
地元デビュー馬限定で争われた黒潮ジュニアチャンピオンシップに対して、ここは北海道からの転入馬が強力だ。
リワードアヴァロンはJRA認定競走を惜しいところで勝てず、それでもシーズン終盤に一般戦で2連勝。そして転入初戦の古馬C3戦を楽勝。そのときの1300m=1分24秒8という勝ちタイムは、今回のメンバーでは傑出している。高知所属となって南部杯JpnIで3着に入りアッと言わせ、高知県知事賞などを制したグランシュヴァリエのわずか4頭の初年度産駒の1頭としても注目だ。
レインズパワーは、エーデルワイス賞JpnIIIで勝ち馬からコンマ5秒差の7着があり、その後門別のオープンを制した。このレベルの馬が2歳のうちに高知に転入してくるようになったということでは感慨深い。転入初戦となった前走古馬C2戦は2着だったが、1400mの走破タイム1分33秒0は今回のメンバーでは持ちタイム最速。金の鞍賞の近年の勝ちタイムと比較しても遜色ない。この2頭の一騎打ちの可能性が高い。
門別から転入して2戦の内容があとひと息のシッコク、門別から転入後2戦とも結果が出ていないもののフリタイムらが3着候補。
◎2リワードアヴァロン
○4レインズパワー
△7シッコク
△3フリタイム
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ノボバカラに騎乗する吉村智洋騎手は、自身がもつ兵庫の年間最多勝記録を更新する297勝を挙げたのが12月3日のこと。12月24日現在319までその勝利数を伸ばしている。全国リーディングについては、今年は森泰斗騎手が独走しているため2年連続は難しい状況だが、ここでダートグレード初勝利のチャンスが巡ってきた。ノボバカラは今年ここまで栗東Sでの1勝のみだが、一線級相手でも好走はしており、今回はメンバーにも恵まれた。昨年も同じ森秀行厩舎のマテラスカイに騎乗し、1番人気に支持されたものの5着。今年こそはの思いはあるだろう。
ラブバレットは川崎に移籍しての出走。岩手でのレースぶりからは8歳でも衰えたという感じはない。一昨年2着だった舞台でもあり、昨年はみずからに落ち度がないにもかかわらず除外という悔しい思いもあり、ダートグレード初制覇に期待がかかる。
古馬相手には苦戦しているデュープロセスだが、前走武蔵野Sは着順こそ7着とはいえ、勝ち馬からは1秒差。古馬相手を経験しての上積みがあれば上位争いも可能。あとは園田の小回りコースをこなせるかどうか。
昨年4着だった高知のサクラレグナムは10歳でも衰えは感じられない。
今年春以降まったく冴えないテーオーエナジーだが、地方のダートグレードでは、近走イマイチの実績馬が忘れたころに好走というのはまれにあるパターン。1400mの距離は一度しか経験がないが、地方のコーナーを4つ回るコースならこなせる可能性はある。
ランスオブプラーナは初ダートが園田の小回りコースでどこまでやれるか。
◎8ノボバカラ
○1ラブバレット
▲3デュープロセス
△9サクラレグナム
△6テーオーエナジー
△10ランスオブプラーナ
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グレイトパールは転入後、地方馬同士のレースで負けたのは馬群に包まれてレースをさせてもらえなかったオグリキャップ記念だけ。九州大賞典はスーパージンガに8馬身差をつける圧勝。名古屋に遠征した東海菊花賞も、前をとらえるまでは手こずったが、直線最後の100mだけで突き放して最後は余裕があった。地元馬同士なら負けるわけにいかない一戦だ。
相手筆頭は、目下7連勝のウノピアットブリオ。初めてA級馬との対戦となった準重賞の雲仙岳賞でも、ハッピーハッピー、スーパージンガら重賞実績馬を相手に完勝。そこを勝ってもまだB級格付で、その前走と同じ54キロで出走できるのは有利。
雲仙岳賞で2着だったハッピーハッピー、3着だったスーパージンガらも今回は斤量は変わらず、勝ったウノピアットブリオも含めて、この3頭の序列は今回も変わらないと見る。ただグレイトパールを本気で負かしにいく馬がいれば、2番手以下は実力通りには決まらない可能性は十分考えられる。
雲仙岳賞で4着だったキングプライドは、今回も1頭だけ57キロを背負うのは厳しい。○以下のいずれかが崩れたときに馬券圏内の可能性。
◎9グレイトパール
○2ウノピアットブリオ
▲8ハッピーハッピー
△7スーパージンガ
△12キングプライド
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フルゲートにはなったが、地方勢はダートグレードではかなりハードルが高いと思われる馬ばかり。とはいえ中央勢もグレード勝ちがあるのは、アンタレスステークスGIIIのアナザートゥルースと、2歳時に兵庫ジュニアグランプリJpnIIを制したデルマルーヴルの2頭だけ。
その2頭が出走していた前走浦和記念は、ケイティブレイブは格が違ったという強い勝ち方で、アナザートゥルースはスタートで後手を踏みながらも徐々に位置取りを上げて2着を確保。ゆったり流れるこの距離ならさらに力を発揮しそうで、サウンドトゥルーの下という血統的な魅力もある。
昨年ダートに転向したアングライフェンは、重賞タイトルこそないものの、ダート初勝利となった今年2月のアルデバランステークス以降は、すべて4着以内でいずれも差のない安定したレースぶり。今回はメンバーにも恵まれ7歳にして重賞初制覇の可能性は十分。
白山大賞典JpnIIIでグリムにクビ差2着だったデルマルーヴルだが、斤量に恵まれた面は否めない。その結果が1番人気に支持された浦和記念JpnIIでの4着。今回も古馬より2kg軽いが、アナザートゥルース相手に逆転まではどうだろう。
シリウスステークスGIIIでアングライフェンに迫る2着だったメイショウワザシ、条件戦連勝で重賞初挑戦となるアポロテネシーらは連下争いまで。
◎8アナザートゥルース
○12アングライフェン
▲2デルマルーヴル
△5メイショウワザシ
△9アポロテネシー
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北上川大賞典に出走予定だったらしいエンパイアペガサスだが、残念ながら中止となってこちらに回ってきた。2000メートル以上で強い印象だが、マイル戦でも7戦5勝。負けたのは2度とも盛岡で、水沢では3戦3勝。この舞台でも能力を発揮する。
今期絶好調はロジストーム。冬季移籍していた船橋から戻っての岩手では6戦4勝。南部杯は度外視として、負けたのは青藍賞でエンパイアペガサスに半馬身差。得意のマイル戦だけに雪辱のかかる一戦。この2頭の一騎打ちとなりそう。
ヤマショウブラックの安定した走りがいよいよ素晴らしい。前走イーハトーブマイルは逃げたパンプキンズと直線追い比べとなって、半馬身差で競り落とした。岩手では今回初めての古馬挑戦で、一線級相手に斤量差を生かしてどこまでやれるか。現状、上記2頭を負かすのは容易ではないと思うが。
パンプキンズは、イーハトーブマイルから中1週で絆カップに挑戦し、ロジストームにコンマ9秒差の8着。得意のマイル戦だが、古馬の壁はまだ厚いようで、今回もどこまで食い下がれるか。
重賞となるとあと一息のミスティカル、マーブルフラッシュらは連下争いに食い込めるかどうか。
◎8エンパイアペガサス
○9ロジストーム
▲10ヤマショウブラック
△5パンプキンズ
△12ミスティカル
△1マーブルフラッシュ
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