デビューから約1年。あることがきっかけで成績が上昇傾向に変化した高橋智香選手(愛知112期)。現状と今後についてお伺いしました。
山口:近況、決勝戦へ乗ることも多くなっています。ご自身ではいかがでしょう?
高橋:決勝にあがれるまでには時間がかかったんですが、今は以前に比べて決勝が多くなってきていますね。レースでも前よりは存在感を見せられていると思います。
山口:何か転機はあったんですか?
高橋:ちょうど今ホームバンクの豊橋競輪場が改修工事で使えず、そこから練習は街道だけになってしまいました。
でもそれが私には合っていたみたいなんです!12月からバンクが使えなかったんですけど、そこから成績が伸びてきているんですよね。
それがいい方向にいったんだと、勝手に思っています(笑)
山口:初勝利も今年に入ってでしたよね。
高橋:そうですね。初めて1着を取ってから、割と続けて取れているので、いい流れだと思います。
山口:初勝利はいかがでしたか?
高橋:嬉しかったですね。でも友達の初勝利の方が嬉しくて、自分のはそこまでという感じでした(笑)
昨年11月、松戸のガールズドリームトーナメントの時、最終日に吉原菜那さん(佐賀112期)が初勝利をしたレース。私も一緒に走っていたんですけど、すごい感動したんですよ。自分の時は、いろんな方におめでとうと言ってもらえたんですけど、あまり実感が湧かなかったですね。
がむしゃらに走っていたら1着だったので、夢中だったのかもしれません。
山口:その後、予選で尾崎睦選手(神奈川108期)を追い込んで1着もありましたね!
高橋:ラッキーな1着でしたね。奇跡みたいに尾崎選手が私の前に来てくれたので、ここ追走すれば!と思っていたらたまたま差せたんです。
でも冷静にまわりの状況をみて走れたと思います。道中も足をいい感じに回していけたので、何とか差せました。
後で映像を見て「自分が差せたんだ」と思ったら、初勝利よりも何倍も嬉しかったです。。
デビューしたての頃だったらちぎれてしまったり、もし追走できたとしても差せてはいなかったと思うので。
一般戦と予選では違いますし、予選では自分でなかなか1着を取るのも難しいと思っていたので、まさかの1着でした。
開催が終わって帰ったら、師匠(島野浩司選手・愛知62期)が「自分がレース行っているときに、色んな記者さんや選手に『お弟子さん良かったですね』ってたくさん言われたよ」と言ってもらいました。
山口:記者さんもですが、選手たちもレースは見ていますもんね。
高橋:そうですね。他のたくさんの方に言われたというのが、嬉しかったですね。結構心に残っています(笑)
師匠も「良かったね。これでみんなも見る目が変わると、自分のレースがどんどん出来るようになる。そうなるとレースが楽になるよ」と言ってくれました。
それは本当に実感としてあります。
山口:戦法としてはどんな風に走りたいですか?
高橋:もっと自力がつけばレースを動かせると思うんですが、まだ逃げ切ったり捲りきったりはなかなか難しいですね。
今は自分の出来る走りで、できるだけ目立てるようにと思っています。着に繋がらない部分もあるかもしれませんが、切りに行ったり見せ場を作るようにはしています。
レースの中で、実況の方に一度は名前を呼ばれるように展開を動かしていきたいですね(笑)
それで連に絡んでいければ嬉しいですね。
山口:今は競輪場が使えないと仰っていましたが、他のガールズ選手と一緒に街道で練習しているんですか?
高橋:毎日みんなで街道には行くんですが、それは師匠とか練習グループの選手たちと行きます。男子選手と一緒に街道練習をさせてもらっているので、全然スピードが違うんです。でもそこについていって追いかけているうちに、だんだん追走できるようになってきました。なので自分にとっても脚力がアップしている実感もありますね。
競輪場が使えるようになっても、街道練習もうまく組み込みながらやっていきたいですね。
まさかこんなに成績に、良いように反映されるとは思っていなかったので。
山口:競走得点も近況はずっと右肩上がりですね。
高橋:師匠や練習グループの先輩のおかげですね。最初はすぐ代謝にかかってしまうかと思っていたんです。46点台だった時もあったので焦っていたんですが、何とか上げてこられてよかったです。
山口:そうですよね。そしてもうすぐ後輩期も入ってきますね。この1年はいかがでしたか?
高橋:あっという間でしたね。毎日充実していました!レース行って練習してを繰り返しているうちに、あっという間に1年経ってしまいました。
デビュー戦の時は周りを見る余裕は全くなかったんですが、連に絡めることも多くなってきたので、落ち着いて走れていると思います。
山口:豊橋はたくさんのガールズ選手がいますが、練習の面では有利なことも多いですか?
高橋:女子のスピードの中で練習が出来るのと、男子選手と違って同じガールズケイリンの選手なので、負けた時に言い訳が出来ないですし、やっぱり負けたら悔しいです。みんながそういう風に切磋琢磨をしたり、また他のガールズの選手からいろんな練習方法を聞いてきてくれるので、それをみんなで試したりできるのはありがたいですね。私よりみんな強いので、一緒に底上げをしていければと思います。
山口:今の目標は何ですか?
高橋:まずは常に決勝戦に乗れるようになることですね。優勝もまだなので出来たらいいですが、それよりもまずは決勝の常連になりたいです。
今はまだ上がれたり上がれなかったりなので。なかなか難しいですが、頑張りたいですね。
山口:お客様の声は聞こえる方ですか?
高橋:私はよく聞こえます。名前を呼んでもらえるとすごく嬉しいですね。結構聞こえるタイプなので「あ、こんなに応援してもらえてるんだな」と力が入ります。でもそれが聞こえないくらい集中している時の方が成績はいいんですけどね(苦笑)
懲りずに応援して欲しいです。
山口:最後に、オッズパーク会員の方にメッセージをお願いします。
高橋:これからも前々のレースが出来るように頑張ります。応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA
ガールズケイリン1期生としてデビュー後、初のガールズグランプリ女王に輝いた小林莉子選手(東京102期)。
今なおトップ選手として活躍している小林選手に、現状や今後の意気込みなどをお伺いしました。
山口:少し前に、外国人選手と訓練をされたと伺いました。どのようなものなんですか?
小林:日本での競走のルールなどを覚えるために外国人選手に向けて訓練があるんですけど、 いい練習にもなるので、自分からお願いして毎年参加させてもらっています。毎年コテンパンにやられちゃいますけどね......(苦笑)外国人選手も最初は気軽な感じで走っていたんですが、競走訓練のラストは、外国人選手全員と優香(小林優香選手・福岡106期)とりゆちゃん(太田りゆ選手・埼玉112期)が一緒に走るというので、結構真剣に走っていましたね。
山口:一足先に外国人選手のスピードなどを体感できるのは良いですね。
小林:そうですね。斡旋によっては、一緒に走らずに彼女たちが帰国してしまう人もいるので、貴重な体験だと思います。
山口:具体的にはどのような部分が、日本人選手と違うんでしょうか?
小林:日本人選手は体の動きなどを見ていると、もがき始めるタイミングがある程度わかるんですけど、外国人選手はどこで踏み出すかが全くわからないですね。
実際に訓練の時もそこが一番苦労して、離れてしまったりしましたね。
後ろを追走できればチャンスがある、というのではなく、まず追走するタイミングを掴むのが大変だと思いました。
山口:訓練では何か掴めるものはありましたか?
小林:訓練の後に、普段の練習のことなどをたくさん教えてもらいました。外国人の選手たちは、ずっと自転車に乗る練習ではないんです。
昨年もウェイトトレーニングを教えてもらって練習に取り入れていたんですが、今回もモートン選手に「レッグプレス何Kgでやってる?」など具体的にウェイトの事を聞けたのでためになりました。
持ち帰って試してみたかったんですが、そもそも桁違いの重さだったのでちょっとびっくりしましたね。
山口:最近ガールズ選手もウェイトトレーニングを取り入れている選手が多いようですね。
小林:今までは、自転車に長く乗って重いギヤで練習をすれば、それがウェイトトレーニングの代わりと言われていたんですが、どうしても長く自転車に乗っていると腰痛が出てしまうんです。また怪我がつきものなので、落車をするとボディバランスも崩れます。
でも外国人選手たちは圧倒的に怪我が少ないので、練習について聞くと、かなりの選手がウェイトトレーニングを取り入れているんですね。なので取り入れてみたら、変な腰痛や体の痛みなどはなくなったと思います。
山口:体が良い方向に変わっていくのは嬉しい効果ですね。
小林:そうですね。やっぱり日本に来る選手は世界のトップで活躍している人が多いので、そういう意味ではより高いレベルの話を聞けるので毎年楽しみにしています。
対戦をするときは、彼女たちが走るといつものレースの流れではなくなるので、厳しい面もありますけどね。
ただ、普段の練習の面や、日本人同士での対戦、そこでのフォームや組み立てなど、今後の事をいろいろ考えると海外の選手が来るのはプラスの面が多い気がします。
山口:多少ルールは違っても、フォームや仕掛けどころなどは参考になりますか?
小林:なりますね。具体的に「この人か仕掛けると思うから、その時に私はこうしてるよ」と聞くと、自分が仕掛けるタイミングを逆算してレースを組み立てていっているんだなとわかるので、とても参考になります。
後は、セッティングによって踏める位置が違うということや、こんなレースをしたいときはこの辺り(のサドル)に乗っているなど細かいことまで聞けますね。
山口:今後の対戦もありますが、何か対策はありますか?
小林:外国人選手はみんなダッシュが強烈なので、真後ろにマークするという単純なことでは勝てない気がします。ただ彼女たちも「日本のガールズケイリンは難しい」と言っているんです。 走路の長さが大分違いますからね。なので、普段はロングスプリント(先行)をする選手を捲って決まるというところも、 日本だとゴチャついてスプリント勝負になった場合、外々踏まされると厳しくなったりします。その辺りを狙っていけばいいかもしれないですし、展開として持っていかないとダメですよね。
山口:近況についてはいかがですか?
小林:いろいろ試しながら走っていますね。1月に落車をしたんですが、そこでバランスが崩れてしまったのと、乗っていて調子が良かったフレームが割れてしまったんです。
それが使えなくなってしまったのは結構厳しいんですけど、今のフレームにも慣れてきてまとめられるようにはなってきました。
ただ「これだ!」というレースがまだできていないので、そこが課題ですね。
山口:理想のレースはどんなイメージですか?
小林:どんな戦法にしても、自分の踏むタイミングと体が全部一致するときがあるんです。その時に、これだ!と思いますね。
でも今はまだ「ここで踏んだらスピードに乗れるはずなのに出ない」などの不一致があるので、そのズレを修正していきたいです。
流れの中で位置取りができるというのが自分の強みだと思うので、それにプラスしてもう少し自力を出せるようにしたりダッシュを付けられたら、もう少し楽に戦えるんだと思います。
後はもう少し重いギヤを踏めるようにならないとダメだなと思います。
山口:やっぱり重い方がいいんですか?
小林:自分は今3.64を使っているんですが、そこまで軽い選手はトップ選手ではほとんどいないですね。強い選手はほとんどが3.77や3.71など重いギヤです。
それくらいで戦えるようにならないと勝負ができないのかなと思っています。
練習では使い始めているんですけど、自分の中では3.64の感覚がとても良いんですよ。だからなかなか踏み切れない部分もあるんですが、今のレースの流れについていくにはもう1枚重いギヤを踏めるようにならないとダメかなと思っています。
今年の初めから計画をしていたので、一番タイムの出る夏の時期から使いだそうと思って今は基礎を作っているところです。年末くらいまでに使えたらいいかなと思いますね。
山口:今後の目標はどう定めていますか?
小林:おそらくサマーナイトフェスティバルは出られるはずなので(インタビュー時はまだ確定していません)、大きなレースを何か取りたいですね。
ガールズケイリン選手もたくさん強い選手が出てきて、コレクションに出るのも大変になってきました。
今まで、3連対率上位の選手が出られるコレクションには必ず乗れていたんですが、それもトライアルに変わってしまったので......。
ただ今年は競輪祭もオッズパーク杯ガールズグランプリの選考に入っているので、最後まで諦めないで頑張ろうと思っています。
やっぱりグランプリに乗ることが一番大きい目標ですからね。
山口:では最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
小林:今はまだ成績が安定せず、アクシデントもあって優勝回数も少ないんですが、今年はこれから優勝回数を伸ばして、年末のガールズグランプリへ乗れるように頑張るので応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA
3月に松山競輪場で行われた『第2回ウィナーズカップ』で優勝した武田豊樹選手(茨城88期)。
昨年8月におった大怪我からの復帰後初優勝は、平原康多選手(埼玉87期)とのワンツーという嬉しいものでした。
その時を振り返っていただきました。
山口:ウィナーズカップ、優勝おめでとうございます!率直なお気持ちはいかがですか?
武田:ありがとうございます。特別競輪の優勝は久しぶりだったので嬉しいですが、 もう終わったことなので新たな始まりという気持ちで次へ向けて走っていますね。
山口:優勝直後のインタビューでも次へ向けてというお話がありましたね。
武田:そうですね。戦術や戦法も変わってきている中でどんどん課題が出てくるので、 向き合いながら次へ向けてという気持ちは常にあります。
山口:決勝戦では連携した平原康多選手とワンツーでの優勝は嬉しさも大きいですね。
武田:最近は連携してもうまくワンツーが決まっていなかったので嬉しいです。脚力がないとついていけないですしね。
昨年の地元(取手)での全日本選抜競輪では平原くんが優勝、自分は2着の今回とは逆のワンツーなども過去にはありましたが、日々のトレーニングがあっての事だし、後はやっぱり相手選手に対して頑張ってくれた平原くんの努力もあって今回のワンツーだったと思います。
山口:ウィナーズカップ含め、最近は茨城の若手選手とも連携が増えていますね。平原選手と連携をするときとは違う感覚だと思いますがそれについてはいかがですか?
武田:平原くんとは特別競輪やグランプリなど何度も連携をし、悪い時も良い時も一緒に走っていて信頼できる仲間という感じですが、後輩たちは経験がそこまでないのですが求めるものは一緒です。自分が作戦をたてるという訳ではないのですが、レース前に確認はしますね。
展開に応じて、「その場合はこうした方がいいんじゃないか」とか。ただレースは始まってしまえばどうなるかはわからないのでその程度です。
今まで作戦通りにいったことは一度もないので。
山口:そうなんですね。意外です。相手の動きが予想外の時も多かったんですか?
武田:そういう訳ではないんですが、たまにレース中に自分の余裕がなくなってくる時があって、そうなると着も悪いんですね。
僕の場合はただそれだけだと思います。相手がどうしたこうした、ではなく自分の中で余裕がなくなったらそれまでなので、余裕を作るために普段からトレーニングに励んでいます。もちろん体調の問題もありますが、精神的な部分もある。それがうまくマッチした時に勝てるんだと思います。
山口:その余裕を作るために、普段の練習もレース形態のトレーニングをしますか?
武田:それはないです。年齢と共に大人数で練習をすることも少なくなってきました。本当はやらないといけないんですが、なかなかできないですね。
山口:年齢についてなんですが、デビュー時と今では練習方法は違いますか?
武田:気持ちの面では全く変わっていませんが、自分に与えられるレースが変わってきているので、それに応じてレースをしたいし、そのレースに応じて組み立てないと優勝はできないと思い、練習方法は変えています。
山口:昨年は8月オールスター競輪(いわき平)での落車がありました。私、当日検車場で拝見した時にはそんなに大怪我とはわからなかったです。
武田:自分も帰る時は歩けていたので大丈夫かとも思ったんですが、その後やっぱりおかしいなと思い病院に行ったら骨盤が折れていました。
山口:レース直後は興奮状態とよくお聞きしますが、歩けるものなんですね。
武田:自分の場合は骨盤とはいっても部分としては、大腿骨がはまっている臼蓋(きゅうがい)だったんです。
だからというのと、レースの時の気持ちでいるので多少まだ歩けていたみたいですが診察後はやっぱり歩けなかったです。思ったより重症でした。
山口:リハビリ中は復帰までのモチベーション維持は何でしたか?
武田:もともと競輪をする上で、年齢を重ねると怪我も増えるというアクシデントスポーツという概念があったし常にそれは思っているので、大怪我したらどうしようか、というイメージは常に持っていました。勝負の世界なので怪我をしたら治すしかないしそれが嫌なら辞めるしかないですよね。
なので、特に焦りなどはなかったです。
山口:復帰戦は寛仁親王牌(前橋)でしたが、それは決めていたんですか?
武田:そこでの復帰は予定よりは早かったんですが、復帰するときに定めた目標が『半年で優勝』だったので早期に走らないと目標は達成できないと思って走りました。痛みも実際はありましたが、そんな中でも一生懸命走る気持ちはありました。人それぞれかもしれませんが、自分の場合はレースを走らないと弱くなっていくので無理してでも走っていましたね。
山口:いつも思っていたんですが、武田選手はGⅠの決勝やグランプリなど、ここ一番というレースへ向けての『調子の上げ方』など、しっかり合わせてくるイメージがあるんですが、それはご自身ではいかがですか?
武田:そんなことはないですけど、経験もあるかもしれませんね。ただ難しくなってきています。人との連携もありますし、自分で決めるというレースも減ってきていますから。そんな中でも気持ちを高めて決勝戦までたどり着けるようにというのはいつも思っています。
山口:レース前夜などには組み立てのイメージはしますか?
武田:それも今はほとんどありませんね。競輪のレースで、考えてもそれが決まることはないのであまり考えないようにしています。
自分が前で走る時も、人の後ろで走る時もありますが、常に自分が前で走れる準備はしていますし、なかなかこだわってしまう部分もありますが、勝つためにどうしたらいいかを考えて、常に走っていますね。
山口:完全に追い込み選手へ変わるというのはまだないですか?
武田:自分の求める練習が出来なくなってきた時に、考えるのかなとは思いますが、今のところはないですね。でも考えなくてはいけないのかなとも思います。
その辺りは、自分の感覚で今後決めていくのかなと。
もともと始まりが「自力選手で頑張りたい」という気持ちだったので、なかなか自力と追い込みの切り替えが「ここから追い込み」とはっきり出来るものでもないですし、今はそのレースに応じて自分の脚質を磨いて脚力をつけて走りたいです。
山口:茨城の若手選手へ期待する部分はありますか?
武田:まだまだこれから経験も必要だと思いますし、同じ気持ちで走れるように頑張って欲しいですね。ただただ頑張って欲しいと思っています。
なかなか決勝戦で連携というのは、そこに来るまでにも大変ですから。自分のやっている事を確立しないと決勝には乗れないと思うので、そういう部分についても頑張って欲しいですし。僕も人の事を心配するよりも、自分の与えられたことをしっかりとして力を出せるように頑張りたいです。
山口:今後の目標や意気込みは何ですか?
武田:5月は斡旋が止まってしまうんですが、まだ力を発揮できない時もたくさんあるし、自力として先頭で走っている時もそうだったんですが、一戦でも多くそのレースに応じて力が発揮できる選手になりたいです。
山口:グランプリを目指して、というよりはまずは目の前の一戦なんですね。
武田:グランプリは特に考えていないです。まずは目の前の一戦やGⅠを勝つためにレースで脚力を磨いて、どのレースになっても力が発揮できるようにとにかく全てを磨かないと勝てないと思います。
山口:息抜きをしたりはしますか?
武田:特には考えてしてはいないですね。トレーニングを常にするのは苦ではないですし、特別息抜きをすることはないです。
山口:S級S班でオッズも人気になりますが、お客様の声はいかがですか?
武田:最近はだんだん人気もなくなってきたんですが(笑)、人気でも人気じゃなくても自分は1着を目指すレースを淡々と丁寧に全力を出すだけですね。
今後もそうでありたいです。
山口:最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
武田:まだまだ自分の思ったように力が発揮できなくて苦労していますが、少しでも力を発揮できるように普段から頑張りたいと思います。応援お願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
小柄ながらレースでは鋭い追い込みを見せる青木美優選手(栃木106期)。師匠や同期との絆を胸にレースに臨む意気込みをお伺いしました。
山口:近況はいかがですか?
青木:落車もあったんですが、練習をコツコツとやっているので元の状態より良いところへ持っていけるようにしたいです。
山口:練習方法はどのような感じですか?
青木:師匠(76期・江連和洋選手)と一緒にさせてもらっています。師匠は、去年初めてS級1班になってS級初優勝をしたり調子が良かったんですが、年末に落車をしてしまいリハビリを中心にしています。それを一緒にさせてもらう形ですね。アドバイスをいただいたり練習を見てもらうなど、とても助けてもらっています。 街道も行ったりするんですが、基本的にはバンクを中心に練習していますね。
山口:師匠と一緒に練習、というのはやはり集中できますか?
青木:師匠が私のレベルに合わせてやってくれたり、たまに「俺を奥井さん(東京106期・奥井迪選手)だと思って走れ!」とかレースをイメージしながらの練習をしてくれます(笑)
山口:素敵ですね!江連選手はどんな師匠ですか?
青木:普段は無口なんですが、私のことを気にかけて心配してくれて、とても優しいですね。私には直接聞かずに、周りの選手に「最近美優の調子どうかな?」と聞くみたいで、周りの方から「心配してたよ」と伝え聞くことがあります。
私に気を使わせないように、というのと照れ屋な所があると思います(笑)でも、そういう師匠の気持ちも伝わっているので、頑張らないとなと!
山口:元々は空手をされていたんですよね?ガールズケイリンへのきっかけは何だったんですか?
青木:決め手になったのは母のすすめですね。大学で空手を続けるか迷っていた時にすすめてくれて、試験に受かったらそれが運命だったんだと思って頑張ろうと決めて、適性で試験を受けたら合格しました。
山口:適性ということは、自転車経験もほとんどない所からのスタートでしたね。
青木:そうですね。高校時代も自転車にあまり乗る生活ではなかったので、競輪学校在学中は自転車の難しさに苦労しました。
人よりは乗り込みをしようと思って乗っていたんですが、なかなか結果やタイムに繋がらずに卒業出来るかが心配でした。
山口:その時の支えは何だったんですか?
青木:やっぱり同期のみんなですね。「みんなで卒業しよう!」と言っていたので、周りにたくさん助けられました。私は本当に106期で良かったと思うんです。出会えて良かった大好きな仲間たちです!
今は人数も少なくなってしまい、同じ開催になることも稀なんですが、たまに一緒になるとモチベーションが上がりますね。レースじゃない時も頻繁に連絡取ったりします。
山口:青木選手は地元・宇都宮バンクを走るというのはいかがですか?
青木:いつもと同じ開催だと思うようにしているんですけど、やっぱり力の入り方が違う気がします。変に緊張するとだめなので「いつもと同じだ」と言い聞かせて頑張りたいですね。
山口:息抜きとかはどうしてますか?
青木:あまり趣味と呼べるものがないんですが、家で飼い犬と遊んだり、同期や友達とカラオケに行ったりしてストレス発散していますね。
レースが詰まっているとレースで忙しくて練習がうまく出来なかったり、そこで成績が良くなかったりする時はやっぱりストレスになるので、頑張った後は息抜きが待っていると思って頑張っています。
山口:今後の目標は何ですか?
青木:優勝をまだしていないので、まず優勝したいというのと、1着もまだ予選ではなかなかとれないのでとりたいですね。
ファンの方の応援はいつも本当に力になります。
山口:そうですよね。では最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
青木:デビューした時からずっと応援してくださっている方がたくさんいるので、いつかその方たちにも優勝した姿を見せたいですし、喜びを一緒に分かち合うためにいつも頑張らないとなと思っているので、何とか声援に応えられるように一走一走頑張ります!
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※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA
ガールズケイリン人気を牽引してきた白井美早子選手(大阪102期)。大怪我から復帰し、昨年初優勝!近況や今後の目標をお伺いしました。
山口:一昨年大きな怪我をされましたね。その時のことをお伺いしていいですか?
白井:一昨年8月にアキレス腱断裂をして、昨年3月に復帰しました。ただ復帰をしたのも体調が万全だったからではなく、自分が代謝制度の対象だったのでそれを回避するため。復帰した前期(昨年6月末まで)は、何とか点数を取らなければという感じでした。
7月以降は優勝を目標にしていましたが、休んでいた間にガールズケイリンのレベルがすごく上がっていたのを痛感しました。自力選手の強さだけじゃなく、追走技術が上手い選手も増えて、自分が思っていた以上でしたね。その時に自力がないとこれからは厳しいなと感じました。
落車後、昨年12月にデビュー初優勝をして、今まで一番の目標だった優勝をできたあとは、その次はもっと自力をつけて優勝したいと欲がでてきたんです。
復帰した直後は無事に走るだけだったのが、もっと上を目指して出来る!と感じ始めたから、自分の走りやレースを作っていける脚力を求めていますね。怪我の影響はもう全くないです。
山口:リハビリは川崎競輪場でされていたようですね。
白井:はい。怪我をしたのが都内で、運ばれた川崎のスポーツ整形の病院で緊急手術になったんです。でも信頼できる先生がいて、できればリハビリもここでして欲しいという指示があったんです。緊急の手術を引き受けてくれたし、リハビリの先生も良い方だったので自分自身もお任せしたいと思いお世話になりました。
山口:しっかり集中して治せたんですね。
白井:先生のお陰で後遺症もないですし、アキレス腱断裂をした他の患者さんと比べて自分の今の状態がすごく良いので、気にせずレースも走れているので、あの時その選択をして良かったなと思います。
山口:その時に刺激を受けた方はいましたか?
白井:リハビリ中にアキレス腱を断裂した色んなスポーツ選手を調べていたら、阪神タイガースの西岡剛選手や、関取の安美錦関のことが出てきました。
今まで落車をしたときは大きな怪我もなく1ヵ月程で復帰していたんですが、この長期離脱は腱だったので、体を動かしたくてもまず腱が繋がらないと動かせないし、再断裂のリスクがあったりと、骨折以上に大変でした。鎖骨だとボルトが入っていても繋がりますが、腱はただ糸で繋がっているだけなので脆いんです。しっかり腱同士が繋がってはじめて運動機能回復のリハビリが出来るようになるので、それまでは精神的にもキツくもどかしかったです。
そのときにアキレス腱断裂して自分以上に厳しい状況でも復帰しないといけない安美錦関
が頑張っていらっしゃるニュースやブログを見て、励みになりました。
またご縁があって知り合った元普天王の稲川親方にはお世話になっていて、私が初優勝した開催の前に縁起物の鶏を一緒に食べさせていただいたんです!
山口:いいご縁ですね。同期の選手たちの反応はいかがでしたか?
白井:実は怪我をした時は誰にも言わなかったんです。大事にはしたくなくて。ただレースの都合で数人には連絡していたんですが、内緒にしてもらっていました。
私がずっと欠場していると同期から連絡がきて、そのときに事情を話したんです。ただ1期生は私以上の大怪我した選手も何人もいるので頑張るしかないなと思っていました。
優勝したときは同期がたくさん連絡してくれて、すごく喜んでくれましたね!怪我をしても諦めずに私がやってたのを、みんな見てくれてたみたいで「同期が優勝するのが一番嬉しい」と言われたときは、やっぱり同期は良いなぁと思いました。
山口:復帰されてから気持ちの面はいかがでしたか?
白井:怪我をしているときにたくさんのスポーツ選手と出会う機会がありました。自分がプロスポーツ選手としてやりたいと思っていても、怪我が原因でチームと契約できなくて引退を選択しないといけない、など自分の意志だけでは続けていけない状況のプロスポーツは多いですが、競輪は自分が走りたいと思ったら走れます。だから結果は付いてこないとわかっていても走りました。
ただその時、自分の想像以上に走れなくて見えている世界も違いました。展開が読めなかったりレースに参加できなかったり「私こんなに弱くなっていたんだ」ととてもショックで悔しくて。
でもその時リハビリしていたときに知り合った他のスポーツ選手の状況を思い出すと、走れているだけで幸せなんだなと思えて、切り替えて次頑張ろうと思えました。
山口:先ほどの話に出てきた「欲」はもっと上を目指すということですか?
白井:そうですね。怪我のときは復帰出来るかどうかも不安だったんです。選手としてまず走れるのか、走れても勝てないのではないかという、復帰しないとわからない状況でした。みんなの中で戦えているからこそ、怪我をする前よりも強くなりたい、より上へいくために内容や結果を求めているので、そのために今は戦法を見直そうか迷っています。
山口:近況はいかがですか?
白井:もう少し自力を出してレースがしたいですね。最近は自分から動いてレースを作っていっても、結果が良くないんです。それでも続けて自力を出していった方が良いのか、戦法を変えた方が良いのか、その辺りが迷い所ですね。
山口:後輩期が増え、動ける選手が多い中で勝つために戦法チェンジ、というのも理由の一つですか?
白井:強い選手の方がレース中でも有利な位置を回れたり、どうしてもレースの中心になります。ガールズケイリンは男子選手のようにラインもない単騎戦なので道中の展開などは少ないですが、強い選手が自分の勝てる位置からしかけられてしまうと勝てません。その位置をすんなり取らせないためには、自分がレースを動かしていく自力が必要だと考えています。だから自力を出せた方が良いのはそうなんですよ。
写真:板根 茜弥選手(中)・細田 愛未選手(右)
山口:強い選手が動くのを待つのではなく、その前に仕掛けるということですね。
白井:そうです。自分で動いて、強い選手が不利になるように展開を動かしていくのが、自分が勝てるベストな方法だと思うんです。 それには今までのような自分のレースではダメだなと思います。今のトップ選手は自力のある選手ばかりですからね。
山口:今後の目標は何ですか?
白井:また優勝もしたいですが、一番はガールズケイリンコレクションに出たいです。大きい舞台で一度は走ってみたいですね。地元の岸和田はGⅠの開催を何度もしていますが、その時の男子選手を見ていても大きい舞台で走れるのは凄いなと思いますし、自分も一度はそこで走りたいですね。
山口:今年はそこへ向けてですね!では最後にオッズパーク会員の皆さんにメッセージお願いします。
白井:怪我をしている間もたくさんのメッセージをいただきありがとうございます。また2回3回と優勝を出来るように頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA