地の利を生かしたい地元山陽レーサーたち
おおむね春先と秋季の年2回ペースで開催されている『G1プレミアムカップ』は、毎年末に開催されているSG『スーパースター王座決定戦』のトライアル出場に必要なポイントを獲得できる機会でもあるので、数多くのグレードレースの中で唯一『特別G1』と冠されている。
4月から全国ランキングS1に返り咲く青山周平は、大会初制覇した2020年の7回前から昨年の前回まで1回おきに優勝してきて、現在は通算4V。このめぐり合わせに従うなら今回は優勝する番ではないが、そんなジンクスを跳ね飛ばすか。
伊勢崎車は新井恵匠が今月3日に山陽ミッドナイトG2を制覇。昨年12月の山陽デイレースG1では高橋貢が、先月の山陽デイレースG2では松本康が優出している。
16日に終了した浜松デイレースで、現S1の鈴木圭一郎は準優勝、金子大輔は優出ならず。ただ走路改修後の山陽では両車とも上位着順を並べられている。
浜松車は山陽新走路の経験者が少なく、鈴木宏和が山陽デイレースG2若獅子杯に優出、渡辺篤はミッドナイトのみ3節に出走して1度優出し、最高タイム本走3.323秒と猛スピードを披露した。
A級勢はS級勢ほど速いタイムを山陽で出せていないが、花田一輝と栗原佳祐のエンジンが右肩上がりで上昇中。
川口勢も山陽新走路の経験者は多くないが、黒川京介は先月にG2若獅子杯を優勝。ただ、その後に出場した川口G1開設記念グランプリの4日目準決勝戦・最終日5日目はいずれも大敗。プレミアムカップのあとにも4月に山陽G1、飯塚SGと大舞台が続くだけに、勢いを取り戻したいところだ。
上和田拓海は新走路こけら落としの昨年12月山陽ナイター開催でいきなり優出2着。その後も3節に出場して昼夜を問わず好走できている。泉田修佑はG2若獅子杯に優出。その前は1月中旬の山陽ミッドナイト2節で8連勝・2優出・1Vと大活躍した。両名ともエンジンや車を適応させるコツを掴めているのは他者より有利なポイントとなろう。
上和田に加えて大木光と小林瑞季も先週16日の山陽ミッドナイトに優出した。大木はゴール通過は5着だったが、優勝した丹村飛竜とレース前半は競り合えていたので車の状態は良いし山陽走路にも合わせられている。
飯塚車はなんといっても荒尾聡が、直近の前回春季に開催された昨年の山陽プレミアムカップの覇者である。同決勝には篠原睦も優出した。
翌4月の山陽『令和グランドチャンピオンカップ』においては中村杏亮が自身初めてのG1制覇。中村杏は先月の山陽デイレース若獅子杯5日間では車券がらみゼロに終わった。同開催では長田稚也が予選中に速い本走タイムを連発。
岩見貴史と滝下隼平は過去1年の山陽においてはデイレースより夜開催の方が好成績を残しているが、出場機会が多いだけに活用できる整備データ量は豊富なはず。
有吉辰也は昨年の山陽プレミアムカップは優出を逸したものの5日間すべて3着以内に入り、さすがの安定感を見せた。直近の山陽出場は先月のナイター開催を優勝している。
平成の後半から山陽で開催される頻度が上がっているこのプレミアムカップ、実は山陽車は開催レース場に関わらず久しく優勝できていない。今回の参加予定15名の中で優勝歴を持つのは2008年の佐々木啓ひとりにとどまる。
近年の地元2枚看板といえる松尾啓史と丹村飛竜の近況の状態が良さそうなうえ、SGタイトルV5の岡部聡と丸山智史のエンジンが昇り調子、山本将之・古城龍之介・松尾彩の若手がここ数カ月に成長を見せており、令和最初のプレミアムカップウイナーを開催地の山陽から生み出せるか注目したい。
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主な出場予定選手
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【地元山陽】
松尾 啓史〔山陽 S-16(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-25(29期)〕
山本 将之〔山陽 A-6(33期)〕
松尾 彩〔山陽 A-38(34期)〕
【遠征車】
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
金子 大輔〔浜松 S-3(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-10(27期)〕
永井 大介〔川口 S-12(25期)〕
黒川 京介〔川口 S-20(33期)〕
文/鈴木