3歳限定のハンデ戦だが、トップハンデでもカラテチョップが断然。兵庫ダービーを勝ったあと、ジャパンダートダービーJpnIに出走というプランもあったが、無理はせずにその1カ月後、地方全国交流の黒潮盃に遠征。単勝22.1倍、8番人気という低評価ながら、4コーナー10番手から豪快な追込みで3着に食い込んだ。個人的なことを言えば、カラテチョップから流していたので、もうひとつ着順を上げてほしかったのだが......。兵庫ダービーから黒潮盃までは2カ月、そして今回も黒潮盃から2カ月ぶりの実戦。ゆったりしたローテーションだが、黒潮盃で発揮したパフォーマンスを考えれば、ここでも中心。
相手もやはり兵庫ダービーの上位馬。2着のキヨミラクルか、4着のタマモリターンか。どちらも近走古馬A級2組で善戦、1700メートル戦で連対を外したのは1度だけ、しかも斤量56キロと、実績があまりにも似ていて甲乙つけがたい。どちらもカラテチョップを負かす可能性までありそうだが、ここは目下全国リーディング2位の木村健騎手に戻るタマモリターンを上にとる。
今年3月のデビュー以来連続連対を続けるキタイセユニバースが重賞初挑戦となるが、いきなり上記3頭との対戦では楽な競馬はさせてもらえないだろう。
バージンサファイヤは、前々走でのじぎく賞制覇、前走古馬牝馬との兵庫サマークイーン賞2着と好調だが、牡馬との重賞が2月の園田ユースカップ(4着)以来となるだけに、カラテチョップより2.5キロ軽いだけの54.5キロで勝負になるかどうか。
◎カラテチョップ
○タマモリターン
▲キヨミラクル
△キタイセユニバース
△バージンサファイヤ
サクセスブロッケンかエスポワールシチーか。4歳GI(JpnI)馬2頭の争い。
JBCクラシックJpnIからの古馬との対戦ではしばらく勝てなかったサクセスブロッケンだが、フェブラリーステークスGIでは7歳の最強世代を破って世代交代をアピール。そのときに逃げて4着だったエスポワールシチーは、マーチステークスGIII、かしわ記念JpnIと、控える競馬を覚えて連勝。フェブラリーステークスGIのときよりも確実に力をつけている。サクセスブロッケンが、そのフェブラリーステークスGI以来の休み明けということを考えると、エスポワールシチーのほうに分がありそうだが、今回はサクセスブロッケンの潜在能力に期待する。
エスポワールシチーは、ダートなら大崩れせずに常に堅実に走るタイプなのに対し、サクセスブロッケンはあっさり負けることもあれば、勝つときはとてつもなく強いレースをするタイプのように思う。そうしたときの能力はサクセスブロッケンのほうが高いと見る。
9歳とはいえ軽く見てはいけないのが、このレース4連覇がかかっているブルーコンコルド。盛岡のダートは適性のある馬が力を発揮するコース。ブルーコンコルドが昨年このレースを勝ったときは、一昨年以来1年ぶりの勝利。04、05年に連覇したユートピアなどは3歳時にこの盛岡でダービーグランプリを勝って以降、日本での勝ち星はこの南部杯の2勝のみだった。マーキュリーカップJpnIIIを見ても、スナークレイアースは3着以内が3回あり、クーリンガーに至っては5年連続で出走して3度の連対がある。昨年の覇者サカラートも、今年は5番人気と低評価ながらあわやスマートファルコンに先着しようかという勢いで3着だった。サクセスブロッケンとエスポワールシチーに人気が集中するだろうから、馬券的にはブルーコンコルドがおもしろそうだ。
勝ち負けになるのはこの3頭。昨年あわやの2着だったメイショウバトラー、クラスターカップJpnIIIで2着のトーセンブライトも盛岡コースとの相性はよく、3着候補。
◎サクセスブロッケン
○エスポワールシチー
▲ブルーコンコルド
△メイショウバトラー
△トーセンブライト
メンバー中唯一の古馬格付けで、前々走A4特別を勝っているエムザックローマンがやはり中心になるだろう。MRO金賞では6着に敗れたが、東海地区の強豪2頭に真っ向勝負を挑んでの結果。5月の北日本新聞杯制覇に続いての3歳2冠制覇なるか、同世代同士の重賞であらためて真価が問われる。
相手は混戦だが、筆頭はフジヤマヒーロー。北日本新聞杯で2着のあとは着順の数字だけ見ているとあまりよくないが、ほとんどが中央未勝利との条件交流戦。前々走の3歳A1特別では勝ったマツノジャンプからコンマ1秒差の3着。そして前走同じ3歳A1特別ではマツノジャンプに雪辱を果たして勝利。エムザックローマン以外のメンバーとの比較では、必ずしも抜けているというわけではないが、常に上位を争える力はある。
そのフジヤマヒーローと近走勝ったり負けたりのマツノジャンプも当然差はない。
気になるのが中央未勝利から転入して2連勝のセイリュウザクラ。3歳下級クラスでの連勝だけに疑ってかかる必要はあるが、強い勝ち方をしているだけに、このメンバーでも一発の可能性は否定できない。
5月に中央未勝利から転入後、MRO金賞4着も含め、8戦5勝、3着1回と堅実な成績を残しているパワフルウッズにもチャンスはありそう。
◎エムザックローマン
○フジヤマヒーロー
▲マツノジャンプ
△セイリュウザクラ
△パワフルウッズ
アグリヤングの実績が断然。同世代同士の地元重賞で負けなしの6勝、さらに前走古馬A3特別を勝利。この時期の3歳馬としては文句のつけようがない成績だ。
2番手争いはムツミイングランドかマルサンジョイか。福山ダービーではマルサンジョイがムツミイングランドに5馬身もの差をつけて2着を確保。福山チャンピオンシップではアグリヤングの2着に高知のイルトロヴァトーレが入り、3着マルサンジョイ、4着ムツミイングランドの差は半馬身だった。ただ近走を見ると、ムツミイングランドが古馬B2級で常に勝ち負けの競馬をしているのに対し、マルサンジョイはB3級でちょっと足りない感じ。順当ならムツミイングランドが上だろう。
いずれにしてもここまで3頭の勝負。福山チャンピオンシップ6着のボーソレイユ、前走古馬C級選抜3着のメソポタミアあたりではちょっと差がありそうだ。
◎アグリヤング
○ムツミイングランド
▲マルサンジョイ
△ボーソレイユ
△メソポタミア
マサアンビションの安定したレースぶりが目立つ。今年、1400メートル戦は5戦3勝、2着1回。唯一連対を外した東海桜花賞は、ベストタイザン、キングスゾーン、マルヨフェニックスなどダートグレード級による上位争いとなったため。そうしたレベルの馬が不在のここは、07年笠松グランプリ以来となる重賞制覇のチャンスが巡ってきたと見てよさそうだ。名古屋オープンの1400メートル戦を3連勝中と、10歳ながら勢いもある。
強敵となりそうなのが5歳のハードインパルス。重賞初挑戦となった今年5月の尾張名古屋杯を勝利。その後は、やはりマルヨフェニックスやキングスゾーンなど強豪が相手となったオッズパークグランプリ2009で7着だったほかは連対を外していない。笠松コースは初出走になるが、前走金沢に遠征してのオータムスプリントカップで接戦の2着なら、心配はいらないだろう。
一発の可能性があるのが、中央から転入初戦となるロードクルーザー。中央ダート1200〜1400メートルで4勝の実績は、このメンバーなら圧勝まであっておかしくない。昨年12月以来の休み明けで、どこまで仕上がっているか。
中央から転入初戦のA2特別を勝ったエイシンハンコックも怖い存在。その前走は、昨年3歳時に重賞5勝の実績馬サチコゴージャスを寄せ付けず4馬身差の圧勝だった。
カセギガシラは、勝ち星からはしばらく遠ざかっているものの、年末の東海ゴールドカップ3着、4月のスプリング争覇4着など、重賞で上位争いできる力はある。
連覇を狙うケイアイカルディナは、5月に同じ笠松1400メートルの東海クラウンを勝っているものの、その後は勝ち馬から1秒以上の差をつけられての敗戦続き。特に前走A3特別で差のある3着では、上位争いは難しいだろう。
◎マサアンビション
○ハードインパルス
▲ロードクルーザー
△エイシンハンコック
△カセギガシラ