
東北優駿を圧勝したリケアカプチーノが3歳ながら出走してきた。もし勝てば、3歳馬によるみちのく大賞典制覇は史上初のこととなる。過去には7月や8月に行われた時期もあるみちのく大賞典だが、6月に行われていたことが多いため3歳馬の出走自体がほとんどなく、3歳馬の出走は2012年のアスペクト(10着)以来。過去25年まで遡っても出走はその1頭だけだった。リケアカプチーノは東北優駿は余裕をもって2着サンロックンロールに7馬身差。3着馬にはさらに9馬身差がついていた。その時の勝ちタイムが2分10秒0で、同じ水沢2000メートルが舞台。古馬重賞となるとさらにタイムを詰める必要があるが、斤量が1kg軽くなっていることもあり、勝負になるとみる。
相手にはミニアチュール。昨年10月のすずらん賞以来勝ち星から遠ざかっているが、大崩れも少なく、同舞台の桐花賞では3頭接戦の2着。ヒロシクン(4着)には先着していた。
人気になるのは、赤松杯、シアンモア記念と連勝で臨むヒロシクンだろう。このレースには連覇がかかる。中央1勝クラスから転入して連戦連勝。負けたのは、ダートグレードを別にすれば昨年末の桐花賞だけ。ただ昨年のみちのく大賞典でも、勝ったとはいえゴール前では一杯になっており、距離に疑問符で3番手評価とした。ただほかにハナを主張しそうな馬もいないだけに、逃げてスローに落とせれば連覇の可能性も十分。
サクラトップキッドは2500メートルの北上川大賞典を制し、前走あすなろ賞では4コーナーで差のある6番手あたりから直線よく伸び、2着ミニアチュールに半馬身差まで迫った。スタミナ勝負の流れになればこの馬の出番。
桐花賞を制したライアンもこの距離で能力を発揮する。あとは展開次第。
◎8リケアカプチーノ
◯9ミニアチュール
▲5ヒロシクン
△3サクラトップキッド
△4ライアン
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石川優駿1、2着馬が揃って出走してきた。勝ったビバロジータはレース後の疲れを心配していたし、ショウガマッタナシは目一杯の仕上げで臨んでいたにもかかわらず、中1週での出走は、牝馬同士で相手が楽になるということだろうか。2歳時から互いに重賞戦線でしのぎを削ってきた2頭は、ともにここまで重賞2勝で2着も複数回。この2頭を巡る争いと見ていいだろう。
石川優駿では直線で外からショウガマッタナシが抜け出して勝ったかと思ったところ、内を突いたビバロジータが差し切った。ただビバロジータは道中で他馬を気にするなど力を発揮できないときがあり、それゆえ勝つときは強いが負けるときはあっさりというタイプ。一方でショウガマッタナシはここまで15戦して3着以内を外したのは2歳時の11月、12月の2戦だけ。連軸としてはりショウガマッタナシが信頼できる。
3番手は、岩手から転入2戦目でこの2頭とは初対戦となるスノーミックス。岩手では牝馬同士の留守杯日高賞で3着があり、転入初戦は1番人気でアタマ差2着に負けたものの、1500メートル1分36秒3は不良馬場とはいえまずまずのタイム。
さらに4番手も2強と未対戦のエコロルキナ。名古屋から転入3戦目の1400メートル戦を6馬身差で圧勝。1400メートル良馬場の1分29秒9は好タイム。続く前走では8着惨敗だったが、スタートで後手を踏んで位置取りを悪くしたため度外視としていいだろう。
北日本新聞杯で3着、4着のエムティパル、ゴールドパースはどこまで差を詰められるか。
◎11ショウガマッタナシ
◯10ビバロジータ
▲9スノーミックス
△5エコロルキナ
△1エムティパル
△4ゴールドパース
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マッドルーレットは昨年船橋から転入して6戦、休養明けの2戦で調子を上げてきた。笠松のマーチカップでは後続を引き付けての逃げに持ち込むと、3コーナーから徐々に後続との差を広げ、メイショウタイセツに3馬身差をつけて逃げ切り。そして東海桜花賞では3コーナーからフークピグマリオンと馬体を併せての一騎打ちで惜しくもアタマ差2着に敗れたが、フークピグマリオンといえば昨年3歳年末に東海ゴールドカップを制し、名古屋グランプリJpnIIでも4着と見せ場をつくった実力馬。南関東時代も含めてこれまで全13勝のうち11勝を1500〜1700メートルでマークしていただけに、前走東海桜花賞(2100メートル)からの距離短縮はプラスといえそう。
転入初戦となるサンテックスは、船橋で重賞入着実績があり、前走高知の福永洋一記念でも3番手追走から直線前をとらえきれなかったものの差のない4着好走。その能力を発揮できればここでも勝ち負けまで。
メイショウタイセツは昨年中央未勝利から転入して12戦10勝。負けた2戦は笠松遠征の重賞で、マーチカップが前述のとおりマッドルーレットの2着で、飛山濃水杯が5着。名古屋コースではここまで無敗での重賞挑戦となる。
2022、23年に笠松グランプリ連覇のルーチェドーロは、前走オグリキャップ記念では強力遠征勢相手にそれほど差のない5着なら、ここでも上位争いは可能。
プリメイラも昨年中央未勝利から転入して13戦10勝。重賞初挑戦だった正月の名古屋記念が9着で、前走A1特別がメイショウタイセツの3着。ここで勝ち負けまではパワーアップが必要だが、連下争いなら。
昨年8番人気でこのレースを制したロードランヴェルセは、休養明け後のここ3戦、特別戦で上位争いはしており、再度の穴候補となりそう。
◎12マッドルーレット
◯6サンテックス
▲9メイショウタイセツ
△3ルーチェドーロ
△11プリメイラ
△5ロードランヴェルセ
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オケマルはデビューから6連勝、重賞4連勝で菊水賞を勝利。デビュー3戦目のネクストスター園田までは2着馬とのタイム差が1秒以内で、しかも接戦もあった。しかし2歳年末の園田ジュニアカップ以降の3戦では2着に1秒以上の差。数字が示すだけでなく、見た目のレースぶりでも一戦ごとに力をつけているのは明らか。菊水賞でもほとんど追われることなく2着ベラジオドリームに8馬身差、3着馬にはさらに5馬身差がついた。22日には高知でジュゲムーンが危なげなく二冠を制したが、オケマルにとってもここはまだ通過点といえそう。
相手筆頭はキミノハート。2歳時には兵庫ジュベナイルカップで2着があったが、その後の重賞では着外続き。しかし4月22日には3歳A一特別を5馬身差で逃げ切り圧勝。その1700メートルの勝ちタイム1分54秒1は、菊水賞なら2着に入っているタイム。続いて西日本クラシックも逃げ切った。ここに来て確実に力をつけた。
ベラジオドリームは2歳時門別の重賞で2着2回。兵庫移籍後、特別戦では3連勝も、兵庫若駒賞、菊水賞ではオケマルの高い壁に跳ね返された。笠松に遠征したぎふ清流カップでも逃げて直線まで先頭だったが、名古屋のケイズレーヴに直線とらえられて3/4馬身差で2着。重賞では常に何か強敵がいて、これまで2着4回、3着1回と惜しいところでタイトルに手が届いていない。今回はさらなる距離延長が課題となりそう。
エイシンハリアーは、佐賀に遠征したネクストスター西日本では、前述した高知・ジュゲムーンに2馬身差2着。兵庫チャンピオンシップJpnIIでは地元馬最先着の6着。距離経験は1500メートルまでで、この馬も一気の距離延長に対応できるかどうか。
ジーニアスレノンは、兵庫若駒賞、菊水賞でオケマル相手に2着、3着だが、ともに2秒以上の大差。ここでも連下争いなら可能。
ラピドフィオーレは、2歳時のネクストスター園田ではオケマルに半馬身差2着と、これまで実戦でオケマルにもっとも迫った馬。一時期落ち込んだが、兵庫ユースカップではエイシンハリアーにクビ差まで迫り、ぎふ清流カップでも2着ベラジオドリームに次ぐ3着と、ここに来て復調なのか、成長がうかがえる。
◎6オケマル
◯1キミノハート
▲5ベラジオドリーム
△8エイシンハリアー
△12ジーニアスレノン
△9ラピドフィオーレ
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高知移籍後、南関東遠征のダートグレードで2戦連続5着と好走したジュゲムーンは、その後3連勝。高知での初戦は古馬C2戦だったが、3馬身差をつけて負かした相手は中央オープン実績のあるピンシャン。そして佐賀に遠征したネクストスター西日本では断然人気にこたえて完勝。黒潮皐月賞は3番手から4コーナー手前で先頭に立つとほとんど追われることのないまま楽勝だった。今回1900メートルの舞台も、全日本2歳優駿JpnIで1600メートル、ブルーバードカップJpnIIIで1800メートルを経験していれば問題ないだろう。
相手は、前走1800メートルの山桃特別で半馬身差の接戦を演じたヤマノアシオト、ユラリユラメイテ。1400メートルの黒潮皐月賞はそれぞれ5着、3着だったが、ともに1600メートル以上で好成績を残しているだけに、今回の距離延長は条件好転。1月には1900メートルの中央との条件交流、竜頭盃で2着もあるヤマノアシオトを上にとった。
その竜頭盃で直線追い比べとなってヤマノアシオトを競り落としたのがリューノス。ここ3戦は差のある敗戦が続いているが、長く脚を使った竜頭盃と同じ1900メートルの舞台で巻き返しを期待したい。
金の鞍賞を制し、黒潮皐月賞で2着だったリケアマキアートは一気の距離延長でどうか。
山桃特別で3着だったオリーブブランチは、そのとき3キロあった減量が今回なくなるのは条件的にかなり厳しくなる。
ミラクルドリームは距離延長は不安材料となるが、デビューした門別時代も含めてここまで16戦して3着以内を外したのは3回だけ。1600メートルの仙台屋桜特別で2着ユラリユラメイテに1馬身差3着、オリーブブランチに先着という実績なら連下争いの可能性はある。
◎12ジュゲムーン
◯2ヤマノアシオト
▲3ユラリユラメイテ
△7リューノス
△8リケアマキアート
△1オリーブブランチ
△9ミラクルドリーム
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