つづいて、新名古屋競馬場について関係者の方々にお話を伺いました。
まずは実況を担当している畑野謙二アナウンサー。
「実況席は3階になり、以前よりもゴール板が近い分、実況しやすくなりました。1500mのスタートは遠いですし、これまでとは違う面も多々あるので試行錯誤しているところです。レース傾向は直線が長くなった割には逃げ切りが多いなという印象です。まだ馬場の状況も安定していないですし、ジョッキーたちも手探りだと思いますから、今後どういう傾向になっていくか注意深く見て行きます」
実況席から撮らせていただいたコースの様子。
今年キャリアハイのペースで活躍している加藤聡一騎手。
「施設はとてもキレイですし、コンパクトにまとまっている分、動線的にも動きやすいですね。ただ馬場が本当に難しいです。昨日(11日)の途中までは外が使えたんですが、今はとにかく逃げたもん勝ちの馬場になっていて、また雨が降ったらどんどん変化していきそうです。毎朝調教でも使いますから、馬場状態をしっかり見極めて挑みたいと思います」
今年の1月1日に怪我からの復帰を果たした木之前葵騎手。
「復帰の時は、ここまで長く休んだことがなかったので、勝ち方を忘れたらどうしようと不安もありましたが、復帰戦で勝つことが出来て良かったです。新しい競馬場はすごくキレイで使いやすい面も多いですね。ただ馬場が本当に難しいです。初日(8日)は内が重いということだったんですけど、2日目(11日)に岡部(誠)さんが内を使っていいレースをしたので、そこからはみんな内に行き出して。岡部さんはやっぱりすごいなと思いました。競馬場への移動がなくなった分、自由に使える時間が増えましたし、これまで以上に入念にストレッチをしてレースに向かっています」
東海の帝王・岡部誠騎手は13日現在110勝を挙げて全国リーディングトップを走ります。私が取材した日(12日)にはなんと1日5勝を挙げていました。
「以前の競馬場が終わってしまうというのは淋しい気持ちもありましたが、新しい競馬場の開催が始まったら、とにかく馬場や傾向のことばかり考えていますね。最初は内が重いということで空けて走っていたんですけど、朝調教でも乗ってみて、本当に内は使えないのか自分なりに考えました。それで2日目(11日)の1レースになったわけですけど、みんなが外を走るのに1頭だけ内を走るのは勇気が要りますよね。それでも冒険して結果を出せてよかったです。ただ、それからは内に殺到するような競馬で、逃げれば勝つというような流れになりました。それでは見ている方はつまらないですから、馬場管理をして下さる方々とも話し合いしながら、より良い馬場作りが出来たらいいなと思います。新しい名古屋競馬も、ファンの皆さまに楽しんでいただけるよう頑張ります」
12日は12レース中11レースが逃げ切り勝ちという極端な馬場でしたが、翌13日は差しも決まっていました。まだまだ馬場の傾向を掴むのは難しいですね。
しばらくは前半のレースで岡部騎手がどこを通るのか、勝ち馬はどんなレースをしたかをしっかりチェックして、後半のレースに挑みたいと思います。