
今シーズン10戦9勝2着。デビュー以来もっとも安定した成績を残したメムロボブサップ。障害などほんのちょっとの失敗で着順が大きく変わってしまうばんえい競馬で、古馬重賞をメインに使われながら、シーズンを通してほぼ完璧な成績というのはめずらしい。そこにはライバルであったアオノブラックが不振だったということもあるのだが。唯一の敗戦となった帯広記念は、他馬と30kg以上の差があってのことだからこれは仕方ない。ばんえい記念は過去3年、2着、1着、2着。高重量での強敵が不在となった今回、障害でよほど苦戦するでもない限り負けることはないだろう。
相手はやはり帯広記念で競り合ったコウテイかコマサンエースか。帯広記念で障害先頭から逃げ切ったのはコウテイだったが、コマサンエースも障害3番手から止まらず歩いた。昨年のばんえい記念では、コウテイが障害ひと腰2番手で越えたのには驚いたが、結果は5着。一方コマサンエースも昨年は障害ひと腰3番手。そこから止まることなく確実に歩き、障害4番手だったメムロボブサップには交わされたものの止まらず歩いて3着。1トンの重量で止まらず歩いた経験からコマサンエースを上にとる。メムロボブサップが障害で詰まるケースも考えてコマサンエースは頭でも買ってみたい。ところで、この3頭の3連複のオッズはいかほどだろう。
5歳馬タカラキングダムが出走してきた。ばんえい記念に5歳馬の出走はめずらしく、近年では2020年にアアモンドグンシンが出走。障害を2番手でクリアし、一旦は前に迫ったが、残り10メートルでヒザをついてしまい競走中止となった。それ以前となると2002年にシンエイキンカイが3着に入った。2000年以降で5歳馬の出走はこの2例だけ。4歳シーズン三冠を制したタカラキングダムだが、古馬重賞ではドリームエイジカップ6着、チャンピオンカップ10着と結果を残せていない。3頭のどれかが崩れたときに食い込む余地はあり印はつけたが、真っ向勝負で馬券圏内まではどうだろう。
と、この予想原稿書き終わったところで、阿部武臣騎手負傷のため、メムロボブサップは渡来心路騎手に変更の情報。その渡来騎手は、なんと!ばんえい記念初騎乗。いまやトップジョッキーのひとりであることは間違いないが、はじめてのばんえい記念でいきなりの断然人気では相当なプレッシャーと思われる。馬券的には縦目も押さえるべきかもしれない。
◎4メムロボブサップ
◯6コマサンエース
▲3コウテイ
△8タカラキングダム
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兵庫のラヴィアンは3歳5月のデビューからほとんど連戦連勝という成績で勝ち上がってきて、重賞初挑戦となったコウノトリ賞を圧勝。牝馬限定戦とはいえ、兵庫の古馬牝馬のトップホースの1頭、スマイルミーシャに4馬身差をつけた。続いて高知のレジーナディンヴェルノ賞に遠征して3着だったが、圧倒的に強いレースをしたサンオークレアがまくってきたところに真っ向勝負を挑み、そのぶん直線で脚が上がって3着だった。初めての遠征で、しかも力を要する高知の馬場でということであれば負けて強しといえる内容。今度は南関東から重賞実績馬も出走しているが、能力的にヒケはとらないと見る。
その南関東から遠征の強敵がローリエフレイバー。2歳時に東京2歳優駿牝馬を制し、その後は東京プリンセス賞2着、そしてロジータ記念を制したように、中距離以上で能力を発揮する印象。東京シンデレラマイルは大井でも小回りの内回りコースで、15番枠から押して押して位置を取りにいったぶんと、忙しい流れもあったか、3コーナー手前で手応え一杯になってしまった。今回さらに距離短縮の1500メートルが気になるところ。ただ、内枠からすんなりハナでマイペースに持ち込めればチャンスはある。
もう1頭兵庫から遠征はプリムロゼ。B級を連勝しての挑戦だが、昨年は園田オータムトロフィーで、その後園田金盃を制するマルカイグアスの2着。牝馬同士なら互角に戦える能力はある。
地元期待のセブンカラーズは押し出される形で△まで。金沢・お松の方賞を圧勝し、前走ブルーリボンマイルでも兵庫のヒメツルイチモンジに半馬身差の2着、前述スマイルミーシャ(3着)には先着して、他地区との交流でも堂々のレースぶりだが、今回はさらにメンバーのレベルが上がったように思える。
近走勝ち切れないレースが続いているブリーザフレスカは復活があるかどうか。
遠征で能力を発揮する高知のアンティキティラも、近走は見せ場がつくれていない。
◎4ラヴィアン
◯2ローリエフレイバー
▲8プリムロゼ
△7セブンカラーズ
△1ブリーザフレスカ
△5アンティキティラ
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ネオシエルは目下9連勝。一昨年3歳時には1800メートルの佐賀皐月賞を制するなど、その後も中距離を中心に使われ、それなりに好走はしていたが、昨年5月からは1300/1400メートルを使われ走りが安定した。A級特別・球磨川特別、準重賞・唐津湾賞、そして前走の麗月賞、いずれも4コーナーで前をとらえにかかるときの手応えが際立っている。地元馬同士のここは相手探しの一戦といえそう。
その相手筆頭はダイリンウルフ。このレースは一昨年2着、昨年5着だが、12月のウインターチャンピオンでは直線最後の100mだけで馬群から抜け出し4馬身差の圧勝。ゴールドスプリントは3着もそれほど差はなく、兵庫ウインターカップも出走馬のレベルを考えれば0秒3差で4着は評価できる。
昨年、吉野ヶ里記念まで重賞3連勝で注目となったのがテイエムフェロー。ウインターチャンピオンはダイリンウルフの5着だったが、ゴールドスプリントはダイリンウルフに先着しての2着。前走唐津湾賞はネオシエルに2馬身差の2着なら、今回も相手候補。
ビキニボーイは中央3勝クラスから転入して7戦。そのうち1400メートルでは4戦2勝、2・3着各1回。球磨川特別では直線外から一気に伸び、ネオシエルに1馬身1/4差で2着と最後に見せ場をつくった。
前走麗月賞でネオシエルの2着だったテイエムフォンテ、昨年中央3勝クラスから転入初戦となった佐賀がばいスプリントで2着だったアビエルトらも連下候補に。
◎7ネオシエル
○8ダイリンウルフ
▲10テイエムフェロー
△5ビキニボーイ
△9テイエムフォンテ
△1アビエルト
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ナナカマド賞を制したキョウエイエース、ヤングチャンピオンシップを制したスーパーシン。この世代はこの2頭を中心に推移してきたが、ここにきてやや明暗分かれてきたように思える。別定重量を背負わされているとはいえ、キョウエイエースは12月以降に3度馬券圏内を外したのに対して、スーパーシンは11月以降で負けたのは翔雲賞の3着だけ。若馬は成長の度合いによっても大きく変わってくるので、ここは近走の成績が安定しているスーパーシンを中心にする。
一方でキョウエイエースは、ヤングチャンピオンシップではスーパーシンより10kg積んでいたし、ペースが速いと行き過ぎてしまい最後にバテてしまうようだ。今回全馬にとって未知の重量で、それで流れが落ち着けばキョウエイエースの巻き返しというシーンもあるかもしれない。
翔雲賞では2強に対して20kg軽い重量を活かして1、2着だったのがスターイチバン、ココロノニダイメ。スターイチバンはスーパーシンとのゴール前の追い比べでの重量差が大きかったし、ココロノニダイメは障害6番手から行き脚衰えず追い込んだ。スターイチバンは前走こそ重量を積まれて5着だったが、11月30日以降で3着以内を外したのはそれだけ。ココロノニダイメは年明け5戦して4連対。ともに、ここにきての成長を感じさせる。
アバシリタカラコマはここ2戦がいまひとつだが、ヤングチャンピオンシップではそれほど差のない3着に入り、ここまで全4勝のうち10月以降に3勝を挙げているように確実に成長を見せている。
◎4スーパーシン
○5キョウエイエース
▲9スターイチバン
△3ココロノニダイメ
△1アバシリタカラコマ
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リューノスは門別から転入して5戦オール連対。1800メートルの満天星特別がリケアカプチーノの2着、1900メートルの中央未勝利との交流戦では金の鞍賞2着だったヤマノアシオト相手に勝利するなど、距離が延びてからという可能性はあるが、転入初戦だった1300メートル戦で1分24秒4(稍重)というまずまずのタイムを出している。そして前走古馬C3を制したということでは、ここに来ての充実ぶりがうかがえる。
ピクチャーカードは、ネクストスター高知、金の鞍賞ともに着外だったものの、年明け連勝でJRA未勝利との条件交流を制した。前走は2着だが、古馬C3に編入されての結果なら評価を下げる必要はない。この馬も明けて3歳になっての成長を感じさせる。
リケアマキアートは中央から転入して4連勝で金の鞍賞を制したが、断然人気ドライブアウェイの凡走によってやや波乱の結果。直線は3頭の争いになって、2着ヤマノアシオト、3着ゾクゾクとそれほど差はなく、馬場状態の違いもあるが、ネクストスター高知より6秒も勝ちタイムが遅かった。兵庫ユースカップでは先行争いになったとはいえ6頭立ての最下位に沈んでおり、あらためて真価が問われる一戦。
トサノマイヒメは佐賀のフォーマルハウト賞を制し、土佐水木特別、土佐有楽特別でともに2着と、世代上位馬と互角の争いで崩れもない。
ユラリユラメイテは前走古馬C3戦を制し、その1300メートルの勝ちタイム1分25秒5は、良馬場でメンバー中最速。
ミラクルドリームは、3歳の条件戦とはいえ目下3連勝と上昇中。
◎3リューノス
○7ピクチャーカード
▲6リケアマキアート
△10トサノマイヒメ
△4ユラリユラメイテ
△8ミラクルドリーム
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