昨年から水沢での開催となった北上川大賞典。過去にも何度か水沢で行われたことがある。
ひとつの主催者が複数の競馬場で開催を行っている場合、重賞の開催場を変えるのはなかなか難しい。たとえばホッカイドウ競馬の赤レンガ記念。赤レンガとは、ご存知のとおり旧道庁のことであり、札幌の象徴のひとつでもある。赤レンガ記念は当然のことながら札幌競馬場で行われることが多かったが、遠く帯広で行われたこともあるし、最近では07年が門別の開催だった。過去に、主催者のエライ方が「赤レンガは札幌の象徴なんだから、どうしても札幌でやれ」と言ったというような話もあったとかなかったとか。
兵庫の姫山菊花賞も、ここ6年は園田での開催となり、なんで姫路じゃないのという感じではある。
その点、北上川大賞典は、水沢でも盛岡でも違和感がない。水沢競馬場は、まさに北上川の河川敷にあるし、盛岡ではすぐ駅前を北上川が流れてもいる。
さて、その北上川大賞典だが、北海道から遠征し菅原勲騎手が鞍上のラプレを狙ってみる。9月13日のJRA札幌500万下の2400メートル戦は、ブービー人気ながらメンバー中最速の上がりで見事な差し切り勝ち。その距離適性は魅力だ。前走A3-2組の1800メートル戦では7着に敗れたが、その後道営記念を制すコンテ(2着)から0秒8しか遅れていない。
相手筆頭は、前走芝のきんもくせい賞で重賞初制覇を果たしたカネショウエリート。雨の不良馬場とはいえ4馬身差は見事。そもそも父がメイセイオペラで、水沢でもそこそこの成績を残していることから十分期待はできる。
前走赤松杯2着のヤマニンエグザルトも8歳だが衰えはなく、このメンバーならチャンスはありそう。
ソーユアフロストは、中央のオープンから転入して、水沢では2戦して1、2着。中央では活躍の舞台が芝だったが、もしかして水沢の深いダートが合うのかもしれない。
サイレントエクセルが復活したのかどうかは、ここで見極めたい。
ボスアミーゴは、昨年3歳時の七時雨賞以来水沢での勝ち星がないだけに今回は見送る。
◎ラプレ
○カネショウエリート
▲ソーユアフロスト
△ヤマニンエグザルト
△サイレントエクセル
荒尾の九州ジュニアグランプリが「未来優駿」のひとつとして行われ、1着賞金が250万円にまでアップしたため、この九州ジュニアチャンピオンを賞金面では逆転することになった。
本命は、やはりギオンゴールド。その九州ジュニアグランプリでは、粘るアビンニャーを振り切ってレコード勝ち。デビューから5連勝とした。不安は初距離だが、血統的にもこの距離なら問題ないだろう。額の「扇」の流星にも注目してほしい。
相手にはミライキング。九州ジュニアグランプリは6着だったのでここは人気を落としそうだが、それだけに狙い目。その九州ジュニアグランプリは、スタートでつまずいて落馬寸前の体勢からよく持ち直した。それゆえにまったくレースにならなかった。まだ底は見せていない。
アビンニャーは、九州ジュニアグランプリで最後までギオンゴールドに食い下がったが、勝負付けは済んだ感じ。真っ向勝負では逆転は難しそうだ。
ホッカイドウ未勝利から転入し、2歳1組で2戦して1、2着のパスカルは、このメンバーに入ってどこまで。
◎ギオンゴールド
○ミライキング
▲アビンニャー
△パスカル
とりあえず決定している来年3月までの福山の重賞一覧を見ると、アラブ限定の重賞はこの紅葉賞以降は予定がない。来年、金杯のトライアルである福山アラブマイラーズや、この紅葉賞は行われるだろうか。今のところ主催者などからの発表はないが、もしかしてこの紅葉賞が、日本で行われるアラブ限定の最後の重賞となる可能性はある。あくまでも推測に過ぎないのだが。
これでユノフォーティーンが出ていれば、ほぼベストメンバーという感じになったのだろうが、11月2日のA1特別でしんがり負けし、今回は出走せず。何かあったのだろうか。なんとも残念ではある。
ここはあらためてバクシンオーから。前走は後方からの競馬となり、持ち味を生かせず5着。しかし前々走までは福山アラブマイラーズから5連勝中だった。今回は、内枠から先手を奪って押し切りたいところ。
相手はフジノコウザン。昨年夏の金杯以来、重賞タイトルからは遠ざかっているが、ここ8戦は1勝、2着6回、3着1回と、勝ち切れないながらも安定した成績を残している。
ホワイトモンスターも正月の福山アラブ大賞典で重賞初制覇を果たして以降勝ち星がないが、堅実には走っており、上位争いは間違いない。
実績からはこの3頭の争いだが、デラノキセキが不気味な存在。前走はスタートでタイミングが合わず最後方からとなったが、バクシンオーを目標に進出し、ゴール前でまとめて差し切った。A2重賞の新春賞勝ちはあるものの、A1勝ちはこれが初めて。ただ、その勝ち方があまりにも鮮やかだっただけに、勢いで今回も、という可能性は考えられる。
◎バクシンオー
○フジノコウザン
▲ホワイトモンスター
△デラノキセキ
荒れるという印象をなんとなく持っていた道営記念だが、一昨年は1、3番人気、昨年は2、1番人気の決着と堅く収まっている。
ぼくが最後に生で見た道営記念は、成績を見た限りでは2003年のような気がする。4番人気のビックネイチャーがレコードで勝ったことはむしろ当然のように思ったが、2着に12番人気のライトクラウンが突っ込んできたのにはぶったまげた。いや、正直に言うと、馬券的には「なんでオマエが来るんだよ」という悔しい思いだったような気がする。
そんなことがあって、道営記念は荒れるレースと記憶に焼きついてしまったのかもしれない。
さて、今年はどうか。
前走瑞穂賞での4着完敗で人気を落としそうだが、3歳2冠馬のボクでどうだろう。瑞穂賞では直線で伸びが見られず人気薄のコンテに逃げ切られてしまったが、その前のディープインパクト・プレミアムでは、今年ステイヤーズカップと星雲賞を連勝し、ブリーダーズゴールドカップJpnIIでも地方最先着の4着と好走したカオリノーブルに1馬身の差をつけて完勝。門別コースは昨年のデビュー戦と2戦目以来だが、長くいい脚を使うこの馬にとって、門別の長い直線はプラス材料だろう。
相手筆頭は、3年ぶりに北海道に戻り、ここ2戦を連勝、調子を上げてきたモエレソーブラッズ。
昨年のホッカイドウ競馬古馬チャンピオン、ギルガメッシュは、今シーズン未勝利もそこそこの競馬はしている。瑞穂賞3着から間隔を開け、本調子に戻っていればあっさり勝ってもおかしくはない。
今シーズンオープン3勝のアーペレーヌ、ステイヤーズカップと瑞穂賞でともに2着のトウショウヘリオスが連下候補。
◎ボク
○モエレソーブラッズ
▲ギルガメッシュ
△アーペレーヌ
△トウショウヘリオス
日曜日に行われた金沢の北國王冠。いくら3冠馬とはいえ、この時期の3歳馬が一線級の古馬相手ではいくらなんでも、と思いノーブルシーズを△にしかしなかったのだが、3コーナーからぐんぐんと後続を突き放しての圧勝には恐れ入った。
この東海菊花賞にも、地元のノゾミカイザー、兵庫のオキナワノドリームと、2頭の3歳馬が出走してきた。
ノゾミカイザーは、前走岐阜金賞で重賞2勝目。東海ダービーはヒシウォーシイにハナ差およばずの2着で、ノーブルシーズは9着だった。このときのノーブルシーズはまったくレースにならず、これがそのままノゾミカイザーとの力差ではないが、ここは同じ勢いのある3歳馬ということで、ノゾミカイザーに期待してみたい。
相手にはムーンバレイ。復帰3戦目となった前走のA2で、ようやくこの馬らしい強いレースを見せた。
9歳のマヤノグレイシーは、今年中央から転入後、地元名古屋のオープンでは3、1、1という成績だけに、ここでも十分チャンスはある。
アグネスミステリーは兵庫で重賞4戦連続2着。ただここに入ると実力的には入着級だろう。
ホーマンブラヴォーは、中央から転入後、白山大賞典を除けば地元金沢のA1または重賞で6戦4勝。ただ、オータムスプリントカップでは東海勢に歯が立たなかっただけに、やはりこちらもがんばって入着級。
中央から移籍初戦のリスティアダーリンは、中央で1000万勝ちまであり、ここで通用してもおかしくないが、07年以降は障害を走っていた。平地のレースは2年近くぶりで、ここは様子見が妥当だろう。
◎ノゾミカイザー
○ムーンバレイ
▲マヤノグレイシー
△アグネスミステリー
△ホーマンブラヴォー