栄冠賞、フローラルカップと重賞を2勝しているオノユウが中心。JRA遠征を除けば、地元門別では6戦4勝、2着2回。しかも牝馬には一度も先着を許していないだけに、牝馬同士のここなら当然期待大。ただやや不安なのが1200メートルという距離。デビュー時から520キロ台もある大型馬で、当時から距離が延びてからと言われていた。実際に、前走1700メートルのフローラルカップは、2番手追走から直線余裕を持って突き放す強い勝ち方。距離を考慮して、今回は頭ではなく連軸で。
レースぶり次第で圧勝まであっておかしくないのがクラキンコ。前走ルールオブロー賞は、1番人気に期待されながら3着に敗れたが、実質競馬をしたのは最後の100メートルだけ。好スタートもずるずると最後方まで下がり、道中はずっと追いどおし。直線半ばまでまったくレースをしていない感じだった。それだけに、前で抜けていた2頭以外をゴール前でごぼう抜きした末脚は強烈だった。父クラキングオー、母クラシャトルは、ともに北海優駿勝ち馬。特にクラキングオーは道営記念まで制した北海道のチャンピオンホース。クラシャトルも若いころはイレ込みがきつく、クラキンコはそうした気性の悪いところを受け継いでしまったのかもしれない。クラキングオーは、この年クラシャトル1頭だけに種付して生まれた唯一の産駒。純粋の北海道血統ということでも応援したい。ただ、今のレースぶりからは圧勝も惨敗もあるタイプのように思う。
そのクラキンコが出走していたルールオブロー賞を快勝したのがショウリダバンザイ。こちらは距離が短いほうがよさそうなタイプ。
中央から挑戦の4頭は、いずれもダートの新馬戦か未勝利戦で1勝を挙げているのみ。中でもデビュー戦を逃げ切って5馬身差の圧勝だったのがヒシヴェリタス。ほかの3頭は何戦かして底が割れてる感じで、勝負になるのはヒシヴェリタスだけだろう。
牡馬と混合のプリサイスエンド賞を勝ったプリマビスティーは連下候補。
8月に1000メートルのリリーカップを制したプリモエナジーは、プリサイスエンド賞で見せ場なく9着と敗れたが、地元で惨敗したのはこの1戦のみで、まだ見限るには早いように思う。
◎オノユウ
○クラキンコ
▲ショウリダバンザイ
△ヒシヴェリタス
△プリマビスティー
△プリモエナジー
3連勝でステイヤーズカップまで制したコパノカチドキが、ここも難なく通過しそうだ。中央3勝で、今シーズン途中に転入。2戦目で3着に敗れているが、これは1200メートルという距離が原因だろう。重賞初挑戦となったステイヤーズカップは、直線で馬群から抜け出す完勝で、堂々1番人気にこたえた。今回は、そのステイヤーズカップの前に2連勝している1800メートルが舞台だけに負けられないところ。今シーズン重賞を勝ちまくっている角川秀樹調教師、桑村真明騎手のコンビがここでもタイトルをさらっていきそうだ。
ゴッドセンドは、大井から転入2戦目の星雲賞を1番人気で制した。続くブリーダーズゴールドカップJpnIIは10着だったが、さすがにこのメンバーに入れば度外視していいだろう。前走58キロを背負ったオープンは3着で、今回もコパノカチドキより1キロ重い58キロがどうか。
今シーズン最初の古馬重賞、赤レンガ記念を制したモエレエトワールは、星雲賞でもゴッドセンドに3/4馬身差と迫る2着に好走したが、前走は7着惨敗。約3カ月の休み明けとはいえ、今回と同じ55キロで負けているのは気になるところ。
フジノダイヒットは、主に条件クラスとはいえ今シーズン11戦して3着を外したのが1度だけという堅実な成績。ただし勝ったのも1度だけと、勝ち切れない部分があるのもたしか。
ウエスタンリジは、前走のオープンで7番人気ながら2着に入り、ゴッドセンド、モエレエトワールに先着。ただ実績的には今回も穴馬的な存在。
昨年岩手に遠征して北上川大賞典を制したジュークジョイントも、このメンバーに入って上位を争える力はありそう。
◎コパノカチドキ
○ゴッドセンド
▲モエレエトワール
△フジノダイヒット
△ウエスタンリジ
△ジュークジョイント
ロックハンドスターは、前走ジュニアグランプリでは直線で単独先頭に立ちながら、北海道のボヘミアンに交わされクビ差で2着と惜しい競馬だった。ダートでは2戦2勝で、芝よりダートのほうが高いという評価もある。北海道のオープンクラスと芝で互角のレースをして、ダートならさらに、ということであれば相当高いレベルにありそうだ。1600メートルという距離は芝の若鮎賞で9馬身差の圧勝があり、まったく心配はない。初めての盛岡ダートでどんな強いレースをしてくれるのか期待は大きい。
ベルデンアインは、芝ではいまひとつもダートでは2戦2勝。前々走、水沢のビギナーズカップでは、中団よりうしろを追走して追いどおし。ところが直線を向くと馬群を縫ってあっという間に抜け出した。ダートではかなりの能力がありそうで、こちらも盛岡のダートは今回が初めてとなる。
リュウノボーイはビギナーズカップこそ8着と惨敗したが、ジュニアグランプリはロックハンドスターから2馬身半差の3着。前走盛岡ダート1400メートル戦を完勝しており、盛岡のダートには適性がありそうだ。
ビギナーズカップで1馬身半差の2着だったサンデーゴールドは、前走1番人気に推されながらリュウノボーイの4着。ここで巻き返したいところ。
パールレディは、芝の認定戦を勝ったのみだが、父クロフネという血統的にも注目してみたいところ。
◎ロックハンドスター
○ベルデンアイン
▲リュウノボーイ
△サンデーゴールド
△パールレディ
基礎重量が840キロで、いよいよばんえい記念が見えてきそうな岩見沢記念。さすがに一線級のベストメンバーともいえる顔ぶれとなった。
今シーズン、ともに重賞2勝を挙げているフクイズミとカネサブラックが別定プラス10キロだが、この2頭が大一番で発揮する力はちょっと抜けている。先日、第1障害と第2障害の間の砂の入れ替えが行われたが、流れがゆったりするであろう今回はフクイズミに有利。先行勢からそれほど離されずに第2障害までついて行ければ、「フクイズミにこのタイミングで障害を越えられては......」という、旭川記念やばんえいグランプリの再現と見る。
カネサブラックの安定したレースぶりも相変わらずだ。今シーズン連対を外したのは旭川記念の4着のみ。このときはフクイズミに先頭で障害を越えられて焦った面もあるかもしれないが、ホクショウダイヤ、ナリタボブサップとの2着争いはまったくの横一線だった。
とにかく他馬よりプラス10キロまでの範囲なら、今シーズンはこの2頭を中心にレースが展開すると思う。ただしばんえい記念だけは別だが。
3番手にはホクショウダイヤ。旭川記念、北斗賞、ともに4番人気で2着と、今シーズン馬券的に最大の惑星となっているのがこの馬。15戦して8連対、掲示板を外したのが1度だけと成績も安定している。
逆に今シーズン重賞未勝利で、今ひとつピリッとしないのがナリタボブサップ。とはいえ重賞では2、3、3着とまったく崩れてはいないのだが。
この重量になればそろそろ出番が回ってきそうなのがスーパークリントン。今シーズン未勝利だが、昨シーズンも勝利は2つのみで、そのうちの1勝がさらに負担重量の重い北見記念だった。そもそもが穴馬タイプだけに、特にソリの重量が重くなるこれからのシーズンは常に気にかけておく必要がある。
◎フクイズミ
○カネサブラック
▲ホクショウダイヤ
△ナリタボブサップ
△スーパークリントン
昨年秋に中央から転入し、肥後の国グランプリ、ファン選抜大阿蘇大賞典を制しているタニノウィンザーを本命とした。3月の大阿蘇大賞典を制して以降は、A級で10戦6勝、2着3回と荒尾では間違いなくトップの成績。2000メートルという距離は、両重賞でともに完勝しているだけに、この馬にとっては強調材料となる。
対するのが佐賀から単騎遠征のサンシーズン。中央2勝で今年佐賀に移籍。転厩後のオープン9着、吉野ヶ里記念4着はいずれも1400メートルと距離不足で、1800メートルの前走脊振山特別では2着を確保。そのレースを勝ったヘイアンレジェンドが、やはり中央2勝からの転入初戦で、そのレベルがどのあたりにあるのか計りかねるところはあるが、佐賀A級の善戦組を負かしていることから荒尾のオープンクラスに入っても好勝負だろう。地元荒尾勢を軽くひとひねりしても不思議はない。
連覇を狙うテットウテツビは、年度が替わってクラスが下がりC級からB級でまずまずの成績。久々のオープンクラスとの対戦がどうか。
テイエムジカッドは、8月のつばき特別、9月のグリーンランドリゾートカップでタニノウィンザーに土をつけたスピードの持ち主。中央在籍時は荒尾に遠征してたんぽぽ賞や霧島賞での勝利もあり、今年春に移籍後はA級で4勝を挙げる実績。しかし連対はいずれも1500メートル以下のもので、2000メートルの今回は不安が残る。
◎タニノウィンザー
○サンシーズン
▲テットウテツビ
△テイエムジカッド