牝馬による重賞のビューチフル・ドリーマーカップだが、毎年のことながらこのレース名を見るたびに不思議に思うことがある。
レース名のビューチフルドリーマーは、岩手が誇る小岩井農場が戦前に輸入し、日本の名牝系の祖となっている名繁殖牝馬のこと。五冠馬シンザンや、あのハルウララもビューチフルドリーマーの血を引いているらしい。
なのに。なんでレース名になると「ビューチフル」と「ドリーマー」の間に「・(ナカグロ)」が入るんでしょうか。
しかも。「ビューチフル」と「ドリーマー」の間にはナカグロが入るのに、「ドリーマー」と「カップ」の間にはナカグロが入らずに続いている。これでは「ビューチフル」な「ドリーマーカップ」という意味(どういう意味だ?)にとれなくもない。
なぜ「ビューチフル」と「ドリーマー」の間にナカグロを入れたんでしょうか。この理由をご存知の方がいたら教えてください。
そういうわけでビューチフル・ドリーマーカップなわけだが、ここは前哨戦のフェアリーカップを制したサイレントエクセルの連覇で間違いなさそう。これまで牝馬限定の重賞しか勝っていないのが不思議なくらいで、みちのく大賞典は1番人気で3着、マーキュリーカップJpnIIIにも挑戦(8着)した。牡馬の一線級と勝ち負けができる実力馬は、この馬しかいない。
相手は一長一短で難しいが、一応ジュリアが筆頭。フェアリーカップは6着だったが、その前には2戦連続でA1戦を制している。今回、鞍上が菅原勲騎手なのも心強い。
ほかでは、B2からA2まで4連勝中のウエスタンフォルス、フェアリーカップ3着のマルカンジョオー、前走水沢A2の1800メートル戦を勝ったプリンセスワールドなどだが、馬券はサイレントエクセルからだと絞る必要がありそうだ。
◎サイレントエクセル
○ジュリア
▲ウエスタンフォルス
△マルカンジョオー
△プリンセスワールド
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ビューチフル・ドリーマーカップもそうだが、インフルエンザの影響で九州3歳三冠目のロータスクラウン賞は交流としては行えず、地元佐賀勢だけでの争いとなった。
ここは、やはり九州ダービー栄城賞を勝ったナンブラッキーワンが抜けている。前走B1-1組特別勝ちは、メンバー中もっとも上位の格付け。
相手はトライアルの荒炎賞を制したスーパーサプライズ。川崎から移籍後のB2-1組は惨敗だったが、ゴール前一気に差し切った荒炎賞のレースぶりから、かなり力をつけていると見るべきだろう。
栄城賞2着のギオンパワーも逆転は無理だろうが、ここでも2着なら。
ほかでは、休養明け後B2級で1、2着のキバイヤンセ、栄城賞は10着もその後のB2-1組で2着のスターオブアモーレだが、馬券的には上位3頭に絞るべきかもしれない。
◎ナンブラッキーワン
○スーパーサプライズ
▲ギオンパワー
△キバイヤンセ
△スターオブアモーレ
ちなみに「不来方」は「こずかた」と読みます。ご存知でしたか。
さらにちなむと、不来方とは岩手県盛岡のことなのだそうで。なるほど、高知の建依別賞みたいなものなわけね。
ここで不来方についてくどくど説明してもしょうがないので、詳しく知りたい方はWikipediaなどをご覧ください。
いきなり文章を「ちなみに」ではじめるのもどうかと思うが、不来方賞というと、ときたま思い出すことがある。
遡ること10年か、もっと前。大井競馬の何かの重賞を見たあとに地方競馬好きの数名と寄った、新橋の某チェーン居酒屋でのこと。ぼくらのテーブルに何度か料理などを運んで来てくれた学生アルバイトとおぼしきお嬢さんの名札に「不来方」と書いてあり、それがとっても気になっていた。
けっこう飲んで酔いもまわったころ、
「こずかたさんて、もしかして岩手のほうの出身ですか?」
と聞いてみた。すると、
「えっ?この字、よく読めましたね!」
と、ちょっと驚いた様子だった。
むふふ。我々にこの字が読めないわけないでしょう、ってなもんである。
さて、その不来方賞であるが、レース名の由来とは裏腹に、初めて盛岡を離れ、今年は水沢での開催となった。
中央の芝で揉まれたボスアミーゴか、古馬に揉まれたセイントセーリングかという争いだが、ここはセイントセーリングを中心にとりたい。岩手ダービーダイヤモンドカップを勝ったあとは、古馬A1に入って2、4着。3歳馬同士なら、その経験が生きるはずだ。
ボスアミーゴは、中央の芝が中心のローテーション。岩手では2歳時のジュニアグランプリから負けなし。水沢のダートも、5月に七時雨賞を勝っているだけにマイナス材料とはならない。ただしダートはその七時雨賞以来約3カ月ぶりの上に、距離経験は1800メートルまで。
どちらも菅原勲騎手が主戦で、今回はセイントセーリングのほうを選んだことも気になるところだ。
そのほかでは、2歳チャンピオンのパラダイスフラワーを水沢で2度破っているマツリダワルツに、七時雨賞でボスアミーゴから差のない3着のあるネバーオブライトだが、上位2頭とはちょっと差があるような気はする。
◎セイントセーリング
○ボスアミーゴ
▲マツリダワルツ
△ネバーオブライト
例年、お盆の時期に行われている名物レースだが、前々日に行われた佐賀・サマーチャンピオンJpnIIIと、前日の水沢・クラスターカップJpnIIIにそれぞれ東海地区から有力馬が遠征。ここには金沢から1頭の挑戦があるものの、8頭立てのやや寂しいメンバー構成となった。
条件クラスからの挑戦も少なくなく、勝負になるのは近走で重賞やオープンクラスを勝っている、マヤノサムサラ、マサアンビション、ウイニングウインドの3頭だろう。
ただし、この3頭に順番をつけるとなると、ちょっと悩む。
中心は、連覇がかかるウイニングウインド。原口次夫調教師、安部幸夫騎手は、前々日のサマーチャンピオンを制したキングスゾーンと同じコンビ。おそらくどちらも勝てる可能性を考えて、使い分けてきたのだろう。今シーズンは、中央芝への挑戦を別とすれば、オグリキャップ記念を制し、前走名港盃でも2番手追走から直線抜け出して楽勝と、東海勢同士なら安定した成績を残している。
安定感でいえば、マサアンビションも抜群。今年中央からの転入以降、ダートグレード以外では5戦4勝。4月の東海桜花賞ではキングスゾーンに競り勝っている。
金沢のマヤノサムサラが不気味な存在。中央から転厩した南関東のA級では入着すらできなかったが、金沢転厩初戦のA1ダイヤモンド特別では、4番手追走から3コーナー過ぎで先頭に立つと直線は独走。金沢に転厩したことで状態が上向いていれば、名古屋2強の一角崩しがあってもおかしくない。
人気が集中しそうで、馬券の買い方が難しそうなレースではある。
◎ウイニングウインド
○マサアンビション
▲マヤノサムサラ
毎年同じようなことを書いているような気もするが、このブリーダーズゴールドカップは、第1回で笠松のフェートノーザンが勝ったものの、その後地方馬がまったく勝てない。この状態がもう17年も続いている。
それでも初期には2着に食い込む地方馬がけっこういたものだが、94年に地元のササノコバンが2着して以降、地方馬は連対すらさせてもらえない。
で、今回は、昨年3着のジンクライシスが回避。地元のエース級がダートグレード初挑戦のギルガメッシュでは、今年も地方勢の食い込みは難しい。せいぜい3連単の3着だろう。
中央勢4頭でどう順番をつけるかだが、これが意外と難しい。
近走の成績では、東海ステークスGIIで差し切り勝ちを決めたメイショウトウコンが目につく。が、その東海ステークスは見せ場なく10着に敗れたものの、続くブリリアントステークスで後方から大外一気を楽に決めたオリンピアンナイトのほうを評価したい。
マイネルボウノットは近走不振だが、昨年の東海ステークスでは、その後ブリーダーズゴールドカップを勝つことになるハードクリスタルの2着という実績がある。一息入れたここで復調していれば可能性はある。
アルドラゴンは、名古屋大賞典JpnIIIでブルーコンコルドとキクノアローをまとめて負かしたのは見事だったが、フロックっぽい勝ち方で、ここではまだ疑ってかかったほうがよさそうだ。
◎オリンピアンナイト
○メイショウトウコン
▲マイネルボウノット
△アルドラゴン
△ギルガメッシュ
摂津盃は10頭立てとやや寂しいメンバー構成となった。重賞タイトルがあるのは、このレース連覇がかかるジョイーレのみ。
重賞2着という実績のある馬は何頭かいるが、どれも成績が安定しているわけではなく、一長一短。直前までオッズとにらめっこをして、ジョイーレから流すことになりそうだ。
相手筆頭は、前走の楽天競馬特別でジョイーレに先着の2着マグマサイン。しかし、そのときはマグマサインのほうが3キロも軽かったのに対し、今回は1.5キロ差に縮まった。ならばやはりジョイーレの頭で間違いないだろう。
その次はアグネスミステリー。昨年の名古屋大賞典GIIIで地方馬最先着の4着というのがあり、兵庫大賞典ではロードバクシン、マグマサインに続く3着。休養明け後の今年はA2からA1まで4連勝。昨年重賞で善戦していたころの力が戻っていれば、ジョイーレと好勝負になってもおかしくない。
昨年3月以来、勝ち星から遠ざかっているものの、オープンクラスでそれほど差のないレースをしているホクザンスターダムに、中央から転入2戦目のタマモアーチストまで。
今年3月の六甲盃2着後、S1を2連勝したビッグインディだが、その後の2戦はいずれも最後に脚をなくしているだけに、今回は見送る。
◎ジョイーレ
○マグマサイン
▲アグネスミステリー
△ホクザンスターダム
△タマモアーチスト
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福山・金杯は、真夏に行われるドリームレースであることに変わりはないが、今年からサラ・アラの混合戦となった。しかもサラ・アラそれぞれのトライアルレースが設定され、その上位5頭ずつが顔を揃えた。
どちらのトライアルも1、2番人気の決着で、サラのトライアルを勝ったアブソルートウインと、アラのトライアルを勝ったフジノコウザンのどちらが強いかという比較になるのだが、持ちタイムではアブソルートウインのほうが上。
トライアルの着順そのままの予想というのもどうかと思うが、持ちタイムを見ると、やはり2番手、3番手もやはりサラブレッドのほうでよさそうだ。
アラブもタイム的には1秒も変わらないのだが、サラとアラではレースの流れが違う。アラのトライアル1、2着のフジノコウザンと、ヤスキノショウキは押さえまで。
◎アブソルートウイン
○ファニーカイザー
▲ハヤザキ
△フジノコウザン
△ヤスキノショウキ