競輪の頂上決戦 競輪グランプリに8年連続出場し、2015年、2017年と二度制覇している浅井康太選手。座右の銘は「為せば成る」。日常の中で気付いたことを、考え、実践し、努力し続ける姿はファンの心を捉えています。その浅井選手に今の考えを語っていただきました。
星野:今年も残り2ヶ月となりましたが、ここまで振り返ってはいかがですか?
浅井:前半戦に落車もあったので、その結果の賞金ランキングですし、まだ優勝も出来ていないというところもありますが、その苦労があったからこそ今まで以上にトレーニングや競輪に向き合えているので、そういう意味では良い10ヶ月だったかなと思っています。
星野:浅井選手と言えば、競輪だけでなく他の業種の方とも積極的に交流を持たれていますよね。
浅井:はい。自分がやっている競輪は、人の100倍以上向き合っているので、もっと上を目指すには、他のプロスポーツ選手やいろんな会社の社長さん、それぞれの業種のトップの方と交流が大切だと思っています。
星野:刺激を受けるってことですか?
浅井:刺激とは違うんですよね。日々、自分が考えていること実践していることへの確認作業って感じです。この人たちの体の動かし方がこうなら考え方はこうかな?みたいな。その中で、自分の確認もできますし、リラックス出来たり安心感も持てる。大切な事だなと思っています。
星野:そう言えるのは、それだけのことをやっている証拠ですよね。
浅井:そうですね。それだけの考えを持っていないと話し合えないですし、相手からの投げ掛けに答えることもできないんですよね。
星野:最近ではレゴを作ったり、スポーツの枠も超えていらっしゃいます。
浅井:自転車があったから自動車ができたので、その自動車を作って自転車の仕組みを再確認してみようとポルシェのレゴを作ってみました。他にも車のエンジンのことが気になったのでどんな動きをするのか再確認しにモーターショーにも行ってきました。プラス何かできることはないかと考えることもトレーニングには大切だと思うんです。
星野:伺っていると、1日24時間では足りないんじゃないですか?
浅井:24時間って誰が考えたんでしょうね(笑)でも目一杯やっててもそれが楽しければ人生も楽しいものになる。今までは飲みに行ったり出かけたりすることが遊びだと思っていました。ですが、自分の向き合うものが何かというのが分かって、さらにそれが楽しいということが分かってからは、競輪が「遊び」に繋がるようになりました。なので、競輪選手でよかったなと思っています。
星野:それが分かったのはいつぐらいからですか?
浅井:2015年のグランプリを獲ってからですね。
星野:トップに立つと見えるものが変わるってことでしょうか?
浅井:そうですね。結果を求めるのではなく、結果が出ていることが当たり前になるので、それだけの事をしていかないといけませんし、勝っても体の状態が悪いときもありますし、逆に負けても良いときがあります。今の結果ばかりに目を向けるのではなく、次の自分につなげる通過点として自分の体と向き合っています。
また、最近は長いスパンを考えて10年後も今の位置(S級S班)にいられるように、S級一班にいられるようにと思ってやっています。
星野:近いところでは競輪祭がありますね。昨年は優勝されています。
浅井:昨年の競輪祭は賞金でグランプリも決まっていたので余裕もありました。今回は2着でも賞金では難しいので優勝しかない。それがどれだけ自分にとってプレッシャーになっていくのかというところも、戦いの中で重要になってきそうです。ただ、可能性がある限り、お客さんは自分のレーススタイルに車券を買ってくれていると思うので、厳しい言葉をかけられることもありますが、そのスタイルでどんな結果になっても納得できる、また、してもらえる開催にしたいですね。
星野:SNSでは、そういう部分も正直に伝えられていますよね。
浅井:自分の過失に対してはちゃんと謝罪もしないといけないと思いますし、応えていこうと思います。先ほども言いましたが、自分のレーススタイルに対して大切なお金をかけていただいていると思っているので、その方に対して、自分はいつもマックスの状態で開催に臨んでいますし、そこに向けても精一杯やっています。なので、レースが終わった後は感謝の気持ちが大きいですね。よく「すみませんでした。次がんばります」なんてのを目にしますが、次頑張るという「次」は自分の中にはないです。これ以上頑張れないくらい常にMAXの状態で全力でレースに出ていますから。
星野:それが、浅井選手の魅力にも繋がっているですね。
浅井:そう思っていただけると嬉しいです。
星野:では、その浅井選手を応援してくださる皆様に、そしてオッズパークの会員の方に最後にメッセージをお願いします。
浅井:競輪祭に向けて一つ一つこなして、最高の状態で開催に入ろうと思っています。グランプリのためにも一走一走を集中してやっていきたい。それを通じて5年後10年後も高い所を目指して行くために、通過点をしっかりと通過していきたいと思っています。そんな姿を見てほしいです。これからも応援をよろしくお願いいたします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社