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2006年2月 アーカイブ

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レース回顧(2/17~2/20)

2006年2月21日(火)

 17日(金)に行われた納沙布岬特別(4歳以上オープン)は、4番人気11歳のスピードカザンが優勝。真っ先に障害を下りると、激しく追ってきたエビスオウジャを完封しました。これで2連勝となりましたが、3月には定年引退(原則10歳。最終格付がオープン又は準オープンの馬は、1年に限り延長することができる)となるため、競走生活のラストスパートをかけているのでしょうか。次走もぜひがんばってもらいたいものです。なお2番手で障害を下りた1番人気のキタノコクホーは、その後に脚いろが鈍ってしまい、4着に敗れました。
 第9レースのオープン・800万クラス混合戦は、5番人気のミスターセンプーが優勝しました。先頭で障害を抜けると、そのまま一気に逃げ切ってゴールイン。2着タケノホウシュウで、3着はヒカルセンプーとダイコーアラシが同着となっています。
 18日(土)のメインレースは襟裳岬特別(4歳以上800万円未満)キングファラオがニシキダイジンを下して、ポプラ賞の雪辱を果たしました。道中ペースを握ったニシキダイジンは、第2障害もひと腰で越えましたが、障害下でタメにタメたキングファラオが急襲。こうなると、破壊力抜群の末脚を持つキングファラオに分があり、残り10メートルを切ったあたりで先頭に立つと、そのままゴールしました。斤量差もありますが、ニシキダイジンはやはり末の甘さが課題といえそうです。
 19日(日)は4歳以上オープンによる然別賞が行われました。注目はなんといってもスーパーペガサスでしたが、やはり4カ月半のブランクは大きかったか、7着に敗れました。勝ったのはエンジュオウカン。障害をあっさり越えて独走かと思われたところ、残り20メートル付近でストップ。後続がドッと押し寄せ、大混戦となりましたが、立て直したエンジュオウカンは最後まで踏ん張りとおしてゴールしました。2着はシンエイキンカイで、3連続連対と好調を維持していると同時に、道中の先行策が生きている印象です。なおアンローズは6着、サダエリコは9着に敗れました。
 第10レースに行われたジュニアカップ(3歳、父競走経歴馬)は、メジロショウリキが優勝。カネサテンリュウが2着で、人気サイドでの決着となりました。とはいえ、ゴール前は大混戦。カネサテンリュウとニシキセンプーが抜け出し、2頭の決着かと思われたところ、2頭ともゴール前で失速してしまいました。このあたりは課題といえそうですが、トップハンデながら見せ場をつくったニシキセンプーの実力は、やや抜けているといった印象を受けました。
 翌20日のメイン、霧多布岬特別(4歳以上650万円未満)は、3番人気のヤマノミントが優勝しました。障害巧者ウィナーサマーが軽ハンデを生かして障害を抜けると、ヤマノミントは2番手からこれを追走。早めに先頭に立って文句なしの勝利を飾りました。2着争いは、いったんはギャンブラークインが抜け出したもののゴール前で止まってしまい、ウィナーサマーが再度抜け出してこれを制しました。3着はジワジワ脚を伸ばしたプランドルドラゴン。なお6連勝中で1番人気に推されたカネサブラックは、障害で詰まって9着に敗れています。
 第10レースのオープンは1着にミサキスーパー、2着スターエンジェルで、人気サイドでの決着となっています。ミサキスーパーは自慢の障害力でゴールまで一直線。2着争いはトカチプリティーとスターエンジェルによる接戦となりましたが、3番手から豪快に脚を伸ばしたスターエンジェルがわずかに先着しました。

18日以降の映像はこちら

やっぱり馬が好き(第14回)  旋丸 巴

2006年2月17日(金)

名優マルニシュウカン

 ばんえい競馬を主題として話題になっている映画『雪に願うこと』の試写会に行って参りましたよ、私も。本欄は映画評を記す場ではないので、評論、評価は省略するけれど、読者諸氏には、これだけは申し上げておこう。「映画の出来栄えはともかく、競馬ファンなら、是非、ご一見を。ばんえい競馬と、その裏舞台を見られる貴重な映画ですから」と。

 さて、試写会の後には、ばんえい関係者と製作スタッフが集まって、小さなパーティーが行われ、私も参加の幸運に恵まれた。因みに、このパーティーには、当情報局の編集長・斎藤修さん、矢野吉彦さん、古林英一先生も出席されて、私を含め執筆者揃い踏み。会場の一角に「怪しい集団」を形成していたのだけれど、まあ、それは余談として……。

Iseya  そんなパーティーで、しかし、何と言っても一人、オーラを発していたのが、主演の伊勢谷友介さんだった。何たって、背が高い、スタイルがいい、顔が小さい。もう一般人とは明らかに違うアトモスフィアを漂わせて、さすがは有名女優と噂されるイケメン俳優。(写真:右から2人目が伊勢谷さん)

 しかも、である。こんな天衣無縫、完璧な容姿の売れっ子であるにも関わらず、私の友人が握手を求めると、呆然するほどの爽やかな笑顔で握手に応じ、なおかつ「これからも宜しくお願いします」と、これまた輝く笑顔で宣もうたのだから……。うむむむむ。握手してもらった我が友人が日なたのチョコレートの如くグニャグニャになってしまったのも仕方なければ、見栄を張って握手を求めなかった私が嫉妬に悶絶したのも当然の成行き。

 と、すっかり伊勢谷レポート化してしまったけれど、そして、本当に伊勢谷さんは目がくらむほど格好よかったのだけれど、映画『雪に……』の中で、私が心ひかれたのは、実は、この美形俳優ではない。

Maruni  作中、最も秀逸な演技を見せ、誰よりも労苦を惜しまず真摯に映画に貢献した「魅惑の役者」、それは主役馬ウンリュウを演じた「マルニシュウカン」である。誰が何と言おうと、それが私の結論。(写真:マルニシュウカン)

 現役バリバリ、今正にレースに使われている、そんな馬が様々な無理難題を課せられ、それに応じた、というだけでも頭が下がるけれど、私が、この栗毛馬を「名優」と称する理由は、それだけではない。

 作中、主人公の男性(伊勢谷友介)とウンリュウ(マルニシュウカン)が心通わせる場面で、この馬は主人公に口をパクパクしてみせるのである。この仕種は、「スナッピング」と言って、群の下位に属する馬が上位の馬に対してする「服従」の仕種。つまり、この映画の中では、馬が主人公に「親愛の情」を示す、という意味を含めた「演技」なのである。

 そうした重要なシーンで、マルニシュウカンは、実に自然に主人公の肩口に唇を寄せ、柔らかく口を動かしている。

 これは本当に心温まる演技であって、そこいらの純愛映画のラブシーンなんか比較にならない「胸に染み入る名場面」。馬映画は随分観たつもりだけど、かほどの名演技が出来る馬は、海外にだって、そうはいまい。

 勿論、このマルニシュウカンを映画に提供して下さった馬主さんの英断と、映画製作に協力した久田調教師を始めとする厩舎関係者の尽力も忘れてはならないから、パーティーでは馬主さんに、観客を代表する心意気で「感謝」の意をお伝えしておいた。

 そして、また、過日、所用で帯広競馬場の厩舎を訪れた時には、マルニシュウカンにも面会させてもらい、この名優にご挨拶申し上げた。洗い場に繋がれた彼は想像より小柄で、しかし、なかなか芯の強そうな精悍な馬。その威風堂々たる姿を写真に収めたら、伊勢谷さんと握手できなかった悔しさも吹き飛んだ。

今週のみどころ(2/17〜2/20)

2006年2月16日(木)

 これまで基本的には土~月の3日間開催でしたが、今週からは金~月曜の4日間開催となります。日曜の登録馬のなかにはスーパーペガサスの名前も見られるなど、ソフト、ハードの両面で、クライマックスへ向けてピッチが上がってきました。今週も熱戦を期待しましょう。もちろん、先週お伝えした大河原和雄騎手の通算2000勝達成(現在1996勝)の瞬間にも注目です。
 17日(金)のメイン、第10レースは納沙布岬特別(4歳以上オープン)キタノコクホースピードカザンあたりが人気になるでしょうか。とはいっても勝ち負けを繰り返しているメンバー構成であり、どこから狙っても楽しめそうです。
 第9レースはオープン・800万下混合戦。ヒカルセンプー、キングシャープなどの実績馬が登録しています。前走のオープンで2着となったミスターセンプーも有力でしょう。
 18日(土)のメイン第10レースは襟裳岬特別(4歳以上800万円未満)。ポプラ賞で重賞初制覇を果たしたニシキダイジン、同2着のキングファラオがエントリーしています。ほかホクトキングやプリンセスサクラコなどの5歳勢に対し、エンジュダイヤやカネタマルの4歳勢、タカラボーイ、スーパーミントなどのベテラン勢が挑む図式といえましょう。ハンデ差に注目したいところ。
 19日(日)はメインの第11レースに然別賞(4歳以上オープン)が行われます。前述のとおり、ここには王者スーパーペガサスが登録してきています。出走については脚部との相談次第と思われますが、もしゲートインできれば仕上がりその他を含めて、もちろん注目です。ほかサダエリコ、ミサイルテンリュウ、エンジュオウカンなど、注目馬が目白押し。いずれにせよ見逃せない一戦といえましょう。
 この日の第10レースはジュニアカップ(3歳オープン、父競走経歴馬)。3歳トップを形成する4頭、ニシキセンプー、メダマ、カネサテンリュウ、メジロショウリキに加え、マルミシュンキ、黒ユリ賞馬キタノパワーなども登録してきました。3歳勢もイレネー記念(3月19日)に向けてピッチが上がってきており、こちらも見逃せない一戦です。
 20日(月)のメイン第11レースは、霧多布岬特別(4歳以上650万円未満)。ここにはギャンブラークインやホクショウファイト、カネサブラックなどなど、注目馬が多数登録してきました。なかでも期待したいのは6連勝中のカネサブラック。さらに連勝を伸ばすことができるか注目したいところ。ほかオホーツクブルーやウィナーサマーも争覇圏でしょう。
 この日の第10レースにはオープンが組まれています。ここはスターエンジェルミサキスーパーあたりが中心となりそうです。
 またこの日は1開催2回出走馬による勝入戦が4鞍組まれています。すべて中2日での出走となるので、当日の気配に注目しましょう。

レース回顧(2/11~2/13)

2006年2月13日(月)

 11日(祝・土)のメインレースに行われたのは白樺賞(4歳以上オープン)。ここは実績馬シンエイキンカイが優勝しました。道中はこの馬らしからぬ先行策で、第2障害下にも早めに到着。障害ではヒザを折るなど苦戦しましたが、それでも終いの脚は確実で、追いすがるヨコハマボーイを振り切ってゴールしました。懸命に追ったヨコハマボーイはゴール線上で詰まったものの、2着を確保しています。
 同日の第10レース、勝入別定550万円未満サカノオオマサが優勝。2着にイケダガッツで、人気サイドの決着となりました。
 12日(日)のメインレースは重賞のポプラ賞(4・5歳オープン)。このレースについては別掲のポプラ賞回顧をご覧ください。第10レースのつばき特別(3歳オープン)は、1番人気にこたえてマルミシュンキが優勝。ハンデの割には僅差でしたが、それでもシーズン序盤の勢いを取り戻しつつあるようです。カネサテンリュウが2着で、前走7着から巻き返しています。3歳オープン戦線は混戦模様を呈してきたと言えましょう。
 第9レースの4歳以上オープンは、1番人気のスターエンジェルが快勝。スターエンジェルとともに人気の中心だったコスモカップが7着に敗れたことで、3番人気ミスターセンプーとの馬連単が4,930円と高配当になっています。
 13日(月)のバレンタイン特別(650万円未満)は、9番人気のオーザンキヨイチが優勝して、プリティブライトが2着。道中ペースを握っていた2頭で決着しました。オーザンキヨイチは先頭で障害を越え、終いで甘くなるもそのまま逃げ切り。同じくプリティブライトもゴール直前で詰まり、いったんはシャトルクイーンに交わされるも、差し返して2着を確保しました。
 第10レースの4歳以上オープン混合別定は、伏兵のスピードカザンが優勝。2着にキタノコクホーで、1番人気に推されたミサキスーパーは3着に敗れました。

映像はこちら

2/12ポプラ賞回顧

2006年2月12日(日)

ニシキダイジン悲願の重賞初制覇!

 12日(日)は4・5歳馬による重賞、ポプラ賞が行われました。注目馬が多数出走したこの一戦は、2番人気のニシキダイジンが優勝。自身初の重賞制覇を成し遂げました。
 第2障害ではエンジュオウカンや銀河賞馬のホクトキングらの実績馬がヒザをつき大苦戦。そうしたなか、真っ先に障害を抜け出したのがニシキダイジンでした。続いてキングファラオ、エンジュオウカンの順で障害を下りていきましたが、ヒザを折った影響か、エンジュオウカンにいつものスピードが見られず失速。対してキングファラオはニシキダイジンとの差を詰め、ゴール前で交わしそうな勢い。しかしニシキダイジンは最後まで踏ん張り通し、そのまま先頭でゴールしました。
 近走3戦連続連対と好調だったニシキダイジン。これまで重賞では旭川記念の2着が最高でしたが、今回の重賞初制覇でさらに存在感を増した印象。今後の活躍も期待できそうです。なお3着には最低人気のギャンブラークインが入り、人気のエンジュオウカンは5着に敗れました。

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鈴木恵介騎手
「調教師の指示どおり、先行逃げ切りに徹しました。第2障害では他の馬が苦戦していたので、いけると思いましたね。ゴール前で末脚のあるキングファラオに迫られましたが、馬がよく頑張ってくれました。思いどおりの騎乗ができて、本当にうれしいです」

小林勝二調教師
「体調は万全でしたが、有力馬揃いのなかで勝てて非常にうれしいです。とにかく他馬より前へ前へ先行していく作戦だったので、見事にはまったという感じですね。ゴール前はヒヤッとしましたが、馬、騎手がよく頑張ってくれました」

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