デビュー2年目にして、賞金ランキング5位で初めてのオッズパーク杯ガールズグランプリを決めた佐藤水菜選手(神奈川114期)。今年の振り返りと、初めてのガールズグランプリへ向けての思いを伺いました。
山口:初めてのガールズグランプリ出場決定おめでとうございます。
佐藤:ありがとうございます。
山口:決まった時はいかがでしたか?
佐藤:競輪祭でのグランプリトライアルレース後に確定したんですが、参加していたトライアルレースの成績が良くなかったのでグランプリが決まって嬉しい反面、自分が大舞台でしっかり結果が残せるか不安もあります。
山口:周囲の方の反応はいかがでした?
佐藤:賞金ランキングで上位にいたので、周囲の方も「このままいけば大丈夫だよ」と安心して見てくださっていたようです。実際に決まった時には「おめでとう」とたくさん言っていただきました。
ホームバンクが川崎なんですが、川崎からは初めてのグランプリ出場が決まってとても嬉しいですし、男子でも郡司浩平選手(神奈川99期)が出場するので2人で決まって良かったです。むしろ男子の方が出場は本当に狭き門なので郡司さんのことを凄いなと思います。
自分も注目していただいて嬉しいんですが、まずは川崎としては郡司さんの方に注目してください!と思います(笑)。
山口:賞金ランキング上位というのは、意識はしていましたか?
佐藤:大きいレースで結果が残せない分、普通の開催で優勝をしないとグランプリには出られないと思っていたので、毎開催「優勝をできるように」と意識して、特に今年の後半は走っていました。
山口:今年1年を振り返っていかがでした?
佐藤:今年の目標としていた10回の優勝を、6月に達成することができました。想定よりも早く達成できたので、去年よりは自分の成長を感じられました。結果は良かったんですが、レース内容について迷いが出てきた時期もありました。
山口:具体的にはどのあたりですか?
佐藤:勝ちを意識すると、自力、特に先行をすることに躊躇してしまいます。なので、後半戦では、自在から追い込みなど様々な戦法を試していましたが、まだ迷いはありますね。
山口:今の得意戦法はいかがでしょう。
佐藤:自在に動いてうまく立ち回れ、自分の思い通りのレースができた時には一番手応えを感じます。「私もこういう戦法で勝てるんだ」と自信にもなりますしね。
ただ、今回のトライアルレースのようにトップ選手が集まるレースは自在で走れる選手がたくさんいるので、そうなるとまだまだ力を発揮できないなと感じました。普段の開催のように動けるタイプの選手が少ないと自分もうまく立ち回れるんですが、自力選手も複数、自在選手も複数いると迷いが出てきてしまいます。
山口:この1か月はどのように過ごしますか?
佐藤:現在は体のケアを中心に過ごしています。練習としては、少し回転力が弱くなってきていると感じるので、それを中心にパワーをつけてダッシュの力をつけたいです。
山口:ガールズグランプリを走る他の選手の印象はいかがですか?
佐藤:今年は小林優香選手(福岡106期)が走るので注目しています。自分にくるチャンスは、一度あるかないかだと思うんです。自力で戦うと多分他の選手に捲られてしまう、自在ならチャンスは一度あるかないか。
その一回にかけるかどう戦うかは、直前の自分の状態を見て判断したいです。正直に言って自分にとっては、今年のメンバーではかなり厳しい戦いになると想定しています。
山口:やりにくい相手はどういうタイプなんですか?
佐藤:タイプ云々ではなく、上位の選手がたくさんいるとレースに迷いが出てきてしまいます。例えば普段の開催のように、決勝で上位の選手と対戦をした場合その選手に対しての対策をする事ができます。
でも複数いると展開も想定しないといけない部分がたくさんありすぎて迷ってしまうんです。それがガールズグランプリなら、私以外の6人ものトップ選手と一緒に走るのでかなり厳しい戦いになると思います。
もちろんそんな弱気なことは言っていられないので、グランプリまでにどうにか考えて対策をしたいですね。
山口:ガールズケイリンは級班がないので、デビューしていきなりトップ選手と対戦ですもんね。
佐藤:そうですね。ガールズケイリンコレクションも何度か走っていますが、自分のレースができずに終わることが多いです。勝ちにこだわり過ぎてしまって構えてしまいました。それも自分の自力の脚に自信がないのが一番の原因だと思うんですけどね。
山口:自信がないんですか?意外です!
佐藤:ないですね。まだまだだと思います。なので、自力の脚に自信がつけられるように練習をしていきたいです。この1年間練習をして、レースの成績では自信にはなったんですが、練習では感じられていないのが最初に言った「迷い」の部分なんです。
なので、来年はもうひと段階パワーアップしていかないとな、と思います。
山口:まだ2年目でのガールズグランプリ出場ですから、素晴らしい成績ですが、ご自身と先輩選手を比較するとまだまだの部分があるんですね。
佐藤:はい、比較することは多いです。その中で戦っているので、どうしたら勝てるか、自分との違いは意識します。
山口:今の調子はいかがですか?
佐藤:まだ調整中なので何とも言えないですね。ただグランプリを走れることは光栄なので、しっかり調整をして一発チャンスを狙っていきたいです。
山口:前夜祭もありますが、いかがでしょう?
佐藤:楽しみなんですが、今までそういう華やかな舞台に立った事がないので、立ち居振る舞いをどうしたら良いのかわからず、今まで以上に気を付けないといけないと思っています。今は常に姿勢よく生活をしています(笑)
山口:それは大切かもしれませんね(笑)。楽しみにしています。立川バンクの印象はいかがでしょうか?
佐藤:6月に優勝もしています。その時の印象では特にクセが無かったと感じたのでいつも通り走れると思います。
山口:冬場は風が強いみたいですが、その辺りはどうですか?
佐藤:そうなんですね。でも、私はレースになると風の感覚は感じなくなるので気にならないと思います。
山口:最後にガールズグランプリへの意気込みをオッズパーク会員の方へお願いします。
佐藤:デビューから2年目でガールズグランプリに出場することができました。今までたくさんの応援ありがとうございます。出場することではなく、優勝することが目標なので、当日も精いっぱい頑張ります。応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA