55年振りに川崎競輪場で行われた特別競輪・GI全日本選抜競輪。ここで地元のエースとして出場した郡司浩平選手(神奈川99期)が、昨年末に行われたGI競輪祭に続く、2つ目のタイトルを手にしました。早くも気持ちは年末の頂上決戦KEIRINグランプリ。そこに向けて、これからの取り組み、今の心境、そして、全日本選抜競輪の振り返りも伺いました。
星野:全日本選抜競輪優勝おめでとうございます。
郡司:ありがとうございます。
星野:川崎競輪場では、55年振りに行われたGI開催でしたが、いかがでしたか?
郡司:地元バンクで開催される事が決まってから、ずっとここに照準を絞ってやってきたので、準備もしっかり出来たし落ち着いて臨めた開催でした。とにかく悔いのないように走りたいと思っていたので、優勝という最高の結果で終われたのは嬉しかったです。
星野:前回、取材をさせていただいた時に、オリンピック位の気持ちで望みたいとおっしゃっていましたね。
郡司:そうですね。それ位、気合いが入っていました。それだけに、日頃お世話になっている方や応援して下さる方の前で走りたいって気持ちもあったんですが、新型コロナウィルスの影響で無観客開催になり、その点では寂しさもありましたね。でも、その方々が場内にいるつもりで、声援があるつもりで連日走っていたので力になりました。
星野:終わってから、少しゆっくり出来ましたか?
郡司:優勝した直後は完全燃焼、やりきった感で、いつもより多めに休養を取りました。でも、暫くして、グランプリに向けて南関東勢が1人でも多く、権利を獲得するためにも、今の自分の状態をしっかりキープしていかないといけないなと冷静に思うようになり、キリの良い3月1日から仕切り直しで取り組んでいます。決勝戦が2月23日だったので、完全なオフとまではいきませんでしたが、5日程はゆっくり出来ました。
星野:さて、今回は愛知県から静岡県に移籍した深谷知広選手(静岡96期)が南関東地区に所属になってから初めてのGI戦でした。初日から連携されましたが、深谷選手にマークしていかがでしたか?
郡司:そうですね。頼もしいの一言でした。
ナショナルチーム特有の力強さとスピードの上がっていく感覚がすごいなと思ってついていました。勝ち上がりのレースでは初日、2日目が僕との連携で、3日目の準決勝戦は和田さん(和田健太郎選手・千葉87期)の前で良いレースをしていましたし、今後の南関東勢が更に盛り上がってくるなと思います。
星野:そして、決勝戦も深谷選手にマークしての戦いになりましたね。
郡司:深谷さんが先頭で、2番手に僕、後ろに和田さんの3人のラインでした。深谷さんが良いペースで掛けてくれたので他のラインの先頭選手もきつかったんじゃないかなと思っています。僕の力というより深谷さんの力で周りがダメージを受けて、自分に向いたって感じですね。
星野:後ろから別ラインの仕掛けもありましたが、対応はいかがでしたか?
郡司:7番手から清水(清水裕友・山口105期)が仕掛けてきて、その影が見えたので合わせて踏んだつもりが、横を見ると5番手にいた平原さん(平原康多選手・埼玉87期)で、慌ててしまいましたね。そのあと、4コーナーで平原さんと接触した時に、平原さんが車体故障して、自分は1着でゴール線を通過したんですが、審議になるだろうなと思いましたし、優勝の確信はありませんでした。
星野:審議の結果が出た時はいかがでしたか?
郡司:優勝をする為に来た大会だったので、嬉しさというより、ホッとした気持ちの方が直後は強かったと思います。それに、決勝戦も力強い走りをしてくれた深谷さん、3番手を固めてくれた和田さんのお陰で最後まで踏み切る事が出来たので、ラインの力で優勝させてもらったと思います。
星野:この優勝で、年末のグランプリへ1番乗りとなりました。昨年までとは心境も違うのではないですか?
郡司:今まで2回グランプリに出場していますが、こんなに早く出場を決めたのは初めてなので、残りの1年は気持ち的に余裕はありますが、奢らず気を引き締めていこうと思っています。
星野:今回のGIでは深谷選手がラインの先頭で戦っていましたが、今後、並びが逆になることも考えられますか?
郡司:今まで南関東の自力選手としてやってきたので、もちろんその気持ちもあるんですが、そこは深谷さんがどう受け止めるかですね。今回は僕の地元の開催ということもあり、後ろを回らせてもらいましたが、走っていて感じた事は、自分には深谷さんの前をまわる資格がないのではないかという事です。自分がもっとこれから強くなって、深谷さん以上のレースができれば、その時は志願したいですね。
星野:次の特別競輪は若い自力選手も多く参加するGIIウィナーズカップです。今回の南関東ラインのように、別地区も自力で並ぶレースがあると思いますがいかがですか?
郡司:若手が揃うということは、自力選手の後ろに自力選手、更に3番手にも自力選手というラインが出来る可能性もありますね。やっぱり強力なラインになってきますし、その場合、自分が先頭で戦うならどう組み立てるのか。今はここをポイントに色々と考えてやっている所です。そして、気持ち面ではこのまま良い状態でウィナーズカップを迎えたいですね。
星野:なかなか完全にオフを取ることは難しいと思いますが、もし1週間、オフを取って下さいって言われたら何をしたいですか?
郡司:1週間ですか、、、。海外旅行に行きたいなと思いますけど、そんなに長いお休みを取る勇気がないですね(笑)2日位で十分です。長く休んでしまうと、体力面や自転車に対する感覚など鈍ってくるんじゃないかと不安になりそうですから(笑)
星野:では、今後の抱負を含め、オッズパークの会員の皆様にメッセージをお願いします。
郡司:昨年の競輪祭からグランプリも含め、南関東勢は良い流れで来ていると思います。グランプリでは1人でも多くの仲間と走れるように自分自身も更に力を付けて行こうと思っています。そうなれば、グランプリでも自分にチャンスも来ると思いますので。これからも応援をよろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社