高知の鷹野宏史騎手が中央に移籍し、いよいよ明日、中央での初騎乗を迎える。
中央での騎乗経験がない地方騎手の合格は初めてとのことだが、中央馬との対戦で、あとちょっとのところで勝てそうだったのが、マルカイッキュウで出走した98年の金沢・白山大賞典GIIIだった。
3〜4コーナーから直線で競り合いとなったのは、この年ドバイワールドカップにも出走したキョウトシチーで、わずかにクビ差及ばずの惜しい2着だった。
鷹野騎手は、高知最大のレース、高知県知事賞で6勝を挙げているが、そのうちマルカイッキュウで98、99年(当時は1月に行われていた)に連覇を果たしている。
当然マルカイッキュウは鷹野騎手にとって一番の思い出の馬。引退後は、なんとご自身で引き取り、高知競馬場で誘導馬に乗っている奥様と一緒に大事に面倒を見ておられた。
実は2002年の夏にぼくが高知競馬場を訪れたとき、奥様から「乗ってみませんか」と声をかけていただき、海岸でマルカイッキュウに乗せていただいた。
恥ずかしながら、そのときの写真がコレ。もう6年近くも前のことになる。
さて、JRAの騎手となった鷹野騎手だが、初騎乗は土曜日中山の第3レース。これも含め、土曜日は6鞍、日曜日には3鞍の騎乗予定となっている。
昨年大晦日に足を怪我して休んでいたため、今年になって実戦に騎乗したのは、壮行レースとなった2月24日の高知第3レースの1鞍のみ(10頭立て10着)。
実質、この土曜日の中央デビューが復帰戦となる。
さすがにすでに中央で実績がある内田博幸騎手とは違い、人気になりそうな馬はあまりいないが、とにかくひとつでも多く勝てるよう、がんばってほしい。
いろいろなところで書いているので、もうどこで書いてどこで書いてないんだかも覚えていないのだが、今年3歳世代の東眞市厩舎の活躍はスゴイ。
最初に注目を集めたのは昨年、フサイチサガントスが入厩先に決まったこと。デビュー戦から順調に勝ち進んだが、5戦目に初の敗戦(2着)。レース後に軽度の骨折と判明したのだが、そのときに勝ったのもやはり東眞市厩舎のキリンジだった。
そしてキリンジは九州ジュニアチャンピオンで1番人気に推されるも3着に敗れたのだが、ここを勝ったのは、またまた東眞市厩舎のキングサンディだった。
キングサンディが牡馬の世代チャンピオンなら、牝馬のチャンピオンは花吹雪賞を8馬身差で楽勝したパラダイスセントだ。この花吹雪賞は、久しぶりに感動するほどの強さを見せつけられたというレースだった。
そういうわけでパラダイスセントの中央初挑戦となった2月10日のくすのき賞(小倉ダート1700メートル)はかなり期待して見ていたのだが、残念ながら14着に敗れた。
ここにはキングサンディも出ていて、こちらは13着だった。
ただレース内容としては、後方を追走してそのままの着順だったキングサンディよりは、中団から先行集団をマークする位置を進んで勝負にいき、直線バテたパラダイスセントのほうが見どころはあったと思う。
というわけで本命はパラダイスセント。たぶん負けないでしょう。
相手は、一応印ではキングサンディにしたが、オーシャンカラーも差はない。オーシャンかラーは、北海道未勝利で佐賀に転入し、ここまで4戦3勝。近2走は3歳特別を連勝と、このメンバーなら能力上位だ。ちなみに母のオーシャンハイは、2歳時、JRA小倉芝のフェニックス賞で2着に入り、小倉3歳ステークスGIIIで6着。その後に佐賀のジュニアチャンピオンを勝ったという活躍馬。ただ早熟だったのか、3歳以降は下級条件を勝ったのみで結果は残せなかった。
以上3頭の争いとなりそうだが、ここ3戦を1、1、2着で、その2着も中央馬に先着されただけというミトノコウモンダを未知の魅力ということで押さえておく。
◎パラダイスセント
○キングサンディ
▲オーシャンカラー
△ミトノコウモンダ
さて、ここからは余談なのだが、「ミトノコウモンダ」について。
デビューは北海道で、はじめてこの馬名を見たときにビビッ!ときた。
10年ほど前、浦和(その後宇都宮に移籍)でアオイノゴモンダという馬が走っていたのを久々に思い出したのだ。
なんといっても、「ミトノコウモン」とか「アオイノゴモン」とかで馬名を終わらせず、最後に「ダ」を付けてしまったところに強烈なインパクトを感じる。
この2頭に関連は、と思って調べてみると、ごく当たり前の結論だが馬主さんが同じだ。
ただ同じだったのはデビュー後しばらくで、アオイノゴモンダのほうは宇都宮に移籍するときに、ミトノコウモンダのほうは北海道在籍時に一度と、佐賀に移籍するときにもそれぞれ馬主さんが変わっている。
ちなみに2頭の間に血統的なつながりはない。
3月20日の名古屋大賞典JpnIIIトライアルとして行われる梅見月杯だが、重賞勝ち馬は06年大晦日の尾張名古屋杯を勝ったコスモスパーブのみ、そして7頭立てと、やや寂しいメンバーとなった。
ここは格からいってもコスモスパーブ中心。オープンクラスでコンスタントに走っているのは、兵庫所属馬を含めても、この馬しかいない。ここ2戦はともに重賞で2着と善戦。正月の名古屋記念は、後方追走から直線で差を詰め、勝ったレオカーディナルに1馬身差まで迫った。前走マイル争覇は、中団追走から直線しぶとく伸びてキングスゾーンの2着で、名古屋記念を勝ったレオカーディナル(3着)にも先着した。そのマイル争覇に比べれば、今回は相手がだいぶ軽くなっているだけに、尾張名古屋杯以来となるタイトル奪取のチャンス。
対抗、というか、逆転できる可能性があるとすればサンキンスピーチ。正月の名古屋記念ではコスモスパーブから遅れること3馬身差の3着。その名古屋記念までは12戦連続連対でクラスを上げてきていただけに、その勢いに期待したいところ。ただ心配なのが距離。1600メートルでは抜群の成績を残しているものの、それを超える距離では勝ち星がひとつもない。ただ名古屋転入以降、一昨年の東海ダービー(11着)を除けば掲示板を一度も外していないので、今回のメンバーなら大崩れはないだろう。
オッズ的にはおそらくこの2頭の組合せしか買えないと思う。
押さえるなら、1月14日のガーネットオープン(A1)でウイニングウインドの2着があるテンカタイヘイに、12月6日の園田金杯で7着とはいえ勝ったベストタイザンから0秒6差とそれほど離されていないムサシボーあたりか。
◎コスモスパーブ
○サンキンスピーチ
△テンカタイヘイ
△ムサシボー
ところで今回、アスカヘイローに騎乗する沼澤英知騎手は、冬季休催中の北海道から笠松に来ての期間限定騎乗。
18日現在、名古屋・笠松で51戦して2着2回と勝ち星こそ上げていないものの、ここ3年ほどは北海道で年間150〜180回程度しか騎乗機会がなかっただけに、これだけ乗り鞍が確保できるのは貴重な経験となることだろう。
この期間限定騎乗で目立つのはやはりトップジョッキーの活躍だが、普段地元では思うように騎乗機会が得られないという騎手は、機会を見つけてどんどん外に出ていってほしいものと思う。
黒潮スプリンターズカップが新設されたのは97年だが、この年には黒潮マイルチャンピオンシップのほか、黒潮皐月賞、黒潮菊花賞も新設され、高知に3歳三冠路線ができた。
三冠路線は現在まで引き続き行われているが、休止していた黒潮スプリンターズカップは2001年1月以来久々に、第5回として行われることになった。しかし今回、黒船賞が休止になった代わりに復活というのは、なんとなく複雑でもある。
そういえば第1回の黒船賞が行われたのも97年度(98年3月)で、その第1回を勝った北野真弘騎手は現在兵庫に所属。そして黒潮スプリンターズカップの第1回を制したのは、このたびめでたくJRAの騎手試験に合格した鷹野宏史騎手だった。
今回の黒潮スプリンターズカップは、当然地元高知所属馬のみで、フルゲート12頭。しかし騎手を見ると、高知で期間限定騎乗している岩手・山本聡哉騎手と船橋・本橋孝太騎手がいる。このあたりを見ても、時代は変わったなあと思う。
さて、ここは昨年あたりからのA級特別や重賞で常に安定した成績を残しているトサローランとマリスブラッシュの争いと見る。近走のレース結果を見るとそれほど差はなさそうだが、昨年は建依別賞、珊瑚冠賞で、ともに1着トサローラン、2着マリスブラッシュという結果。斤量も変わりなく57キロとなれば、やはり大一番で勝負強いトサローランが本命ということになるだろう。大晦日の高知県知事賞では5着に敗れているが、これは2400メートルという距離だけに参考外としていいと思う。
一角崩しならコスモジャイブ。高知に移籍してここまで7戦して2勝、2着2回。A級特別の選抜戦では9、4着と今ひとつの成績だが、2勝、2着2回はいずれも今回騎乗する赤岡修次騎手が手綱をとっている。重賞初挑戦だが、今や全国区になった赤岡騎手なら一発が期待できそうだ。
休養明け2戦目のストロングボス、川崎記念に遠征(8着)したサンエムウルフも、過去の実績からは十分に上位食い込みの可能性はある。
◎トサローラン
○マリスブラッシュ
▲コスモジャイブ
△ストロングボス
△サンエムウルフ
とってもお久しぶりね、の遠征記のコーナーをやってみる。
秋から正月にかけて地方競馬では重賞がとっても多く、その予想だけで、もうたいへん。2月は重賞も少ないし、雪国の競馬場は開催自体がないので、ようやくちょっとだけ余裕ができた。
今回は佐賀記念の取材に行った佐賀競馬場。ここにはもう紹介しきれないくらいの独自のギャンブルフードがあるのだ。
で、そろそろヤキソバも食べつくしてきたし、今回まず食べてみたのがコレ。
正門を入ってすぐ右にある屋台風売店「龍ラーメン」の野菜ラーメン500円也。ちなみに普通のラーメンは400円也で、チャーシューとかの普通の具の代わりに炒めた野菜を乗せたもの。見てのとおり、九州のとんこつスープ。これがまた、野菜に合うんですな。野菜炒めは強火でしゃっきりに限る、という、ぼくの好みにもぴったり。ちなみに高菜はご自由にどうぞと、入れ放題。
祝日だった佐賀記念当日は当然のことながらお客さんが多く、ひっきりなしにお客さんが来るもんだから、完全にお店の処理能力を超えていて、注文してからちょっと待たされた、いや、注文を受けてもらうだけでもたいへんなくらいだったけど、まあそれは特別な日だったということで大目に見ましょう。
そして佐賀競馬といえばココ。スタンド1階にある、いろんなものを焼いてくれる売店。
鉄板の上で焼いてくれるものと、網の上で焼いてくれるものとあって、鉄板のほうで焼いてくれる代表が、関東で言うところの薩摩揚げ。地元九州ではおそらく天ぷらと呼んでるんでしょうか。今回はイカ天200円也をいただいた。
野菜ラーメンを食べたあとだったので、もうこれでお腹一杯。
で、今回は食べなかったけど、網で焼いてくれるほうの代表がコレ。
カレーパン。
割り箸にぶすっと刺してあるのがなんともシュールでしょ。
佐賀競馬場にお越しの際はぜひ、炭火焼のカレーパンをどうぞ。