S級大挙参戦で、気候と共に白熱するバトル!
川口伝統のGI・キューポラ杯が今年も開催される。毎年、暑くなる時期に行われるこの大会は、さまざまなドラマを生んできた。上がる走路温度に、素早く対応できた選手に活躍の場が与えられる。今回も好調な選手が多数参戦で、どんな展開になるか。
S級選手中心に近況を追ってみる。まずは地元川口勢から。
最も調子が良いのは佐藤裕二。前走は山陽のGIだったが、しっかり優出し3着に入った。優勝戦でも諦めない走りで、4着どころから3着まで順位を上げていた。予選道中の動きも冴えていたので、今回は地元勢を引っ張っていく存在になりそう。同様に、前走の飯塚GIIで優出した平田雅崇にも注目。飯塚は元々所属していたロッカーとは言え、近況の軽いスランプを脱出するかのような走りを見せた。今までのぶんもこれから巻き返したいところだ。中野憲人は前走が伊勢崎一般開催だった。優出こそならなかったが、その前の山陽GIから動きは上々。鋭い追い込みを見せていた。大木光は前走の浜松で反則してしまったが、その後の2走は共に1着でまとめていた。
若井友和、森且行の25期コンビの前走は、共に船橋で2級車を駆っての戦いだった。エンジンは抽選で割り与えられたモノなので、本来の力を出すのは難しかったが、今回はいつもの1級車なので調子を取り戻してくるだろう。高橋義弘は、いい日もあれば良くない日もあり成績はムラだが、ずっと悪いわけではないので、いい日を安定して出せるようになれば上位に食い込める。山田達也、青木治親、鈴木清らはイマイチ調子が上がっていない。
地区で言えば山陽がやや熱い。佐々木啓は地元のGIで準優勝すると、その後の浜松一般開催でも優出した。近況はエンジンが安定しており、ほとんどの開催で優出している。岩崎亮一は前走の飯塚GIIで優勝。これが記念初制覇となった。これを足がかりに快進撃を見せてくれるかもしれない。前田淳の前走は浜松一般開催。しっかり優出し、雨の優勝戦で7着だった。藤岡一樹は多少の良化が見られたものの、まだ本領発揮には至っていない。
浜松から金子大輔と伊藤信夫が参戦。金子は前走の地元一般開催で優勝。そうそうたるメンバーを相手に、雨走路ではあったがしっかり勝ち切った。これが今年の初優勝だったのは意外だったが、ずっとエンジンが良くなかったので多少納得もいく。これから巻き返したいところ。伊藤の前走は飯塚GIIで、晴れ走路では上々の気配を見せていた。
伊勢崎からはS級は早川清太郎のみ。前走の飯塚GIIで優出すると、優勝戦でも3着に入った。地元でよく走っているナイター開催だったのも好材料にはなったと思うが、エンジン的にも良くなってきている。
船橋からはS級3車参戦。ランク筆頭は中村雅人。前走は地元で2級車に乗っての参戦だった。2級車でも、1級車と見間違える走りを見せ準優勝だった。優勝戦では前を走る永井大介がコースを締めなかったら優勝までありそうだった。再び1級車に乗り戻るが全く心配はないだろう。池田政和は前走が飯塚GII。船橋地区代表として優勝戦まで駒を進めた。優勝戦は雨で力を出し切れなかったが、晴れ走路ならば力強い走りができる。早船歩も同じGIIに参加していたが、動きとしてはパッとしなかった。
最後に飯塚地区。有吉辰也は復帰後、何節か走ったがまだ本来の動きは取り戻せていない様子。浦田信輔は船橋のプレミアムカップで優出し3着になった後、浜松の一般開催に参戦し優出。優勝戦は雨走路になってしまったが、予選道中の動きは悪くなかった。東小野正道や永冨高志らは、やや調子を欠いている状態か。
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主な出場予定選手
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若井 友和〔川口 S-15(25期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-18(24期)〕
森 且行〔川口 S-42(25期)〕
中村 雅人〔船橋 S-6(28期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-8(23期)〕
金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-19(29期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-20(23期)〕
通常開催に加え、32期新人がその頂点の座を争う!
今節は通常の勝ち上がりに加え、32期全員(ケガで欠場している選手を除く)が参戦し、同期の中でナンバー1を決める戦いも行われる。デビューから約1年。どんな選手がどのように成長したかを見るのも楽しみの一つになる。
まずは通常の戦いの中心選手を挙げていく。
地元ナンバー1は荒尾聡。今年に入ってからのスランプは完全には脱出していないが、前走のGIIでは準決以外のレースは良い走りを見せていた。もちろん完全復活とまでは言えないが、明らかに良化の兆しは出ており、今回あたりで復活の狼煙をあげそうだ。ランク2番手は篠原睦。前走は船橋一般開催で2級車を駆っての参戦だった。2級車時代のインパクトから活躍が見込まれたが、抽選で割り与えられたエンジンでは限界があったか。それでも5日間で4着以下は1回もなく、連日電光掲示板には載っていた。今回はいつもの1級車に乗り戻るので、いつもの活躍ができるだろう。田中茂はレース間隔がやや空き、前走は船橋のGIプレミアムカップだった。特殊な勝ち上がりで準決に乗れなかったが、エンジン的にはそれほど悪くなく、今回は地元の開催なので強烈な突っ込みを見せてくれるだろう。桝崎陽介は前走が山陽のGI。初日は1着だったものの、その後は日ごとにエンジン下降していった。竹谷隆は、いい時と比べるとエンジン足りない状態。整備での立て直しに期待がかかる。
外来のS級は2車のみ。浜松の佐藤貴也は地元の開催の準決で3着になってしまい優出は逃したが、エンジン的にはマズマズだった。岡部聡も優出こそないが、エンジンは堅調。ゴチャ付く展開になれば出番もあるだろう。
他にA級では、岩見貴史が前走の地元GIIで、準決こそ6着だったが、シリーズを通して1着が3本あったので状態は良い。滝下隼平は前走の浜松一般開催はイマイチだったが、その前の地元開催で優勝しているので、地元走路なら楽しみ。松尾隆広は前走の船橋一般開催で優出し、6着に入っている。浜松の鈴木静二は、地元の開催で優出しており昇り調子。
そして、32期新人戦の展望。
32期では未だ優勝を経験している選手はいなく、今回で必ず誰かが初優勝となるので、気合はいつも以上に入ってくるだろう。その初優勝に最も近い存在は、鈴木圭一郎、佐藤裕児、吉原恭佑あたり。この3人は通常の開催でも、いつ優勝してもおかしくない実力の持ち主たち。スタート、スピード共に同期の中では一歩抜け出した存在だ。
しかし、一筋縄ではいかないのがこの新人王決定戦。今までにも数多くの番狂わせがあった。前述の3人を脅かす存在として、松本やすし、鈴木宏和、益春菜が挙げられる。近況こそこの3人は調子を欠いているが、元々持っているセンス自体はかなり高いモノがあり、冷静に乗れれば優勝戦に名乗りを上げてこれる。更にここ数ヶ月で急成長を見せているのが、片野利沙や町田龍駿。若手は勢いも大事であり、節中を通しての流れも大事に掴んでおきたい。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-12(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-24(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-38(28期)〕
竹谷 隆〔飯塚 S-47(23期)〕
岡部 聡〔山陽 S-16(19期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-26(29期)〕
岩見 貴史〔飯塚 A-1(29期)〕