岩見沢記念の1〜3着馬が揃って出走してきた。というより、岩見沢記念から4着のトモエパワーと9着のホクショウダイヤが抜けて、スターエンジェルとホクトキングが加わったというメンバー構成。
そろそろばんえい記念を見据えた戦いとなってくるが、ここは高重量戦でアッと驚かせるスターエンジェルから狙ってみたい。昨年10月以降、すでに1年以上勝ち星から遠ざかっているが、そんなときに激走するのがこの馬の真骨頂。すでに2年近くも前になるが、07年正月の帯広記念では、初めて曳く850キロにもかかわらず、あわやの2着であっと驚く万馬券を演出した。それがフロックでないのは、今年のばんえい記念での3着が証明している。近走勝ち星から遠ざかっているとはいえ好走はしている。ただ微妙なのは天気。ピンポイント予報を見ると、日曜日は晴時々雨となっている。雨か雪の軽い馬場になったら評価を下げたい。乾いた馬場で、あくまでも連軸という意味での本命。
高重量戦でも堅実に結果を残すカネサブラックが対抗。昨シーズンはばんえい記念を自重したが、松井浩文調教師は、今シーズンは3連覇を狙うトモエパワーとともに出走させると明言していた。その本番に向けては、どのあたりから仕上げていくのかということも見どころだ。
ミサイルテンリュウが好調だ。昨年秋から今年夏にかけては今ひとつのレースが続いていたが、ここに来て調子を上げてきた。06年正月、大雪の帯広記念を制した印象が強く、かつては軽い馬場で力を発揮していたが、9歳を迎えた現在ではむしろズブくなったようで、今シーズンは力のいる馬場で成績を残している。
ナリタボブサップを△に落としてしまうのは不本意だが、岩見沢記念以来久々の実戦。この馬の狙いはもう少し先だろう。
スーパークリントンも高重量戦は力を発揮できる舞台。ただ勝ちきるまでとなると難しい。
フクイズミの850キロはいかにも厳しい感じだ。昨年の北見記念も同じ850キロで、なんと1番人気に支持されての5着だった。ただ800キロでチャンピオンカップを制したときに驚かされ、今年は820キロの岩見沢記念を制してさらに驚かされた。第2障害を越えるタイミングがすべて。今回は無印としたが、展開次第では大駆けがあっても不思議はない。
◎スターエンジェル
○カネサブラック
▲ミサイルテンリュウ
△ナリタボブサップ
△スーパークリントン
ここまでの成績からすれば、福山2歳優駿を制したアグリヤングか、前走でそのアグリヤングに5馬身差をつけ2着のムツミイングランドか、というところだが、ここは3連勝と勢いに乗っているモエロナツコから狙ってみたい。1600メートルの持ちタイムではムツミイングランドに1秒以上及ばないものの、詰められない差ではないだろう。
ムツミイングランド、アグリヤング、3頭ともに前に行く馬だけに、ペースが速くなれば共倒れという可能性もなくはなく、そうしたときに漁夫の利を得そうなのは、うしろから追い込むマルサンジョイ。1250メートル戦ではあるものの、ムツミイングランドとコンマ1秒差の勝負をしているだけに、あっと言わせる場面もあるかもしれない。
◎モエロナツコ
○ムツミイングランド
▲アグリヤング
△マルサンジョイ
勝ったり負けたりの馬ばかりで難解な2歳戦だが、実績的に抜けているのはフジヤマヒーロー。ここまで4勝は、ハヤテヤブサメオーと並んでメンバー中最多の勝ち星。今回のレースは1700メートルだが、多くの馬が経験している1500メートルの持ちタイムでも、フジヤマヒーローが唯一、1分40秒を切るタイムを記録している。
ハヤテヤブサメオーも差はない。フジヤマヒーローの主戦でもある吉原寛人騎手が、今回はこちらを選んできたのは気になるところ。
兼六園ジュニアカップ2着のリトルポエットはここまで6戦して勝ち星なし。ただ2着も3回あり、連下なら十分にありそう。
サンクスチケットは笠松に遠征してのサラ・プリンセス特別で3着があり、こちらも連下なら。
◎フジヤマヒーロー
○ハヤテヤブサメオー
▲リトルポエット
△サンクスチケット
かつてダートグレードとして行われていた全日本サラブレッドカップが、現在では東海・北陸・近畿・中国地区交流の笠松グランプリとして引き継がれたが、今年は「グランプリ」というレース名にふさわしいメンバーが顔を揃えた。
正直なところ、本命にしたい馬が4頭いて、予想に困った。
印をつけた6頭のうち、上位4頭がその本命候補なのだが、思い切って3歳牝馬サチコゴージャスに賭けてみることにした。前々走1800メートルの秋桜賞で見せた圧巻のレースぶりは、牝馬同士とはいえ驚きだった。前走岐阜金賞2着はあきらかに距離不適の1900メートル。今回、この馬がもっとも力を発揮できる1400メートルに戻れば、歴戦の古馬が相手でも、持てるスピードを遺憾なく発揮するものと見る。
帝王賞JpnI・4着のマルヨフェニックスを対抗に落とすのは申し訳ない気がしないでもないが、1400メートルは昨年2月の園田ユースカップ以来。スピードならサチコゴージャスのほうが上と見る。地元笠松は昨年の岐阜金賞(2着)以来で、東京大賞典JpnIに向けたひと叩きと見るべきかもしれない。
シールビーバックは、遠征競馬となったTCKディスタフ(6着)はともかく、1番人気に推されながら3着に敗れた秋桜賞は残念だった。このときはスタートで後手を踏んだのがすべて。地元に戻れば期待の1頭だが、今回はとにかくメンバーが揃った。
兵庫のベストタイザンも1400メートルのスペシャリスト。前走のJBCスプリントJpnI(10着)や、前々走の1700メートル戦(4着)はともかく、9月18日の1400メートル戦でアルドラゴンに7馬身もちぎられたのはどうしたことか。今回はアウェーでもあり、本来の状態にあるかは疑問と見て狙いを下げた。
中央から兵庫への移籍初戦を制したダイワバンディットは、中央では芝だがオープン勝ちの実績があり、ここで通用してもまったく不思議はない。元笠松の川原正一騎手なのも大きなアドバンテージ。
中央1戦後笠松に移籍して12連勝中のストライクリッチだが、重賞初挑戦で今回のメンバーではいかにも荷が重そうだ。
◎サチコゴージャス
○マルヨフェニックス
▲シールビーバック
△ベストタイザン
△ダイワバンディット
△ストライクリッチ
10頭立てで6頭もに印をつけるのはどうかと思ったが、それだけ期待馬、素質馬が多いということで。
このレース、実はモエレエキスパート◎で予想原稿を書いてしまっていた。枠順発表の前日、24日にちょっと時間ができたので、さすがにもう登録から回避はないだろうと思い、前倒しで原稿を書いていたのだった。札幌2歳Sで3着、北海道2歳優駿で2着という実績は十分で、スーニとアースリヴィングに人気が集中するだろうから、馬券的な妙味もあった。
モエレエキスパートがホッカイドウ競馬トレーディングセールの最高価格で取引されたというニュースは知ってはいた。が、なぜかそっちとこっちが結びつかなかった。
というわけで結局は人気2頭が中心の予想になってしまうわけだが、本命はアースリヴィング。スーニのレコード勝ちもすごいが、アースリヴィングのデビュー戦楽勝9馬身という将来性にも期待してみたい。
この兵庫ジュニアグランプリJpnIIや、3歳春の兵庫チャンピオンシップJpnIIは、期待の大きい中央馬が案外だったことも少なくないレースで、中央とは環境が違い、極端な小回りコースや、砂の質がその原因と思われる。そういう意味でもスーニがあまりに人気になるならむしろ疑ってかかりたい。
平和賞を勝ったチョットゴメンナは、ホッカイドウ競馬のなかでは数多くいる活躍馬の1頭で、それほど目立った存在ではなかったが、平凡なタイムで未勝利を勝ちあがった中央のあとの2頭よりは上。
その他の地方馬は、地元馬も含め、ダートで圧倒的なレースをしてきた中央の2頭がいては、かなり苦戦を強いられそう。
◎アースリヴィング
○スーニ
▲チョットゴメンナ
△メイショウローツェ
△ナリタカービン