地元若手勢が急成長中!
今回は、直前にプレミアムカップが行われていた関係で、S級とA級上位の選手は不在。A級とB級による戦いとなるが、好調な選手が数人おり、その選手たちがシリーズの中心になりそう。もちろん他の選手にも優勝の機会は十分ある。
最も好調なのは渡辺篤と鈴木宏和。渡辺は前回の地元開催で優勝。それも、優勝戦では全国ランク1位の鈴木圭一郎を振り切っての白星。試走31、上がり383は、この時期にしては素晴らしい好タイム。4日間開催でオール連対だったのも好調を印象付ける内容。今節の初日に41歳の誕生日を迎えるが、オートレーサーとしては若手の部類の31期生。ロードレースで培った地盤を基に、これからも飛躍を続けていきそうだ。鈴木宏は前走の川口一般開催で嬉しい初優勝を決めてきた。10線からのレースになった優勝戦では、0ハン5車を一気に交わすスタートを見せ、その後は独走での優勝となった。軽量を生かしたスタート力は全国区。独走力にやや課題があったが、この優勝で克服した印象。スタート力と独走力、大舞台で活躍するために必要な要素が備わってきた。
鈴木宏が乗っていた優勝戦には山脇孝志も出ていた。独走で持ち味を出せる選手なので、早めに先頭に立てそうな展開なら狙ってみたい。他に地元勢では、下平佳輝、斎藤正悟あたりも前走の川口で活躍していた。岡谷美由紀は前走の山陽GIIでは白星1つに、2着と3着が1本ずつ。着実に力を付けてきている。
外来では山陽勢がやや好調車が多い。今回、来場するランクトップは藤岡一樹だが、未だに軽いスランプから脱出できていない。本来なら爆発的スピードを武器に圧勝を見せるケースが多いが、近況は全く元気がない。伊勢崎のGIIで2勝を挙げた山下知秀は復調ムード。スタート力に裏づけされた速攻が魅力。別府末彦や畦坪孝雄もエンジン的には好調の部類。
山陽のGIIで完全優勝を決めた片岡賢児は、その後の川口では凡走が続いた。ハンデ変動が響いた可能性はあるが、山陽の時の動きを取り戻すと怖い存在になり得る。飯塚勢では川端孝が動き上々。試走タイムは出ない傾向あるが、本走ではインを渋太く乗るケースが目立つ。
浜松の新人達は、ゆるやかに成長している印象。落合巧は試走45が出るようになったし、花田一輝と金田悠伽は試走46が出ていた。交川陽子は試走58と、やや壁に当たっているが、まだまだこれからいくらでも成長する余地はある。
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主な出場予定選手
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渡辺 篤〔浜松 A-58(31期)〕
仲口 武志〔浜松 A-63(24期)〕
辰巳 裕樹〔浜松 A-75(31期)〕
鈴木 宏和〔浜松 A-81(32期)〕
福田 勝則〔伊勢崎 A-64(24期)〕
中山 光〔川口 A-88(32期)〕
藤岡 一樹〔山陽 A-59(29期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-137(28期)〕
永井大介が7度目のプレミアムカップV!
飯塚オートで行われていた特別GIプレミアムカップは、川口の永井大介が制した。これでプレミアムカップは7回目の制覇。プレミアム男の称号は永井の物だ。
試走では後ろの鈴木圭一郎に詰め寄られる気配があった永井。数字も永井の31に対し鈴木は30。エンジンは鈴木の方が良かった。ちなみに、試走一番時計は金子大輔の29。青山周平と松尾啓史が30。岩崎亮一が31、中村雅人が32、穴見和正が大きく数字を落とし37。
スタートは3枠から永井が飛び出す。最内の青山が2番手奪取し、4枠の鈴木は3番手発進。岩崎が4番手に付け、5枠から外の選手は厳しい展開になった。
永井はマイペースの逃げに入る。最初に動きがあったのは、3番手の鈴木が青山のインに突っ込んだところ。これが綺麗にに決まった。青山はすぐに差し返しを狙うが仕掛けるまではいかなかった。その後は5周を残して永井と鈴木の一騎打ち。鈴木は慌てることなく冷静にタイミングを計っていた。しっかりと態勢を作ると永井のインに突っ込んでいく。ハラむことなく回って行くと鈴木が首位に立った。しかし、その1周後に永井が鈴木を差し返しに行く。やや強引とも思える突っ込みだったが、綺麗にクルっと回って行った。その後は鈴木に付け入る隙を与えずゴール。
爆発的なスピードが武器の永井。しかし、スタート決めてブッチ切りのレースが多かったのは以前のこと。今では多彩な技量を身に付け、エンジン状態にあった走りができている。今回の準決では、先頭を走っててもペースが上がらないとみるや、後続に抜かれない走りにシフトしていた。優勝戦ではエンジンが上向き、本来の大きなコース取りができていた。エンジンでは負けていた鈴木に対しても、落ち着いて対処していた。結果的に総合力が増している。近年は若手の台頭著しいが、まだまだ永井が素晴らしい走りを披露してくれる。
鈴木圭一郎がプレミアムカップ初Vへ!
飯塚で行われている特別GIプレミアムカップも優勝戦のメンバーが出揃った。初日は重走路、2日目は不安定走路から始まって良に回復。3日目と4日目は良走路のもとレースが行われた。準決を軽く振り返る。
9R...好スタート切った永井大介が押し切る。ブッチ切りと言うよりは、なんとか逃げ粘った印象。後続が競り合っていた事が有利に作用していた。2番手は岩見貴史が付けていたが、中村雅人が吉原恭佑との競り合いを制し、ゴール前で岩見を交わし優出確保。
10R...浦田信輔が速攻で主導権を握る。しかし、青山周平が終始マーク追走からイン突っ込む。金子大輔は有吉辰也を攻略し、更には浦田のインに強引に突っ込み2番手奪取。
11R...トップスタートを切ったのは佐藤貴也だったが、2番手発進の鈴木圭一郎が2周1コーナーでイン突っ込む。少々ハラみ気味ながらも上手く回りハナに立つ。松尾啓史は佐藤を捲って2番手に付け、そこからは人見剛志の猛攻を防いで2着入線。
12R...大波乱。まずスタートやや遅れた荒尾聡が1周バックで落車し、丹村飛竜と五所淳が巻き込まれ他落。トップスタートを切って逃げていた前田淳に伊藤信夫がピタリ追走していたが、早川清太郎が渾身の突っ込みを見せる。しかし、これが前田、伊藤を巻き込む落車となり、結果的に競争していた岩崎亮一と穴見和正が1、2着で入線。6車落車したので、3連単は不成立に。
優勝戦当日は曇りの予報が出ており、レースは良走路で行われそう。
ここまで順調に勝ち進んでる印象があるのは鈴木と青山。準決1着の上、4日間を全て連対で通過している。その両者の比較で言えば、鈴木の方がエンジン的に苦しくなさそう。永井は準決1着通過だが、コースを必死に守っての粘り勝ち。エンジン的には上積みが必要な状態。むしろ同じレースの中村の方が、道中の動きは良かった。しかし、中村はまだ完調時の捌きが戻っているとは言えない。レース運び巧い金子と松尾は、エンジン的にもう少し伸びが欲しいか。準決12Rで恵まれて優出となった岩崎と穴見は、このメンバーになると更に厳しい戦いになりそう。
スタートは永井、鈴木、青山の3者で先行争い。鈴木が行けば、快速を武器にそのまま押し切れそう。青山が行った場合はインコースが厳しくなりそう。永井が行った場合もコースを守る走りで後続は渋滞か。中村、松尾、金子の3者は、序盤争いは厳しくなりそうだが、8周戦になるのは好材料。
現在の充実度から鈴木を本命に推す。スタート行けば、そのまま逃げ切り。仮に3~4番手発進になっても追い上げて行けるアシはある。一番、展開に左右されにくいのは鈴木だ。
相手は永井と青山。どちらもスタート決めての粘り込みに期待。大舞台での勝ち方を知っており、勝利へ最短の方法を選択するハズ。追い込みで注目は中村。スタート行けなくとも怒涛の攻めを見せてきそう。最後に松尾。記念のタイトルは少ないが、エンジンが良いときは冷静な走りで上位勢を脅かす存在になり得る。
◎鈴木圭一郎
○永井大介
△青山周平
△中村雅人
▲松尾啓史
SSへ向け、プレミアムカップ開幕!
1年に2回開催される特別GIプレミアムカップ。優勝戦で3着までに入ると、その着順に応じて年末のスーパースター王座決定戦への出場ポイントが加算される。有力どころで、まだポイントを重ねられていない選手は、ここぞとばかりに奮起しそうだ。
今回、戦いの地となるのは飯塚オート。一時期はエースがころころと変わっていたが、ここ最近は浦田信輔がトップとして君臨している。エンジンを高い位置で保ち、レース道中で強烈な攻めを見せ続けている。近況のエンジンは、やや一息感があるが、それでも乗り手の腕でカバーできている。今回も地元勢を引っ張っていく頼もしいリーダーとして存在感を示しそうだ。
2番手の荒尾聡も状態はマズマズ。前走の伊勢崎GIIの準決では反則してしまったが、そこまでの3日間は動きが良かった。今回は地元なので整備はやりやすく、いつも以上の力を発揮してくるか。篠原睦と田中茂の26期コンビは、機力が上々。ともに前走の山陽GIIで優出している。走りのタイプは対照的で、篠原は鋭いスタートからの速攻タイプ、田中は厳しい差しを駆使しての追い込みタイプだ。また、A級ではあるが、東小野正道が前走の地元開催で久々の優勝を決めた。SGの裏開催で、メンバーが軽かったのはあるが、優勝という結果を残しての参戦は乗り手の士気高揚につながる。
伊勢崎勢は好調な選手が多い。伊勢崎でランクトップは青山周平。前走の地元GIIでは優勝戦まで進めたものの3着止まりだった。しかし、シリーズ中は、全て車券に絡む活躍を見せていたように、エンジン面は問題ない。飯塚バンクは今年、GIダイヤモンドカップを連覇した相性のいい走路。初日から強烈な走りを披露してくれそう。2番手は高橋貢だが、今回は公傷のため、直前になって不参加となってしまった。地元GIIで優勝し、初めての記念制覇となったのは栗原俊介。まだ若手の部類で、これから更なる成長を見せそうだ。他には、吉原恭佑、三浦康平、岩沼靖郎らも優出しており、状態が良いままでの参戦となる。逆に、早川清太郎は地元のGIIでイマイチに終わってしまったが、今回で巻き返しを図りたい。
全国ランク1位を擁する浜松勢も動きは活発。鈴木圭一郎は前走の地元で準優勝。優勝は渡辺篤に持って行かれたが、準決までは7連勝の快進撃を見せていた。もちろん前々走では優勝しており、エンジンは仕上がってると言える。金子大輔は前走の伊勢崎GIIの予選で強烈なタイムをマークしていた。準決はフライングをしてしまい、勝ち上がり権利を失ってしまったが、長欠復帰後は徐々に調子が上向き、今や完全に元の走りを取り戻している。その同期の佐藤貴也は、前走の地元開催で優出。状態は悪くない。前回、山陽で行われたプレミアムカップを制しており、今回は連覇がかかっている。実力者・木村武之は近況一息。早めの立て直しが期待される。A級では中村友和が全国区の仲間入りを果たしている。元々持っていたスピードに、課題とされていたスタート力もだいぶ克服され、総合的にパワーアップしている。
川口勢は、ランクトップの中村雅人が元気ない。今年は療養する期間が多く、思うようなレース間隔で走れていないのが一因と思われる。前走の伊勢崎GIIでも初日こそ白星を挙げたが、それ以降はさっぱりだった。すぐにかつてのような走りは戻らないかもしれないが、徐々に復調することを願いたい。2番手の永井大介は近況好調。前走の地元開催でも優勝を決めている。いい時のパワーが戻っており、得意のカマシが決まっている。オープン戦も得意で、今回も優勝戦へ向け気合は満点だろう。その同期の若井友和も調子は上向き。前走の伊勢崎GIIで優勝戦まで進出している。他では大木光も上昇ムード。イン攻めに迫力が出ており、試走で並のタイムが出れば健闘できるだろう。
最後に山陽地区。ちょっと前まではS級陣の動きが重かったが、ここにきて調子を上げてきた選手が何人かいる。その筆頭は人見剛志で、前走の地元開催で優勝している。それも4日間シリーズでオール連対の好成績。今年前半の好調が戻ってきたかのような軽やかな走りを披露している。その優勝戦には松尾啓史、佐々木啓も乗っていた。松尾は優勝戦5着だったが、そこまでの3走で全て1着。佐々木も持ち味の安定感が出てきた。前々走の山陽GIIで優勝戦に乗っていた浜野淳や岩崎亮一らも大舞台には強いタイプで、オープン戦では爆発的スタートからの一気攻めを決めることも多い。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-8(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-11(27期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
中村 雅人〔川口 S-4(28期)〕
永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-12(26期)〕
人見 剛志〔山陽 S-26(28期)〕
優勝争いは難解、外来勢に勢いがあるか!
この開催の直後に特別GIプレミアムカップが控えている関係で、今回はS級とA級上位の選手達は不在。A級中堅以下とB級による戦いとなる。近況、突き抜けて調子が良いのは飯塚の片岡賢児。それ以外では、そこまで調子の良い選手はいないので、誰にでも優勝のチャンスが訪れる。
今回出場する地元のランクトップは掛川和人だが、調子としてはイマイチ。前走の山陽GIIでも結果を出せなかったが、ひどい状態と言う訳ではなく、今回のような一般開催、特に主力陣がいないようなケースなら善戦できるかも。ランク次位は山際真介。こちらはマズマズの状態で、スピードに乗った捲りに期待できる。3番手は益春菜。今年の5月に復帰してからは3回の優出があるように、順調な回復を見せている。スタート、スピードともに、今回のメンバーなら上位級だ。他では、スピードある武藤博臣や、ハンデ位置を生かしての速攻がある谷島俊行あたりが見せ場を作りそう。
対する外来は、先述の通り片岡賢児が絶好調。前走の山陽GIIで全て1着の完全優勝を達成した。約20年ぶりの記念優勝となった。走路が山陽から川口に変わるが、乗り手のリズムは最高潮の状態で乗り込んで来れる。このまま連勝を延ばしていくか。
その山陽GIIの優勝戦に乗っていたのは満村陽司。その後の地元一般開催では振るわなかったが、試走タイムは出ており、エンジン自体は高い位置にあるとみていい。他に山陽勢では西村義正も状態マズマズ。川口走路は2003年にGIキューポラ杯争奪戦を制した相性のいいバンク。混戦でのレース運びに熟年の技が垣間見える。
浜松勢はスピード派の山浦博幸に、速攻タイプの鈴木静二が主力として参戦。斎藤正悟や今田真輔らもエンジンが上向いており、上位争いに参加できる状態。B級ではあるが、山脇孝志も独走に入れる展開なら連対できる仕上がりにある。伊勢崎勢は佐久間健光や大月渉、木村享平らが軽やかな動きを見せている。飯塚勢は、片岡の他に、ゆるやかな成長を見せている高宗良次や、シリーズ間に1、2本は1着を取れる決め手がある田島敏徳らに注目したい。
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主な出場予定選手
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掛川 和人〔川口 A-60(22期)〕
山際 真介〔川口 A-61(26期)〕
益 春菜〔川口 A-68(32期)〕
山浦 博幸〔浜松 A-69(29期)〕
谷川 一貴〔伊勢崎 A-79(23期)〕
高宗 良次〔飯塚 A-95(32期)〕
片岡 賢児〔飯塚 A-176(21期)〕
満村 陽司〔山陽 A-129(26期)〕