今回のクローズアップは元高校教師の交川選手です。デビューから4年目を迎え着実に成長の一途をたどっています。ここまでの選手生活やプライベートな質問にも答えて頂きました。10月14日から始まる山陽オート若獅子杯争奪戦出場への意気込みもお聞きしました。
インタビュー / 内野久照
内野:選手になるきっかけは?
交川:佐藤摩弥選手(川口:31期)の特集をTVで拝見した事がきっかけです。女性で綺麗な方が、男女関係なく戦っている姿を格好いいなと思いました。オートの知識は無く、見た事も無い私でしたが「よしっ!これだ」と勝手に思って受験しました。
内野:前職は何をされていましたか?
交川:高校の保健体育の教師です。
小学校から大学まで柔道をしてました。勤務していた高校では柔道部を任され、部員の指導に当たっておりました。指導者としてのやりがいはありましたが、心のどこかに競技選手として続けたいという気持ち「モヤモヤ」が残ったままだったので、自ら何かやりたいと思いチャレンジする事を決めました。
内野:柔道から学んだ事は?
交川:競技者としては約15年間やっていました。指導者としてもたくさん学ばせて頂きました。学んだ事、大切な事は「あきらめない気持ち」です。
くじけそうになってもこの気持ちさえあれば乗り越えられると信じています。
内野:いろいろな事を聞いていきますね。
交川:はい、大丈夫です。
内野:犬派、猫派どっち?
交川:犬ですね。
内野:好きな男性のタイプは?
交川:爽やかで包容力がある人です。一緒に居てお互いを高め合える人がいいです。
内野:芸能人ではどなたですか?
交川:好きなは役者さんは妻夫木聡さんです。見るからに優しそうですよね。
内野:好きな花は?
交川:ひまわりです。亡くなった母が好きでした。お母さんが笑っている感じがして...。
すごく前向きな人でした。ひまわりを見ると「明るく前を向いて行こう」と思います。
内野:好きな果物はなんですか?
交川:桃が好きですね。基本、果物は全部好きですよ。メロンもスイカもぶどうも大好きです。
内野:好きな野菜、嫌いな野菜を教えて下さい。
交川:野菜もほぼ全部大好きですが、パクチーだけはダメでした。パクチーブームの時にパクチーの食べ放題に行きました。流行に乗って行ったのですが口に合わなかったです(涙)。
内野:マイブームは?
交川:妹がサーフィンを始めました。時間があったらサーフィンに行きたい。趣味にしたいですね。
内野:家でのトレーニングは?
交川:主に体幹とバランスを鍛えること。それと有酸素運動です。
内野:一番のリフレッシュは?
交川:開催終了後のレモンハイです。疲れが吹っ飛びますね。
内野:京都出身ということで、おすすめスポットを紹介して下さい。
交川:夏限定の川床(5月頃から9月頃まで)。鴨川沿いがおすすめです。何があるわけではないけど好きな場所です。夏の風を感じながら京都を味わって下さい。
内野:教師を辞めた時の事をお聞かせください。
交川:学校を辞めるとき大変でした。生徒はもちろん先生達に凄く迷惑を掛けました。
夏休みだったので色んな人におわびに行きました。泣きながら応援してくれた生徒もいました。
自分の都合で辞めることになって申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
養成所でしんどかったときに生徒にもらった手紙に励まされました。嬉しくて、涙が止まりませんでした。
「くよくよしても始まらない。頑張らないと」と思い、養成所の卒業に向けてまた一歩ずつ進みました。
内野:卒業検定は怪我で遅れたのですか?
交川:指の怪我があり検定が遅れ、焦りしかなかったです。
高橋(伊勢崎33期:高橋絵莉子選手)、花田(浜松33期:花田一輝選手)、私の3人が怪我で遅れました。
教官から「交川はいい時と悪い時の差が激しいので、検定を受けさせたくない」と言われました。
内野:レースの話に戻ります。2020年も後半です、今年の目標としていた事は?
交川:ハンデが30m前までになること。それと初優出。そして初優勝を目標にしていました。
内野:2020年ここまで振り返っていかがですか?
交川:逃げはそれなりに。逃げ展開は少しずつ掴めてきました。
内野:まだ優出がありませんが。
交川:1級車になってここ最近は、続けて準決勝戦に進めています。
何をやっても成績が悪かったとき、エンジンがダメなときに先輩がグリップを握ってくれた。
調整のアドバイスを頂きエンジンが上向きました。いい時の音を覚えるようにと指導を受けました。レースで良かった時の音を自分が乗りやすかった時の音を覚えるようにと教えてもらいました。
これを何度も何度も繰り返して意識する事を心掛けるようになりました。
内野:いま、上達する為に取り組んでいることは?
交川:練習で人と合わせることです。レースのVTRは必ず見ます。レースの時の実感と比較します。すり合わせをして次に生かします。
内野:周りの先輩方からの指導は?
交川:グループを始め周りの人のお陰で今があります。私は器用ではないしパッと言われて出来るタイプではないので、私が落ち込んでいた時に、岡谷美由紀選手(浜松:32期)から「手を止めない、諦めないこと」と励まされた時がありました。ありがたかった。女子の先輩は皆優しいです。
内野:交川選手の売りは?
交川:レース展開が良くなれば結果を残せることもあるので、逃げ展開になりそうなレースであれば少し注目して下さい。
内野:今の課題は?
交川:前に人がいると焦ってしまう。グリップ操作が合ってしまって抜くことが出来ず後ろに捌かれてします。ここをクリアしたいですね。
練習以上の事は出来ない。練習で自分の力を上げて行く。レースでいかにそれを平常心で出せるかです。
内野:レースへの気持ちはどこで入りますか?
交川:ピットの中でヘルメットを被った時に集中します。「今から戦う」と気持ちが入ります。
内野:スタートラインで何を考えていますか?
交川:「練習通り」と言い聞かせています。
内野:デビュー4年目に入りました。
交川:今あるのは家族とファンの人、教え子、先輩、後輩、周りのみんなのおかげです。
内野:養成所での秘話をお願いします。
交川:超簡単な基本的な事、押し掛け発進、初歩的な事ができなかった。つまずいてキャパオーバーしてありとあらゆることをやらかしました。
時間の制限が多い中、自分はマイペースなので、すぐいっぱいいっぱいになって余裕がなく、やらかす事が多かった。キャブレターの中にメインジェットという部品があります。ラチェットという工具を使って締める時にどこまで回していいか締めていいか加減がわからず壊してしまったんです。
2級車の名前『Mジェット』はその失敗から名付けました。初心を忘れないということからです。
内野:同期33期の存在は。
交川:走行とか整備の話ができる、困った時に男女関係なく情報が得られるのも同期のいいところです。同期の活躍はメッチャ刺激になる、自分に喝を入れられます。
ただ同期がどんどん1着を取る中で焦りが出て結果ばかり求めて、人と比較をして何で自分は出来ないのかと思い、情けなくなり落ち込んだこともあります。
内野:座右の銘は?
交川:「可能性は無限大」
自分で自分の事をこれくらいだと決めるのではなく、伸びしろはまだまだあると思って言い聞かせて、目標に向かってチャレンジする。何でもやってみないと始まらない。やらないまま終わるのが人生においてもったいないと思う。やってどうかの方が絶対に楽しいはず。可能性は無限大だから人生が楽しくなる。
内野:好きな言葉は何ですか?
交川:「感謝・笑顔・挑戦」です。この言葉を大切にしてこれからも取り組んでいきたいです。
内野:ルーティンにしている事を教えてください。
交川:競走車を押してくれた人に挨拶をして「Rランナー、今日もよろしくね」と一言声をかけます。
内野:ファンの存在はどう感じていますか?
交川:感謝の気持ちでいっぱいです。こうやって頑張っていられるのはグループの先輩、後輩はもちろんですが、ファンの皆様の応援があっての事だと思っています。デビュー当時の全然走れなかったあんな時から応援してくれている。心強いしありがたい。凄く頑張ろう頑張らなきゃと、成績が良くても悪くても前向きに取り組んでいこうと、笑顔になれます。
内野:山陽オートで10月14日から若獅子杯争奪戦が行われます。
交川:昨年、初めて若獅子杯に参加しました。若手の上位の皆さんが集まるシリーズなので、どんな開催になるのか場の雰囲気を感じながらの5日間は、あっという間でした。
今年は、昨年よりいい結果を残せる様に頑張ります。
内野:オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
交川:いつもオートレースを応援頂きありがとうございます。
車券に貢献出来る様に頑張ります。
これからもオートレースを楽しんで下さい。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。
2020年10月14日開催のGII若獅子杯争奪戦(山陽オート)に出場する松尾彩選手。2019年10月の練習中に怪我をして2020年1月末に復帰。復帰後は上手く走れない日々が続きました。ですが怪我に負けず、目標に向かってオーバルに立ち向かう山陽オートの宝、女子レーサー松尾彩選手を紹介します。
インタビュー / 内野久照
内野:まず始めに身長・体重をお聞かせ下さい。
松尾:157cm41kgです。太りたいのですがなかなか増量しないです。
内野:色々と質問していきますね。出身は?
松尾:福岡県太宰府市です。
内野:小さい時はどんな子供さんでしたか?
松尾:育てにくい子供だったと思います。負けん気が強く、親にも態度で反発していました。我が強くあまのじゃくでした。
内野:これまではどんなスポーツをやってきましたか?
松尾:小学校の時はミニバスです。中学校ではソフトボール。高校ではバスケットです。
内野:前職は何をされていましたか?
松尾:車のディーラーで働いていました。少しの間ですが整備もやらせて頂きました。
内野:一般企業からの転身。きっかけは?
松尾:仕事のやりがいはありましたが「ずっとこのままでいいのかな」と思うようになり何か刺激が欲しいなと思いました。
内野:オートレースとの出会いを教えてください。
松尾:ボート選手になりたくて何度も受験しましたが不合格。
SNSでオートレースの存在を知りました。
内野:オートレースを見た事はありましたか?
松尾:なかったです。選手試験を受けることを決めて、初めて飯塚オートへ観戦に行きました。とにかく迫力が凄かった。選手が格好良かった。初めてだったのではっきりと印象に残っています。金網の向こう側に行きたい。見られる側になりたいと強く思いました。
内野:大きな決意があったのですね。
松尾:年齢的な事を考えて1回受けてダメだったら諦める覚悟で挑みました。だから絶対に選手なると決意してオートレーサーを目指しました。
内野:新たなる挑戦にご両親は?
松尾:応援してくれています。だから親には感謝しかない。これまでいつも何か言われる度にブスっとした態度で接していたので申し訳なかったです。だからこれから恩返しがしたいですね。
内野:デビューして順調に来ている中での怪我がありましたが。
松尾:はい。昨年の10月14日前検の練習でした。16時ころです。
その節はA級B級戦でした。絶対に優勝戦に乗ってやるという気持ちで意気込んで前検を迎えたのですが...。
内野:診断が下された時は?
松尾:左ひじの骨折、それと左足の靭帯を怪我しました。診断結果が全治2ヶ月でした。
聞いた時は「えっ!泣きそう」でした。
内野:復帰が2020年1月30日でした。
松尾:復帰後はまったく乗れませんでした。乗れないまま引退するのでは、と気持ちもダメな方向に進みました。周りは前みたいに「乗れるようになるよ。大丈夫よ」と励ましてくれましたが、乗れない日々が続きました。
もちろん悔しい気持ちはありました、が苦しくて辛い日々でした。3ヶ月くらいは悩み続け追い込まれていましたが、周りの皆さんのおかげで「やるしかない、考えていても仕方ない」と開き直る事ができました。
内野:師匠は佐々木啓選手(山陽:23期)。師匠とお会いしたのは?
松尾:佐々木選手との初めての出会いは養成所でした。
お会いした瞬間、この人に教えてもらいたいと思ったくらいです。
まさか私が弟子になれるとは思っていませんでした。凄く嬉しかったです。
内野:佐々木選手の教えは?
松尾:「まずは立ち上がりを決めろ」です。おのずとコースが良くなってくる。そうなると1級車に繋がると教えて頂いています。
内野:レース場でのスケジュールを教えて下さい。
松尾:5時40分起床です。6時にロッカーに降りて出走表配りと、ロッカーの掃除をします。主にタイヤのカス取り。6時40分頃から自分の事を始めます。
内野:休みの日は何をしていますか?
松尾:休みの日はとにかく寝ています。2日間ほど寝ているかも
内野:家でのトレーニングは?
松尾:家では筋トレをしています。腕立て伏せや、体幹トレーニングをやっています。
内野:今の目標は?
松尾:目標は増量ですね(笑)。体重が軽い影響でコーナーへの突っ込みが決まらない。今は立ち上がりから伸びる車にしてもらっている。自分的には太りたい。レース展開を作る為には突っ込みが必要です。45kgが理想ですね。今は41kgです。
内野:太宰府市出身ということでお聞きします。おすすめスポットは?
松尾:もちろん太宰府天満宮です。
内野:太宰府天満宮といえば梅ケ枝餅です。どこのお店がおすすめですか?
松尾:「かさの家」が美味しいです。
内野:飲食店はどこがおすすめですか?
松尾:水城らあ麺(福岡県太宰府市水城)です。ラーメンはもちろんですがちゃんぽんも美味しいです。
内野:好きな男性のタイプは?
松尾:タイプはないのですが...。私は雰囲気で人の事を好きになります。
内野:芸能人では誰がタイプですか?
松尾:木村拓哉さんです。格好いいですよね。
内野:賞金で買った大きな物はありますか?
松尾:賞金で大きな物は買っていません。1級車を一括払いするために今は貯金しています。
内野:1級車の練習が始まりましたね。
松尾:はい、直線の伸びが凄いです。まだコーナーは掴めていません。
内野:今はどんな練習を行っていますか?
松尾:大きいコースはもちろんですが小さいコースも走れるように練習しています。
とにかく上手く走りたい。そのレースそのレースで展開があるので対応出来る技術を身に付けたいです。
内野:2021年1月から1級車。車名は決めていますか
松尾:「ソアレ6」に決めています。今は「シエル6」
内野:6のこだわりは?
松尾:ミニバス時代の背番号に関係しています。キャプテンが4番で副キャプテンが5番でした。この2つは決まっている背番号。6番からは毎回試合ごとのレギュラーに渡される番号です。6番は実力があり上手いと認められた選手に渡される番号なので6番には執着がある。
内野:2級車のシエルとは?
松尾:シエルはフランス語で「空」です。空が大好きです。
青い空が好きですね。空はどこまでも繋がっているから大好きです。
ふとした時に空を見上げて自分ってちっぽけだなと思います。
内野:ソアレは
松尾:ソアレはルーマニア語で「太陽」です。
2級車のシエル、大きな空の中で1級車ソアレ、太陽が輝き続けるということです。
自分を持ち続けて行きたい。こだわりを持って目標にチャレンジしたいです。
内野:2級車でのレースは12月までとなります。
松尾:復帰してからは一度も準決勝戦に乗っていませんが2級車で初優勝を決めたいと思っています。そして何としても初優勝したいです。
内野:ライバルは?
松尾:レースで走るメンバー全員がライバルです。
内野:同期はどのような存在ですか?
松尾:助けてくれるし、切磋琢磨できる大切な存在です。
内野:意識している同期は?
松尾:上和田拓海(川口:34期)選手と、川口裕司(飯塚:34期)選手と同ハン30m前に行きたいですね。
内野:座右の銘を教えてください。
松尾:「結果に出ない努力はしていないのと一緒」何事も結果が全てです。
内野:大切にしている言葉はありますか?
松尾:師匠に「速くなりたい。速くならせて下さい」と何度も言う中で、師匠から「速いだけじゃなく上手い選手になれ」と言われました。いつもこの言葉を意識しています。
内野:オートレースの魅力は?
松尾:レース道中の競り合い。何といっても抜きつ抜かれつですかね。
内野:夢は何ですか?
松尾:師匠の佐々木啓選手と優勝戦に出場する事です。
斡旋が同じ開催の時は師匠に「優勝戦で会いましょう」と言うと「予選突破をしてから言え」と鼻で笑われていますが「でも口に出す事はいい事だ」と言ってくれました。
内野:夢の対決はどっちが勝つ?
松尾:もちろん私が勝ちます。師匠は「負けたら選手を辞める」と言っていました(笑)。
内野:ぜひ夢に向かって頑張って下さい。オッズパークを御覧の皆様へ、メッセージをお願いします。
松尾:自分はスタートに自信があるので、10m後ろの選手に食われない様にしたい。
たとえ食われても粘り強くレースが出来るように頑張ります。
これからも応援よろしくお願いします。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。
伊勢崎所属の33期。父は伊勢崎20期の伊藤正司選手。2017年7月デビューの若手です。今年の前半は、なかなか成績が良くならず苦しんでいた時期もありました。しかし、8月に2度目の優勝を果たしてからは、最重ハンデに下がっても連に絡むなど車券に貢献しています。最近の状況や今後の目標などお聞きしてきました。(取材日:2020年9月23日)
インタビュー / AKI
AKI:まずは、2度の優勝を振り返りたいと思います。1度目の優勝(2019年2月19日:浜松)1級車に乗り替わってすぐでしたよね?
伊藤:1級車に乗り替わって2ヶ月経たないくらいでしたね。
AKI:雨、湿走路でしたよね?
伊藤:そうです。1級車で乗ったことのない雨(笑)2級の雨は速くもなく遅くもなく。1級車に乗り替わってからはなかなか雨が降らず、あの優勝した日が1級車初めての雨でした。
なので、どうやって走っていいかもわからず、かといって大外ぶん回しても勝てないと思ったので、一か八かでインコース走ってみようかなと思っていましや。そしたら走れちゃったみたいな感じ。珍現象が起きました(笑)
AKI:1度目の優勝はご自身でも驚きの優勝だったんですね!
伊藤:本当、1番自分がびっくりしてますよ!!きっと8着だろうと思っていたので。
AKI:初優勝のレースリプレイ見てどう思われましたか?
伊藤:いや~上手く乗ってんな~て思いましたよね(笑)未だになんであんなに乗れたか不思議です。ただ、エンジンの状態はすごく良かったなぁと思います、今思うと。晴れのレースでもいい上がりタイムが出ていたし、優勝戦もエンジンに助けられた感じですね。
AKI:なるほど。その後の湿走路は...。
伊藤:全く乗れなくなりましたね(苦笑)
AKI:湿走路は滑るとかですか?
伊藤:滑るのもありますが、乗り方が分からないというか。ここ1年ずっと訳分からないまま、兄貴分の田中賢さん(伊勢崎29期:田中賢選手)に乗り方を教わっていて。そしたらここ最近、雨が少しずつ乗れるようになってきたんです。
AKI:そうですよね!連対率も上がってきてます!
伊藤:少しずつ兆しがみえてきてる感じはしてます。
AKI:何を変えたんですか?
伊藤:座る位置や姿勢を変えました。晴れは後ろに、雨はフロントを意識してというように。田中賢さんに言われました。その乗り方を意識して練習した成果が最近出てきたかな?という感じです。まだ速くはないけど、以前のように桁外れに遅いという事はなくなってきてると思います。
AKI:2回目の優勝が今年の8月(2020年8月10日:浜松)でした!2度目も浜松だったんですね!
伊藤:周りには浜松に移籍しろとか言われましたね(笑)けど、自分の中では別に得意とかいうわけでもないんですよ(笑)たまたま成績残せたのが浜松というだけです。
AKI:2度目の優勝の時はどんな状態だったんですか?
伊藤:優勝した2節前くらいにパーツ交換をして車の状態は上向きになってたんです。レース足がすごく良くなって。そこから乗り込んだらパーツが馴染んで良くなりました。
AKI:パーツ交換でガラリと変わったんですね。
伊藤:そうなんです。それまでは全然ダメで。1月から半年くらいは大きな着ばかり。クランクやケースを新品にしたり、ヘッドを替えたりしたけどあまり変わらなくて。最後にシリンダーを替えたら一撃。ここかよー!って感じでしたね。乗ってる体感も全然違うし、行きたいところにも行けるし。大外をぶんまわせるエンジンが作りやすくなりました。
AKI:なにが起きるかわかりませんね。
伊藤:本当ですよね。優勝の少し前が悪過ぎて、ハンデ20m前になるかもと少し覚悟していました。そんな時の優勝だったので本当に良かったです。
AKI:2度目の優勝から最重ハンデになりました!この位置で走ってみていかがですか?
伊藤:GIムーンライト(GIムーンライトチャンピオンカップ 9月9日~13日:伊勢崎)を走ったんですが最重ハンで走れるグレードは嬉しかったですね!オールスターの時は最重ハンに下げられていたんですが、今回は自力で後ろに下がっての最重ハン、素直に嬉しかったです。
AKI:厳しい位置での戦いはどうでしたか?
伊藤:とにかく楽しかったですね!勝ち上がる事は出来なかったですが、「やっぱ最重ハンはすげーな!厳しいなー!」と思いながら、最重ハンで戦える楽しさ、嬉しさが凄かったです。4、5日目に漏れ戦ですが最重ハンで3着と連に絡めたし...最重ハンの第一歩、ムーンライトは本当に楽しかったです。
AKI:その次の節の普通開催もしっかり連に絡んでいましたよね!
伊藤:そうですね。最近思うのが、気持ちの余裕が出て来ました。前までは一杯一杯。レースはいつも100パーセント。だから、失敗したり、落車したり、事故したり...。気持ちで焦る部分が凄くありました。
AKI:その焦りはどこからきてたんですか?
伊藤:速くならなくちゃとか、早く最重ハンにならなくちゃとか、自分の中で変なプレッシャーを感じてしまっていました。そんな中、さらに今年の前半は成績が良くなく...焦っていましたね。田中賢さんにも「レースも慎重に。前の前までしっかり観察して、相手の動きをしっかり見れるようにならなきゃダメだぞ!」とはずっと言われていたんです。自分は前しか見てないし、気持ちで走っちゃうので「そうだなぁ」と思いつつもレースになると忘れちゃって。けど、エンジン状態が良くなってきてから、"気持ちの余裕"のことを思い出して冷静にいけるようになりました。
AKI:気持ちの変化があり、周りが見えるようになったという感じなんですね?
伊藤:そうですね。気持ちの変化は大きいです。前まではレースで緊張していたんですが、今は緊張もしなくなりました。余裕が出てきました、自分も戦えるかも、と。
AKI:御自身の捌きに感じてはどう思いますか?
伊藤:ここ最近はなるべく内に行くようにしています。基本は外のコースなんですけど、隙があれば内のコースもと思っています。外のコースだけじゃ厳しいですし、夏場は特に滑りやすいので。まだ混戦で内に向けるのは厳しいんですが、1対1や、内が甘い人がいればしっかり三角切って内に入ろうと意識しています。それが最近は上手くいってる気がします。
AKI:一つ一つ上のランクに上がっていってますね!
伊藤:そうですね、けど、もちろん甘い部分はまだまだありますよ。混戦になった時に外行って内をすくわれたり。まだまだこれから、上達しないとだめですね。
AKI:整備の面はいかがですか?
伊藤:いつも田中賢さんに整備の情報をもらっています。前まではあけあけで外を大きく走るエンジンを作りたかったんですけど、今はハンデが後ろになって捌けるエンジン作りを意識してます。トルク感があって回転も上がるようなエンジンですね。実際にこれが出来てるかは分からないですが、前とはエンジン作りの方向性は変わってきました。
AKI:なるほど。捌いていけるエンジンですね。
伊藤:はい。外のコースだけではなく、内のコースも走れる様に。コーナーのグリップ操作も変えていかないといけないので難しいですね。どうすればいいのかな?と言う感じです。けど、今はとにかく最重ハンで勉強したい気持ちがあるので、失敗してもいいから色々やってみよう思っています。やったことないセッティングも練習でやってみたりして、良かったらレースでも走ってみてと言う感じです。
AKI:扱ってみての変化はありますか?
伊藤:運が良いというか、自分が思った方向に行ってくれています。今のところは順調に正解は出せているかなぁと思っています。やっぱり嬉しいですよね。自分で整備して、結果が出た時は。
けど、いつダメになるかも分からないので、悪くなった時でも粘れる様に、自分の引き出しを多く持ちたいなと思っています。
AKI:元々はアパレルをされていたと言うことですが、機械、エンジンなど触ったことはあったんですか?
伊藤:全くなくて。工具の名前すら分かりませんでした。なので、養成所ではちょーテンパりましたね。こんなに工具の名前覚えらんないよ!って(笑)レースするだけじゃないのか!と気付いてヤバイなと思いました。
AKI:お父様である正司選手から仕事の内容など聞いていなかったんですか?
伊藤:全く聞いていませんでした。なので、最初は整備の面でかなり不安になりましたし、今でも周りの選手からは仕事が雑だとか言われます。自分、不器用なんで(笑)
AKI:けど、今は良い方向にいってますね!
伊藤:そうですね。僕はいろんな選手に聞きに行くんですよ。「こういう症状があるんですがどうしたらいいですか?」とか情報を求めていきます。そして、言われたことは全てやってみる様にしています。やっぱり自分だけじゃエンジン作りは分からないから、疑問に思ったことは聞きにいく様にしています。自分に持っていない情報を持っている人はいっぱいいるので。遠慮せずに行きます!
AKI:近況のスタートですが、最重ハンでのスタートはいかがですか?
伊藤:周りがとにかく恐ろしく速いですね(笑)そして、スタートが自分の中で1番解決できなかったことで、いろんな人に聞いてアドバイスを貰ってってやったんですけど上手くいかなくって。なかなか正解が出ないんですよ...。
AKI:正解はまだ出ていないんですね?
伊藤:だったんですが!練習の時にスタートが速い選手の横につけて、どうやって切ってるんだろう?と見ていた時にひらめいた事があって。切り方を変えてみたんですよ。そしたら、切れる様になって。S級選手と同タイム位で出れる様になったんです。これが、2度目の優勝の直前です。
AKI:掴めたところがあったんですね!
伊藤:はい。ちょっとは成長したなというか、枠なりには出れるぞ!という感じになりました。周りの選手にも「スタート速くなったな!」と言ってもらえて。やっぱ嬉しいですね。最近は自信を持ってスタートを切れる様になりました。
AKI:良い方向にいってますね!
伊藤:そうなんです。今は全部が良い方向にいっています。とは言っても、いつ悪くなるか分からないので、今のうちに成長しておきたいですね。やれる時にやらないと。
AKI:全部が良い方向にいっているというお話ですが、今の課題はなんですか?
伊藤:課題はもうありまくりますよ!!(笑)スタートもそうだし、捌きもそうだし、エンジン作りもそうだし...課題となると全部になっちゃいますね。けど、その中でも課題にしてるのは、"レース道中の付け位置"ですね。自分はまずは外という付け位置になってしまうんですが、S級の人たちはちょっとした隙を見て内に潜り込んでくる。そこですよね、1番。付け位置が悪すぎるので。
AKI:目標は決めてるんですか?
伊藤:自分は大きな目標を決めないんです。小さな目標を立ててクリアしていく方が挫折しないかなと思っています。スタートをしっかり切るとか、ちょっとしたことでいいんですよね。そういうので自信が出てくるので。大きな目標ばかり立てると道のりが長いから、小さな目標をクリアしていける様に専念しています。
AKI:ちなみに今の小さな目標は?
伊藤:今は、"最重ハンで優勝戦に乗ること"です。そして、少し大きな目標だと"来年のグランプリに出る事"です。
AKI:グランプリの選考は1年間の優勝戦ポイントですよね?
伊藤:そうですね。先月8月に優勝して、地元伊勢崎で優出出来て、ポイントはあるのでこのままの勢いで最重ハンで優出できればリーチなはずなんです。頑張りたいですね。
AKI:話は変わりますが、正真選手は2世レーサーになりますが、やはりお父様の姿を見て選手になろうと思われたんですか?
伊藤:そうですね。小さい時からオートレース漬けの毎日でした。母と祖母がオートレースが大好きで、小さい時から親父のレースを見てましたし、家でもCS放送がついていました。なので、自然と将来はなにかしらのレーサーになりたいなぁと思っていました。33期以前も受けようとしたんですけど色々タイミングが合わなくて。33期を受けて受かりました。けど、小さい頃は親父と同じ職場って嫌だなと思っていたんですよね。ずっと比べられちゃうし。
AKI:実際に同じ職場になってみていかがですか?
伊藤:親父とは正反対の道を行きたいなと思っています!親父はインを走って後続を抑えるタイプのレーススタイル。僕はあけあけというか、スピードを活かせるような、スピードは絶対に負けないような選手になりたいです。
AKI:正司選手のインはかたいですよね!
伊藤:あのインに入れればいいなぁと思ってるんですけどね。練習でたまに親父のインに入ったりするんですけど、その後やっぱり張っちゃいますね。練習なので内のぞくとインコースを少し開けてくれたりするんですがそれでも張っちゃう。それでやり返されて。どうやったら親父のインいけるの?と思いますね。S級の人達は狭いイン入って綺麗にコーナー回るので凄いです。親父もあんなに小さなコースで速く走れるのも凄いと思いました。
AKI:正司選手とはロッカーでお話しされるんですか?
伊藤:新人の頃は親父に頼ったりするのも嫌だったし、見栄えも悪いしあまり喋りませんでした。けど、ここ最近は情報交換をしますよ。自分の成績良いもんで親父も頼ってきます(笑)頼られる事は嬉しいですね。選手になる前は親父と話すこともあんまりなかったんですが、同じ世界に入ってからはよく話すようになりました。仲良くやってます。
AKI:次は同期のお話ですが、33期の中では年上になりますよね!そして、よくいじられてますよね(笑)。
伊藤:本当ですよ(笑)もう少し優しく扱ってと思いますよ(笑)。
AKI:おじいちゃんみたいな発言(笑)。
伊藤:33期は若いから元気ですよね。けど、ありがたいですよね。気を遣わずに接してくれるのは。自分は先輩後輩とかあんまりしたくないんです。同じ人間なんだから、という感じで。自分自身も先輩面しないようにと意識してました。
AKI:同期ですしね!
伊藤:そうなんです。最初は年上だからっていう感じもあったんで「それはやめよう!」て言って向き合ってきました。けど、時間が経つにつれておかしな事になっちゃいましたけど(笑)なんでもかんでも言ってきますからね!(笑)
AKI:年齢に関しては考えたりしますか?
伊藤:しますね。自分が35歳の時あいつら何歳だ?まだ20代か!とか思うと気持ちの焦りはあります。同期だけとあっちの方が若いから先が長いよなぁって。そういう部分で焦りというか、自分には時間がないというか、デビューして5年以内には最重ハンに定着してないといけないと考えてました。
AKI:同期の活躍はどうご覧になっていますか?
伊藤:めちゃくちゃ刺激になってますよ。泉田(川口:泉田修佑選手)、黒川(川口:黒川京介選手)、中村(飯塚:中村杏亮選手)とか、33期の中で常にトップで走ってる存在なんで。才能もあるし、良い刺激もらってます。
AKI:負けらんない!って感じですか?
伊藤:負けらんないというか、33期みんなで最重ハンで走れたらいいなと思っています。みんなで速くなれればという感じです。もちろん基本は自分が頑張ろうで、今は33期のトップに追いつきたいですね。そして、自分も同期を引っ張っていく存在でありたいと思っています。
AKI:正真選手はSNSを活用されていますが、ファンの方とも交流されていますよね!
伊藤:Instagramなんかでやりとりさせてもらっていて、応援してくださってる方は認識しています。なるべく、ファンの方とのやりとりも大切にしたいと思ってます。応援されなくなったら寂しいですし、自分の走りを見て勇気をもらってますとか言われると頑張んなきゃと思えます。ちょっとでも恩返ししたいです。
AKI:レースはもちろんだけど、SNSを通しても恩返ししていきたいということなんですね。
伊藤:自分はそうですね。ファンがいなくなったらオートレースはなくなってしますので。
AKI:今月、第一子が誕生されていましたよね!そのこともInstagramにUPされていましたが、祝福のメッセージ沢山届いたんじゃないですか?
伊藤:めちゃくちゃ届きました!!!返事するのが大変でした(笑)
AKI:パッチリ二重なところとかそっくりですよね!
伊藤:そうですか~。いやー本当に可愛いんですよね(デレデレ)けど、息子ができてより一層頑張らないといけないなと思うようになりましたね。それに、怪我をしないよう危ないレースはせず冷静にと更に思うようになりました。息子が生まれる少し前くらいから成績も良くなって、息子には助けられていますね。
AKI:頑張って稼がないとですね!!レースはGIIが続きますよ!
伊藤:そうなんです。スタート行かれても同じ最重ハンの人を1人でも捌けるようなレースがしたいですね。最重ハンの選手としっかり戦えるよう、準決勝に乗れる様に頑張りたいです。
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
伊藤:何故か最終日は3連対率が高いので、もしよかったら穴目でも狙ってみてください(笑)そして、これからも応援よろしくお願いします!
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
2011年8月以来約9年ぶり、2020年8月5日に通算8回目の優勝となった吉松憲治選手の登場です。もちろん優勝戦のお話、選手生活32年の振り返り、息子さんである優輝選手の事など、内容盛り沢山です。(取材日:8月19日山陽オート)
インタビュー / 内野久照
内野:8月5日山陽での優勝おめでとうございます。
吉松:ありがとうございます。
内野:約9年ぶりの優勝でした。
吉松:あの時は敵が多かった。良いメンバーだった。
ただ小林啓二杯に、初日の選抜戦で勝利した事を思い出して「あのレースを勝つ事ができたのだから」ここは落ち着いて行こうと決めていた。
試走3.39だったけど雰囲気は良かったよ。
一成さん(1号車、竹中一成選手:山陽19期)が3.44試走でタイムは悪かったけど信用していなかった3.48くらいで上がれる人なのでしっかりマークしないといけないと思ったよ。スタートは凄く集中した。後ろに岡松さん(4号車、岡松忠:山陽17期)がいるので遅れない様に食われない様にと注意しました。
序盤を岡松さんからやられなければチャンスはあるのかなと思った。
2号車、山下知秀選手(山陽:28期)を交わすところと岡松さんにインコースのぞかれて、伸び返したところはタイヤが掛かってくれた。良いタイヤだった事も勝因の一つです。
振り返ると展開を作って行けたし一成さんと1対1になった時も焦る事なく直ぐに仕掛けて失敗するのではなくしっかり追いかける事に集中した。そして5周ホームから6周1コーナーにかけてインコースに入ろうと決めていました。
0mのスタートも一成さんが先に行ったし手ごわいなと思っていました。自分の3.39試走と一成さんの3.44試走は変わらないと思っていましたしワンチャンワンチャンと思ってあまり引っ付かない様に残り1周のホームで入る事を決意しました。
ゴールした時は「優勝したんじゃ」と思った。
9年は長かったね。前回、優勝した時に、これが最後の優勝と思っていたので嬉しかった。
地元山陽での優勝は約20年ぶりだったと思う。
有観客に戻った事も自分にはプラスだったと思う。優勝戦の時に「吉松」と書いたうちわで応援してくれいたファンの方がいました。応援してくれた皆様の声援が力となり、気持ちがドンドン乗ってきたのが自分でも分かりました。
これからは車ともっと向き合って10m前で戦える車を作って1年後には山陽の若武者、32期長田恭徳選手と同ハンで戦いたいですね(笑)
今の状況下で優勝パーティは出来ませんでしたが、それなりに皆へお祝いさせられました(笑)
内野:息子さんの優輝さんの目の前で優勝しました。
吉松:お父さんでも優勝出来ると励みになったらいいけど、逆にプレッシャーになってお父さんみたいになれなかったらどうしようと思うとね...。
内野:そんな事思わずに俺だってと思うでしょう。
吉松:優輝に対しては普通の親の感覚やね。心配ばかりしています。
飯塚に行き篠原睦選手(飯塚:26期)に預けているので後は本人の人生です。上手く皆に教えてもらって成長してほしい。
アドバイスはするけどあーせーこーせーと指示はしない。それは支えてくれている人、周りにお願いしているので...。
内野:選手への道は反対されなかったのですか?
吉松:高校の時に一度、母親の方に相談があったみたいだけど却下したようです。
怪我がつきもので命に関わる仕事なのでそんな事はさせたくなかったようです。
俺はええんか?と聞いたことがあったけどお父さんはいいと直ぐ返事が返ってきた(笑)
親面談の時まで反対だったけど「賛成しています」と言わないと受からないので、反対だったけど賛成したと言っていた。
内野:優輝選手と結婚した金田悠伽選手(浜松:33期)についても聞いていいですか?
吉松:芯がしっかりしている。優輝と結婚してくれて本当に感謝している。悠伽が結婚してくれなかったら優輝は一生独身だと思う。
内野:今、レース以外に夢中な事を教えて下さい。
吉松:ソロキャンがマイブームです。道具は買い集めてから、もうかなり揃ったよ。
TOYOTAハイエースを改造して電源取り、ベッドを取り付けました。
港で寝泊まりをして朝釣りをするのが一番の楽しみでもあります。
内野:トレーニングは?
吉松:船の上でやっていますよ。三半規管を鍛えています。バランスが必要なので体幹を鍛える事にも繋がります。
内野:選手生活32年目に入りました。選手になるきっかけからお聞きしてよろしいですか?
吉松:当時はケーキ屋に勤めていました。父親が和菓子職人なので洋菓子を作るぞ!とパティシエの専門学校に行きケーキ屋さんに1年と7ヶ月間勤めました。
父親がオートレース好きで、生まれて3ヶ月から山陽オートに連れられていたそうです。
憧れは水本良二さん(山陽:8期)でした。水本竜二選手(飯塚:27期)のお父さんです。
ケーキ屋さんに勤めている時に体調が悪く早退したことがありました。その日はTVで山陽オートのスピード王決定戦優勝戦を見ていました。その時にオートレース21期生募集のお知らせがありました。
一般から選手は募集するのだと初めて知った。「平均年収1800万円」に引かれましたね。
魅力だった。悪くても年収600万円と考えて月50万貰えるなら凄いなと思い選手になりたいと思って山陽オートに願書を取りに行った。
願書を渡してくれた係の方から、お友達も誘って下さいと願書を2枚頂いたので、友達に「悪くても年収600万円、平均で1800万円の仕事あるので受けてみないか」と誘ったが誰一人僕の話にのる友達はいなかったです。
21期は全国で22名が合格するという話だったので試験会場は3ヶ所ならば1会場で受かるのは約8人だと考えました。
他の受験生と話してみたら大学生が多かった。大学生が受ける筆記試験とはどんなものだろうと思いながら試験に挑みました。大学生が受けるのなら自分の方が受かるだろうと少し思っていました。
内野:32年前の平均年収は1800万円でしたね。
今は平均が1080万円と随分減ったけどそれでもまだまだ魅力的な職業だと思います。
受ける人も少なくなったので、受かりやすくなっていると思う。
やる気のある人負けん気の強い人、それだけじゃないけどガッツがある人は選手を目指して欲しいです。次の選手募集の時は是非受けて下さい。お待ちしております。
内野:山陽支部支部長は何年されたのですか?
吉松:1期が2年なので3期6年しました。
内野:どのような活動をされたのでしょうか?
吉松:一番に山陽小野田市長さんにオートレースを理解して頂く事、選手会の理解、選手の存在、心からオートレースを応援してもらう事を取り組みました。
地域としての貢献を考え選手会に新たにイベント部を作り広報に力を入れました。
山陽小野田市を始め近隣都市の祭りや、イベントに積極的に出店しオートレースを知って頂く活動に取り組みました。
照明設備を取り付け頂けるように設置協力に理解頂けるように山陽小野田市を始め関係者の理解を得られるように選手にも協力して頂けるように努力しましたし頑張ったと思います。力を貸して頂くために神経を注いだのも事実ですね。
照明は最初上手く光が届かず、ちゃんと設置出来ない状況の中、何度も何度もテストを繰り返しました。
内野:前検の夜に走っていましたね。日中開催が終わってからも残って夜に走っていたのを覚えています。
吉松:皆の協力がなかったら出来なかった事でした。協力してくれた皆さんに感謝ですね。
内野:選手会役員を退いたのですか?
吉松:選手会役員は21年近くやってきました。
支部長の6年間は、車や仕事に向き合う時間がなくなり、やりたい事もやれない状況が多々ありました。
2020年になって、支部の仕事は辞めたいとは思わなかったけど若い人にバトンタッチするという事にしました。
コロナの関係で引継ぎが上手くできていなかったのでようやく終わった感じです。
内野:支部を離れて環境は変わりましたか?
吉松:支部を離れた事で仕事に集中出来た事も大きかった。支部長の時の成績はパッとしなかったですから(笑)
内野:いつも思いますが吉松選手は若いです。年齢を感じさせないです。
吉松:今年53歳になったのですがまだもう少しやれると思わせてくれたのが、今回、約9年振りとなった8月5日の優勝です。
この優勝がまだ皆の流れに付いて行けると思わせてくれたし年齢相応の位置から走れたら良いと思う。ただ今回のハンデ10m重化は大変です。
10mなのですがきついです。今まで1、2コーナーで捌けた人が1周バックストレッチでまだ前にいるのですから展開が全然違います。
内野:2020年、残り約4ヶ月どのように戦って行きますか?
吉松:もう年なので冬場は通用しなでしょうが夏場は頑張りたい。
今回からハンデ重化で厳しいけどまた成績を落として元に戻らない様にハンデ軽化しない様にこの位置で戦える様に頑張って行きたいです。
内野:オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。(8月31日に電話取材を行い怪我の状態をお聞きしました。)
吉松:8月20日の山陽ミッドナイトで落車をし、ファンの皆様にはご迷惑をお掛けしました。大変申し訳ございませんでした。医師からの診断は左鎖骨骨折と右母趾末骨骨折でした。約3ヶ月間の安静となりましたのでご報告させて頂きます。今のところ復帰の予定は決まっておりませんが、早く完治させて、皆様の前で、また走りたいと思っておりますので今後ともよろしくお願いします。
内野:選手はいつ起きるか分からない事故、落車と隣り合わせでいる事を改めて知る事となりました。これまでオートレース選手には走りで何度も勇気づけられました。何があってもどんな時も、ゴールを目指すオートレーサーを読者の皆様にこれからも紹介していきます。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。
伊勢崎所属の32期。デビュー8年目。2016年に特別GI共同通信社杯プレミアムカップを制覇し周囲を驚かせました。そこから着実に成長を見せ、S級上位も定着してきました。しかし、今年はエンジンが良くならずもどかしい日々が続いています。現状や課題、目標などお聞きしてきました。(取材日:2020年9月10日)
インタビュー / AKI
AKI:最近、なかなか結果が出ないというお話ですが、今はどんな状態なんですか?
吉原:前だったらセッティングが少しズレていたとしてもある程度の着は取れていました。
けど、今は少しでもズレると先頭集団にもついていけないような状態が続いてます。落車してからですかね。近況、ハネは治ったりしているんですがエンジンが良くなりません。んー。これは、整備力のなさが出ちゃってるのかな、という感じです。
AKI:以前から整備力については思うところがあったんですか?
吉原:そうですね。前から整備力のなさについては感じていました。これまではたまたまパーツが良かったりとかで上手くいってたような感じ。今回みたいに悪くなった時に修正する能力が無く整備力はないなぁと思います。
AKI:なるほど。
吉原:けど、悪い時の方が勉強になる気はします。よく考えますよね。車が良かった時も考えはしていますが、悪い時は「どこが悪いんだろう?」と凄く考えます。
結果としてまだ良くはなってないんですが、たまに整備が当たったりすると嬉しくなりますね。ほとんど当たらないんですけど(苦笑)最近はとにかくもどかしいです。
AKI:今回(9月9日GIムーンライトチャンピオンカップ)新品クランクを投入されましたよね!
吉原:そうなんです。前回までセッティングでどうにかしようと思っていたんですが勝ちきれないなと思って。今回はムーンライト、そして次節は山陽の特別GIプレミアムカップと続くので交換してみようと思いました。
結果として、初日の伊勢崎No.1決定戦は8着...。エンジンがスカスカで前に進んでいかないような感じでしたね。
AKI:クランクを替えて変化はありましたか?
吉原:エンジンの回転の上がり方が変わってセッティングの感じも変わりましたね。けど、最終レースの時間帯に合わせられず...。夜の気候を予想しながら昼間に整備をするのは難しいですね。速い人だったら合わせてくるんでしょうけど。すぐに修復出来るようになりたいです。
AKI:そういうところが"整備力"に繋がってくるわけですね。
吉原:そうですね。速い人は合わせてきますからね。
AKI:確かに。すぐに立て直してきますよね。
吉原:やっぱり沢山のことを考えてるんでしょうね。貢さん(伊勢崎22期:高橋貢選手)にしろ、圭一郎(浜松32期:鈴木圭一郎選手)にしろ。人が5つ考えるところを10とか15くらい、いろんなことを考えてるんでしょうね。いろんな方向から物事を考えてると思います。
AKI:今はとにかく整備力をつけたい、という事ですね。
吉原:そうですね。大きな波を作らないようにしたいです。どんなに悪くてもそれを長引かせないように。
AKI:最低ラインを上げたいみたいな感じですか?
吉原:そうですね。悪くても8着ではなく5、6着みたいな。エンジンって熱が入って冷えてを繰り返していて、消耗していくわけで。その時その時の状態を瞬時に把握していかないといけないと思っています。
1番は把握する事ですよね。たまに「何だこれは!?」というような時もあるので。分からないと扱えないですから。
AKI:雨、湿走路に関しては安定してますよね?
吉原:雨は比較的に良いとは思うんですけど、1年間通してレースは晴れの方が多いですから。とにかく晴れですよね。晴れで勝ち切る選手になりたいです。
AKI:今年デビュー8年目ですが、選手人生の中で今はかなり苦しんでる時期ですか?
吉原:そうですね、苦しんでます。今年は特に。去年は安定して良かったんですが。そんな簡単な世界じゃないですね。
AKI:ランクに関しては徐々に上がっていっている印象ですが、ご自身ではいかがですか?
吉原:上がっては少し下がってを繰り返してはいるんですが、少しずつ上がってはきています。
ただ、今のランクに見合った走りは出来ていないと思っています。グレードの準決でタイミングよく雨が降って優出できたりしているだけで、まだまだ全然です。
AKI:レースに関して、1番求めていきたいところはなんですか?
吉原:やっぱスピードじゃないですかね。スピードを上げるには走るコースもだし、エンジンの作り方もあります。
AKI:となると、ここでもエンジンを作っていく技術が必要なんですね。
吉原:そうですね。もちろん腕も大切だとは思うんですが、やっぱりモータースポーツはエンジンあってこそ。しっかり良い状態に持っていかないとグレードレースなんかは特に厳しいです。
AKI:スタートに関してはいかがですか?
吉原:んー。グレードの準決とかになると、突き抜けるようなスタートは切れてないしまだまだ良くしたいなと思っています。フライングをしないようにしながら良いスタートを切るって難しいんです。そこはエンジンも良くしていかないと、ごまかせても上のレベルのレースになると厳しいです。
AKI:話は変わりますが、吉原選手は、元々バイクに乗られてたんですよね?
吉原:はい。モトクロスという競技をやっていました。
AKI:一度、バイク競技からは離れていたんですか?
吉原:そうですね。モトクロスの時はあまり速い方ではありませんでした。選手を辞めて、3年間ほど郵便配達員をしていました。
AKI:へー!そうだったんですね!成績でいうとオートレースの方が良いんですか?
吉原:そうですね。モトクロス時代から高速コースとかは好きで。ジャンプとかいっぱいあるコースはどちらかというと苦手。なので、オーバルコースは好きですね。
AKI:オートレース自体は小さい頃から知ってたんですか?
吉原:父親が好きで子供の頃から「オートの選手になれたら金持ちになれるぞ」とは言われていました(笑)。ただ、モトクロスの方が主だったんでオートを観にくる事も少なかったですし、まず自分がオートの選手になれるものだと思っていませんでした。
AKI:どのタイミングでオートレースの試験を受けようと思ったんですか?
吉原:モトクロスをやっている時に31期受けたんですけど、その時は受かればいいや的な感じというか、「試験があるからうけてみろ」と親父に言われて。軽い気持ちでした。案の定落ちて、その時は絶対無理だと思いましたね。
それから少しモトクロスやって、モトクロスのプロ資格を取ってから辞めました。その後に郵便配達員をしてました。仕事自体は楽しかったんですが、レースの緊張感とかがぱったりとなくなると平和ボケというかボケ~としちゃって。こんな生活もあるんだなと思いながらも刺激は一個も無かったですね。
AKI:もう一度オートレースの試験を受けようと思ったキッカケはあるんですか?
吉原:親父が30歳まではオートの試験を受けろ!と言っていて。
AKI:お父様はノリノリだったんですね!
吉原:なって欲しかったんでしょうね。せっかくモトクロスもやってたし。それに、平和ボケしてる自分も嫌でした。なので、自分自身も30歳までは試験を受けようと思っていました。そして32期を受けて。
その時は「選手になりたい!」と明確に思っていましたね。目標もなくだらだらした自分の生活を変えたいと。なので、試験まで準備をしました。
AKI:結果受かりました!
吉原:びっくりしました。受かった後に親子面談があったんですが、滅多に緊張しない親が緊張してました(笑)めっちゃ面白かったです(笑)。
AKI:お父様も選手になって欲しかった訳ですし、親孝行できてるんじゃないですか?
吉原:そうですね。まだ微々たるもんですけどちょっとずつは。親には飛行機に乗るという夢があったんですが、それは叶えてあげられました。
AKI:素晴らしい!!次どうしましょう(笑)
吉原:どうしよう(笑)んー。生活も支えてあげたいんですけどね。
AKI:そのためには稼がないとですね!
吉原:そうなんです。けど、不調なんですよ(笑)頑張らないと。ここまでこれたのも自分1人だけの力ではないので。先輩や同期、家族とかがいないとここまで頑張れてません。
AKI:自分の性格を分析すると、がむしゃらにどんどん頑張れるタイプじゃないんですか?
吉原:全然頑張れるタイプじゃないです。すぐやられます、心が(笑)。けど、いろんな人からアドバイスがあり、助言があり、また頑張ろうと思えています。
AKI:気持ちを持っていってくれるのが仲間や家族なんですね。
吉原:そうですね。なので恩返ししたいです。優勝とかすると自分も嬉しいですけど、周りがすっごく喜んでくれるんです。
AKI:となると、近くの目標は優勝ですか?
吉原:そうですね。優勝もしたいですね。
AKI:元々、目標は立てるタイプなんですか?
吉原:前は結構目標を立ててましたね。優勝したい、S級になりたい、スーパースターに出たいとか。
AKI:クリアしてますね!!
吉原:そうですね。SGの決勝に乗りたいもクリアできたし。
AKI:次の目標は?
吉原:もちろん一般戦の優勝もしたいですが、グレードレースで優勝したいですね。2016年のプレミアムカップは訳もわからず、若さと勢いだけで取っちゃったって感じだったんです。それに、同期の長田(山陽32期:長田恭徳選手)が今年GI取ってかなり刺激になりましたね。もちろん嬉しいんですけど、自分も頑張らなきゃなと。
GII、GIは関係なくグレードを獲りたいです。後は、スーパースターにもう一度出たいです。んー最近、目標設定をちゃんとしてなかったんですよね。調子が良かった時は目標はしっかりしてた気がします。
AKI:ならば、目標設定しちゃいましょう!!
吉原:そうですね。それなら...1年に1回は優勝。スーパースターに出る。S級のシングルになる。ですね。この3つを目標に頑張ります。
AKI:ここまで色んな事があったと思いますが、結果的にオートレーサーになれて良かったと感じますか?
吉原:良かったですね!後は選手になったからにはもっと上を目指さないと。もちろん、ずっと緊張しっぱなしでキツイ時もあるし、平和な人生もいいなぁと感じることもあります。無い物ねだりです(笑)。
けど、刺激がある生活ができて、ファンの方から応援してもらえて。普通の生活を送ってたら応援してもらうなんてないじゃないですか。それに、1着を獲ったり勝った時の喜びって苦労してる分大きいんですよ。優勝した時以上の喜びって他に無いんです。心の底から嬉しい事。他に無い!
AKI:おぉ!それは天職だと思いますよ!
吉原:今は良くないですけどね、本当に(笑)。
AKI:けど、ここを乗り越えたらもっと上が見えてくるんじゃないですか?
吉原:そうだと信じてやっていきます。ここまできたらA級になろうがなんだろうが、また頑張って上がればいいやと思って。心は折れますけど(笑)頑張ります。後輩も入ってきて恥ずかしいレースはしてらんないです。
AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
吉原:オッズパーク会員という事はギャンブルが好きな方ばかりだと思います。8車ある中で1人でも買い目が固定できたら車券が買いやすくなると思うんです。「この人なら連に絡んでくれるだろう」と思ってもらえる選手になれるようなりたいです。頑張ります。応援よろしくお願いします。
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。