2020年10月14日開催のGII若獅子杯争奪戦(山陽オート)に出場する松尾彩選手。2019年10月の練習中に怪我をして2020年1月末に復帰。復帰後は上手く走れない日々が続きました。ですが怪我に負けず、目標に向かってオーバルに立ち向かう山陽オートの宝、女子レーサー松尾彩選手を紹介します。
インタビュー / 内野久照
内野:まず始めに身長・体重をお聞かせ下さい。
松尾:157cm41kgです。太りたいのですがなかなか増量しないです。
内野:色々と質問していきますね。出身は?
松尾:福岡県太宰府市です。
内野:小さい時はどんな子供さんでしたか?
松尾:育てにくい子供だったと思います。負けん気が強く、親にも態度で反発していました。我が強くあまのじゃくでした。
内野:これまではどんなスポーツをやってきましたか?
松尾:小学校の時はミニバスです。中学校ではソフトボール。高校ではバスケットです。
内野:前職は何をされていましたか?
松尾:車のディーラーで働いていました。少しの間ですが整備もやらせて頂きました。
内野:一般企業からの転身。きっかけは?
松尾:仕事のやりがいはありましたが「ずっとこのままでいいのかな」と思うようになり何か刺激が欲しいなと思いました。
内野:オートレースとの出会いを教えてください。
松尾:ボート選手になりたくて何度も受験しましたが不合格。
SNSでオートレースの存在を知りました。
内野:オートレースを見た事はありましたか?
松尾:なかったです。選手試験を受けることを決めて、初めて飯塚オートへ観戦に行きました。とにかく迫力が凄かった。選手が格好良かった。初めてだったのではっきりと印象に残っています。金網の向こう側に行きたい。見られる側になりたいと強く思いました。
内野:大きな決意があったのですね。
松尾:年齢的な事を考えて1回受けてダメだったら諦める覚悟で挑みました。だから絶対に選手なると決意してオートレーサーを目指しました。
内野:新たなる挑戦にご両親は?
松尾:応援してくれています。だから親には感謝しかない。これまでいつも何か言われる度にブスっとした態度で接していたので申し訳なかったです。だからこれから恩返しがしたいですね。
内野:デビューして順調に来ている中での怪我がありましたが。
松尾:はい。昨年の10月14日前検の練習でした。16時ころです。
その節はA級B級戦でした。絶対に優勝戦に乗ってやるという気持ちで意気込んで前検を迎えたのですが...。
内野:診断が下された時は?
松尾:左ひじの骨折、それと左足の靭帯を怪我しました。診断結果が全治2ヶ月でした。
聞いた時は「えっ!泣きそう」でした。
内野:復帰が2020年1月30日でした。
松尾:復帰後はまったく乗れませんでした。乗れないまま引退するのでは、と気持ちもダメな方向に進みました。周りは前みたいに「乗れるようになるよ。大丈夫よ」と励ましてくれましたが、乗れない日々が続きました。
もちろん悔しい気持ちはありました、が苦しくて辛い日々でした。3ヶ月くらいは悩み続け追い込まれていましたが、周りの皆さんのおかげで「やるしかない、考えていても仕方ない」と開き直る事ができました。
内野:師匠は佐々木啓選手(山陽:23期)。師匠とお会いしたのは?
松尾:佐々木選手との初めての出会いは養成所でした。
お会いした瞬間、この人に教えてもらいたいと思ったくらいです。
まさか私が弟子になれるとは思っていませんでした。凄く嬉しかったです。
内野:佐々木選手の教えは?
松尾:「まずは立ち上がりを決めろ」です。おのずとコースが良くなってくる。そうなると1級車に繋がると教えて頂いています。
内野:レース場でのスケジュールを教えて下さい。
松尾:5時40分起床です。6時にロッカーに降りて出走表配りと、ロッカーの掃除をします。主にタイヤのカス取り。6時40分頃から自分の事を始めます。
内野:休みの日は何をしていますか?
松尾:休みの日はとにかく寝ています。2日間ほど寝ているかも
内野:家でのトレーニングは?
松尾:家では筋トレをしています。腕立て伏せや、体幹トレーニングをやっています。
内野:今の目標は?
松尾:目標は増量ですね(笑)。体重が軽い影響でコーナーへの突っ込みが決まらない。今は立ち上がりから伸びる車にしてもらっている。自分的には太りたい。レース展開を作る為には突っ込みが必要です。45kgが理想ですね。今は41kgです。
内野:太宰府市出身ということでお聞きします。おすすめスポットは?
松尾:もちろん太宰府天満宮です。
内野:太宰府天満宮といえば梅ケ枝餅です。どこのお店がおすすめですか?
松尾:「かさの家」が美味しいです。
内野:飲食店はどこがおすすめですか?
松尾:水城らあ麺(福岡県太宰府市水城)です。ラーメンはもちろんですがちゃんぽんも美味しいです。
内野:好きな男性のタイプは?
松尾:タイプはないのですが...。私は雰囲気で人の事を好きになります。
内野:芸能人では誰がタイプですか?
松尾:木村拓哉さんです。格好いいですよね。
内野:賞金で買った大きな物はありますか?
松尾:賞金で大きな物は買っていません。1級車を一括払いするために今は貯金しています。
内野:1級車の練習が始まりましたね。
松尾:はい、直線の伸びが凄いです。まだコーナーは掴めていません。
内野:今はどんな練習を行っていますか?
松尾:大きいコースはもちろんですが小さいコースも走れるように練習しています。
とにかく上手く走りたい。そのレースそのレースで展開があるので対応出来る技術を身に付けたいです。
内野:2021年1月から1級車。車名は決めていますか
松尾:「ソアレ6」に決めています。今は「シエル6」
内野:6のこだわりは?
松尾:ミニバス時代の背番号に関係しています。キャプテンが4番で副キャプテンが5番でした。この2つは決まっている背番号。6番からは毎回試合ごとのレギュラーに渡される番号です。6番は実力があり上手いと認められた選手に渡される番号なので6番には執着がある。
内野:2級車のシエルとは?
松尾:シエルはフランス語で「空」です。空が大好きです。
青い空が好きですね。空はどこまでも繋がっているから大好きです。
ふとした時に空を見上げて自分ってちっぽけだなと思います。
内野:ソアレは
松尾:ソアレはルーマニア語で「太陽」です。
2級車のシエル、大きな空の中で1級車ソアレ、太陽が輝き続けるということです。
自分を持ち続けて行きたい。こだわりを持って目標にチャレンジしたいです。
内野:2級車でのレースは12月までとなります。
松尾:復帰してからは一度も準決勝戦に乗っていませんが2級車で初優勝を決めたいと思っています。そして何としても初優勝したいです。
内野:ライバルは?
松尾:レースで走るメンバー全員がライバルです。
内野:同期はどのような存在ですか?
松尾:助けてくれるし、切磋琢磨できる大切な存在です。
内野:意識している同期は?
松尾:上和田拓海(川口:34期)選手と、川口裕司(飯塚:34期)選手と同ハン30m前に行きたいですね。
内野:座右の銘を教えてください。
松尾:「結果に出ない努力はしていないのと一緒」何事も結果が全てです。
内野:大切にしている言葉はありますか?
松尾:師匠に「速くなりたい。速くならせて下さい」と何度も言う中で、師匠から「速いだけじゃなく上手い選手になれ」と言われました。いつもこの言葉を意識しています。
内野:オートレースの魅力は?
松尾:レース道中の競り合い。何といっても抜きつ抜かれつですかね。
内野:夢は何ですか?
松尾:師匠の佐々木啓選手と優勝戦に出場する事です。
斡旋が同じ開催の時は師匠に「優勝戦で会いましょう」と言うと「予選突破をしてから言え」と鼻で笑われていますが「でも口に出す事はいい事だ」と言ってくれました。
内野:夢の対決はどっちが勝つ?
松尾:もちろん私が勝ちます。師匠は「負けたら選手を辞める」と言っていました(笑)。
内野:ぜひ夢に向かって頑張って下さい。オッズパークを御覧の皆様へ、メッセージをお願いします。
松尾:自分はスタートに自信があるので、10m後ろの選手に食われない様にしたい。
たとえ食われても粘り強くレースが出来るように頑張ります。
これからも応援よろしくお願いします。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。