9月10日のサウスヴィグラス賞(1200メートル)でクビ、クビの接戦を演じた3頭、ゴールドコイン、アストラルフォース、クラフィンライデンと、7月29日のディープインパクト・プレミアムII(1200メートル)でクラフィンライデンをハナ差でしりぞけたホワイトリーベ、それに1200メートル以下では7戦全勝のファイアーアップ、5頭による混戦。
ここは斤量的に有利になったホワイトリーベを上位にとる。ここ2戦は5着に敗れているが、ともに1800メートル戦。活躍の舞台はダートの短距離で、前走重賞ノースクイーンカップでも4コーナー先頭で見せ場はあった。
相手には3歳牝馬のクラフィンライデン。常に先手をとれるスピードがあり、それでいて最後まで粘るスタミナも持っている。北海道スプリントカップJpnIIIこそ7着だったが、南関東から戻ってからはすべて4着以内で、安定度ではこちらが上かもしれない。
8月11日のB3-2組戦でアストラルフォース、ゴールドコインに勝っている3歳牡馬ファイアーアップが3番手。初の敗戦となった1800メートルの華月賞のほかには高いレベルのレースを経験していないところが割引。
アストラルフォース、ゴールドコインは、ともにサウスヴィグラス賞から2キロ増の斤量がどう影響するか。
06年に第1回のこのレースを制したアドミラルサンダーは近走不振だが、5月には1番人気に推されたエトワール賞でクラフィンライデンとアタマ差の2着があり、当時の調子が戻れば上位争いも。
◎ホワイトリーベ
○クラフィンライデン
▲ファイアーアップ
△アストラルフォース
△ゴールドコイン
△アドミラルサンダー
マルヨフェニックスが断然。かきつばた記念JpnIII4着、帝王賞JpnI6着とダートグレードで善戦し、園田、川崎に遠征しての地方全国交流重賞を連勝という実績は、このメンバーでは力が抜けている。アクシデントでもない限り負けるわけにはいかない。
イイデケンシンも地方同士の重賞なら負けられないところ。ともに内枠に入ったモエレトレジャーとのハナ争いが展開を左右しそうだが、直線で追ってくるマルヨフェニックスを封じ込められるかどうか。
コスモトノの存在も気になところ。転入後A2まで5連勝中で、今回が重賞初挑戦。上記2頭に迫れるようであれば、これからが楽しみになる。
昨年の覇者モエレトレジャーは、近走A1特別や重賞で4戦連続2着。摂津盃ではアルドラゴンに2番手でマークされる厳しい展開ながら2馬身差の2着なら、ここでも上位争いに残れる可能性はある。
以上、重賞実績のある3頭に、連勝のコスモトノを加えた4頭の争いになりそう。
◎マルヨフェニックス
○イイデケンシン
▲コスモトノ
△モエレトレジャー
ブリーダーズゴールドジュニアカップを制したビッグバンの鞍上、桑村真明騎手のレースぶりは見事であった。スタート後はじっくり後方に構え、向正面から徐々に位置取りを上げ、直線を向いて追い出すと後続をみるみる引き離した。今年栄冠賞で初めて重賞を制したとは思えない落ち着きぶりで、その栄冠賞を制したオノユウを楽々と4馬身突き放した。オノユウはその後にフローラルカップを完勝していることを考えても、ビッグバンの強さがわかろうというもの。余談にはなるが、7月28日のマヤノトップガン賞でビッグバンを負かしたブンブイチドウが同日の川崎・鎌倉記念に遠征している。ともに角川厩舎で、グランド牧場のオーナーブリーディングホース。このコンビが門別と川崎で同日重賞制覇という可能性も十分に考えられる。
相手にはラスカルキッド。ここ2戦のウィナーズチャレンジは惜しいところで勝てていないが、中団や後方からゴール前でしっかり伸びてくる末脚には見どころがあり、展開ひとつで突き抜ける可能性はある。
9月9日のウィナーズチャレンジで、そのラスカルキッドを抑えて逃げ切ったのがモエレクリューガー。デビュー2戦目からいずれも1番人気で3連勝。今回、重賞や中央の芝を経験してきたちを相手にどこまで粘れるか。
フレッシュチャレンジを大差で圧勝のキャニオンショットが、このメンバーに入ってどこまでやれるか楽しみなところ。
ブリーダーズゴールドジュニアカップではスタートで大きく出遅れたニューブラウンがここで巻き返したいところ。
◎ビッグバン
○ラスカルキッド
▲モエレクリューガー
△キャニオンショット
△ニューブラウン
地方馬の出走は4頭、しかも地元金沢からはビッグドン1頭のみで、フルゲート9頭とはやや寂しい感じ。JpnIIIとはいえ、中央勢がこれだけ充実したメンバーではそれもしかたない。かつてならダートグレード実績のない中央馬が相手なら、地方馬でもそこそこ勝負になったが、ここ1、2年はダート路線のレベルが格段に上がった。今回でいえば、ネイキッドやアドマイヤスバルなどはまだ重賞を勝っていないのだが、地方の平均レベルのオープン馬ではちょっと歯が立たないような感じがする。
中心はアドマイヤスバル。ダートオープンのオアシスステークスと大沼ステークスを連勝し、ブリーダーズゴールドカップJpnIIIでは、アロンダイト、フリオーソらを振り切り、万全に仕上げられたスマートファルコンに1馬身差に迫る2着。昨秋から今春にかけて、中央のダート重賞で善戦していたころより力をつけていると見る。
ウォータクティクスも差はない。というか、こちらを本命にするか迷ったが、東海ステークスGIIでは出入りの激しい展開に苦しい競馬を強いられて最下位に敗れていることや、エルムステークスGIIIを蕁麻疹で取消していることなど、必ずしも順調ではないことに不安が残る。ただ、ほかにコレといった逃げ馬もなく、ゆったりマイペースで逃げられそうなことから、アンタレスステークスGIIIのような強い競馬を見せる可能性も十分ある。
ネイキッドが3番手。前走エルムステークスGIIIは、直線一旦先頭に立ちながら、マチカネニホンバレに差し返されてハナ差2着という惜しい競馬だった。ダートグレード級との対戦経験が少ないだけに、上記2頭よりはやや下の評価。勝負になるのはここまでの3頭。
ゆったりしたペースでサカラートが最後どこまで粘れるか。上記3頭のうちどれかが崩れたときの3着候補。
◎アドマイヤスバル
○ウォータクティクス
▲ネイキッド
△サカラート
西日本交流とはいえ、他地区からの遠征が兵庫のエンタノメガミのみというのはちょっと寂しい。一昨年はたしか馬インフルエンザの影響だったが、昨年も遠征馬なかったので、このレースにはエンタノメガミが初めての遠征馬ということになる。
それなりに重賞などで成績を残しながらも一長一短のあるメンバーが多く悩むところだが、ここはサチコゴージャスの連覇に期待したい。昨年3歳時は年明けから破竹の5連勝。どこまで強いんだと思わせたものの、距離が伸びた駿蹄賞で4着に敗れ、それ以降しばらく勝てなくなった。しかしこの秋桜賞では2着に2秒2の大差をつけるぶっちぎりの圧勝。これには驚かされた。その後はここまで1勝のみだが、大崩れすることは少なく、A1やA2クラスで善戦を続けている。距離適性がいまいちはっきりしないのだが、この名古屋の1800メートルに限れば3戦2勝、2着1回。またあっと驚くレースを見せてほしいもの。
相手には東海ダービーを含め今年重賞3勝のダイナマイトボディ。地元名古屋に限ればデビュー以来12戦して10連対という安定した成績。ただ気になるのが古馬との対戦はA3で4着に敗れていること。とはいえその後に東海ダービーと東海クイーンカップを勝ているだけに、当時より力をつけているはず。
所属地区が違うとはいえ、古馬格付けの中で実績最上位はエンタノメガミ。昨年暮れに川崎から兵庫に戻って以降、ほとんどがオープンクラスとのレースで、13戦して掲示板を外したのは2度という成績。ただ気になるのは距離適性。1700メートルでも勝ち星があるものの、好成績は1400メートルに集中している。
トウホクビジンはちょっと使いすぎの感じもあるが、ダートグレードなどで一線級との対戦が多いだけに、力をつけていても不思議はない。疲れさえなければ上位争いも。
今年重賞2勝のシルバーウインドも、前走でA2特別勝ちがあり、実力的には劣っていない。
ニュースターガールは3歳になってしばらく勝てなかったが、前々走の笠松・クイーンカップで復活をアピール。前走東海クイーンカップ大敗から巻き返せるかどうか。
◎サチコゴージャス
○ダイナマイトボディ
▲エンタノメガミ
△トウホクビジン
△シルバーウインド
△ニュースターガール