このレースが5年前に水沢競馬場で行われたときは、船橋のプライドキムが8番人気で制して波乱となったが、4年前に盛岡開催に戻ってからは4年連続で1番人気馬が勝ち、さらにそのうち3回は1番人気→2番人気と堅い決着となっている。今年1番人気はラブミーチャンだろうか、セレスハントだろうか。
といったことろで、重賞未勝利ゆえ54キロと斤量有利なスノードラゴンを狙ってみたい。ダート1200メートルではオープンの京葉ステークスを勝って、前走重賞初挑戦となったプロキオンステークスGIIIは8着とはいえ、レコード決着からコンマ4秒差。セイクリムズンやシルクフォーチュンなどこの路線での実績馬と差のないレースをしていた。今後この路線で怖い存在になるかもしれない。
ラブミーチャンは、一昨年のこのレースでは直線失速してかなり離された3着だったが、スタート後の向正面ではエーシンタイガーに競りかけられて厳しい展開だった。2年前と違うのは、控えても競馬ができるようになったこと。ただ55キロは、スノードラゴンより1キロ重く、セレスハントより1キロ軽いだけ。タイセイレジェンド以外の中央馬との比較ではちょっと厳しい負担重量で、そこを克服できるかどうか。
セレスハントは、前走連覇を果たした北海道スプリントカップJpnIIIは、福永騎手の好騎乗でまさに快勝というレースだった。ただ09年10月以降1番人気の支持を受けたことがなく、10年の夏にKBC杯からサマーチャンピオンJpnIIIを連勝して以降は2走続けて好走したことがない。馬券的にはむしろ人気になるなら軽視するのも妙味。
ノーザンリバーは2年近い休養があり、復帰後3戦目のダート1200メートル戦で準オープン勝ち。ダートで連対を外したのは休養明け初戦だけで、ダートではまだ底を見せていない怖さはある。
連覇を狙うタイセイレジェンドだが、JpnI勝ちがあるため昨年よりプラス5キロの59キロ。ドバイ以来でどこまで調子を戻しているかもカギとなりそう。
グランドラッチは、一昨年のこのレースでラブミーチャンに先着しての2着。北海道移籍後まだ勝ち星はないとはいえ、北海道スプリントカップJpnIIIではメンバー中最速の上がりで、勝ったセレスハントにコンマ6秒差の5着まで迫った。連下の穴として狙ってもおもしろい。
◎7スノードラゴン
◯13ラブミーチャン
▲2セレスハント
△10ノーザンリバー
△5タイセイレジェンド
△4グランドラッチ
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中央勢は重賞勝ち馬がダイショウジェットのみというメンバーで、地方馬にもチャンスもありそうだが、ガンジスのレベルの高いところでも走りが目立つ。昨年秋から根岸ステークスGIIIまで5戦連続連対。フェブラリーステークスGIはさすがに相手が強かった。プロキオンステークスGIIIも着順こそ6着だが、レコード決着からコンマ4秒差とあまり差はない。初めての地方の馬場が合うかどうかだが、単に実力比較なら圧勝まである。
サマリーズは3歳牝馬とはいえハンデ52キロは恵まれた感じ。前走スパーキングレディーカップJpnIIIではマイペースで逃げてメーデイアに1馬身差2着と善戦。今回はギオンゴールドとのハナ争いがどうなるかだが、マイペースなら前走の再現も。前走のレースぶりからも、息の入る地方の1400~1600くらいがこの馬には合っていると思う。
地方の流れが合うといえばダイショウジェット。地方なら崩れることがほとんどなく、10歳の今年も黒船賞でセイクリムズン相手に僅差の2着と好走している。佐賀は一昨年のこのレースでスーニの3着以来だが、そのときと同じ57.5キロで、今回のメンバーなら重賞2勝目が狙えるかも。
エーシンウェズンはスタートダッシュがいまいちで置かれてしまうことがあるが、ゆったり流れることが多い地方なら影響は少ないだろう。昨年のカペラステークスGIIIでは惜しい2着と実力を見せたが、前走プロキオンステークスGIIIは11着。さらに、これまで夏場はほとんど使われていないなど、不安も少なくない。
メトロノースは中央時は準オープンで、佐賀では目下3連勝中と好調。サマリーズ以外の中央馬と4キロ以上差がある52キロならチャンスはある。
兵庫ゴールドトロフィーJpnIII、黒船賞JpnIIIでともに4着があるコスモワッチミーも52キロを生かしたいところ。ただ前走地元で大敗してるのはちょっと気になる。
◎10ガンジス
○12サマリーズ
▲5ダイショウジェット
△9エーシンウェズン
△4メトロノース
△3コスモワッチミー
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九州産ではおなじみ"カシノ"が5頭出走してきて、4~8番枠に固まった。
トライアルのえびの特別をカシノエルフが8馬身差で圧勝して、同じく大隅特別をカシノデュークが9馬身差圧勝。しかも、勝ちタイムが1分28秒1でぴたりと同じ。さて、どっちが強いんだろうということになるが、ここはカシノランナウェイを狙ってみたい。芝ではあるが、3歳オープンの葵ステークスでコンマイ1秒差の4着。さらに古馬1000万条件に入って、着順こそイマイチだが、ここ2戦はコンマ5秒差、コンマ6秒差とまずまずの好走を見せている。佐賀の1400メートルも今年2月のたんぽぽ賞で大差圧勝という実績があるだけに、不安がない。
相手筆頭はカシノエルフ。荒尾で行われていたたんぽぽ賞で2着、さらに昨年の霧島賞でも2着だった。今度こそ九州産馬のタイトルを獲りたいところ。京都、阪神での出走が多く、JRAの中央場所(4大場)でレースをしている馬は同じようなクラスでもレベルが高いと見るべきだろう。
カシノデュークは、JRAの競馬場では福島での2着が最高という成績で、中央だと500万クラスで苦戦という実力。ただ地方では、園田、川崎、佐賀で出走し、7戦オール連対と地方のダートへの適性は評価する必要がある。
キュウシュウソダチは、えびの特別で2着も8馬身差、ダンツレパードは2月のたんぽぽ賞で2着はあるが、えびの特別はかなり離された6着。ともに逆転までは難しそう。
◎8カシノランナウェイ
◯4カシノエルフ
▲7カシノデューク
△12キュウシュウソダチ
△2ダンツレパード
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北斗賞でのキタノタイショウには驚いた。障害を越えたのは6番手あたりだったが、ぐいぐいと前に迫って残り10メートルのあたりでは先頭に並びかけた。そこで止まってしまい結局は5着に負けてしまったものの、他馬より20キロ重い810キロだけに、負けてかなり強しという内容。勝ったインフィニティーから5秒ちょっとの差しかなかった。今回オープン馬はすべて810キロ。最大30キロのハンデがついたが、いずれも格下馬。北斗賞と同じような展開なら、今度は勝てるだろう。
北斗賞で惜しい2着だったホッカイヒカルは、重量的にこのあたりが勝負どころ。流れが落ち着き、この馬には有利。とはいえ、基礎重量がこれ以上になると苦戦するだけに、ここは狙ってくるはずだ。
今シーズン、もっとも充実したといっていいのが、北斗賞で重賞初制覇となったインフィニティー。北斗賞が790キロで、今回はさらに未知の810キロ。今後の重賞線戦ではどこまで重量を克服できるか。
高重量戦で確実に力を発揮するギンガリュウセイだが、イマイチつかみどころがないのもこの馬の特徴。今シーズンは、ばんえい十勝オッズパーク杯と旭川記念ではキタノタイショウの2着だったが、北斗賞は4着。好走しているとはいえ、勝ち星は昨年の北見記念以来ない。流れがあまりよくない感じで、今回は軽視。
シベチャタイガーは、この重量で別定マイナス10キロなら上位に食い込むチャンス。
ホクショウダイヤは、今季7戦して特別は5戦オール連対だが、重賞2戦は人気になって5着以下に敗退。今回も好走して連下まで。
クロフネオーザンが帯広記念で3着と好走した時の驚きは今でも忘れない。生涯初の重賞挑戦が890キロを曳いてのもの。今季2勝も4番人気と5番人気。いずれまた重賞で穴をあけるだろう。それが今回かどうかはわからないが。
◎2キタノタイショウ
◯4ホッカイヒカル
▲6インフィニティー
△8ギンガリュウセイ
△5シベチャタイガー
△9ホクショウダイヤ
△1クロフネオーザン
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ウインラヴタイムは、中央未勝利から転入して3歳の下級組から連勝し、今回と同距離の前走1組特選(青島特選)は残念ながらリネンベッテルにクビ差2着。とはいえ3歳の上位組でもメドが立ち、まだまだ上も目指せそうだ。
ミヤノダイアナは、その青島特選でさらにクビ差の3着。勝ち星こそ2歳10月に挙げた1勝のみだが、今年2月以降は3歳1~2組戦で掲示板を外さない堅実な成績。今回も上位を狙う。
ハナズルオーテは、青島特選は前3頭の争いからやや離されての4着だったが、前々走七ツ釜特選でリネンベッテルに半馬身差で2着と食い下がっていた。ただ、佐賀ではこの距離(1800メートルも含む)で2度とも4着と、距離的な不安はある。
リョウマゴールドは、青島特選は5着だったものの、前走里帰りジョッキーズカップでは8番人気で2着と好走。ミヤノダイアナやリネンベッテルに先着した。ただ騎手交流戦ゆえ実力どおりの決着とは考えにくく、また距離延長もよくない。連下争いまで。
タカノアラエビスは、前々走で逃げてハナズルオーテにクビ差の2着。今回のメンバーでは唯一、九州ダービー栄城賞に出走(9着)しているが、上位争いまではどうか。
◎2ウインラヴタイム
◯6ミヤノダイアナ
▲7ハナズルオーテ
△4リョウマゴールド
△5タカノアラエビス
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