
久留米記念を制した大阪の南修二選手にレースの振り返りや、近畿屈指のマーク屋としてのお話、そしてオールスター競輪への意気込みなどを伺いました。
大津:久留米記念優勝おめでとうございます。
南:ありがとうございます。
大津:およそ10年ぶり、2度目の記念優勝ということになりましたけども、お気持ちはいかがですか?
南:どうですかね、内容があんまりなかったんで、そっちのほうが気になるって感じですかね。どちらかというと。
大津:内容っていうのはどのあたりがちょっと納得いかない感じだったんですか?
南:もうちょっと流れに乗りたかったんですけど、全部遅れてしまいました。
結局最後も遅れて、もう内しかないような感じだったんで。
せっかく将太がついてくれとったんで仕掛けたかったんですけど、仕掛けれるスピードじゃなかったっていう感じですかね。
大津:南さんは普段人の後ろを回るレースも多いじゃないですか。
その中で自分が前を回って結果を残すっていうのも、本当に大変なことなんじゃないかなって思うんですけども。
南:うーん、どうですかね。後ろ回ってることが多いばっかりに、後ろを回る気持ちというか、そうですね。自分が前を回った時は、極力外を踏みたいと思ってるんですけど、そういうふうにはできなかったなという感じですかね。
大津:高松宮記念杯競輪の最終日には単騎で捲りきってましたが、あのレースは振り返っていかがでしたか?
南:そうですね、ああいうレースが久留米でもできればよかったんですけど、今回は遅れて遅れてっていう感じですかね。
大津:初日の特選では郡司浩平選手のところにうまく反応して、捲り上げていきました。
南:結局あれも捲り切れてるわけでもないんで。かたち的には悪くなかったですけど、脚力の差が出たかなっていうレースですかね。
大津:普段の練習の中では、やはり南さんも自力を含んだような練習もされてらっしゃるんですか。
南:もちろんです。
大津:自らが前で戦う展開っていうのも常に考えながら練習をされているんですか。
南:そんなに考えてなくて、とりあえず練習は練習として、スピードとかを上げるようには心がけてる感じですかね。
大津:南選手というと横の動きが厳しいというイメージがあると思うんですけど、前を走るときは縦が基本というような感じなんですか。
南:理想で言うと縦で全部勝てればいいですけど、そこまで強くないですし。相手もあることなんで、自分のできるレースを心掛けています。
縦なら縦ですし、それで通用しないなら番手に行くなり、コースを突くなりって感じです。
展開に応じた走りをしないとラインにも迷惑かけますし、お客さんにも迷惑かけると思うんで。理想は縦ですけど、そんなに甘くないんでそこは策略というか頭も使って勝ちたいなと思いますけど。
大津:今回のシリーズの中っていうのは、太田海也選手の番手を回る機会もありましたけれども、ついてみてはいかがでしたか?
南:そうですね、作戦の段階から「すごいな」と思って。走ってみてもやっぱりすごいですし。たまたま抜けたんですけど、やっぱりかなりの差を感じるというか。そんな感じですかね。
大津:作戦の中でもすごいっていう言葉が出てきたんですけれども、どういう作戦だったんですか。
南:ラインを大切にしてくれてるなっていうふうに組み立ててくれてたんで、そういう気持ちが伝わってきたのが嬉しかったです。
大津:今回の太田選手のように他地区の選手の後ろを回ることで、南さんの中で新しい発見だとか、近畿地区の後輩に伝えられることとかっていうのも出てきたり、っていう部分はあったりするんですか?
南:そうですね。やっぱりカントの使い方が独特というか、近畿の選手にはないような感じだったんで。そういう細かいところとかを聞かれた時に、答えられればいいかなとは思います。
大津:初めて連携をする選手の場合だったりすると、呼吸が合わなかったりタイミングが取りづらいところもあるかと思うのですが、南さんはどういうところに気をつけて番手を回ってらっしゃるんですか?
南:どうですかね...。決めつけないようにはしてますかね。
「ここで引くだろう」「ここで行くだろう」って勝手に決めつけずに前の選手の動きを見て反応するようにしています。
大津:南さんの成績とかも拝見させていただくと、2023年頃からビッグの決勝戦というのも一段と増えてきたように思えるんですけれども、40代を超えていって、なかなか体も変わってくるかと思うんですが、このあたりはどういうふうに捉えていらっしゃいますか?
南:あんまり衰えとかは感じないですけど、回復能力であったりとかっていう方はちょっと落ちたかなと思うんで。オーバートレーニングにならないようにとか、基本的に風邪をひかないようにするとか、そういうのは気をつけてます。
大津:普段の生活の中でもちょっと意識もしてらっしゃるんですね。
南:そうですね。
大津:練習内容とかも、ちょっと以前と変わってきたりというところはあるんですか?
南:うーん、どうやろう...。最近ずっと新しいことっていうか、同じことはしないようにはしてるんですけど、基本的にはそこまでは変わってない気はします。
大津:近年、南さんが高いレベルで安定した成績を収められているなと感じるんですが、改めてその理由はどこにあると思っていらっしゃいますか?
南:本当に高いところで安定してるとは思ってなくて、もっと上がいっぱいおるんで。
あんまり自分が安定してるとは思わずに、もうちょっと上に行けたらいいなと思います。
大津:近畿でいうと、古性選手とか脇本選手がいらっしゃって、後ろを回る選手も本当に責任がある位置だと思うんですけれども、マーク選手として南さんが後ろを回るときに心がけていることがあれば、ぜひお聞かせいただきたいです。
南:とりあえず離れないことですかね。番手で。
大津:他地区の選手とかにお話を聞いたときに、別線で「この人が番手にいると嫌だな」って思う選手いますかって聞いたときに、だいたい南選手の名前が上位に出てくるんですけれども、どうですか。
南:そうですね。そうやって言っていただけたら光栄です。
大津:南さんが思う理想のマーク像ってありますか。
南:どうですかね。前の選手だったり、3番手の選手だったりに安心感を与えられたらいいかなと思います。
大津:やっぱり南さんが後ろにいると、前の選手も安心して逃げられますもんね。
南:そうですね。前が全開でダッシュしたときに、番手の選手がちゃんと付いてきてるかなって確認をされるのは良くないと思うんで、安心して前の選手がのびのびと走れるような脚力が必要になってきますよね。
大津:南選手が「この人の番手戦、うまいな」って思う方っていらっしゃったりしますか?
南:いっぱいいてるんで...。個人的な名前って言ったらあれなんですけど、人のレースを見て勉強はするので、勉強になるなって沢山人はいます。
大津:そういう方たちと、レースで会った時って、番手戦のお話とかされたりしますか?
南:他地区の人と話すことは、ほぼないですかね。
大津:近畿の中で、というところですか?
南:そうですね。
大津:それは南さんがアドバイスをされたりという?
南:いやいや、もらうことも多々ありますし。お互い思うことがあれば、意見を交換できる関係にあると思うんで、それはいいと思いますね。
大津:近畿でいうと、今年は村田雅一選手の活躍も非常に光っているかなって思うんですけれども、その中で南さんからの言葉が大きかったっていうのを村田さんが答えてらっしゃってて。
村田さんにはどういう言葉をかけられたんでしょうか?
南:特にないですけど、「一緒に練習しよう」って言ったぐらいですかね。
大津:そうなんですか。それは何か、練習を一緒にしようっていうきっかけがあったんですか?
南:村田に限らず、近畿は各地からいろんな選手が来てくれるんで。
みんないたほうが練習の関係も良くなりますし、刺激もいただけるんで。村田に限らず、いろんな選手が来てくれて、また全体的に底上げできてるかなと思いますけど。
大津:南さんも40代を迎えられて、立ち位置というか、そういったところも変わってきているかとは思うんですけれども。南さんが下の世代に伝えていきたいことはありますか?
南:近畿の競輪っていうのは大事にしてきたんで。そういう「近畿っぽい」っていうのが、言葉では難しいですけど、「近畿っぽい競輪」っていうのを途絶えさせずに。
教えるって言ったらおこがましいですけど、そうやって次の世代につながればいいなとは思いますね。
大津:今年もオールスター競輪の出場が決まってまいりましたけども、このあたり、まずお気持ちはいかがですか。
南:とりあえず弱いんで、練習するしかないですね。
大津:南さんは自分に対しての評価っていうのは辛口な感じなんですか?
南:辛いも何もって感じですけど。ただ「弱いんで」って感じですかね。
大津:自分の中でオールスター競輪までに強化したいポイントとか、今の時点で課題とかはありますか?
南:スピードですね。
大津:函館競輪場の印象やイメージというのは何かありますか。
南:好きですね。空気も美味しいですし、雰囲気は好きです。
大津:目標を教えてください。
南:優勝戦に乗れたらいいですけどね。
大津:最後にオッズパークの読者の皆様に一言お願いします。
南:またご声援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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