今年初めてのGI戦に挑み、1989年の中野浩一さん(福岡・引退)以来34年ぶりに全日本選抜競輪を連覇した大阪の古性優作選手(大阪100期)にお話を伺いました。
大津:全日本選抜競輪優勝おめでとうございます。
古性:ありがとうございます。
大津:今年初のGI戦で優勝したお気持ちはいかがですか。
古性:脇本さん(脇本雄太選手・福井94期)と竜生さん(三谷竜生選手・奈良101期)のおかげで優勝できましたし、すごく嬉しいです。
大津:大会連覇に関してはいかがでしょうか。
古性:そこに関しては特に意識はしていませんでした。
大津:昨年もそうでしたが、早めにグランプリ出場を決めたことで気持ちに変化などはありましたか。
古性:精神的に楽にはなりましたが、それでも結果は求められますし、プレッシャーはどのレースを走っても付いてくるのでって感じです。
大津:古性選手の場合、岸和田で高松宮記念杯競輪も控えてますもんね。
古性:そうですね、それも大きいです。
大津:今回のシリーズにはどのような思いでのぞまれましたか。
古性:奈良記念ではお客様に迷惑をかけてしまいましたし、その分もしっかり取り返したいなと思って走りました。練習もGIに上手く合わせられた気がします。
大津:初日は自らが前で走る番組でした。
古性:しっかり自力を出そうと思ってました。
大津:レース自体のイメージはどのようにお考えだったんですか。
古性:特にはなかったですね。スタートしてから流れの中での判断でした。
大津:初手は後ろからの組み立てになりましたね。
古性:深谷さん(深谷知広選手・静岡96期)が強いので、一度深谷さんを後方に置きたいなとは思ってました。
大津:後方になった深谷さんの巻き返しも凄かったように感じます。
古性:本当に凄かったです、とてもかかっていました。
大津:最後は古性選手が内に進路を選択されました。
古性:全く考えてはいなかったです。
踏んだ時に郡司(郡司浩平選手・神奈川99期)が外に振ってきて、和田君(和田真久留選手・神奈川99期)が中に入っていったスピードが僕は負けていたので和田君の進路を塞ぐしかないなって思って入った感じですかね。
大津:一走して手応えはどうでしたか。
古性:高知のバンクだったのでよく分からなかったです。高知のバンクは特殊なので。
状態は良いはずだったんですが、進みもあまり良くなかったので、僕自身の進みが悪いのかバンクの特性なのか、そのあたりが分からなかったです。結局四日間通して最後まで分かりませんでした。
大津:高知は約4年ぶりの登場でした。
古性:そうなんですか、もっと走ってないイメージがありました。
改修工事があって新しくなったそうなのですが以前の感じも覚えていないので、特に今回も印象などはありませんでした。
大津:2日目は脇本選手の連携でした。
古性:強かったです。いつもと違う動きだったので、どうなるかとは思っていましたが強かったです。
大津:いつもと違う動きとは具体的にどういう動きだったのでしょうか。
古性:前のラインに付いていって、そのまま切りにいったところですね。僕としてはそのままワンテンポ待つのかなと思ったのですが。
大津:その辺りは事前に脇本選手と作戦会議はされるのですか。
古性:いや脇本さんとの作戦会議は全くありません。初手も分からないです。
大津:脇本選手が「腰痛」というコメントを出していましたが、後ろに付いていて感じる部分はありましたか。
古性:状態っていうよりか、高知のバンクが苦手そうだなってのは感じました。
大津:スタールビー賞では新山選手(新山響平選手・青森107期)に叩かれた後に古性選手が切り替える場面がありました。
古性:新山君が脇本さんを締めた時に脇本さんのペダルがバンクに当たってる感じがあってバランスを崩していたので一瞬脇本さんが転けるかなって思いました。
凄い勢いで下がってきたので、それで切り替えたんです。もう行くしかいかなって判断しました。
大津:切り替えてからは郡司選手を捌きながら更に強襲して一着を取りました。
古性:脇本さんがあそこまで連れていってくれましたし、新山君もすごい長い距離をかけてたので自分が何とか届いたのかなって感じですね。
大津:準決勝でも脇本選手と同じレースでしたが想定はされていましたか。
古性:いや、その辺りは何も考えていなかったです。
大津:毎回別ラインに警戒される中で結果を残すのは、かなり重圧もあるように思います。
古性:僕よりは脇本さんのプレッシャーのほうが凄いと思います。準決勝は特に厳しい相手だったので、そこが難しかったです。
大津:ホームで脇本選手が仕掛けてからは古性選手も車間を空けてアシストされていました。
古性:脇本さんが逃げる展開になれば任せてくれって感じでした。
大津:決勝戦のメンバーが出揃っての印象はいかがでしたか。
古性:本当に強い選手ばっかりで難しいなって印象でした。
大津:展開の中では自分の位置で粘られる可能性も考えていたのでしょうか。
古性:そこは毎回考えていることなので油断は全くしていませんでした。自分のところで粘られたら、そこは僕が頑張るだけなので。
大津:レース中は古性選手自身はどのようなことを気を付けながら走っていたのでしょうか。
古性:とにかく飛付かれた後の対応と、しっかり脇本さんに離れないように付いていくことを考えていました。
大津:実際に新田選手が内で粘ってきました。
古性:そこはきっちり外をさして対応できたかなと思います。
大津:最後の直線コースでは優勝の確信はありましたでしょうか。
古性:いえ、僕もけっこう脚を使っていたのでちょっとしんどかったです。どうなるか分からなかったです。
大津:ゴールした瞬間の気持ちは覚えていますか。
古性:自力で勝つのは難しいのですが、ホンマにラインの人たちに助けてもらったって感じでしたね。脇本さんと竜生さんのおかげです。
大津:ファンの声援も大きかったのではないですか。
古性:そうですね、GIの歓声というのは普段の開催よりも一段階大きいのでその中で勝てたというのは本当に嬉しかったですね。
大津:今年ここまでを振り返ってみていかがですか。
古性:しっかり走れている部分と失格してしまって迷惑をかけてしまっている部分があって、良いところもあれば悪いところもあるのかなっていう感じです。
大津:今年は特に勝ち星を量産されているイメージがありますが何か昨年と違いはありますか。
古性:色々あります。練習など意識的に変えているところもあり、その辺りが良い感じで噛み合ってきているのかなと思っています。
大津:打倒近畿を掲げている他地区の動向はどう感じていますか。
古性:特に感じる部分はないです。とにかく目の前の一戦一戦を大切にしていくことを心掛けています。
大津:次は5月にダービーが行われます。
古性:日本選手権競輪は日本一を決める大会だと思っていますし、それを獲りたいという意識は強くあります。
大津:最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いいたします。
古性:いつも応援ありがとうございます。これからも応援してもらえるよう頑張ります。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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