デビュー5年目を迎えた104期の小坂知子(こさか ともこ)選手(岐阜県)。ここに来て調子を上げ、決勝常連となっています。これまでのこと、そして現在の様子を語っていただきました。
赤見:競輪選手を目指したきっかけは何だったんですか?
小坂:簡単に言うと、自転車に乗っていたらチェーンが外れてしまって、自転車屋さんに行って直してもらったことがきっかけです。そこのお店の人に、「最近女子の競輪が始まったらしいよ」って教えてもらって、競技人口も自転車って少ないじゃないですか。それで、受けてみようと思いました。
赤見:チェーンが外れたことは運命だったんですね。
小坂:運命なんですかね(笑)。その時は同僚の家で「飲み会するぞ」ってなってて、普通のママチャリで向かっていたんです。恰好がかなりラフだったので、自転車屋さんがスポーツをしている人間だと思ったんじゃないですかね。
赤見:競輪を勧められて、どう思いました?
小坂:わたしは小中高と陸上をしていたんですけど、その時も趣味という感じで陸上を続けていたんです。周りの働いている人たちも、ハンドボールとか柔道とかで世界や全国で活躍している人たちがいたので、自分ももうちょっと目立ちたいな、活躍したいなと思ってて。それで奮起しました。
赤見:その時のお仕事というのは?
小坂:特別支援学校で講師をしていました。その仕事をしながら陸上を続けていたんです。そんな中で競輪と出会って、新たな夢っていうか...賭けですよね(笑)。ガールズ2期(104期)だったのでまだ何も形になっていない時期で。親も競輪の知識がまったくなかったせいか、「なんでもいいじゃない、やればいいじゃない」みたいなノリでした(笑)。
赤見:そこから競輪学校を受ける過程というのは?
小坂:本当に急だったので、どこに願書を取りにいっていいかわからなくて。いろいろなところを回りました。全然ツテもなかったし、入り口がどこかもわからなかったので、ちょっといろいろなところを回された感じでしたね。
赤見:それで1発合格ってすごいですね。
小坂:いや~、これでダメだったらそれも運命だなって思ってたんですけど、受かっちゃったので(笑)。学校での1年間は、ほとんど自分以外は自転車を経験している人が多くて、ギャップがありすぎて厳しかったです。でも同じ部屋の同期と仲が良かったのが大きかったですね。矢野(光世)さんと、猪子(真実)さんだったんですけど、ケンカとかもせずすごくいい雰囲気で過ごせました。
赤見:急に自転車の世界に入って、難しかったことって何ですか?
小坂:今まで陸上をしてきたので、物を扱う競技をしたことがなかったんですよ。だからそこが一番ネックでした。今も難しいんですけど。なかなか道具と一体になれないのがずっと課題です。
赤見:でも今、調子上がってますよね?常に決勝に乗っている印象です。
小坂:お陰様で、今いいですね。体がタフになって来たなとは思うんです。練習の量をこなせるようになってきて、それが競走に繋がって少し楽になってきたのかなと。まだまだ及ばないところも多いんですけど。
赤見:なるほど。あとは自転車との付き合い方が課題というわけですね。
小坂:そこが一番難しいです。力を上手く自転車に伝えられなくて。体一つだったら上手く行くのに、そこに物が入ることによってどこかに逃げてしまう感覚があるんです。それをもっと伝えられればいいんですけどね。
赤見:ガールズは後輩選手もたくさん増えました。現状はいかがですか?
小坂:年々レベルが上がって来て、それに適応できなかったらすぐに成績が落ちてしまうので、危機感をもってやってます。適応能力は常に高めていきたいですね。
赤見:その中で成績を上げていっているのがすごいと思うんですけど、モチベーションを保つのは難しくないですか?
小坂:オフシーズンなしでやっているので、普段からオンとオフの切り替えは意識してするようにしています。オフの時は飲みに行ってパ~っとという感じです(笑)。
赤見:あだ名が「アッコ」って聞いたんですけど、知子さんなのにアッコなんですか?
小坂:足のサイズが大きいので、和田さんからきているんです(笑)。高校の頃からずっと呼ばれてますね。サイズは26.5か27くらいです。その分、もっと身長も欲しかったんですけど。
赤見:足が大きいのは遺伝ですか?
小坂:母はそうでもないですし、父と同じくらいです(笑)。
赤見:今の目標を教えてください。
小坂:とにかく優勝したいです!あと一歩のところまで来れている感じはするんですけど、近くて遠いですね。優勝は大きいので、まずは1つ勝ちたいです。
赤見:では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
小坂:2,3着絡めてぜひ車券を買ってください!
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※インタビュー / 赤見千尋
※写真提供:公益財団法人 JKA