王者の留守は早川清太郎に任せる!
絶対王者・高橋貢は浜松のGIに出ているので今回は不参加。地元のS級は早川清太郎のみで、その責任は重大。外来は船橋勢が強力で、山陽勢もS級4人参戦と攻勢は整っている。
早川は前走の地元3日間で完全Vを達成。課題のスタートも優勝戦ではよく切れていた。レースの間隔も空いていないので、今回もハイレベルな走りに期待できる。船橋の中村雅人も、前走の地元3日間開催で完全Vを果たした。予選中は晴れ走路、優勝戦は重走路と天候に左右されない強さがある。もちろんエンジン自体もかなりの仕上がりを見せている。走法的に追い込み型で、早川とは同タイプ。2人が同じレースになったら激しい競り合いを見せてくれそう。この2人がシリーズの核になる。
中村を慕う鈴木圭一郎も優勝候補に挙げられる。エンジンは常に高い位置で維持し、道中の捌きも良くなっている。スタートに関しては強豪相手でも先行できるセンスがある。順当に行けば優勝戦までは駒を進めるハズ。内山高秀も状態は悪くない。近況はエンジンが完調まで仕上がることは少ないが、今回のメンバーなら十分戦える動きはある。
山陽のランクトップは前田淳。前走の飯塚では準決だけ6着で、それ以外の2日間は1着だった。状態はマズマズと言えるだろう。伊勢崎との相性も悪くない。試走タイムが出ない時でも狙える貴重な選手だ。同期の角南一如は上り調子。前走の飯塚では準優勝だった。予選、準決も連に絡んでおり、節を通してオール連対の好内容。冬場になるほどタイヤが走路に食いつきだすので、角南のように捲りを多用する選手は冬場の方が好成績を残す傾向がある。西村龍太郎も近況は仕上がり上々。前走の川口でもしっかり優出し7着。ここ数ヶ月は良い走りを見せている。松尾啓史はやや低迷中。持ち味の落ち着いた捌きが発揮されていない。
A級で期待したいのは栗原俊介と高石光将。共に前走で優出している。2人ともスピード自体はかなりのモノがあり、高石は逃げる展開になれば連絡みでき、栗原はスタートを含めて序盤の位置取りを間違えなければ爆発的な走りを披露できる。
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主な出場予定選手
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早川 清太郎〔伊勢崎 S-22(29期)〕
中村 雅人〔船橋 S-2(28期)〕
鈴木 圭一郎〔船橋 S-15(32期)〕
内山 高秀〔船橋 S-19(26期)〕
前田 淳〔山陽 S-13(27期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-23(26期)〕
西村 龍太郎〔山陽 S-32(25期)〕
角南 一如〔山陽 S-45(27期)〕
金子大輔が地元GI初制覇!
浜松のGI第57回秋のスピード王決定戦は、木村武之との競り合いを制して金子が優勝。今期からナンバー1勝負服になり、その重責に打ち勝っての価値ある勝利。優勝インタビューでは人目もはばからず号泣した。いつもクールな金子には珍しいシーンだった。
0メートルオープンのスタート争いは、2枠から木村が飛び出した。金子も2番手に出ると、序盤から一騎打ちの状態に。木村は後ろに金子の気配を感じたのか、早々とインを締めて走る作戦に。金子が何度も仕掛ける仕草を見せる。インから入れないとみたのか、今度は車を外に持ち出した。何度目かのアタックでついに捲り切る。その後は後続を離す一方のブッチ切りレース。上がりも3・368と文句のないタイムだった。
人気の一角に推された高橋貢は、スタートで遅れて5番手発進。厳しい展開になったが、そこから巻き返し最後には3着で入線した。久門徹も食らい付いたが4着一杯。西原智昭、笠木美孝、五十嵐一夫、渡辺篤にいたっては見せ場を作れなかった。
金子は今期から全国ランク1位になり、初めての地元記念レース。本当にナンバー1に相応しい選手なのか、ファンの間からの疑念も多少はあっただろう。そのプレッシャーはかなりのモノだったと推測される。下手なレースはできない。2日目までは苦しいレース内容だった。しかし、そこから見事、車を立て直し、優勝戦では最高のパフォーマンスを見せてくれた。ナンバー1である事をもう誰も疑わない。これからも強い「金子」を見せ続けて欲しい。