5月の日本選手権競輪で行われるガールズケイリンコレクション2020静岡ステージへのトライアルレース・グループB(静岡)を優勝した梅川風子選手(東京112期)。
トライアルレースの振り返りやコレクションへ向けての意気込み、そして年末にBS11で放映されたKEIRINグランプリPR番組『チャベリバII』出演の感想などを伺いました。
山口:静岡でのトライアルレース、優勝おめでとうございます。
梅川:ありがとうございます。
山口:どのような気持ちで臨みましたか?
梅川:そこまで気負いはなく、リラックスしていつも通りに前検日は入れました。落ち着いていましたね。
山口:初日は3着でしたね。
梅川:はい、その3着で自分の調子が思ったよりも悪くないと確かめられたので、感触は問題ないなと思いました。
山口:今回は選考があっての出場メンバーでしたが、その辺りはいかがでした?
梅川:私はそこまで「トライアルレースだからこそのメンバー」という意識はなかったです。普段通りに臨めていました。
山口:3着でしたが、そこまで焦らずにいつも通りのレースを2日目にしようという感じだったんですね。
梅川:そうですね。3着という結果は良くはないですが感触が悪くなかったので、仕掛けるタイミングを変えるなどレースで調整をするだけで残り2日間の結果は自分では心配していませんでした。
山口:2日目は途中でインコースに包まれる展開でしたね。
梅川:ああいうような展開になることが普段は少ないですが、あの位置で引いてしまうと勝負にならないのでタイミングを見て仕掛けました。そういう時もあるよな、と冷静にいられましたし、迷いなく仕掛けられたと思います。
山口:決勝はゴール前、石井貴子選手(千葉106期)が迫ってきていましたが、見えていましたか?
梅川:はい、わかっていました。決勝の日はかなり雨が降っていて、風も強くコンディションが厳しい状態でした。もちろん他の選手の動きも気にしていたんですが、まず風と雨を乗り越えないといけないと集中していたので、最後はきつかったですね。
山口:静岡バンクは2018年のオッズパーク杯ガールズグランプリで初めての出走、今回が二度目でした。今回5月のガールズケイリンコレクションは静岡で開催ですが、コレクションの前に静岡を走れたというのはいかがですか?
梅川:静岡は練習でもよくお邪魔するんです。レースでもそうなんですが、かなり走りやすいと思います。でも、実戦で改めてそれを確かめられたのは良かったと思います。
山口:コレクションに繋がる、トライアルレースの優勝だったんですね。
梅川:そうですね。不得意のバンクや走りにくいバンクよりは、遥かに良い条件だったと思います。
山口:これでガールズケイリンコレクションは5月の静岡、そして3月の福井も決まっています。2つ走れるというのはどうですか?
梅川:今の時点で去年より1つ多く大きいレースを走れるのはとても良いと思います。去年よりはステップアップできているのかなとは思うんですが、自分の中では全く満足いく脚力ではないです。まだまだ上を目指さなくてはいけないなと感じています。
山口:今年の目標はどう立てましたか?
梅川:目標は毎年立てていないんです。目標を立てて達成した場合、そこで燃え尽きてしまうと思うので、目の前の一戦一戦をどう戦うかを考えています。力を発揮できるように、しっかりと練習をした成果を出す、そこで確認をするというのが大切だと思います。
山口:それでは、先ほどの「満足いく脚力ではない」と仰いましたが、今の段階ではまだフルパワーではないということですか?
梅川:以前よりは力を出し切るレースはできるようにはなっていると思いますが、もっともっと練習の質を高めてそれをレースでしっかりと出すのが必要だと思っています。
山口:練習は今どのような状態でされていますか?
梅川:変わらずほぼ一人でやっています。今はウェイトトレーニングも多めに取り入れていますね。
山口:練習の幅や質を今の状態から高めていく、というイメージですか?
梅川:そうですね。練習は維持ではなく進化していかなければいけないと思っています。正直なところを言うと、一人での練習ではなく二人、三人と切磋琢磨できる練習仲間がいてくれれば良いなと思います。
山口:他の方とはタイミングが合えば一緒に?
梅川:はい、今はそんな感じです。でもタイミングが合えば、ではなく、より良い環境を作っていきたいですね。
山口:東京はガールズ選手がたくさんいらっしゃいますが、東京だけに限らず高められるメンバーと一緒にやれれば、という感じなんでしょうか?
梅川:まさにその通りです。
山口:ありがとうございます。では続いて『チャベリバII』についてお伺いします。参加されていかがでしたか?
梅川:うまくPRできたか不安でした。競輪の魅力をちゃんと伝えられたか視聴者さんの感想を聞きたいです(笑)。
山口:視聴者を代表して感想を言わせていただくと、最後にガールズグランプリを走る梅川選手からのメッセージがありましたが、それは競輪を知らない方へ向けてお話されているなと感じられました。
梅川:ありがとうございます。知っている方が見たら大体のことはわかると思うんですが、今回のPR番組のような形ですと、知らない方が見ることも多いと思うんです。なので、そういう方が見て「ガールズケイリンもあるんだな」と興味を持ってくれたり、身近に感じたりしてもらえたら良いなと思っています。
山口:走っている以外でもPRできる場面では、競輪・ガールズケイリンを知らない方にも発信していきたいという思いがあるんですね。
梅川:そうですね。ファンの方へ発信するのももちろんですが、ガールズケイリンがあるのを知らない人、特に今スポーツなどをしていてその競技を諦めなければならなくなった方、結果が出ず悩んでいる方へ「第二の人生はガールズケイリンという道もあるよ」と伝えられたら良いなと思います。
山口:それは梅川選手ご本人の体験も含めて、ですね。(梅川選手はスピードスケート出身)
梅川:そうですね。スポーツ選手だった方、もちろんスポーツをやっていなくてもプロスポーツであるガールズケイリンに挑戦できる、そんな場所があるんだというのを知ってもらえる機会になれば良いですね。
山口:きっと伝わる方はいるはずです。では、近況のことにお話を戻します。今の調子はいかがですか?
梅川:特に体調も悪くないですし、怪我もなく順調にトレーニングができています。
山口:トライアルレースを含めて連続して優勝もしています。
梅川:自分のパフォーマンスを高めていくのも重要ですが、お客様が買ってくれているので一番は1着を取ることだと思うし勝ちにこだわって走っています。それにはまず体調を整えて臨むことが大切だと思います。
山口:先ほどは静岡バンクの印象を伺いましたが、3月のコレクションが行われる福井バンクはどのような印象ですか?
梅川:悪くないと思います。ただ私の中では、3月や5月のコレクション、そして極端な例を出すとガールズグランプリもなんですが、特別そこへ向けて調子を整えるという意識でやっていないです。トレーニングの過程で体調を整える程度ですね。
普段やっているトレーニングを重視して、あとはどれだけ(コレクションを含めた)レースで高いパフォーマンスを出せるかという心持ちでいつもいたいと思っています。
山口:気になる選手はいますか?
梅川:今意識をしているのは優香(小林優香選手・福岡106期)なんです。ナショナルチームにいる優香と対戦するのは私にとってとても刺激になるし収穫もあります。ガールズグランプリでは私が落車をしてしまい力勝負ができませんでした。また彼女と対戦できるのを楽しみにしています。
3月5月のコレクションに優香はいませんが、他にも強くてポテンシャルが高い選手が一緒に走るので、私も負けないようにトレーニングで力をつけて臨みたいです。
山口:ありがとうございます。それでは最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
梅川:この後コレクションに2つ出場できるのはとてもありがたいです。でもそこに目標をおくのではなく目の前の一戦に集中して、今後もトレーニングを頑張ります。本場でもテレビでもインターネットでも、応援していただければ届くので応援をお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA