昨年も数々の激戦が繰り広げられた2024年の競輪界。今回はその頂点に立ちました古性優作選手にお忙しい中お時間をいただきお話を伺いました。
ひたむきに最後まで走り切るレースを、泥臭くも諦めず戦いぬくスタイルでファンを魅了してやまない古性選手に2025年の目標も伺いました。
― 古性選手、あらためまして競輪グランプリ優勝おめでとうございます!
古性:ありがとうございます!
― さて年末の大一番を控えてそこへ向けどのような準備をなさいましたか。
古性:いやもうひたすらにトレーニングですね。脇本選手と近畿各県から参加してくれた若手も加わった合宿を行いました。
普段やっているものにプラスアルファです。いつもやってること以上にフィジカルメンタルの双方の刺激をもらいました。
― 合宿中ってケアも併せておこなうんですか?
古性:いや逆ですね。合宿中はとにかく追い込んで疲労をため込んでいきます。それが徐々に取れていき、仕上がりはグランプリ当日の本番で。なのでトレーニング中のコンディションは良くはないんですよ。
― そうなんですね!グランプリへ向けたプラスアルファとは?
古性:スピードとパワーです。対戦相手は皆んな強いです。それは一年を通じていろんなレース、いろんな場面で感じました。何より脇本選手も仕上げますし自分もそれにしっかり続いて最後までレースを走り切る姿をお客様に見てもらいたいですから。
― そしていよいよグランプリ。2021年の制覇と同じ静岡競輪場です。
古性:富士山をのぞむ静岡バンクは何か大きなことが起こるような、良い出来事が待ってるようなそんな予感はしましたね。
― レースの作戦は?
古性:中団が理想とは考えていました。
― 後方から北井選手が動いたあと打鐘をめがけて脇本選手がすかさず発進しました!
古性:脇本さんの先行は後ろでついててめちゃくちゃ強かったですし、僕自身も一年で一番といっていいくらいの状態でしたね。
― 初手から3番手に清水選手がいました。
古性:それは想定外でしたし、おそらく動かず周回していくだろうと思うと嫌な位置にいるなと思いましたね。
― ですが脇本選手の先行はかかっていました。最終BSはほぼ一列棒状でした。
古性:脇本さんは去年一年で最高の仕上がりだったと思います。
― その脇本選手の先行をゴールは差し切りました!
古性:グランプリへ向けたトレーニングの結果、僕自身の仕上がりも。でも今年一番のデキでなければ脇本さんを抜けなかったですね。それくらいのパワフルな先行でした。
― ゴール後そして表彰式のお客様の歓声はいかがでしたか。
古性:そりゃもう凄かったですし有難いの一言につきますね。
― 年明けには地元岸和田競輪場の鏡開きで優勝報告会もなさいました。
古性:大変な人数のお客様が集まっていらしてびっくりしました。熱心に応援してくださるお客様がいることで力になりますし、一層頑張ろうという気になりますね!
― 表彰式では2025年の展望にも触れられました。今年の古性選手の目標は?
古性:とりあえずGIの決勝を外さないこと、そして勝ち上がるからには優勝できるようにと考えています。
― 各所のインタビューで「ダブルグランドスラム」というフレーズを聞きました。ダービーそして競輪祭への意識は?
古性:もちろんあります、けれど他のタイトルも気を抜かず狙っていく姿勢は変わりません。
― 昨年は地元岸和田の高松宮記念杯を北井選手が獲り、平塚オールスターを古性選手が獲り...と近畿勢対南関東勢の対決もみどころでした。
古性:まぁ、たまたまそんな流れでもありましたけど、昨年のグランプリがそうだったように清水も新山も眞杉も平原さんも、強い人たちが皆走ったわけです。
ことさら南関勢を意識というのはないです。それよりも強いメンバーの中で自分のレースをやっていくことに気持ちは向きますね。
― 表彰式では来年のグランプリは近畿9人で走りたいというリップサービスも。
若手選手のお話で寺崎選手が、そして昨年躍進した窓場選手の名前がよく上がりました。
古性:窓場君に関しては学校時代から強かったですから逆に今まで出てこなかったのが不思議なくらいでしたよ。頑張る材料を得て方向性が定まったんじゃないですか。奮い立つきっかけのようなものを掴んだのだと思います。
― 古性選手が考える近畿のこれからの選手たちにとって必要なことってなんでしょう?
古性:なんでしょうね。うーん、自分で考えてしっかりトレーニングをするしかない。まずはこれかなと思います。
― 自分で考えるという話が出ましたが...、古性選手は余暇の時間や開催中に読書を欠かさないとうかがいました。
古性:ええ。小説とか娯楽のためのものでなく自分の関心事をテーマにした本を選びます。
― 最近読んだ中でおすすめの本ってありますか?
古性:うーん。読み終えたらすぐに捨てるので...、申し訳ないですが題名がわからないですね(笑)
一冊丸々濃い内容なものでなくとも抜粋々々で参考になりそうな事柄を拾っていく読み方もしますね。
― トレーニングのヒントなども本から得られるんですか?
古性:練習や身体つくりはパーソナルトレーニングがついているし、本だと間違いがあったりしますし必ずしも今の自分にマッチする内容とも限りません。
うわべだけの知識をつけてしまわないよう気を付けては読みますね。
― さて2024年の競輪グランプリ優勝で最高獲得賞金記録を更新しました。
古性:ええ。ですがあまりこだわってはいないです。3億8千万という数字を意識して目標にしてしまうよりも今まで通りにGI優勝を目標に今年も変わらず戦っていきたいですね。
― では最後に記事をご覧になったオッズパーク競輪読者の皆様と古性優作ファンへ向けてメッセージをお願いします。
古性:いつも応援ありがとうございます!皆様の応援の力にも支えられて2度目のグランプリ優勝を果たすことができました。
今年も期待に応えられるよう頑張って走りますので引き続き応援の程よろしくお願いいたします!
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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
九州地区の競輪場でレース実況を中心に活動中。
出身地は大阪。1976年生まれ。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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