今年5月にガールズケイリンコレクション京王閣ステージを優勝。その後も優勝を積み重ね、初めてのオッズパーク杯ガールズグランプリ出場を決めた長澤彩選手(愛知106期)。グランプリ直前の意気込みを伺いました。
山口:初めてのグランプリ出場おめでとうございます。優勝した5月の京王閣ガールズコレクションはどんな気持ちで臨んだんですか?
長澤:この2年間、大きいレースを走ったのは2015年9月松戸オールスター競輪の時のコレクションと、2016年7月川崎サマーナイトフェスティバルの決勝だけなんです。その2つのレースは何もできずに7着でした。その時に周りの選手たちとの力の差を感じたので、もし今後ビッグレースを走れるチャンスが来たときはそんなことがないように、しっかりと準備をしていました。
山口:冷静に走れましたか?
長澤:今まで走った中で、一番冷静に走れましたね。あの時は、梶田舞選手(栃木104期)が先に捲って、それを追走し交わして決まり手は「差し」だったんですが、「普段の自力だけじゃなく、何でもやってやろう!」という気持ちがあり、それが自分に良い展開が向いたんだと感じました。
山口:優勝後の周りやお客様の反応はいかがでしたか?
長澤:自分の気持ちの中でも変化はありました。優勝した後から、周りからの注目度は増したかなと思います。
山口:それはプレッシャーには感じましたか?
長澤:それはありましたね。「勝たないといけない!」と小さいレースをしてしまったことが結構ありました。ただ今は自力をしっかり出すのを心掛けています。そのきっかけが、今年8月いわき平でのアルテミス賞レース(5着)です。石井寛子選手(東京104期)が人気の中心だったんですが、自分も対抗人気におされていて、お客様も期待してくれていました。 でもそのレースも消極的で攻められなくて。たぶん京王閣で「何でもして勝つ!」という強い気持ちで優勝した後に、構えすぎて大きくマイナスに出たのが、アルテミス賞レースでした。そこからは積極的に動こうと思って走っています。
山口:そして今年はプライベートでも大きな変化がありましたよね。ご結婚おめでとうございます。
長澤:ありがとうございます。今までは実家だったので、家に帰って寂しいというのはなかったんですが、新しい家族になって暮らしがスタートし、新たに「一緒に頑張ろう」という思いは出てきました。あと、実家は競輪場から遠かったんですが、新しく住んでいる今の家が競輪場に近いので、通う時間の短縮やその分の練習時間、休憩時間を確保できているというのも助かっていますね(笑)
山口:普段の練習環境はいかがですか?
長澤:普段は男子選手と一緒に練習することが多いです。名古屋競輪場では、吉田敏洋選手(愛知85期)などにアドバイスをしていただきます。具体的な練習方法もそうですが、考え方とかレースに臨む姿勢なんかも刺激をもらっています。
山口:デビューしてから今までのガールズグランプリはどう見ていましたか?
長澤:同期も走っていたのでいつかは自分も走りたい、という思いもありましたが、自分の実力だとまだまだ遠いなと。同期の中でグランプリの話題になることもあり、「いつか一緒に出たいね」と話していました。だから今年は自分も一緒に走れるというのはとても嬉しいです。
山口:他の6人のイメージはいかかでしょうか?
長澤:トップの選手たちはグランプリやコレクション常連の選手が多いですよね。1年を通して安定した成績を残している人ばかりなので、自分より強い人たちしかいないと思います。
山口:直前の四日市FⅡ(12/7~9)では決勝戦で奥井迪選手(東京106期)との対戦もありました。
長澤:グランプリを意識しましたね。優勝ももちろんしたかったんですが、年末を見据えてレースをしなきゃと走りました。 (奥井選手の先行を捲りきり、後ろの選手に差され結果は2着でした)
山口:今年2017年はどういう1年でしたか?
長澤:今まで特に大きく動いた1年というのはなかったんですが、今年は良い変化があったと思います。コレクション優勝や優勝回数の増加もですが、レースの幅が広がって余裕も出てきた気がします。今後のレースも、自力はもちろん、他の決まり手などレースの幅はどんどん広げていきたいです。
山口:開催地・平塚競輪場のイメージはいかがですか。
長澤:走りやすいバンクだと思います。前回平塚を走った時が6月で、ちょうどバンク改修直後でした。バンク改修後は走路が重いと言われるんですが、そんなこともなく走りやすかったんです。
山口:良いイメージでガールズグランプリに臨めそうですね。では最後にオッズパークのファンの皆様にメッセージをお願いします。
長澤:悔いが残らないように精一杯力を出し切るレースをしたいです!
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※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA