ハンデ戦で2番目に重い55.5キロでも、コスモハレルヤの勢いが止まらない。中央未勝利から昨年秋に転入し、7連勝中。その中には3歳重賞のコウノトリ賞での7馬身差圧勝もあった。前走はB1特別だったが、早め先頭から9馬身差の圧勝。オープンの一線級が不在のここなら一気に突破の可能性は高い。
トップハンデだが、実績で抜けているのはキヨミラクル。こちらは09年のコウノトリ賞の勝ち馬。その後重賞でも掲示板を外さない堅実な走りで、昨年は兵庫大賞典、楠賞でともに3着という成績。コスモハレルヤのほかに重賞級の馬がいないここでは上位争いは間違いない。隣枠のコスモハレルヤとは、ともに先行タイプだけにどんな駆け引きをするのかも見どころ。
3番手にはゴールドピアース。園田金盃で3着のあと、前走A1A2特別を勝利と調子を上げてきている。
休養明けの2戦は今一つだが、昨年前半にはA1特別を2連勝したスペラーレ、前走園田金盃5着のニホンピロリッチあたりも連下争い。
◎コスモハレルヤ
○キヨミラクル
▲ゴールドピアース
△スペラーレ
△ニホンピロリッチ
クラマテングが6月以降連対を外さない安定した走りを続けている。さらに今年は重賞6戦で2勝、2着3回。連対を外したのは距離不足のマイル争覇での5着のみ。今回は明け5歳以上の重賞勝ち馬が道営時代のアドミラルサンダーしかいないというメンバーが相手で定量戦なら負けられないところ。昨年2着の雪辱を果たしたい。
5歳以上で、重賞であと一歩というのがフジノアリオン。昨年、重賞に5回出走して掲示板を外したのは名古屋に遠征したオッズパークグランプリのみ。10月の福山菊花賞ではクラマテングに3/4馬身差で食い下がる2着だった。そのときはクラマテングより1キロ重い57キロだったものが、今回は定量の56キロとなるだけに逆転も狙えそう。
3歳2冠を制し、デビュー以来の通算で重賞5勝のフォーインワンが、初の古馬一線級との対戦でどこまで迫れるか。昨年3歳終盤には、A3特別までは勝ったが、A2特別では2着まで。いきなり定量で歴戦の古馬と同重量は厳しそうだが、善戦を期待したい。
道営時代は短距離路線で活躍したアドミラルサンダーが2600メートルの距離でどうか。09年の道営シーズン終了後に転入し、福山17戦目となった前走での初勝利がクラマテングを2馬身ちぎってのもの。福山ではこれが重賞初挑戦となる。
マルサンサイレンスは重賞初挑戦となった福山菊花賞で、クラマテングからコンマ4秒差の4着。オープンクラスでは展開の助けなどがないとちょっと足りない感じだが、連下争いの可能性はある。
◎クラマテング
○フジノアリオン
▲フォーインワン
△アドミラルサンダー
△マルサンサイレンス
08~09年に連戦連勝以降、クラスを着実に上げてきたギンガリュウセイを狙う。重賞勝ちはまだないが、今シーズンはばんえいグランプリ5着、岩見沢記念4着、北見記念2着と、負担重量が重くなるにつれて着順を上げてきた。北見記念で先着されたニシキダイジンは、当時は同重量だったが、今回は10キロ差がついた。3着のナリタボブサップとは10キロ差だったものが今回は30キロ差、4着のカネサブラックとは変わらず20キロ差。負担重量の面でも今回はアドバンテージがある。06年の帯広記念を制したミサイルテンリュウが同じようなパターンで、重賞未勝利ながら、ここに至るまでの古馬の高重量戦でそこそこの成績を残し、重量に恵まれた帯広記念を勝利。ギンガリュウセイは、今回のメンバー中もっとも若い明けて7歳。このパターンも、06年のミサイルテンリュウと同じだ。
安定感ではダントツのカネサブラックが相手筆頭。重賞予想では毎度同じようなことを書いているが、とにかく連対を外すことなく、今シーズンも連対を外したのは北見記念の4着のみ。帯広記念は過去3年出走して、2、3、3着と勝ち切れていない。しかしカネサブラックの場合は、それまでに賞金を稼いでいるために、帯広記念は常にトップハンデでの出走だった。しかし今シーズンの重賞勝ちは北斗賞のみで、トップハンデをナリタボブサップに譲ることになった。重量的には、過去3年より楽にレースに臨めるはずだ。
帯広記念3連覇がかかるフクイズミは、近走どうにも障害のキレが悪い。自慢の末脚は相変わらず健在だが、その脚をもってしても追いつかないほどに障害で置かれてしまっている。ただここは900キロ前後の高重量戦。他の馬も障害で苦労する分だけ、フクイズミには有利になるかもしれない。
北見記念でばんえい記念以来の勝利を挙げたニシキダイジンは、やはり高重量戦でこそ。09年の帯広記念ではフクイズミと大接戦の2着があるだけに、今回もチャンスは十分。
ナリタボブサップはトップハンデがいかにも厳しい。ただ高重量戦の障害の上手さではナンバー1ともいえるだけに、後続を離して障害をクリアできれば粘り込む場面もあるかもしれない。
◎ギンガリュウセイ
○カネサブラック
▲フクイズミ
△ニシキダイジン
△ナリタボブサップ
若駒賞、南部駒賞と、ともに2着に1秒以上の差をつけて連勝したベストマイヒーローの実力が抜けている。ここまで5戦4勝で、唯一先着を許したのは芝のジュニアグランプリで、北海道から遠征のスクランブルエッグ(現在は船橋所属)に半馬身及ばずというもの。本馬と未対戦の上がり馬というのも皆無なだけに、よほどのアクシデントだとか、この時期のドロドロの馬場状態を嫌ったりだとかしない限り負けることはないだろう。
相手筆頭は普通に考えれば、グランプリボーイだろう。南部駒賞では勝ち馬以外のメンバー中最先着(5着)、寒菊賞でも同最先着の3着だった。しかしここは北海道から移籍して3戦目となるヤマトスバルを対抗に狙ってみたい。道営時代はルーキーチャレンジ勝ち。転入初戦の南部駒賞はベストマイヒーローから3秒離されて6着だったが、続く前走の水沢1400メートル戦で57キロを背負って好タイムでの勝利。さらなる上積みがあれば、南部駒賞で先着されたグランプリボーイを逆転する可能性は大いにあるだろう。
グランプリボーイも当然相手候補。南部駒賞5着のあとの水沢1400メートル戦では2着に10馬身差をつける圧勝。続く前走寒菊賞では3着。ベストマイヒーローが抜けた同世代同士なら上位を争える実力を持っている。
以下はやや離れるが、ヤマトスバルかグランプリボーイのどちらかが崩れたときに馬券圏内を狙えるのが、南部駒賞10着以外は崩れていないトーホクスピリットだろうか。
◎ベストマイヒーロー
○ヤマトスバル
▲グランプリボーイ
△トーホクスピリット
サカジロタイヨーは、デビューから4戦は2、3着続きでなかなか勝ち切れなかったが、その後2連勝で急激に力をつけた。特に今回と同じ舞台の前走は、2着のブライトヒーローに9馬身差をつける圧勝。勝ちタイムの1分43秒9は、同じ名古屋1600メートルで行われた過去4年のこのレースの勝ちタイムを上まわるもの。重賞初挑戦だが勝利の可能性は高い。
2番手には、北海道から転入初戦となるベラトリックス。2歳シーズン最初のスーパーフレッシュチャレンジ2着のあと、5カ月の休養を挟んで出走したアタックチャレンジを勝利。その後は2歳の特別戦を3戦して4、5、4着という成績。2歳戦のレベルの高い北海道で常に善戦なら、このあたりのメンバーなら十分に通用する。あとは仕上がり具合と当日の体調次第。
大井から転入してきたパワフルローマンも気になる存在。大井で9月に行われた準重賞ゴールドジュニアーで2着のあと、2歳の特別戦を勝利。前走の転入初戦は2歳馬ながら古馬A級3組に格付けされ、やや離されはしたものの2歳馬としては好タイムをマークしての5着。実績的にはあっさり勝ってもおかしくはない。しかしハイセイコー記念(12着)は勝ち馬が圧倒的に強かったから参考外にしても、続く大井での最終戦となった2歳の特別戦で負け過ぎなのが気になるところ。
デビュー3戦め以降の8戦いずれも3着以内でゴールドウィング賞でも3着だったナラセジンダイコ、北海道から転入初戦の2歳1組戦を勝ったゼニスパワー、近走の安定ぶりが光るサウスギャラクシーなども差はない。
ゴールドウィング賞を制したミサキティンバーだが、その後のJRA認定競走では2戦とも3着。サカジロタイヨー、ナラセジンダイコ、サウスギャラクシーなどに先着されている上に、全日本2最優駿JpnI(10着)遠征の反動も不安なだけに無印とした。
◎サカジロタイヨー
○ベラトリックス
▲パワフルローマン
△ナラセジンダイコ
△ゼニスパワー
△サウスギャラクシー