昨年4着に敗れたときと同様、上下40キロ差のトップハンデとなるが、フクイズミに期待したい。
今シーズンは旭川記念と岩見沢記念の2重賞を制覇。ところが北見記念以降はまったく障害が越えられなくなり不振に陥った。そして復活のきざしを見せたのが、前走の白馬賞。芦毛馬限定戦ゆえ格下馬が相手だったが、それほど差のない5番手で障害をクリアすると、これぞフクイズミという末脚を見せて楽々と差し切った。昨年は、勝ったエンジュオウカンとは30キロ差があったが、今回は10キロ差に縮まった。明らかに格下のワタシハキレイズキとの差が40キロあるだけで、ほとんどの有力馬とは10~20キロしか差がない。第2障害さえ離されずに越えられれば、前走に続いてフクイズミの豪脚が生きる。
相手には、連覇に加えてこのレース3勝目を狙うエンジュオウカン。例年どおり夏は休養し11月に戦線復帰。4戦目の帯広記念で5着とまずまず好走し、その後オープン2着、オープン2組を勝利と、調子を上げてきた。気になるのは770キロまでしか勝ち星がないところ。今回は790キロを克服できるかどうかがカギとなりそうだ。
牝馬同士の重賞ならトカチプリティーに出番も。04年(12月)、08年、09年と、過去にこのレースを3勝。この馬も課題は負担重量。過去にこのレースを勝ったのは770キロまで。780キロを負担した06年は4着、同じく780キロの昨年も5着だった。今年はさらに10キロ重い790キロを背負うのが気になるところ。
牝馬同士ならニシキユウにもチャンス。昨年も2番手で障害をクリアして3着。前々走の帯広記念はさすがに厳しいレースだったが、牝馬同士ならこの馬の持ち味である早め障害から粘り込む場面も十分に考えられる。
ワタシハキレイズキは、今回とほとんど同じメンバーで争われた11月のレディースカップで4着。今回も最軽量ハンデだけに、あっと言わせる場面はあるかもしれない。
◎フクイズミ
○エンジュオウカン
▲トカチプリティー
△ニシキユウ
△ワタシハキレイズキ
ここも北海道からの移籍組が強そうだ。中でも転入初戦のカペラ賞を逃げ切ったリリー。後続を引き付けての逃げから、直線では楽に後続を突き放し、2着のジュエルリングに5馬身差をつけた。北海道での最終戦となった1700メートル2歳オープンでの2着という経験も大きい。父スキャターザゴールド、母の父ブライアンズロマンという血統からも、距離が延びてさらに力を発揮しそう。
相手にもやはりホッカイドウ組でクールラウンジ。道営では短距離のJRA認定競走を3戦して未勝利だったが、転入後は3連勝。特に1750メートルに距離が延びた前走初夢特別は、2番手から直線抜け出し、中団から追ってきたココモサンビーチを寄せ付けずというレースだった。こちらも血統的には距離延長もまったく心配はない。
3番手には、その初夢特別で3着だったヒシダイアナ。中央でデビューし芝での2戦は大敗だったが、転入後2連勝。前走初夢特別は1番人気に推されながらクールラウンジにコンマ7秒差をつけられた。この差を詰められるかどうか。
門松賞3着のダイメイネオ、同3着で前走3歳1組戦を1番人気で勝ったタキノプリンセス、荒尾勢2頭が馬券圏内に食い込めるかどうか。
九州ジュニアチャンピオンでは7着に敗れたジュエルリングだが、前走カペラ賞2着からの巻き返しがあるかどうか。
◎リリー
○クールラウンジ
▲ヒシダイアナ
△ダイメイネオ
△タキノプリンセス
△ジュエルリング
11連勝を狙ってヒシウォーシイがまたまた得意の笠松を使ってきた。昨年2月まで、地元名古屋以外では3歳時に大井、金沢、船橋に一度ずつ遠征したことがあるのみ。それが連勝のスタートした昨年3月のマーチカップ以降、10連勝のうちじつに7戦が笠松でのレースだ。マルヨフェニックスやキングスゾーンなど、東海地区の一線級との対戦を避けているように見えなくもないが、とにかく今回も、勝負付けが済んでいるか、明らかに格下というメンバーが相手。条件では別定となっているが、牡馬56キロ、牝馬54キロと、実質定量戦だけに、よほどのアクシデントでもない限り負けないのではないだろうか。
相手筆頭はトーセンマエストロ。中央準オープンから昨年8月に笠松に転入し、勝ち星こそないものの、スプリント3着、笠松グランプリ3着、白銀争覇2着と、重賞での善戦が目立つ。今回もヒシウォーシイさえいなければ、9歳にして重賞初勝利のチャンスだったのに、というメンバー。
エーシンアクセランも重賞善戦組。昨年のサマーカップで重賞初制覇を果たしたが、以降は重賞に7回出走して2着2回に3、4、5着が各1回。今回もトーセンマエストロとの2着、3着争いだろう。
重賞3勝の実績があるカモンネイチャだが、ここ3戦の重賞では勝ち馬から1秒前後の差をつけられている。ただそのときの勝ち馬がイイデケンシン、マルヨフェニックス、キングスゾーンと、東海・兵庫のトップクラスの馬たちだけに、今回のメンバーなら連下は十分に狙える。
ビッグポパイは、前走白銀争覇で9番人気という低評価ながら、2着トーセンマエストロにアタマ差の3着と好走。1番人気で5着だったエーシンアクセランには先着した。それが実力なら今回も上位に食い込む可能性はある。
◎ヒシウォーシイ
○トーセンマエストロ
▲エーシンアクセラン
△カモンネイチャ
△ビッグポパイ
笠松・プリンセス特別の上位3頭、ミラノボヴィッチ、マンボビーン、リジョウクラウンによる争いとなりそう。
なかでも、そのプリンセス特別では3コーナーで単独先頭に立ち、直線で突き放したミラノボヴィッチのレースぶりは圧巻だった。今回は舞台を園田に移しアウェーでの戦いとなるが、鞍上の濱口楠彦騎手にとっては何度も経験しているコースだけに、それほどマイナスにはならないだろう。
プリンセス特別で3馬身離されての2着だったマンボビーンは、デビュー勝ち以来勝ち星はないものの、重賞でも常に善戦。前走、東京2歳優駿牝馬でも、遠征馬では最先着の6着だった。このとき最下位に敗れたミラノボヴィッチがその敗戦をひきずっているようなら、マンボビーンにチャンスも広がる。
園田プリンセスカップを制したリジョウクラウンも、その後は勝ち星がない。仕上がり次第の面もあり、後方追走から向正面でまくってくるという脚質的にも注文のつくタイプだけに、展開がハマれば再び一発という可能性もある。
クインオブターフ、ミミチャン、シークレットベースあたりに実績3頭の一角を崩して馬券圏内の可能性。
1月3日の3歳一組戦は、5番人気のクインオブターフが勝ち、1番人気のミミチャンが3着、3番人気のシークレットベースが6着という結果だった。これが2勝目となったクインオブターフだが、園田プリンセスカップでは、リジョウクラウン、マンボビーンに続く3着に入った経験があり、ここ3戦で2、2、1着と調子を上げてきているだけに、△3頭の中では最上位としたい。
◎ミラノボヴィッチ
○マンボビーン
▲リジョウクラウン
△クインオブターフ
△ミミチャン
△シークレットベース
年末に行われたヤングチャンピオンから上位馬を中心に8頭が出走。そこで1、2着だったムツミマックスとユメミルチカラの2頭が近走の成績からも抜けている。この2頭のどちらが勝つのか、あとは3着争いがどの馬か、というのが焦点となろう。
中心はムツミマックス。11月までは勝ち切れないレースが続いていたが、ここ3戦での連勝は明らかに力をつけている。しかも1600メートルに距離が伸びたここ2戦ともユメミルチカラを負かした。加えて、馬体重も少しずつではあるものの成長を続け、500キロ近くになっているのも今後に向けては魅力だ。
対するユメミルチカラは、デビュー時が415キロで、もっとも重くなった前々走でも423キロと、10キロも増えていない。一時400キロを割った体重から戻しているとはいえ、ムツミマックスと比べると、どうしても見劣る。距離適性の面でもやはりムツミマックスのほうに有利だろう。
3着争いは、ヤングチャンピオンの3~5着馬だが、同5着だったユノエスクードが巻き返すと見る。前走の3歳1組戦でも、この3頭の中ではユノエスクードが最先着の3着。勝ったユメミルチカラからは3馬身しか離されていない。ユノエスクードのここ4走は、ムツミマックスまたはユメミルチカラからもっとも離されたのがヤングチャンピオンでの1.1秒差で、それ以外の3戦はいずれも1秒差以内と大きく崩れず堅実に走っている。
マルサンスパイス、リニアステップも、よほど展開が乱れない限りは3着争いまで。
◎ムツミマックス
○ユメミルチカラ
▲ユノエスクード
△マルサンスパイス
△リニアステップ