寄せつけず逃げ切り勝ちを収めました。2、3番手で障害を駆け降りたバンゼン、キョウエイボーイがそのまま2、3着に入りました。
 第8レースはスターライト特別(5歳オープン)でした。差なく第2障害をクリアした、ニシキシャープ、カネサブラック、ナリタボブサップの3頭が残り30メートルで横一線の激戦。最後まで脚いろが衰えなかったナリタボブサップが抜け出して勝利。2着にはカネサブラックが入り、1、2番人気での固い決着となりました。牝馬のニシキシャープが一杯にながらも3着に粘りました。このレースの上位馬は、来シーズンの古馬オープン戦線での活躍が期待されます。
 第7レースのクリスタル特別(4歳オープン)は、第2障害を先頭で降りたヒロノドラゴンが粘るところ、3番手クリアの1番人気マルミシュンキが残り10メートルで一気に交わして勝利。2番手クリアのメジロショウリキも最後に脚を伸ばしたものの、ヒロノドラゴンにはわずかに及ばず3着でした。勝ったマルミシュンキは昨年度から続く連勝を8まで伸ばしました。
 第6レースの若草特別(3歳オープン)は、ほぼ同時に第2障害を駆け降りたシベチャタイガー、アローファイター、カイセゴールデンの3頭に、プリンセスモモが加わっての末脚勝負。2番人気のアローファイターが最後わずかに抜け出しました。前を追う形で勢いのあったプリンセスモモが2着に食い込み、1番人気シベチャタイガーがは3着でした。
 今開催最終日、26日(月)のメイン大平原特別(4歳以上390万円未満)は、1番人気の紅一点イナノプリンセスが先頭で第2障害をクリアすると、勢いそのまま後続に40秒近い差をつけて圧勝しました。2着争いは、ストロングペガサス、シンエイスターの2頭に、後続から襲いかかったタカラエース、ヤマトチカラ、エビスソルジャーも加わった5頭による大激戦。エビスソルジャーがわずかに抜け出し、そこから5着までが1秒以内の差という、最終日のメインにふさわしい見ごたえ十分の好レースでした。

 2007年度の新生・ばんえい競馬は、4月27日(金)スタート! 30日(祝・月)には、4歳以上選抜馬による新設重賞「ばんえい十勝オッズ・パーク杯」が行われます。どうぞご期待ください。

3/25ばんえい記念回顧

2007年3月25日(日)

新たなるヒーロー誕生! トモエパワー

07  25日(日)に行われたシーズン最後の大一番、ばんえい記念(4歳以上オープン)は、単勝2番人気のトモエパワーが優勝。ばんえい競馬の頂点に上り詰めました。
 前夜にはみぞれが降り、第1レース時点での馬場水分は5.7%。ばんえい記念の発走時には4.4%に下がりました。
 第1障害を先頭で降りたのはミサイルテンリュウ。エビスオウジャが続き、スターエンジェル、ミサキスーパーという展開。各馬、道中刻みながら、ゆったりとしたペースでレースは流れました。
 第1障害と第2障害の中間でトモエパワーが先頭に立つと、第2障害下に先頭で到達。各馬に先んじて勝負を挑みました。やや遅れてミサイルテンリュウ、アンローズ、スターエンジェルらが仕掛けます。トモエパワーは途中ヒザを折りながらも坂本東一騎手が必死に体勢を立て直すと、苦戦する各馬を尻目に、先頭で第2障害を越えました。
 かなり遅れて障害を越えたのはミサイルテンリュウ。そしてシンエイキンカイと続き、トモエパワーを追いかけましたが、力強く末脚を伸ばしたトモエパワーが余裕をもってのゴール。最後はミサイルテンリュウの脚いろが鈍ると、シンエイキンカイがこれを交わし、2着でゴールしたときには勝ち馬から40秒ほど離されていました。3着にはミサイルテンリュウが入り、単勝1番人気に支持されたミサキスーパーは第2障害で苦戦し7着に敗れました。
 勝ったトモエパワーは、今シーズン800万クラスからのスタートでしたが、3連勝でオープンに上がると徐々に力をつけ、帯広記念で重賞初制覇。重賞2勝目が大一番のばんえい記念制覇となりました。
 松井浩文調教師は厩舎開業2シーズン目でばんえい記念制覇の快挙。ベテラン坂本東一騎手も、念願のばんえい記念初制覇となりました。

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坂本東一騎手
「第1障害を越えたら先行して行こうと考えていたので、思いどおりのレースができました。第2障害でも手ごたえ十分で、ヒザを折ったときは一瞬焦りましたが、馬を落ち着かせようと考えました。最後はだいぶうしろが離れて、朝と比べるとだいぶ馬場が重くなっていたので、大丈夫だろうと思いました。あとは転倒することだけを気をつけていました。帯広記念を勝ったときから、ばんえい記念もという手ごたえはありました」

松井浩文調教師
「予想よりもだいぶ早めに行っているなとは思って見ていました。第2障害でヒザを折りましたが、その次にいい腰が入ったので、大丈夫だと思いました。帯広記念のあとはハンデを背負っていたので苦戦はしましたが、それなりにいいレースをしていたので、好調は維持していました。昨シーズンから手ごたえはあったので、今年はタイトルをとらなければと思って期待していました」

3/25ばんえい記念予想 矢野吉彦

2007年3月24日(土)

坂本・鈴木勝提両ベテラン騎手を応援

 さぁさぁ、いよいよ年に一度の大一番、ばんえい記念です。4年連続で優勝していた“ばんえい競馬の朝青龍”スーパーペガサスがいなくなった今回、ハッキリ言えば横綱不在となったレースで、どの馬が頂点に立つんでしょうか?
 ふつうに考えればミサキスーパーですよ。3年続けてスーパーペガサスの2着。“万年大関(?)”の同馬にとっては、“目の上のたんこぶ”がなくなったわけですから。ただ、昨年の岩見沢で夏負け気味の時に激走した反動なのか、それともひょっとしたら、ばんえい記念3年連続2着の蓄積疲労が堪えているのか、近走の内容が今ひとつです。帯広記念以降のレースで、ここへ向けて調子を上げてきてほしかったのですが、どうもパッとしません。この馬をどう評価するかは悩んじゃいますね。
 だったら、帯広記念を勝って、いわば“大関昇進”を果たしたトモエパワーか、すでにばんえい記念を経験している先輩格のミサイルテンリュウ、あるいはシンエイキンカイ。とりあえず、ここまでの4頭でボックス馬券を買っておけば当たるとは思うんですけど。
 トモエパワーはばんえい記念初挑戦。1トンのソリを引いても大丈夫かどうかはわかりません。でも、7歳の充実期に入って、初めての重量でもこなしてしまうだけの力は付けてきているようです。
 ミサイルテンリュウは、もし日曜日のレースまでに雨か雪が降らなかったら厳しいと思います。ただし、天気予報では土曜日の夜に雪が降り始め、日曜日は雨のち曇り、とのこと。恵みの雨が降りそうなので、押さえておくべきでしょう。
 シンエイキンカイは、ここ数戦、目立ちはしませんが、ジワッと調子を上げてきているように見えます。高重量戦は経験豊富。ようやくチャンス到来といったところです。
 他の馬では、ちょっと足りないでしょう。そうすると、4頭の手綱を取る騎手の中で、ばんえい記念に優勝した経験があるのはシンエイキンカイの大河原騎手だけ、ってことになります。あとの3人は、勝てば初めての優勝。中でも、坂本騎手と鈴木勝提騎手の両ベテランは気合いが入っているでしょうね。
 そこで、2人に対する応援の気持ちも込めて、ミサキスーパーとトモエパワーを頭に馬単を買います。2頭の折り返しと、両馬からミサイルテンリュウ、シンエイキンカイへ。計6点を、オッズと相談しながら金額にメリハリをつけて買うことにします。

 ここへ来て、岩手競馬の存続とか、高知・黒船賞の売り上げアップとか、ホッとするニュースが相次いでいます。ばんえい記念も馬券の売り上げが伸びるといいのですが。どうか、みなさんの熱いご支援、ご声援をよろしくお願いします。では、レースをお楽しみに!

3/25ばんえい記念予想 斎藤修

昨年4着も、経験を積んだミサイル

 ばんえい記念だ。
 今シーズンのばんえい競馬は、まさに激動の年で、ほんとにいろんなことがあった。しかしまた4月からもばんえい競馬が見られると思うと、穏やかな気持ちでばんえい記念を迎えることができる。
 最後の大一番の馬券を当ててやろうという、いつもの年のようなギラギラとした意気込みよりも、何か安心した気持ちのほうが先に立つ。

 ばんえい記念だけは特別なレース、とよく言われるが、それはいろいろな意味を含んでいる。
 賞金が他の重賞より飛びぬけて高かったり、年に一度の1トン(牝馬は980キロ)の重量を引くレースだったり、もちろん年度最後の開催に行われるレースだったり。
 高重量戦で経験と実績のある馬しか、まず勝負にならないということでも、また特別なレースだ。
 そこでいきなり結論。しかも矢野さんと同じで面白みもないのだが、ぼくも馬券の対象になるのはミサキスーパー、シンエイキンカイ、トモエパワー、ミサイルテンリュウの4頭だけだと思う。
 よっぽど狂ったときでも03年に2着という実績があるヒカルセンプーまで。そのヒカルセンプーにしても、2着のあとは毎年着順を落としているから、やはり厳しいだろう。
 結局、4頭でどう買うか、だと思う。
 実は帯広記念をトップハンデで勝った時点で、今年のばんえい記念の本命はトモエパワーと決めていた。
 過去の傾向から、帯広記念を重い重量で好走していた馬は、ばんえい記念に直結するからだ。
 しかしここに来てちょっとした疑問がわいてきた。05年あたりから帯広記念の基礎重量が軽くなっていて、かつてとは傾向が変わってきているのではないかということだ。
 去年も、帯広記念を勝ち、トップハンデで臨んだチャンピオンカップで2着と好走したミサイルテンリュウを自信の本命にして痛い目にあった。
 かつては帯広記念のトップハンデといえば、900キロ以上だったのだが、今年のトモエパワーは880キロでしかない。
 ならば、去年一度ばんえい記念を経験(4着)しているミサイルテンリュウをもう一度狙ってみる手があるのではないかと思い直した。大外(9番)に入って、さらに日曜日は雨予報で馬場が軽くなりそうなのは、この馬にとってはなんとも心強い。
 相手はトモエパワー。実績からすればミサキスーパーがあっさりという場面があっても不思議はないが、今年はちょっと衰えを感じるので狙いを下げる。
 ◎ミサイルテンリュウ
 ○トモエパワー
 ▲シンエイキンカイ
 △ミサキスーパー
 馬券はオッズを見ながら強弱をつけてミサイルテンリュウからの流し。場合によってはトモエパワーからも流すかも。いずれにしても、この4頭の組合せしか買わないと思う。

 さて、前日の競馬終了後には、十勝プラザレインボーホールで「ばんえい記念前夜祭」が行われる。
 旋丸さん、古林先生も出演するらしいので、お近くの方、また遠征で前日から帯広入りしている方はお楽しみに。

3/25ばんえい記念予想 古林英一

頭は堅い、トモエパワー

 一年納めの「ばんえい記念」である。いろいろあったこの1年。とにもかくにも4月以降もばんえいを楽しめることを心から喜びたいものである。
 さて、今年のばんえい記念は王者スーパーペガサスが出ない。となると、どの馬が軸か、世間(といっても小生の周りの人間だけだが)の評価はトモエパワーに集まりそうな気配である。確かに、帯広記念優勝、チャンピオンカップ2着という成績は、ばんえいの頂点に最も近いといえよう。だが、しかし、トモエパワーはばんえい記念初挑戦である。初挑戦というのはどうなんだろうか?
 1998年以降のばんえい記念の勝ち馬を列挙すると、98年フクイチ、99・00年シマヅショウリキ、01・02年サカノタイソン、そして03・04・05・06年スーパーペガサスである。98年のフクイチは96年に勝っているが、96年のときはばんえい記念初出走であったはず。99年のシマヅショウリキも初挑戦、サカノタイソンも初挑戦でばんえい記念を制覇している。スーパーペガサスは2度目の挑戦で栄冠を手にしたが、初挑戦時はサカノタイソンの2着である。
 ということは、初挑戦は何ら問題なさそうである。それよりも何よりも、このレース、日本の数ある競馬競走で最も堅く納まるレースではなかろうか。98年以降、1番人気が連を外したのは01年のサカノタイソン(3番人気)→グレートジャイナー(4番人気)の1回だけ。特にこの3年間なんぞは、みなさん先刻ご承知のように、判で押したように、1番人気スーパーペガサス1着・2番人気ミサキスーパー2着で決着している。
 となると、1番人気がトモエパワーだとすれば頭は堅い。相手は…。悩むところである。ついにスーパーペガサスの壁を破れなかったとはいえ、3年連続2着のミサキスーパーははずせない。ミサイルテンリュウも昨年より成長していれば圏内。
 さすれば、こんな簡単な馬券はない。
 ◎ 8.トモエパワー
 ○ 5.ミサキスーパー
 ▲ 9.ミサイルテンリュウ
で、決まりである。
 と、ここまで書いたところで、再度悩み始めた。ミサキスーパーは美形牝馬が近くにいると気が散ってしまうという噂を聞いたような気がする。呆けの始まった小生の、それもあやふやな記憶であるからして、全くあてにはならないのだが、ミサキスーパーの2つ隣には、輓馬界きっての美形といわれるアンローズがいる。美人が側にいりゃ、オッサンは誰でも気が散る。そこで、ミサキスーパーはちょっと評価を落とし、ミサイルテンリュウと順番を入れ替えることにする。したがって、
 ◎ 8.トモエパワー
 ○ 9.ミサイルテンリュウ
 ▲ 5.ミサキスーパー
である。馬単8-9、8-5。裏は少々。これで決まりっと思いきや、ここでとっておきの大穴最終兵器としてアンローズを抜擢するのである。さて、お立ち会い、帯広未勝利で、他では女王、帯広ではただのねえちゃんとさえいえるアンローズを抜擢する根拠とは…!? ないっ! 根拠はまるっきりない。小生がただ好きなだけである。でもね、こんな程度で買った馬券が結構あたったりする。これが競馬なのである。3.アンローズから上記3頭へ馬複流し。

 24日はばんえい記念前夜祭で小生も旋丸・鳴海両巨匠に混ざって予想を公開する予定である。もしかすると、このばんえい情報局に発表した予想を大転換させる可能性も十分である。お近くの方、ぜひご来場あれ!

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