S級不在だが、バトルは熱を帯びる!
直前に伊勢崎でSGが開催されていた関係で、今シリーズはS級選手が不在。A級とB級のみでの戦いとなる。近況好調で、優勝争いに参加してきそうな選手や注目選手を挙げていく。まずは地元勢から。
ランク筆頭は藤川幸宏。前節の初日に落車してしまい、その後の走りにも影響が感じられた。今回参戦する地元の中でも、上位の存在なので早々に立て直しを図りたい。ランク次位は井村淳一。前走は地元のGIだった。2、2、1着で勝ち上がったが肝心の準決で7着になってしまった。それでも最終日は2着を取っていたので、エンジン的にはマズマズと言える。井村の特徴としては爆発力あるスピード。スタートを含めレース序盤にやや不安を残すが、それを補って余りある車速が武器。同じ大会で活躍していたのは31期の森本優佑。GIの大舞台で準決1着。見事優出を決めた。まだ、捌きが甘く、逃げるレースでの活躍が多いが、31期の中ではデビュー後の成長が遅かった方なので近況の急成長は楽しみ。優勝戦までは進んでないが、松尾学も同じ大会で活躍していた。5日間で4着以下は1回もなく、連日掲示板に乗っていた。ここ何節もエンジンは良いところで安定している。今回のようなメンバーなら、十分優勝戦まで進める状態にある。
外来で有力なのは船橋の鈴木聡太。前走が地元開催で優出し5着。エンジン状態が上向いてきている。ただし、その優勝戦でフライングをしているので、スタートに関してはやや慎重になる可能性がある。同じ地区の佐藤正人もエンジン状態はマズマズ。ハンデ位置も魅力だし、スタート力もあるので速攻に期待。
浜松の桜井厚志も近況は動きが活発。前走は5日間でオール掲示板。つまり4着以下はなかった。更に言えば、準決1着で優勝戦も2着。準優勝の内容だった。まだ若く、勢いに乗ると手が付けられなくなる事もあるので、今節は初日から注意したい。同じ地区では松山茂靖が良くなってきた。今の車に乗り替わった当初は全く動かなかったが、何節か調整を続けているうちにだいぶ戦える仕上がりになってきた。スタート一気からの速攻も得意だ。また、岩科州もここ一番での鋭さには定評がある。前を走っている選手がコースを締めても、その狭いインに突っ込んで行ける強いハートを持っている。
伊勢崎の鈴木清市はここ何節も好調が続いている。前節の5日間開催では準決を2着で突破すると、優勝戦でも4着に入る健闘を見せた。調子の波が緩やかな選手で、今は好調時なので積極的に狙っていきたい。同地区では逃げ展開限定となるが、林稔哲も狙って面白い選手。また、技巧派の小林晃は試走タイムが出なくても、レースではインをしっかり回って結果を出せる数少ない選手。
山陽からは多数参戦。ランク上位は山下知秀だが、近況元気が良いのは池田康範。ハンデ位置が魅力なのもあるが、素早い飛び出しからの速攻が決まっている。ほかでは、まだまだ衰え知らずの小林啓二にも注目。今節はスピードレースよりも混戦になるケースが増えそうなので、持ち味の捌きが大いに発揮されそう。若手では丸山智史が最近は成長を見せている。エンジンが折り合えば、車券圏内に入ってこれる。
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主な出場予定選手
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藤川 幸宏〔飯塚 A-20(29期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-62(28期)〕
桜木 公和〔飯塚 A-69(24期)〕
山下 知秀〔山陽 A-45(28期)〕
岩科 州〔浜松 A-48(27期)〕
山際 真介〔川口 A-100(26期)〕
鈴木 聡太〔船橋 A-102(29期)〕
仲田 恵一朗〔伊勢崎 A-120(29期)〕
落ち着いたレース運びで永井大介が栄冠掴む!
SGオートレースグランプリの優勝戦は、船橋25期の永井大介が制した。試走タイムこそ青山周平の31に及ばぬ33の2番時計だったが、道中で冷静に追い込んで首位奪取。そのままゴールとなった。
0オープンのスタート争いは、最内に入った篠原睦が先行した。それに木村武之が続くかに見えたが、7枠からダッシュを決めた青山がカマシて行った。試走タイム36の篠原ではペース上がらず、早い段階で青山が差して行く。そこへ、中団を捌いていた永井がマークする形。態勢を見計らって永井が青山を捌いて行った。すかさず青山も反撃に出たが、これは時期尚早。攻め焦って永井の後輪に接触し、後退。自滅してしまった。失速した青山に代わって2番手に付けたのは木村。その後ろに久門徹が付けていたが、高橋貢の意地の追い込みを食らって後退。高橋が3番手に浮上した。
永井の勝因は落ち着いたレース運び。8枠からそれほど良いスタートは決まらなかったが、着実に追い込んで青山と一対一の形を作り、きっちり攻め込んで行った。試走タイムにして2ツ劣っていた永井だが、自分のエンジン状態をきちんと把握してレースを進めていた。やはり大舞台で培ってきた経験がなせる業だろう。まだまだ、SGの優勝回数は増えていくことだろう。
またしてもチャンスを逃してしまったのは青山。篠原を交わして先頭に立った時点で初制覇が決まったかに見えた。試走タイムは出ていたのだから、永井に交わされた後も落ち着いて乗れていれば再浮上の機会があったかもしれない。SG優勝戦の大事な所でミスが目立つ青山。だが、このままSG無冠でいるハズがない。これまでと今回の経験は次のSGに必ずつながる。永井がそうであったように、青山も一度SGを獲れば、ポンポンと勝てるようになるだろう。今後が楽しみなのは変わりない。
高橋はエンジンが劣勢ながらも、地元の期待には最低限応えたと思う。もう少しエンジンが仕上っていたら優勝争いに参加できただろう。完全復調の日も遠くない。意地という面では久門も見せ場を作った。エンジンさえ良ければ大舞台でも戦えることを再び思い出させてくれた。今シリーズを大いに盛り上げた滝下隼平も、スタートさえ安定してくれば今後の活躍の場が広がる。なにしろスピードがあるのは証明できたのだから。
スタート突き抜ける木村武之が独走態勢へ!
SGオートレースグランプリの準決はやや波乱があった。9Rで佐藤裕二と滝下隼平が先陣争いをしていると、後続から追い込んできた浦田信輔が金子大輔に接触し反則失格。そのまま佐藤と滝下が優出となった。その後のレースは比較的順当な決着となった。
優勝戦の枠番選択は久門徹、篠原睦、滝下隼平、木村武之、高橋貢、佐藤裕二、青山周平、永井大介の順だった。まず、久門が4枠を選び、篠原が1枠。滝下が2枠を選び、木村が3枠。その後は、5~8枠までは順番通りの選択になった。
今年絶好調の永井や、SG初優勝を狙う青山にとって、この枠はいかにも厳しい。位置的に有利なのは木村や久門、滝下か。地元期待の高橋は5枠なので、そこまで悪くはない。
当ブログの本命には木村を推す。準決は12Rでタイムが出やすい条件だったとは言え、素晴らしい上がり時計を出している。好枠を活かしてスタート先行し、後続を引き離すとみた。今シリーズの傾向として、レース後半の追い込みが利きにくい状況がある。レース前半で大きなリードを作り、そのままゴール。
相手は永井と青山。準決では道中厳しい位置取りからのレースを強いられたものの、驚異的な追い上げを見せ優出の切符を掴んだ。準決から優勝戦で2周延びるのは、枠的に厳しいこの2人にとって好材料。カマシ気味にスタート切るか、行けなくても道中で車群をすんなりと捌ければ優勝も十分ありうる。
高橋も地元開催なので気合は入っていることだろう。準決で見せた最終3コーナーの突っ込みは、地元の意地以外の何物でもない。スタートで遅れない事と、機力のアップが条件になるが、地元の声援を受けて王者復権もあるか。
他では近況充実している篠原。枠番選択2番目で1枠を選んだのは、絶対スタート切るという覚悟の表れ。また、スタートはやや不安残すものの、今シリーズのエンジン仕上がり良い滝下の大金星もあるか。
◎木村武之
○永井大介
△青山周平
△高橋貢
▲篠原睦