重賞初挑戦だが、兵庫から遠征のトライはかなりの素質馬ではないだろうか。デビューからの2戦は勝ち馬から2秒以上の差をつけられての惨敗だったが、3戦目以降の成績は10戦4勝2着5回ときわめて安定した成績。なんといっても3走前と2走前の2着は、今年兵庫の三冠を狙おうかというポアゾンブラックとエーシンユリシーズにそれぞれ3馬身半、3馬身差で2着。この2頭を相手にこれだけ走れればこのメンバーなら十分勝負になる。それを証明したのが年明け初戦の前走1700メートル戦で、2着馬に4馬身差をつけての完勝だった。
年末のライデンリーダー記念を勝ったマイネルセグメントも期待十分。中央では3戦していずれも二桁着順だったが、名古屋に移籍してここまで6戦4勝2着2回。年明け初戦となった3歳特別も重馬場とはいえ好タイムで快勝。まだまだ可能性を感じさせる。
今年の東海地区のこの世代はまだまだ混戦なだけに、これも重賞初挑戦となるレッドフェアリーも期待できそうな1頭。2歳時は勝つときと負ける時がはっきりしていたが、明けて1月にいきなり3連勝と力をつけてきている。
兼六園ジュニアカップでは強い勝ち方を見せたアウヤンテプイは、その後11月にJRA認定戦を8馬身差圧勝。今回はそれ以来3か月ぶりの復帰戦となるのがどうか。
園田クイーンセレクションを6番人気で制したスズカウインダーも、印は△になってしまったが十分に勝ち負けまで。
マルチゴールドは園田ユースカップに遠征して2着。7馬身差をつけられたが、相手がエーシンユリシーズだけにこれはしかたない。笠松に戻ってあらためて力を示したい一戦となる。
◎トライ
○マイネルセグメント
▲レッドフェアリー
△アウヤンテプイ
△スズカウインダー
△マルチゴールド
10日に高知で行われた黒潮スプリンターズカップに続き、黒船賞JpnIIIのトライアルとして行われるこの重賞。昨年までは特別戦だったが、今年から重賞に格上げされた。
遠征は兵庫と高知から1頭ずつだが、兵庫のエーシンエフダンズが強力だ。JRA時代は芝だが1200メートルを中心に使われ、重賞でも2着があったスピード馬。2走前に笠松に遠征した白銀争覇は、兵庫のフィオーレハーバーとの一騎打ちを半馬身差で制して勝利。重賞勝ち馬が、ほかに高知のマルハチゲティと、道営時代のカゼノコウテイくらいしかいないメンバーなら実力は断然と見てよい。
相手には高知のマルハチゲティ。昨年夏には福山・金杯を勝利。その後も高知のA級で常に上位争い。地元の黒潮スプリンターズカップを使わず、わざわざここに照準を合わせてきたのは、勝機十分と見てのことだろう。
カゼノコウテイが道営で重賞を制したのは一昨年10月の瑞穂賞だが、昨年終盤にも瑞穂賞、道営記念をともに4着と好走。若い頃には短い距離を使われていたこともあるが、07年4月以降は、芝もダートも1600メートル以上のレースを使われてきただけに、距離には若干不安が残る。地元の意地を見せたいところ。
シルクプレストは、昨年の金杯でマルハチゲティにコンマ2秒差の2着。ここでも上位食い込みを狙う。
グラスヴィクターは、中央1勝から転入して8連勝。前走、重賞初挑戦となったマイル争覇はやや離されての5着。重賞クラスに入ると、ちょっと厳しいのかもしれない。
◎エーシンエフダンズ
◯マルハチゲティ
▲カゼノコウテイ
△シルクプレスト
△グラスヴィクター
高知県知事賞では2着に敗れたが、タンゴノセックの巻き返しに期待したい。その高知県知事賞は断然人気に支持されながら、キングサラディンに出し抜けをくらった形。3~4コーナーでの反応も本来のものではなかった。南関東時代は重賞でも上位争い。圧巻のレースだった久松城賞と同じだけ走れば実力は上位。
道営から転入して7連勝と、まだ底を見せていないのがチュニジアンブルー。前走、初めての上位クラスとの対戦となったガーネット特別も逃げ切り、4馬身差で他馬を寄せ付けなかった。2着のマルハチゲティは、久松城賞でタンゴノセックに5馬身差で2着だった馬。それを物差しにすれば、タンゴノセックとも好勝負。
名古屋のニシノコンサフォスは、前走、笠松の東海クラウンでは直線で抜け出してから余裕があった。12歳でも衰えは見えない。好位につけて一気に押し切る場面があるかもしれない。
東海のA2~B1で常に上位争いのケイアイブレイズ、中央から転入し6戦4勝でまだまだ上が望めそうなレーザーブレイド、地元A級で勝ち星のあるケイエスケイトらも上位を狙える力はありそう。
◎タンゴノセック
◯チュニジアンブルー
▲ニシノコンサフォス
△ケイアイブレイズ
△レーザーブレイド
△ケイエスケイト
昨年このレースを制したメテオロロジスト、一昨年のラッシュストリートは、ともに前走が準オープン勝ちだった。時期的な問題なのか、この佐賀記念JpnIIIはJRA勢のメンバーが手薄になることが多く、さすがに3年前のスマートファルコンは圧勝だったが、4年前には兵庫のチャンストウライがダートグレード初制覇。5年前のサイレントディールは近走不振で、じつに3年3カ月ぶりの重賞勝ちだった。スマートファルコンだけは例外的だが、今年のJRA勢も例年と似たようなレベルのメンバーだけに、年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで勝っていてもおかしくないレースをしたオオエライジンには十分チャンスがある。
NARグランプリの表彰式で、オオエライジンの橋本忠男調教師は今年の目標として、オオエライジンが年度代表馬に選ばれること、と話していた。その目標達成のためにもここはまず最初のステップとなる一戦だ。
相手にはキングトップガン。芝だが、重賞2勝の実績は最上位。ダートの経験もあり、あとは地方、特に佐賀の深いダートをこなせるかどうか。ゆったりした流れになるのはほぼ確実で、実力的には直線突き放して圧勝とう場面があってもおかしくない。
ホクセツサンデーは、昨年春の時点ではオオエライジンとは差があったが、秋には古馬との重賞を連勝し、力をつけた。何よりデビューから18戦して、3着を外したのが2歳時の兵庫ジュニアグランプリJpnIIのみという安定感が光る。前々走園田金盃で2着にしりぞけたダイナミックグロウは、ちょっと前だが中央のオープン特別を勝った実績のある馬。ここでも勝負になる。
メダリアビートは、前走東京大賞典GIでスマートファルコンの5着。大井2000メートルを2分2秒台で走っている実力は侮れない。
マイネルアワグラスはしばらく勝ち星から遠ざかっているものの、地方のダートグレードなら常に上位争い。
タカオノボルは、前走平安ステークスGIIIこそ惨敗だったが、昨年はレパードステークスGIIIでボレアスの2着、オープン特別のブラジルカップでも4着だった。連下争いまでなら。
◎オオエライジン
◯キングトップガン
▲ホクセツサンデー
△メダリアビート
△マイネルアワグラス
△タカオノボル
黒ユリ賞は、何度か開催時期や条件などが変更されているが、09、10年のバレンタインカップ、そして昨年の黒ユリ賞は、明け3歳牝馬による定量620キロという同じ条件で行われている。その過去3年ではいずれも1番人気と3番人気での決着。定量戦だけに順当に実力通りにおさまっているということだろう。とはいえ3着馬は10、6、2番人気なので、3連単なら高配当も期待できる。
タカラハヤヒメは、2歳時に行われた重賞、ナナカマド賞、ヤングチャンピオンに出走し、ともに牝馬では最先着。年明け後の3歳A-2戦でも2、2、1着といずれも差のないレースをしているだけに、ここでは能力上位は間違いない。
マゴコロは、2歳牝馬特別のいちい賞2着のほかに、4走前の2歳A-1戦では、この世代の牡馬2強、ニシキエーカン、ブラックボスと対戦して2位に食い込んだ。その後の2歳A級戦でも善戦しているだけに、ここでも上位争い。
3番手以下はちょっと難しい。ニシキウンカイは昨年9月のいちい賞を1番人気で制して、そのあたりまではこの世代の牝馬ではトップの存在だったが、ここ4走は10秒以上の差をつけられての惨敗続き。壁に当った感じはあるが、今回は牝馬同士のレースで格下馬もいるだけに、持てる能力を発揮すれば馬券圏内にからんでくる可能性は十分。
タケノキクヒメは11月の南北海道産駒特別を制したが、その後は5着が最高という成績。とはいえニシキウンカイと同様に格付的には上位なだけに、巻き返す可能性はある。
サクセスクィーンは、ヤングチャンピオンシップでタカラハヤヒメに続く5着があり、近走もまずまず安定した成績。
ユキハナは6走前にタカラハヤヒメをしりぞけて2歳A-1・2戦を勝った経験があり、前走はクラスが下がった3歳B-1戦を1番人気にこたえての勝利。同世代の上級クラスでも勝負になることを示した。
ハイカラサンは11月以来勝ち星がないが、年末から年明けにかけてA級やB級上位で善戦しているだけに侮れない存在。
連下は手広く。
◎タカラハヤヒメ
◯マゴコロ
▲ニシキウンカイ
△タケノキクヒメ
△サクセスクィーン
△ユキハナ
△ハイカラサン