日曜日に府中競馬場で行われた、『フェブラリーステークス』。
今年最初のJRAのGIということで、寒い中でも熱い盛り上がりを見せました♪
今年は芝路線を歩んできた【カレンブラックヒル】が1番人気、明け4歳の新星【イジゲン】が2番人気に支持される中、勝利したのは『ジャパンダートダービー』の覇者、【グレープブランデー】でした!
浜中俊騎手
「GIというタイトルが獲れて本当に嬉しいです。
去年、僕自身GIでふがいないレースが続いていたし、結果を出せたことにホッとしています。
前回乗った時よりも全然感じが違って、返し馬が終わった後に厩務員さんとも昔と全然違うと話していました。
体と気持ちが上手くかみ合っていたし、良い精神状態でしたね。
年齢もキャリアも重ねて、馬が頑張って来た証でしょう。
今日のレースは、もう少し後ろになるかと思ってたけど、ゲートをポンと飛び出してくれて、思ったよりもう一列前のポジションになりました。
ペースもそんなに速くなかったし、いいポジションでしたね。
直線は怯むこともなかったし、徐々に外に持ち出して逃げている馬を捕えてくれ、という気持ちでした。
今までだったら僕が慌てていたと思うけど、去年重賞もたくさん経験したし、GIで失敗もしたし、その経験があったから今日は落ち着いて誘導出来たと思います。
ダートのチャンピオンにもなったし、骨折からも立ち直った。
こういう馬は強いと思います!
僕自身は、去年は年末にかけて初リーディングが懸かっていて、いらない気持ちが入っていたせいか、GIで人気馬に乗せてもらっても結果が残せませんでした。
今日は気負いもなくレース前も冷静でいられました。
勝つ時は上手くいくものですね。
すべてが上手くかみ合わないと、GIは勝てないということを今日実感しました」
安田隆行調教師
「最高です!
蹄骨を骨折してブランクがあったんですが、その期間を肥やしにしてすごく良くなってくれました。
復帰してから、『みやこステークス』や『JCD』は、まだハリがなく毛づやもパッとしなかったんですけど、年が明けて一気にパンとして良くなりましたね。
ただ、輸送で体が減る馬なので、その辺りに注意して調教を進めました。
水曜の追い切り後に体重を計ってみてぴったりだったし、万全の態勢でレースに臨むことが出来ました。
今日はいいスタートが切れて、4番手にいた時はちょっと早いのかなとも思ったんですが、浜中くんが上手く馬をなだめてくれて、直線で外出した時には行けるかなと思いました。
ゴールした瞬間は...鳥肌が立ちました!
この馬には大井の『JDD』も勝たせてもらったし、いい想いばかりさせてもらってます。
本当に頭が下がりますね。
うちの厩舎には【トランセンド】という素晴らしい馬がいたんですけど、いい後釜になってくれました。
距離から言えば、『JCD』の方が合っている気がするので、秋も賑わせてくれる実力を持っていると思います。
この後はドバイのゴドルフィンマイルに登録してるんですけど、輸送に課題がある馬なので、オーナーとじっくり相談して決めます。
関東でも10キロは減るんでね、海外となったらもっとでしょう...
体は逞しいんですけど、すごく繊細な面があるんですよ。
その辺りも、だいぶ成長してくれましたけどね。
とにかく、無事に走ってくれればと思います」
『JDD』で圧倒的な輝きを放っていた【グレープブランデー】が、ついにダートの頂点に立ちました!!
骨折休養明け後はなかなか力を出し切れなかったけれど、使いつつ調子を上げて、今回のパドックでは黒光する体で、一歩一歩を大きく踏みしめている姿がとても印象的でした。
ダート界は一気にスターホースが引退してしまいましたが、新たなスター誕生です☆
そして2着は、9番人気という低評価を覆し、王者健在をアピールした【エスポワールシチー】でした!!
松岡正海騎手
「勝ったと思ったのに...悔しいです!
具合上がって来てたし、この馬は早め早めの強気の競馬がいいと思ってて、予定通りのレースが出来ました。
悔しいですね...。でも、勝った馬の脚はすごかったです」
3着は7番人気と、こちらも低評価を覆した【ワンダーアキュート】でした!
和田竜二騎手
「テンが速くて、出して行ってあの位置に付けることが出来ました。
ただ、直線カベだったんで、その分伸びきれなかったですね。
スムーズだったらな...。
この馬は本当に崩れないし、力のあるところは見せてくれたと思います」
4着【セイクリムズン】
藤岡祐介騎手
「出来がすごく良かったですね。
枠順生かしてロスなく立ち回ることが出来ました。
直線も馬群を縫ってよく伸びてくれたんですけど...
馬券に絡めず悔しいです。
聞いていたよりも折り合いもいいし、まだまだやれる馬ですよ」
5着【シルクフォーチュン】
藤沢則雄調教師
「距離は1400mがベストですね...
横山ジョッキーが上手いこと乗ってくれたけど、最後50m~100mくらいは脚色が一緒になってしまいました」
6着【マルカフリート】
福永祐一騎手
「馬は仕上がっていたので、スタートだけ気を付けて乗りました。
イメージ通りのレースが出来たし、よく頑張ってくれたけど、あと50mのところで力尽きました...」
7着【テスタマッタ】
岩田康誠騎手
「今日は自分の進路選定ミス...
セイクリムズンの前に入れる時が何秒かあったのに、そこが分かれ道でした。
まだまだ走るし、衰えはないです」
8着【ダノンカモン】
ウィリアム・ビュイック騎手
「日本のダートは、やはり内から来る馬が有利。
いい位置が取りたかったけど、行くことが出来ませんでした。
あの位置からだと、もう外を回るしかない。
一番の敗因はそこだと思います」
9着【ナムラタイタン】
太宰啓介騎手
「ポジション的には理想通りだったけど、4コーナーで少し押される場面もありました。
それにしても、もうちょっとやれると思ったんだけど...」
10着【ガンジス】
内田博幸騎手
「まだ若いし、こういう風に壁にぶつかってまた成長してくれると思います。
この馬の力はこんなもんじゃないですよ」
1番人気に支持された、【カレンブラックヒル】は15着に...
秋山真一郎騎手
「ゲートの中でよこに暴れる馬がいて、その影響で突進した後下がった時に扉が開いてしまいました。
位置を取りに行った分、脚を使っているので...
この馬の持ち味である、スピードを生かしてのレースをして負けたわけではないので。
ダートの適性まではわからないです。
ただ、人気にもなっていたし、申し訳ないです」
今年の『フェブラリーステークス』は、初ダート組や新興勢力の参戦で、本当に豪華なメンバーでの戦いとなりました。
結果的に、上位に来た馬たちがダートグレードで活躍している馬たちだったので、ここでも中央と地方の繋がりを見せてくれたなと、嬉しく思ったのでした。