S級陣に圧倒的仕上がりの選手不在で波乱続出も!
突き抜けた存在が不在の今節は佐藤裕二(川口)、鈴木清(川口)がシリーズリーダーか。佐藤裕は直前の浜松遠征がイマイチだったが、その前の地元を含めて大崩はしてない印象。武器の速攻も冴えており、短ハンデ戦なれば更に威力が増す。鈴木清の方も直前の浜松遠征で優出し6着。エンジン的にはマズマズの推移を見せている。
8月に入ってからはパッとしない森且行(川口)だが、7月の動きは良かったので、その時の感覚を取り戻せれば好レースも必至。青木治親(川口)は勝ち切れないレースが続いており、本人も苦しんでいることだろう。加賀谷建明(川口)にしても持ち味の爆発力が影を潜め、復活の時を待っている状態。
むしろA級の中の方が、好調な選手がいる。一番はなんと言っても篠崎実(川口)。前節は雨走路の優勝戦で激戦を演じ、準優勝となった。晴れの動きもこのところは安定しており、乗り手の気力と共に総合力アップの要因となっている。牛沢和彦(川口)は直前の遠征ではイマイチだったが、地元ではこの夏季、充実した成績を残している。同じグループの吉田祐也(川口)は浜松遠征で優出し7着と上昇傾向。広瀬勝光(川口)もこのところ着がまとまっており善戦を期待できる状態。他には、山田徹(川口)、谷島俊行(川口)、掛川和人(川口)らに注目を。
外来勢はやや手薄だが、山陽から4人のS級が参戦。ランク最上位は角南一如(山陽)だが、この夏は船橋で準優勝があるものの、他では優出すらできていない状態。やはり夏場の熱走路で、得意の捲りが決まりにくい状況にあるのが成績不振の要因か。当日の走路温度には注意を払いたいところ。逆に、岩崎亮一(山陽)は直前の伊勢崎GⅠでは、マズマズの動きを示していた。突然の雨にも対応できる柔軟性はこの時期強い味方になる。他にS級の、佐々木啓(山陽)、小林啓二(山陽)はマシンのセッティングに苦しんでいる模様。
船橋勢は谷津圭治(船橋)が、ちょっと前調子が上向きかけたが、近況はやや下降。ハンデ位置が魅力の佐藤正人(船橋)の方が期待できる状態か。飯塚からは田中茂(飯塚)が参戦するが、近況は全く良くない。かつての強引とも思える仕掛けができていない。しかし、いつまでもこの状態が続くとは思えないので、調子を取り戻すその瞬間を狙い撃ちしたい。
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主な出場予定選手
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佐藤 裕二〔川口 S-27(24期)〕
鈴木 清〔川口 S-28(23期)〕
森 且行〔川口 S-31(25期)〕
青木 治親〔川口 S-38(29期)〕
田中 茂〔飯塚 S-13(26期)〕
角南 一如〔山陽 S-14(27期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-16(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-24(23期)〕
ムーンライトチャンピオンカップの優勝戦は天候が不安視されていたが、大方の予報通り雨走路でのレースとなった。
0ハンのスタート争いは金山周平、阿部仁志が飛び出し湯浅浩がやや遅れる展開。しかし、すぐに湯浅が立て直して先頭に立った。10線から素早く抜け出してきた青山周平が湯浅を抜くのにやや手間取っているところを永井と有吉が交わして抜け出す。その後は、永井と有吉のデットヒート。僅かに永井が有吉を振り切って栄冠を手に入れた。
永井と有吉といえば、過去に大きな開催で何度も激戦を演じてきた。オープン戦なら有吉が飛び出し、永井が追いかける。SGの優勝戦はそんなシーンが多々あった。今回は逃げる永井を有吉がピタリとマークする展開。いつもとは違ったが、更にいつもとは違う状況に3番手に追走していた青山の存在がある。
まだそんなに経験の少ない伊勢崎の雨走路に加えてナイター開催。条件としては不利と言えるが、流石のセンスを発揮して3着。25期と同じくらいのオート選手歴があれば、もう少し戦えた事は間違いない。今後どのように成長していくのか。オートファンなら目が離せないところだ。
もちろん優勝した永井も凄かった。雨走路はその湿り方によってコース取りが難しいと言われているが、いち早く使えるコースを見つけ、そこをしっかり走れる技量は来期S1の名に相応しい。永井の最大の強みはそのスピード。エンジン状態がみな同じなら、スピードは全国一と言っても異論を唱える人は少ないだろう。更に、その圧倒的なスピードが目に付くためあまり周りから意識されにくい状況にあるが、スタートもかなりの巧者である。走路状況によって力が発揮されないという弱みもない。
初めてS1の名誉を手に入れた永井に、若手成長株筆頭の青山。しばらくオートレースはこの2人を中心に回っていくに違いない。