
渡辺篤が念願のグレード初制覇
濡れ走路の準決勝戦で2着になったレース後、「伊勢崎では良走路だとエンジン合わないことが多い」と語っていた渡辺篤にとって、決勝戦の数時間前に降ったひと雨、天も味方したか。渡辺篤が初のグレードタイトルを獲得した。
決戦の火蓋が切られると、10線の最内枠から先行した石本圭耶が1周目から2周目にかけて、単独0ハン金山周平を退けて逃げ態勢に入った。その外へ追走する形を早々に作ったのは、松本康をスタート突っ張って好位置につけた渡辺篤。しばらくは併走の続いた両者が3周回4コーナーから直線へと立ち上がる際に、内側を走っていた石本の車がブレて、外を伸びきった渡辺篤が4周目には後続との差を10メートルほど付けて先頭へ立った。レース終盤は石本に再接近されたが首位は譲らずにゴール。デビュー15年目でついにグレード覇者への仲間入りを果たした。
3番手には平田雅崇が離れて続いていて、更にその後方では金子大輔・佐藤励・青山周平が何周にもわたり出入りの激しい競り合いを繰り広げ、7周目に頭ひとつ抜け出した佐藤励が8周目へ入る直線で平田を捲って3番手へ。残る1周で2番手の石本までも急速に差を詰めてみせた。あのメンバーとの三つ巴戦に勝てたことは、佐藤励の成長を改めて示すとともに、彼自身にとっての自信ともなるだろう。
文/鈴木
関口隆広がハンデの有利さを活かした
4日制の3日目に降り続けた雨は、最終日の第1レースを迎える頃にはすでに上がっていたが走路は湿ったまま。しかし陽射しが強まると乾きは早く、第11レースの決勝戦は良走路で実施できた。
しばらくのあいだ戦ってきたハンデ位置より10メートル軽くなって以降、成績が安定してきていた近況の関口隆広は、今節も2日目・3日目に連勝して優出。決勝戦では後ろと20メートルの差がある単独0ハンデに置かれて、試走タイムは7車の中で最も数字が大きかったが、やはり展開の有利さが評価されたのか、3連単・2連単のオッズは7枠の鈴木宏和に次ぐ支持を集めた。
レースが発走すると関口は軽やかに逃走。20線の最内枠からスタート先行した柴田健治は、早い周回に10メートルほど接近したが、そこからが差が縮まらない。残り2周あたりで逆に車間が開いたところを、追い上げてきた鈴木宏和が内から交わしたが、関口はセフティーリードを保ったまま1着ゴール。2021年7月ぶりとなる通算5度目の優勝を果たした。
文/鈴木
スピードで制する中村杏亮
同ハンの牧瀬嘉葵よりも先行力が高くて吉松憲治をスタート叩けそうな位置でもある西村龍太郎が展開をリードするか。20線は長田恭徳が内枠から先制しそうだが、道中のスピードは中村杏亮が優っており、仕掛けられる車間まで追いつけばパワーで交わせる。
牧瀬嘉葵はスタートに弱点を抱えているが消音ミッドナイトでは出足の甘さが軽減する傾向があり、過去1年間のミッド優出時は好成績を残しているので、20線勢の追撃を受ける前に態勢を作れれば一発ある。
◎ 5 中村杏亮
○ 2 西村龍太郎
△ 4 長田恭徳
▲ 1 吉松憲治
穴 3 牧瀬嘉葵
おすすめの買い目
5=2-413
穴なら
3=4-251
文/鈴木
青山周平が大会V4へ
今節の良走路2走とも安定して速いタイムで走れている青山周平。2日目のタイムを上回られた荒尾聡の姿は決勝戦にはなく、3日目に後塵を拝した金山周平とはハンデ差が10メートル詰まっており、今度は負けまい。
SG初制覇するなど今期の勢い高い佐藤励が力走しそうだが、佐藤励より実績と総合力の優る金子大輔がひとつ内の枠であるのは有利であり、8周戦の長丁場を着実に捌いて番手を上げてこよう。
雨ながら準決勝戦の瞬発力が光った渡辺篤が、決勝戦は内寄りの好枠で戦えることもあり注意を払いたい。
◎ 8 青山周平
○ 6 金子大輔
△ 7 佐藤励
▲ 5 平田雅崇
× 3 渡辺篤
おすすめの買い目
8-6=753
穴なら
3=8-765
文/鈴木