中央勢ではダンビュライトが芝の重賞を勝っているものの、ダートグレードの勝ち馬がいないというメンバー。距離適性を評価してヴェルテックスを中心とした。東京ダート2100メートルの3勝クラスを勝ち、オープンで3着に好走したのも同じく東京2100メートルのブラジルカップ。切れる脚はないものの、追って追って長く脚を使えるタイプ。浦和記念でも逃げ切ったメイショウカズサになんとか食い下がっていたが、最後タービランスにとらえられての3着はゴール前一瞬の決め手の差。小回りの長距離戦はそういうタイプに向いている。
ケイアイパープルは阿蘇ステークス、ラジオ日本賞とダートのオープンを連勝。ラジオ日本賞では2番手から直線で抜け出し、ヴェルテックスを5着にしりぞけたが、道中息の入らない流れはヴェルテックスには向かない流れだった。ケイアイパープルはデビューから一貫してダート1600〜1800メートルを使われており、血統的にも2500メートルという距離を乗り切れるかどうか。
ライトウォーリアは勝つときは強いが負けるときは惨敗というムラのあるタイプ。太秦ステークスでは2番手からゴール前3頭の接戦を制したが、今回、初めての地方の小回りコースだけに軸としては狙いにくい。
船橋のトーセンブルは、大井2600メートルの金盃で昨年3着、今年2着という好走があり、長距離を狙って遠征した園田2400メートルの六甲盃を制した。その距離適性から、重賞実績のない中央勢が相手なら、まとめて負かす可能性も考えたい。
ダンビュライトは今年の京都記念でも3着好走があり、前走みやこステークスGIII惨敗だけでは見限れない。
◎11ヴェルテックス
○8ケイアイパープル
▲5ライトウォーリア
△9トーセンブル
△4ダンビュライト
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過去20回の歴史で地方馬の勝利が一度もないこのレースだが、07年からハンデ戦となったこともあって2着、3着はたびたびあり、2017年以降の近4年でも毎年地方馬が2着か3着に入線。地元兵庫所属馬も、18年に51キロのキクノステラが3着、19年には52キロのイルティモーネが8番人気で2着に入った。
今回は地元の3歳馬イグナイターに期待する。兵庫移籍後、地元1400メートルは4戦4勝で、トップクラスが相手ではないとはいえ大差圧勝が3回。稍重だが1分27秒台の持ちタイムもあり、それで今回ハンデ52キロなら中央馬相手でも勝負になる。
地方の1400メートルで実績上位は、テイエムサウスダンとラプタス。テイエムサウスダンは2歳時に園田コースの実績もあり、展開にかかわらず地方では崩れることもなく、1キロのハンデ差もあって上位にとった。
トップハンデは59キロのラプタス。昨年のこのレースはスタートで大きく躓いて後方からとなったが、それでも3コーナー手前から一気のまくりで見せ場をつくっての3着。今回はイグナイターとのハナ争いがどうかだが、どちらも必ずしも逃げなければいけないタイプでもない。今回は初めて背負う59キロがどうか。
1200メートルで実績を重ねたヒロシゲゴールドだが、1600メートルの南部杯JpnIでも積極的なレース運びで2着と健闘。今回は初めて経験する地方のコーナー4つの1400メートルがどうか。
昨年秋から短距離で実績を重ねてきたイダペガサスも52キロならチャンスあり。
メンバー中、唯一のJpnI勝ちがあるワイドファラオに57.5キロは恵まれた感もある。
◎6イグナイター
○5テイエムサウスダン
▲11ラプタス
△8ヒロシゲゴールド
△10イダペガサス
△2ワイドファラオ
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寒菊賞は岩手M3格付けで2歳重賞でもややマイナーな印象があるが、過去5年の勝ち馬を見るとすごい。2016年のベンテンコゾウは門別に遠征しての二冠制覇。17年のチャイヤプーンは岩手ダービーダイヤモンドカップを制して、船橋に移籍して戸塚記念を制し、さらに岩手に戻ってダービーグランプリを勝った。18年のパンプキンズも東北優駿、ダイヤモンドカップの二冠制覇。19年のグランコージーはダイヤモンドカップを制して、不来方賞とダービーグランプリがともに3着。そして昨年のリュウノシンゲンは、やはりダイヤモンドカップ、東北優駿の二冠制覇。いずれも3歳になって世代のチャンピオン級の活躍を見せた。今年もこのレースからそんな活躍馬が出ることを期待したい。
クロールキックは北海道所属として出走した南部駒賞で、北海道勢が上位3着まで独占したなかで2着。しかも地元最先着4着のカクテルライトは大差がついていた。門別では未勝利戦を勝ったのみだが、1700メートルのJRA認定ウィナーズチャレンジで2着という実績。岩手転入初戦となるが、このメンバーでは能力断然といえそう。
相手には、やはりホッカイドウ競馬出身のカクテルライト。転入初戦こそ2着だっが、その後ビギナーズカップ、若駒賞を連勝。南部駒賞は前述のとおりの4着で、プリンセスカップも4着。ここ2戦が強敵相手に苦戦したが、メンバー中、重賞を勝っているのはこの馬だけ。
リュウノガルシアはビギナーズカップ3着、若駒賞2着で、いずれもカクテルライトの後塵を拝した。ただその後の2戦で力をつけていれば、カクテルライトには逆転の可能性はありそう。
サンエイブレーヴは若駒賞、知床賞ともに3着でリュウノガルシアに先着されていた。しかし前走水沢1600メートルの太夫黒特別ではリュウノガルシアに1馬身差をつけて勝利と逆転。○▲と能力差はない。
カンパニョーラは盛岡芝の新馬戦を勝ち、前走初ダートとなった水沢戦で、北海道から転入初戦のキモンリッキーの2着。ここでも2、3着争いに割って入る可能性はありそう。
◎4クロールキック
○10カクテルライト
▲9リュウノガルシア
△7サンエイブレーヴ
△6カンパニョーラ
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昨年、3歳ながら中日杯を制し、今年金沢では重賞のみ7戦して5勝というハクサンアマゾネス。今回、ほかに今年重賞を勝った馬がいないというメンバーなら断然。競馬だから何があるかわからないが、ほとんど負けようがないのではないか。
相手候補の比較が難しいが、今シーズン2000メートル前後の重賞・A1特別で安定して能力を発揮しているのがトップロイヤル。掲示板を外したのが、白山大賞典JpnIII、JBCクラシックJpnIというダートグレードだけ。ただハクサンアマゾネスには、利家盃で1秒0、3着だった百万石賞でも1秒6という決定的な差をつけられているだけに、やはり逆転までは難しい。
兵庫から大井を経由して今シーズン転入してきたエイシンレーザーは、転入初戦を勝ったのみだが、金沢スプリングカップ、利家盃を含めて2着が4回。百万石賞こそ6着だったが、安定して上位に食い込んでいる。
一昨年の中日杯を制したティモシーブルーだが、今シーズンはA1特別で1勝したのみで、重賞でも利家盃で3着があるだけ。11月の2戦も差のある着外と勢いがない。連下争いにからめるかどうか。
川崎から転入して特別戦2勝のウインオスカーだが、ほとんどの実績は短距離で、2000メートルという距離がどうか。
◎12ハクサンアマゾネス
○6トップロイヤル
▲10エイシンレーザー
△9ティモシーブルー
△3ウインオスカー
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昨シーズンは水沢競馬場が降雪や馬場凍結のため12月中旬から1月の開催で中止が相次ぎ、このトウケイニセイ記念も行われなかった。そのリスクを考慮してか例年より1カ月ほど繰り上げての実施となった。
北上川大賞典の上位馬が不在となれば、ヒガシウィルウィンが断然。今シーズン、ここまで4戦。初戦の赤松杯こそ5着に敗れたものの、シアンモア記念を勝って、みちのく大賞典はエンパイアペガサスにハナ差2着に敗れたが、これといった強敵のいない青藍賞は完勝だった。北上川大賞典で3連覇を達成したエンパイアペガサスが不在というメンバーでは負けられない一戦だ。
相手選びが難しいが、夏から秋にかけ盛岡のすずらん賞、長月特別とマイル戦を連勝したタイセイブラストに期待する。昨年春に南関東から転入して、ここまで重賞タイトルは今年7月の栗駒賞だけだが、前述のとおり昨シーズンは白嶺賞、トウケイニセイ記念と、水沢1600メートルの重賞が2つも中止になってしまったのは残念だったに違いない。ここ2戦はともに8着惨敗だが、そもそも1200メートルは実績がない。得意のマイル戦に戻ってヒガシウィルウィンに真っ向勝負だ。
ユノートルベルは青藍賞でヒガシウィルウィンの2着。3コーナーではまだ中団よりうしろの位置取りから、メンバー中最速の上り3ハロン38秒5という脚を使って2着争いを制した。今回は初めての水沢コースがカギとなりそう。
中央3勝クラスからこの秋に転入したプロヴィデンスは、盛岡1800メートルで2戦してともに2着。中央時代はダート1400メートルを中心に使われており、距離短縮はプラスになりそう。
ツクバクロオーは高知からの転入初戦。昨年は福永洋一記念を制し、黒潮マイルチャンピオンシップ、高知県知事賞がスペルマロンの2着だから、高知ナンバー2の存在だった。ただ今年はここまで3戦のみで勝ち星もなく、7月以来5カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。
◎3ヒガシウィルウィン
○11タイセイブラスト
▲7ユノートルベル
△4プロヴィデンス
△1ツクバクロオー
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