今年の天皇賞・秋は天覧競馬ということもあり、さまざまな催しが行われました。
その中の1つが、相馬野馬追とチャグチャグ馬コ。
天皇賞の本馬場入場後に馬場を行進し、大きな注目を集めました!
そしてその先導役を務めたのが...地方競馬教養センター騎手課程の、鈴木麻優候補生。
レース直前の高揚感が高まる中、たくさんのファンを前に笑顔で手を振る姿は、本当に堂々としていてかっこよかったです!
見事に大役を務め終えた麻優ちゃんに、お話をお聞きしました。
赤見:大役お疲れ様でした!すごくいい笑顔でしたよ。
麻優「ホントですか?実際はもうガチガチでした。ものすごくたくさんのファンの方がいたし、歓声が上がると馬が緊張して固くなるので、ついつい真顔になってしまいました(笑)。
3分くらい前までは全然緊張してなくて、チャグチャグ馬コと遊んだり写真撮ったりしてたんですよ。
でも衣装着て馬に跨ったら一気に緊張して。
天皇皇后両陛下もいらっしゃって本当に緊張しましたけど、被災地のことを忘れないで欲しいというアピールが出来たんじゃないかって思います」
赤見:初めてこのお話を聞いた時は、どんな気持ちでした?
麻優「最初は何の事だかよくわからなかったんです。先生からじっくり教えてもらって、重要な役目なんだな、被災地の想いを背負って頑張んなきゃなと思いました」
赤見:麻優ちゃんは宮城県気仙沼出身ということで、震災の時は本当に大変な想いをしたそうですね。
麻優「ちょうど次の日が中学の卒業式で、早めに学校から帰って来ていたんです。
家の前がすぐ海で、家は全壊してしまいました。
津波が来た時は、ひいお祖母ちゃんが家の中にいるのに気づいて助けに行って、みんなで山に逃げたんです。家は全壊してしまったけど、家族はみんな無事でした。
地方競馬教養センターの受験に落ちていたし、もうジョッキーになりたいとかあまり考えられなくて、夢がなくなりかけていました。
でもお母さんが乗馬クラブに連れてってくれたりして、もう1度夢を取り戻すことが出来たんです」
赤見:そして2回目の受験で見事合格したんですね!
麻優「はい!実は私、運動が苦手だったんです。かけっことかもビリだったり...。
体力がなくて1回目は落ちてしまったんですけど、そこからトレーニングを積みました」
赤見:センターでの生活は辛くないですか?
麻優「訓練がとにかく辛いです。馬をコントロールするのは本当に難しいですね。
それに3週間前に坐骨を骨折してしまって、しばらく馬に乗れなくて天皇賞の前日に久しぶりに跨ったんです。
やっぱり、馬の上はすごく気持ちいいです!
今週もう一度検査したら、第二回技能審査が待っているので頑張ります!」
赤見:それに合格したらいよいよ競走訓練ですね。
麻優「同期はもうみんな競走訓練に入っているので、私も早くやりたいです。
同期の中では女子1人ですけど、みんな仲良くて、訓練や授業以外では笑ってばかりいるんです」
赤見:同期のみんなと共に1年半後のデビューを目指すわけですが、具体的にはどんなジョッキーになりたいですか?
麻優「私は父が競馬好きで、一緒に競馬を見ている時にドリームジャーニーと池添騎手のレースに感動したんです。
その時は大阪杯だったんですけど、その後に有馬記念を勝って池添騎手が泣いていて...。
本当にものすごく感動しました。
私も人を感動させることが出来るジョッキーになりたいって思ったんです。
だから、見ている人を元気に出来るような人になりたいですね。
東北にいっぱい人を呼べるように、池添騎手みたいな熱い気持ちを持ったジョッキーになりたいんです」
赤見:では、競馬ファンのみなさんにメッセージお願いします。
麻優「もしよかったら、私がプロになったら水沢競馬場に見に来てください!一生懸命頑張ります!!」
今日は盛岡競馬場で、3歳3冠の第2戦『不来方賞』が行われます!
*28日盛岡 10R不来方賞 2000m 15:30発走*
ここは岩手ダービー馬【アスペクト】の復活に期待しています。
2歳の頃からあぶれるスピードで素晴らしい力を見せてくれていた馬。
岩手ダービー『ダイヤモンドカップ』後は、いまいち成績が振るいませんが、それぞれの敗因を探ってみると、大きく評価を落とすことはないと感じます。
古馬相手の『みちのく大賞典』は逃げて10着と惨敗でしたが、もともと右回りの水沢では結果を出していません。
続く『マーキュリーカップ』は中央の一線級が相手。
そして新潟『レパードステークス』も、初の新潟遠征&強力なメンバーの中で戦いました。
約2か月間隔が開いた前走は、得意の盛岡の舞台で失速とここがちょっと気になるところですが、久しぶりであり、古馬A級に入っての戦いだったことを考えると、巻き返す力は十分あると思います。
『ダイヤモンドカップ』で3着以下を大差に離したもう1頭が【ロッソコルサ】。
【アスペクト】とは対照的に、岩手ダービー後も順調にキャリアを積んできた印象です。
特に前走『青藍賞』では、【カミノヌヴォー】相手に息詰まる叩き合いを演じ、頭差まで追い詰める素晴らしいレースを見せてくれました。
負けはしたものの、この馬自身の高い能力を示してくれましたね。
舞台を盛岡に替えての勝負ということで【アスペクト】の巻き返しに期待しましたが、ここまでの力としては【ロッソコルサ】の方が存在感を見せている感じです。
『ダイヤモンドカップ』の時のように、2頭が後続を引き離しての一騎打ち...という展開を期待しています。
◎5、アスペクト
〇12、ロッソコルサ
▲7、ラブミーアゴー
△9、トーホクアロー
今日は門別競馬場で、2歳牝馬重賞『エーデルワイス賞』が行われます!
*25日門別 11Rエーデルワイス賞 1200m 20:00発走*
地方勢もかなり結果を出しているこのレース。
コースの特徴としては地方競馬の中でも、盛岡・大井外回りと並んで大きな1周1600mですから、初遠征でもコーナーに戸惑うことは少なそう。
気になるのは、やはりこの時期の2歳牝馬の長距離輸送、初めてのナイター競馬というところ。
パドックでの様子や馬体重の増減はチェックしたいですね。
さらに、現在の門別は砂の深さが12㎝。
9㎝で開催しているJRAと比較すると3㎝も違います。
この辺りのポイントが、地元馬にとってのアドバンテージになるのでは、と考えて...
注目したのは北海道の2頭です!
まず1頭目は【シーギリヤガール】。
ここまで4戦3勝で、負けた1戦は初の芝だった函館2歳ステークスのみ。
さらに、JRA挑戦2戦目の『すずらん賞』では、内で我慢して直線突き抜ける強い内容で勝利。
能力の高さ、そして経験をすぐに力に変える素質を見せてくれました。
今回の相手関係を見てみると、JRA勢は『すずらん賞』で下している【レディー】が筆頭格。
これまでの経験値や、芝ダート問わないレースぶりを見ていると、上位は揺るがないのではと思います。
もう1頭の注目が【ハニーパイ】。
1000mでしか勝ち星がありませんでしたが、前走の『フローラルカップ』は逃げ粘って2着を確保。
初の1700m戦で新たな一面を見せてくれましたね。
他の馬たちの出方次第で逃げてもいいし、2番手でもOK。枠は少し外目でも全く問題ないでしょう。
あふれるスピードで押し切るようなレースを期待しています。
前走ダート替わりで競馬ぶりが一変した【ヴェントス】、新馬勝ちしてOPで戦って来た【レディー】、前走初の芝挑戦した【グランデタマ】まで。
◎4、シーギリヤガール
〇10、ハニーパイ
▲8、ヴェントス
△5、レディー
☆2、グランデタマ
19日、佐賀競馬場で行われたSJT最終決戦!
12名のトップジョッキーたちが熱い戦いを繰り広げました!!
後列左から、
五十嵐冬樹騎手・北海道 村上忍騎手・岩手 森泰斗騎手・船橋 戸崎圭太騎手・大井 真島大輔騎手・大井 吉田晃浩騎手・金沢
前列左から、
戸部尚実騎手・愛知 尾島徹騎手・笠松 三村展久騎手・福山 岡田祥嗣騎手・ワイルドカード優勝・福山 赤岡修次騎手・高知 山口勲騎手・佐賀
今年は高知のワイルドカードから始まって、第1ステージの大井で戦い、上位12名が決まりました!
そしてここまでの成績は、
1位:山口勲騎手 33P
2位:戸崎圭太騎手 25P
3位:三村展久騎手 21P
4位:森泰斗騎手 18P
5位:五十嵐冬樹騎手 18P
6位:戸部尚美騎手 17P
7位:吉田晃浩騎手 12P
8位:岡田祥嗣騎手 12P
9位:尾島徹騎手 8P
10位:赤岡修次騎手 7P
11位:真島大輔騎手 6P
12位:村上忍騎手 6P
となっています。
第1戦は、外枠から真島騎手・三村騎手が積極的に引っ張る展開に。
真島騎手は地元佐賀出身ですから、特別な想いでの騎乗となったのではないでしょうか。
1番人気馬に騎乗の戸部騎手が3番手、内に山口騎手が続きます。
4コーナーで三村騎手がハナに立つと、外から戸部騎手が馬体を併せる形に。
2頭の激しい叩き合いは、ゴール前に戸部騎手がクビ差でねじ伏せました。
なんとしても勝ちたいという2人の騎手のぶつかり合い、本当に見ごたえがありました。
こうなるともう、直線が長いとか短いとか関係ないですね。
気迫がほとばしっていて、とてもいいレースでした。
1着:戸部尚実騎手
2着:三村展久騎手
3着:村上忍騎手
4着:赤岡修次騎手
5着:山口勲騎手
最終戦を残して、ここで上位のポイントは...
1位:山口勲騎手 43P
2位:戸部尚実騎手 37P
3位:三村展久騎手 36P
4位:戸崎圭太騎手 26P
5位:五十嵐冬樹騎手 21P
5着に入った山口騎手が依然トップ、勝った戸部騎手が一気に2位へ。
2位だった戸崎騎手は11着で1ポイントしかプラス出来ませんでした。
最終戦は、じわっと戸崎騎手がハナへ、1800mということで落ち着いた流れで進みます。
2周目の向正面に入ると、後続馬の手が動き出して隊列が詰まって来ましたが、戸崎騎手は持ったままで手ごたえ抜群の様子。
3コーナー手前で内から動いたのが五十嵐騎手。戸崎騎手の内から馬体を並べ、先頭を行く2頭が後続を突き離しました。
直線を向いた所で戸崎騎手が追い出すと、グングン五十嵐騎手を突き離してゴールへ。
2着は粘った五十嵐騎手、3着は追い上げた吉田騎手でした。
1着:戸崎圭太騎手
2着:五十嵐冬樹騎手
3着:吉田晃浩騎手
4着:森泰斗騎手
5着:三村展久騎手
暫定1位だった山口騎手は7着という成績。
ポイントを加算した結果、上位結果はこちらです↓
1位:山口勲騎手 47P
2位:戸崎圭太騎手 46P
3位:三村展久騎手 46P
ということで、大接戦の結果、暫定1位だった山口勲騎手が逃げ切りVを飾りました☆
昨年は第1ステージの川崎で結果を出せず、第2ステージに進むことが出来ませんでしたが、今年は見事その無念を晴らしましたね。
2位戸崎騎手、3位三村騎手にとってはわずか1ポイント差という本当に惜しい内容でした。
まだまだ若いお2人ですから、次のチャンスをぜひとも掴んで欲しいです!!
今年のSJTも、大接戦の決着で本当にわくわくさせてくれました。
やはりWSJSへのたった一枚の切符を懸けた戦いというのは、いつも以上に熱が入ります。
この戦いを制した山口騎手が、本番でどんな騎乗を見せてくれるか楽しみですね。
WSJSは、11月24日・25日、東京競馬場で行われます!!
さぁいよいよ明日はSJT最終戦です!
展開や位置取りなど読みがかなり難しいジョッキーレース。
普段後ろから行く馬でも、先入観のないジョッキーが乗るといきなり逃げたりするものです。
先行超有利の佐賀競馬場で、熱いバトルが繰り広げられそうですね☆
その辺りの予想が難しいですが...まずは第1戦から展望していきましょう。
*19日佐賀 10R シルバーブーツ賞 1400m 16:00発走*
ここは大外枠に入った、三村展久騎手【ウィッシュボーン】を本命にします!
中央未勝利からやって来て、佐賀で2勝を挙げ再び中央入り。
6戦戦って再び佐賀に戻って来ると、現在まで6戦5勝2着1回というパーフェクトな成績です。
前走のヤングジョッキーレースでも好スタートを決めて、余裕たっぷりの逃げ切り勝ち☆
カギは先行争いになりそうですが、大外枠はかえってよかったんじゃないかと思います。
ロケットスタートならそのままハナに行けばいいし、内で主張する馬がいれば番手でもいい。
内や中で変に揉まれることもないし、ここはスンナリ先手を取って連勝を重ねて欲しいです。
騎乗するのは福山の若武者・三村展久騎手。
大井競馬場・第1ステージにて。
現在3位につけている三村騎手。これまで一度も中央競馬に遠征したことがないそうです。
「とにかく行ってみたいですね!行ってみないと、中央はこうだとか地方はこうだとか何も話も出来ないし。
今回のSJT出場騎手の中でも、ほとんどの騎手が中央で乗ったことあるでしょう。
とにかく僕も、一度乗ってみたいです!!」
所属する福山競馬場では、これまで中央に挑戦したのは1頭のみ。その時の騎乗者は、ワイルドカード優勝を果たしSJTに出場している岡田祥嗣騎手。
「僕にとっては、SJTで優勝することが中央で騎乗出来る唯一のチャンスなんです。
去年は3ポイント差で同期の吉原が優勝して...。本当に羨ましかったですね。
今年は絶対優勝出来るように、悔いのないレースをして来ます!!」
佐賀競馬場は初参戦ということですが、三村騎手らしい大胆かつ落ち着いた騎乗を期待しています。
◎12、三村展久騎手【ウィッシュボーン】
〇2、山口勲騎手【シゲルパパイア】
▲10、戸部尚実騎手【シルキーフェスタ】
△11、真島大輔騎手【シゲルグアバ】
*19日佐賀 11R シルバーホイップ賞 1800m 16:40発走*
ここは戸崎圭太騎手が騎乗する、3歳牝馬【レコパン】に注目☆
今年は3歳戦で大活躍し、九州ダービー・栄城賞で3着に頑張った馬です。
その後は早々と古馬に混じって戦っているし、前走の勝ちっぷりを見てみても、まだまだ上のクラスで戦える器です。
対抗は南関東から再転入となる【シルキーカレント】。
佐賀は5戦5勝と圧倒的な強さを見せているので、転入初戦ということも気になりません。
騎乗するのは金沢の吉田晃浩騎手。
もともとは上山競馬場所属で、廃止後はフリーターをしていたこともある吉田騎手。
金沢で再び騎手デビューするため、一年間厩務員として過ごした苦労人です。
大井の第1ステージでは、2戦共に積極的な競馬を見せてくれましたから、佐賀競馬場でも攻めのレースを期待しています。
◎7、戸崎圭太騎手【レコパン】
〇3、吉田晃浩騎手【シルキーカレント】
▲6、三村展久騎手【カシノペンダント】
△12、山口勲騎手【カンファーバトル】
ここまで展望してみると、暫定1位の山口騎手がこのまま逃げ切るのかな...といった感じです。
佐賀で優勝を決めたら、地元ファンはすごく喜ぶでしょうね♪
大井競馬場・第1ステージにて。
ただ、ジョッキーレースの怖いところは、たった1戦着外になっただけでポイントが大きく変動すること。
2位の戸崎騎手、3位の三村騎手もいい馬に当たりましたから、逆転もあるかもしれませんね。
今年のWSJS出場権を手にするのは、どのジョッキーでしょうか。