
基礎重量54キロに対して、別定重量の加増があるのは59キロ・ダノンスコーピオン、57キロ・チカッパの2頭だけ。過去にはダノンレジェンドが60キロでこのレースを勝ったことがあるが(2016年)、JBCスプリントも含め短距離のダートグレード9勝と、別格の強さだった。過去10年で57キロ以上を背負ってこのレースを勝ったのは、ほかには昨年のドンフランキー(57キロ)だけ。とはいえそもそも57キロ以上を背負って出走してくる馬自体が少なく、上記2頭のほかには3頭のみで、3着2回、4着1回。短距離戦で高重量となると、おそらく避けてしまう馬が少なくないと思われる。
また地方馬は過去10年で1勝、2着2回、3着4回という実績があるが、ブルドッグボス、ラブバレット、ポアゾンブラックという3頭のみによるもので、ラブバレットはこのレース初出走時にさきたま杯JpnII・4着という経験があり、ブルドッグボスとポアゾンブラックにはダートグレードで2着という実績があった。今回、地方馬には、中央からの転入馬も含めてダートグレードで掲示板内の経験のある馬はおらず、馬券圏内は中央馬同士の争いとなりそう。
サンライズアムールはデビュー3戦目以降ダート1200メートルを中心に使われ、オープン特別で4勝という実績。ダートグレード初挑戦だったカペラステークスGIIIは4着だが、斤量1キロ差だったチカッパ(6着)には先着。その後2戦は重量に苦しめられ着外だったが、前走水無月ステークはトップハンデ・タイの58.5kgで勝利。今回は別定増量なしの54キロで、しかもチカッパと3キロ差がついたとあれば重賞初制覇のチャンス。
昨年の覇者ドンフランキーは東京盃のJpnII勝ちで57キロを背負ったが、チカッパも同じく東京盃のタイトルで今回57キロ。その斤量自体は背負い慣れているが、今回はダノンスコーピオン以外の中央3頭と3キロ差をどう評価するか。
アドバンスファラオは、今年3月のコーラルSでオープン初勝利。走るときと走らないときの落差が大きく中心としては狙いにくいが、54キロなら勝ち負けまでチャンスはありそう。森秀行厩舎はこのレース5勝。笹川翼騎手にも期待だ。
補欠から繰り上がったヒビキは3勝クラスを勝ったものの、オープン特別では3着が最高という成績。前走水無月ステークスは、勝ったサンライズアムールより3.5キロ軽い55キロで13着。今回は同重量で、その差を埋めるにはよほどの上積みが必要。
ダノンスコーピオンはダートで3戦して東京スプリントJpnIIIでの6着が最高という成績。今回は斤量差も考えると、他の有力馬の凡走など展開的な助けがないと厳しそう。
◎4サンライズアムール
◯6チカッパ
▲7アドバンスファラオ
△14ヒビキ
△9ダノンスコーピオン
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エバーシンスは2100メートルに距離延長となった東海優駿では4コーナーではまだ離れた6番手あたりから直線よく伸びて3着。続いて出走したA4特別で古馬相手の勝利は評価できるもの。前走金沢に遠征した兼六園スプリントは差のある6着だったが、今回再び1900メートルに距離延長となって、末脚発揮なら2歳時のラブミーチャン記念以来の重賞勝利が期待できる。
トゥーナフォーティは2歳時に2勝を挙げたのみで、新緑賞4着があったもののそれまであまり目立った成績がなかったが、6月の特別戦から前走準重賞のけやき杯までいずれも逃げ切りで4連勝。そのけやき杯は3番手以下を離し、直線競り合いとなったエレインアスティ(2歳時にネクストスター名古屋を勝利)を1馬身半差でしりぞけた。不良馬場とはいえ1700メートル1分48秒2は優秀なタイム。
スターサンドビーチは、重賞では掲示板までの好走だったが、1900メートルの準重賞・笠松プリンシパルカップを2着に4馬身差、3着馬には大差で圧勝。その勢いで遠征した園田の西日本クラシックでも2着に健闘した。東海優駿4着、けやき杯6着は、ともに勝ち馬から差のある結果だったが、今回、笠松プリンシパルカップと同じ笠松1900メートル戦で巻き返しに期待だ。
ロングトーンは中央未勝利から転入して3歳の条件戦を3連勝。前走1500メートルの勝ちタイム1分34秒6は、不良馬場とはいえ、◎◯の持ちタイムを上回る。
ネクストスター中日本3着、新緑賞2着と笠松の重賞で好走しているマルヨハルキは、今回一気の距離延長でどうか。
サンヨウスフィーダは2走前の3歳1組特別で2歳時以来の勝利を挙げ、続く前走、トゥーナフォーティが勝ったけやき杯が2着馬にも離されての3着。ここに来て上昇傾向だけに、差を詰めることができれば入着の可能性はありそう。
◎7エバーシンス
◯3トゥーナフォーティ
▲4スターサンドビーチ
△8ロングトーン
△6マルヨハルキ
△12サンヨウスフィーダ
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ばんえいグランプリのファン投票で、その出走馬を除いた投票上位馬から選抜される、オッズパーク杯第4回ばんえいスタートロフィー。
昨シーズンの2歳チャンピオン、キョウエイエースはデビューからほとんど崩れたことがなく、3着以内を外したのはわずか4回。そして掲示板は一度も外していない。今シーズンは3歳ながらA1級の古馬との対戦でも善戦。前走ばんえい大賞典は惜しくも2着に敗れたが、そこで690キロ経験しての今回680キロ。オープン格付の馬がいないこのメンバーなら主役を張れる。
今シーズンやや不振だったギンジだが、B1との混合で初勝利を挙げると、A1特別もキョウエイエースを相手に勝利と勢いづいた。前走とかち桂冠賞はオープン馬相手でさすがに厳しかったが、今回のA1以下のメンバーなら勝負になる。
カイセドクターは昨シーズン、オープン1組では苦戦したが、今シーズンはA2級からのスタートとなって好走を続けた。2走前の層雲峡特別が、ギンジ、キョウエイエースに続いての3着。末脚自慢のその2頭を負かすには、障害早めから粘り込めるかどうか。
マサタカラは今シーズンB1に降級となって3連勝と能力を発揮したが、A2級では足踏みしているように、このメンバーに入ると勝ち負けまではどうか。
かつては古馬重賞で上位入着のあったゴールドハンターだが、今シーズンは大きな着順もあり、2走前の文月特別が初勝利。今シーズン結果が出ていないコマサンブラックともども、ここは連下争いまで。
◎10キョウエイエース
◯8ギンジ
▲1カイセドクター
△7マサタカラ
△5ゴールドハンター
△2コマサンブラック
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メムロボブサップは昨年このレースを制して、ばんえいグランプリではアサギリの4連覇に並んだ。そして今年は史上初の5連覇を目標に前走で復帰。無難に障害を越えて、最後はタカラキングダムに差を詰められたとはいえ余裕をもってのゴール。今回、別定増量なしの790キロなら障害を失敗することもないだろうし、記録達成の可能性は高い。
キングフェスタは、790キロという重量で障害をちゃんと越えられるかどうか。これまで最高重量は、昨年のポプラ賞、今年のチャンピオンカップと2度経験していて、ともに障害でヒザをついて前の集団から置かれてしまったが、それでもともに2着に追い込んできた末脚はすごい。3月16日の蛍の光賞は785キロですんなり越えていたが、そのときは雪の降る軽馬場だった。今シーズン770キロの北斗賞では障害を完全に失敗して4着。さて今回は......。メムロボブサップからそれほど離されずすんなり越えての末脚勝負なら差し切る場面まで期待したい。ただしこの重量だと北斗賞の2の舞ということも考えられる。一線級相手となるとまだ狙い所が難しい。
クリスタルコルドは、今シーズン当初はやや落ち込んだが、北斗賞3着、そして旭川記念を制して調子を上げてきた。昨シーズンはその2重賞を連勝し、ばんえいグランプリは4着。今回も昨年と同じ800キロでどうだろう。年齢を重ねて昨シーズンより力をつけたと考えれば勝負になる。
インビクタは、例年シーズン序盤は好調で、今シーズンは勝ち星こそないもののここまでの重賞で3、2、2着。800キロくらいまでは難なくこなすことができ、あとはメムロボブサップより前で障害を越えられるかどうか。金曜日現在のピンポイント予報では、土曜日に傘マークがあり、日曜日は雷マーク。馬場が軽くなればこの馬の味方になる。
ばんえい記念2着と健闘したコマサンエースは、ばんえい十勝オッズパーク杯を制し、9歳にして重賞初制覇。その後も好調で、北斗賞を制して旭川記念が僅差の3着。今回、メンバー中唯一別定20キロ増の810キロとなるのは楽ではない。
◎7メムロボブサップ
◯1キングフェスタ
▲4クリスタルコルド
△5インビクタ
△6コマサンエース
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2017年まで重賞、18年以降準重賞として行われていたフェアリーカップだが、今年再び重賞に格上げされた。
ミニアチュールは今シーズンここまで勝ち星こそないものの、シアンモア記念3着、あすなろ賞2着、みちのく大賞典3着と、牡馬一線級との対戦で上位争い。距離も2000メートルまではオールマイティにこなしており、牝馬同士なら能力断然。このレースは準重賞だった昨年から連覇がかかる。
ケープライトは3歳秋以降、マイル以下を中心に使われているが、3歳時には1800メートルのひまわり賞、やまびこ賞でともに2着があった。昨年秋以降勝ち星から遠ざかっているが、オープン特別ではほぼ掲示板内を確保しており、2走前にも1600メートルで差のない3着に好走しているので、牝馬同士ならこの距離もなんとかこなせるのではないか。
金沢から移籍初戦となるポンヌフは、勝ち星こそ名古屋で挙げた1勝のみだが、ここまで2着は6回。重賞でも金沢では牝馬限定のお松の方賞3着、金沢クイーン賞2着と好走している。中央時代も含めて1700メートルで結果を残しており、牝馬同士のこの距離は好条件だ。
ブリーザフレスカは一昨年名古屋で重賞3勝。名古屋から岩手に転入しての近走は着外が続いているが、牝馬同士なら上位食い込みの可能性はある。
川崎から転入したエイシントゥランは、水沢1400メートルのB1戦を2連勝。以前はワンターンの超短距離での実績だったが、今年1、2月には川崎1500メートルでそれほど差のない2着、3着があった。さらなる距離延長に対応できれば、能力的にはそれほど見劣らない。
◎4ミニアチュール
◯8ケープライト
▲9ポンヌフ
△6ブリーザフレスカ
△5エイシントゥラン
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